平成26年度第5回柏市子ども・子育て会議会議録
1 開催日時
平成26年12月1日(月曜日)午後3時~午後5時15分
2 開催場所
柏市柏五丁目11番8号
介護予防センターいきいきプラザ2階 研修室
3 出席者
(1) 委員(敬称略)
小貫松江、川村敏光、西藤尚子、杉山智、鈴木美岐子、溜川良次、長澤真由美、那須美加子、野呂直子、藤本裕司、梶川尚美、満島章
(2) 事務局職員
秋山こども部長、高橋こども部次長(保育整備課長)、山口地域健康づくり課長、福島子育て支援課長、高橋こども福祉課長、宮島学童保育課長、成嶋保育運営課長、関口こども発達センター所長 その他10人
4 議事等
柏市子ども・子育て支援事業計画(素案)について
5 議事等(要旨)
午後3時、定刻になり開会
事務局による柏市子ども・子育て支援事業計画(素案)に関する概要説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。
質疑応答及び意見交換の主なものは次のとおり。
- 委員 資料1の17ページで、子どもには発達段階に応じた適切な環境が必要であるとしているが、同じように、親に対しては妊娠期からの切れ目のない支援が必要である旨を追記した方がよい。また、子育て中の保護者に寄り添うという姿勢も付け加えた方がよい。資料1の18ページについては、子ども・子育て支援新制度では、質の高い教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業を行うこととしていることから、施策展開の方向2には、支援体制を整えるだけではなく、質の高さについて盛り込んで欲しい。
- 委員 資料1の18ページの施策展開の方向の記述では、この計画が学童保育も対象にしていることが分かりにくいので、それが分かるようにして欲しい。
- 委員 資料1の3ページでは、計画の位置付けとして「主に小学校就学前子ども及びその保護者を対象とする」という記述があるが、学童保育との関係はどうなるのか。
- 事務局 子ども・子育て支援新制度として位置付けられている事業には就学前子どもを対象としたものが多いが、昨年度の議論でも出てきたように、その中に就学後の児童を対象とする学童保育が含まれている。そこで、3ページでは、「主に」と表現しているところである。
- 委員 学童保育も含まれているということが読み取れるよう、表現を工夫するということでよいのではないか。
- 委員 資料1の58ページに点検・評価について書かれているが、点検・評価は、施策への反映が翌々年度になってしまうことが多い。そのような形での実施を考えているか。
- 事務局 点検・評価については、具体的な方法は検討中である。今の指摘を踏まえ、点検・評価の結果を適切に反映できる方法を考えていきたい。
- 委員 資料1の58ページに計画の推進体制について書かれているが、内容が関連する審議会については、委員が重複するケースがあることから、場合によっては合同会議のようなものがあってもよいかもしれない。
- 委員 (資料2に関する説明)施策1-(1)に対する意見である。ニーズ調査でも明らかなように、柏市は、子育て環境に対する不満度が高い。平成21年の次世代育成支援後期行動計画の策定時の調査でも同様であった。自分自身も柏市に引っ越してきた際に、不便を感じたことがある。特に、地域子育て支援拠点事業については、利用者が少ないという状況があり、また、利用者のうち回数を増やしたいという人は少ないことから、満足度が高いとはいえないのではないかと思う。ニーズ調査の中では、遊び場や気軽に立ち寄れる場所が求められていることから、利用意向はある。しかし、利用されていないということは、保護者のニーズに合っていないためではないかと思われる。子どもたちの成長にとって欠かせない遊びと、親同士のつながりや相談機能などを提供できる場があれば、子育てに対する支援をしっかりとできるのではないかと思う。練馬区の大泉子ども家庭支援センターを見学したが、毎日平均50組の親子が来訪していた。また、ネットワークづくりや相談などが、そこを中心に非常に円滑に行われていた。利用者のニーズに応えるとともに、児童虐待の未然防止にもしっかりと関わっているという印象であったので、柏市においても、この機会に、市民が望んでいるものを新たに考えていくようにして欲しい。
- 委員 練馬区の施設を見学したが、大人用のソファーや雑誌など細かい配慮がなされているところが印象的だった。柏市でも、高柳児童センターなどよいところはあるが、他自治体のよいところを柏市の施設でも吸収できるとよい。また、その施設では、一時預かりを水曜日と日曜日に実施していた。日曜日に短時間でも一時預かりを利用できることで、夫婦間のコミュニケーションを取ることができ、子育てへのサポートが得られやすくなるのではないかと思った。
