平成26年度第4回柏市子ども・子育て会議会議録

1 開催日時

平成26年10月2日(木曜日)午後3時~午後5時15分

2 開催場所

柏市柏五丁目10番1号
柏市役所本庁舎5階 第5・第6委員会室

3 出席者

(1) 委員(敬称略)

小貫松江、川村敏光、西藤尚子、杉山智、鈴木美岐子、溜川良次、長澤真由美、中原めぐみ、那須美加子、野呂直子、藤本裕司、梶川尚美、満島章

(2) 事務局職員

秋山こども部長、高橋こども部次長(保育整備課長)、山口地域健康づくり課長、福島子育て支援課長、高橋こども福祉課長、宮島学童保育課長、成嶋保育運営課長、関口こども発達センター所長 その他6人

4 議事等

(1) 子ども・子育て支援事業計画の基本理念等について
(2) 学童保育事業の対象範囲拡大に伴う対応方針について

5 議事等(要旨)

午後3時、定刻になり開会

(1) 子ども・子育て支援事業計画の基本理念等について

事務局による資料の概要説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。
質疑応答及び意見交換の主なものは次のとおり。

  • 委員 (資料2に関する補足説明)柏市が行っている子育て支援の取り組みには感謝しているが、柏市には産婦人科がとても少ないので、気軽に相談できる感じではなかった。そういったところへの配慮があるとよいと思う。また、市立保育園父母の会連合会の中で出てきた意見として、保育園と認定こども園のカリキュラムの違いを不安視するものがあった。認定こども園では、幼稚園からの流れで、外部講師の予算が確保されているが、保育園にはないので、今後違いが大きくなるのではないかという不安の声である。個人的には、自分の身の回りのことや、座って話を聞くことが、小学校に入るまでに身に付いていればよいと思っている。子ども医療費助成制度については、中学校3年生まで拡大になったのはありがたいが、保護者が、学校でのケガなどについて、本来利用すべき日本スポーツ振興センターの保険を利用せず、子ども医療費助成制度を利用してしまうのではないかと危惧する。学校のケガであっても、300円の負担で済ませてしまうことが考えられる。いずれの制度も柏市が助成しているので、重複による無駄が出ないようにしなければならない。医療機関にも保護者にも周知をしっかりと行うことで、適切な利用につながり、所得制限を無くせるのではないかと思う。
  • 委員 (資料2に関する補足説明)気軽に頼れる柏市になって欲しいと思う。母親は、もっと声に出すべきだと思うし、柏市は、情報発信をもっとやって欲しい。
  • 委員 市として様々な取り組みをしており、情報発信もしているが、結果的としては、残念ながら届いていないという状況があるということだろう。
  • 事務局 日本スポーツ振興センターの保険は、医療点数500点以上のケガなどが対象となる。学校でのケガなどについては、日本スポーツ振興センターの保険を利用し、子ども医療費助成制度を利用しないよう、医療機関にも保護者にも注意喚起しているところである。また、利用してしまった場合には、相殺処理を行っている。なお、医療点数が500点以上になるかどうかは、最初の時点では分からないので、とりあえず子ども医療費助成制度を利用するという話をよく聞く。
  • 委員 この保険の話についても、保護者に情報がどう届いているかという問題があると思う。難しい問題ではあるが。
  • 委員 基本理念の中の「子どもの育ちと子育て」という部分が、分かりやすそうで、分かりにくい。例えば、「子どもの『育ち』と『育て』」としたらどうか。
  