- 委員 小学生の遊び場という観点からも、柏市の児童センターは数が少ない。
- 委員 練馬区では、児童館や保育園など子育てをサポートする施設の連携がうまくいっていると感じた。何か困ったことがあったら、とりあえず電話してみようと思えるような雰囲気になっているという印象を受けた。また、出産時に家事や育児をサポートする「応援券」があり、各種メニューを無料で利用できるとのことであった。券は8枚配られ、ファミリー・サポート・センター事業も無料で利用できるので、その後の利用のきっかけにもなると思った。
- 委員 とりあえずここに、という場所があるかないかというのは、大きな違いだろう。また、その場所にはそれなりの人材がいて欲しい。
- 委員 0歳から3歳くらいまでは、在宅で子育てしている割合が高く、ローリスクへの対応が大事であることから、親子が気軽に集まれる場所は大変重要である。新制度の利用者支援事業なども、親子が集まれる場所で実施することによって、初めて機能するのだと思う。
- 委員 予算を投入すれば色々なことができるが、まずできること、あるものを、整理することが必要だと思う。地域には様々な場が既にあり、高齢者の力を得るという方向もある。柏市の保育園で地域子育て支援拠点事業を行っているところは多い。保育園は在園児の保育が基本であり、その他に一時保育等様々な保育事業を行っており、地域子育て支援拠点事業もその1つである。保育園は、保育士がいるということが1つの特徴である。つまり素人ではないということである。ただし、広さのことなど限界がある。やっている場所によって、できること、できないことがある。
- 委員 柏市の児童センターの状況はどうなっているのか。
- 事務局 児童センターは、大きく2つの機能がある。1つは、就学前の親子への支援であり、柏市の地域子育て支援拠点事業21か所のうち3か所が児童センターである。今年度は、児童センターだけでなく、地域子育て支援センターも含めた拠点事業全体で合同研修を初めて実施した。もう1つは、学童の居場所であり、学童保育や放課後子ども教室などとの関係を踏まえて、今後機能について考えていかなければならない。児童センターの職員は、児童厚生員と呼ばれており、保育士資格や教員免許を持っている者である。
- 委員 高柳児童センターの0歳児子育てルンルンクラブを手伝ったことがあるが、参加した保護者の評判もよく、児童センターの職員はよくやってくれていると思う。以前事務局から紹介のあった市民大学の現状はどうなっているか。
- 事務局 卒業生が「協働事業提案制度」に応募し、来年度から子育てネットワークづくりをテーマに、市と協働して活動を始める予定である。
- 委員 様々な人たちが様々な支援を行っており、そのことは資料1の27ページでも記述されているところである。しかし、それが有機的につながっていないという問題があるだろうし、情報が届いていないということもあるだろう。そこで、「これらの活動の活性化が望まれます」という部分を、様々な活動が有機的につながり、有効活用されるというような表現に改めてみてはどうか。また、児童センターの話のようなハード面の整備については、財政的な問題があるだろうが、親子の居場所や子どもの遊び場に対するニーズが高いことは事実であり、それを踏まえた整備や既存資源の有効活用を進めていくことが大事だろう。
- 委員 32ページの施策2-(1)は、「情報提供・相談体制づくり」というタイトルになっているが、体制づくりというよりも、前に進めていくという表現の方がよい。また、子育て家庭に対して情報提供をしっかり行うのはその通りだが、支援者や一般市民に対する情報公開についても触れた方がよい。そういったことが質の向上にもつながる。相談体制については、妊娠・出産期からの周知が大事である。
- 委員 乳児家庭全戸訪問事業は、初めての子育てで不安だったところに来てくれて、とても安心した。しかし1回だけである。次の機会は「母と子のつどい」になるが、間が空いてしまい不安だったので、回数が増えるとよい。
- 事務局 そのようなニーズがあることは認識しているので、検討していきたい。
- 委員 私の場合、どんな人が来るのか分からなかったので、逆に訪問を断った。子育て初期は不安定な時期である。生後半年くらいならば受け入れられるという保護者もいると思うので、訪問の電話確認を期間を開けて行ったり、回数を増やしたりなどの工夫があってもよい。
- 事務局 断られるケースは非常に多い。また、何度も電話連絡をすることで、逆に拒否感を強めてしまうようなこともあるなど、難しい問題である。
- 委員 私の場合は、大人と話したくて仕方なかったので、来てくれることが大変うれしかった。しかし、訪問自体はあっさり終わってしまったので、拍子抜けだった。
- 委員 保護者の受け取り方が様々なことが分かった。また、断る家庭の中にハイリスクのケースが含まれているかもしれない。だからこそトータルな支援機関のようなものが大事だと思う。
- 委員 いずれにしても、支援する側が寄り添っていくことが必要だと思う。ハイリスクも含めて、助けを求めている親子をいかに見抜くかというところが大事である。
- 委員 障害のある子どもへの支援に関連してだが、新制度に移行する幼稚園と移行しない幼稚園では、園における対応が異なってくるのかどうかを把握しておいて欲しい。
- 委員 55ページの幼保小連携に関する内容を、現場レベルでいかに実践していくかが大事になる。
- 委員 幼保小連携については、各地域の努力によって、とてもうまく連携が図られている地域があるが、新しい保育園が増えてきている状況があるので、しっかりとやらなければならないだろう。また、原則どおりにはいかないケースが多くあることを認識しておいた方がよい。例えば、障害のある子どもが3月に引っ越してきたような場合、どこもその子のことを分からないまま、小学校に上がることになる。そのような例外的なケースについても、考えておくべきである。なお、54ページに「施設等の事業者を対象に適切な指導監督等を実施し、質の高い教育・保育を提供します。」とあるが、異議がある。指導監督等を実施しても質の高い教育・保育はできない。質の高い教育・保育は、あくまでも事業者の努力によるものである。市ができることは、助言・援助ではないか。幼稚園は、質が高くなかったらつぶれてしまう。幼稚園教諭も保育士もみんなまじめなので、努力する。指導監査の際に文書を整えておくことがよい教育なのか。大いに疑問である。
- 委員 市の立場としては、指導監督を入れたいということだろう。
- 事務局 法律に基づいて行うものである。安定的に運営する能力があるかどうかや、施設としての基準を守っているかどうかなどをチェックするものであり、これをやらなければ、その先にある教育・保育の質を上げていくという話になっていかない。
- 委員 柏市としては認定こども園を増やしていきたいという方針とのことだが、指導監督という言葉を見ると、私学の独自性のようなものが無くなってしまうのではないかと思ってしまう。幼稚園事業者の中には、柏市が何を指導してくれるのか、という意見もある。
- 委員 指導監督等という言葉と現実に行われている指導監査は違うと思う。指導監査の主な目的は、最低基準を守っているかをチェックすることである。質の高い教育・保育を誘導することや、幼稚園教諭や保育士の質の向上は、指導監査の目的ではないが、指導監督には入ると思う。第三者評価などは、質の高い教育・保育の実現という目的が明確だろう。
- 委員 同じ保育園であっても、地域性や規模の違いがあり、保育の内容は園によって異なる。しかし、目的とすることろは同じである。資料の文章だと、指導監督を実施すると質の高い教育・保育になるというように読めてしまう。最低基準の部分と独自性の部分があり、保育所保育指針でも融通性は認められているところである。
- 委員 55ページの主な事業の年次計画において、「幼稚園教諭・保育士の質の向上等」の表の中に指導監督の実施が入っているが、「等」が入っているとはいえ、違和感を感じる。指導監督は「幼稚園教諭・保育士の質の向上等」の中ではなく、別立てにした方がよい。
- 委員 市立保育園父母の会連合会では、毎年1回保育園めぐりをしており、私立保育園にも行っている。今後の保育園めぐりのあり方を検討した際に、第三者評価的な要素があることから継続すべきという意見があった。外からの目が質を保つことにつながるということである。公立保育園を利用している者としては、私立よりも公立の方が安心感があった。しかし、私立保育園に行き、話を聞くと、そんなことはないということが分かった。
- 委員 一般市民はそう思っているだろう。努力はしているが、発信が弱かった。
6 その他
(1) 認定こども園の利用調整について
認定こども園の入園申し込みに係る利用調整の方法について、事務局から説明を行い、事務局提案の方法について出席委員の了解を得た。
(2) パブリックコメント等について
事務局から、柏市子ども・子育て支援事業計画(素案)に係るパブリックコメントの実施予定及び今後の会議開催予定を示した。
その後閉会
7 傍聴者
3人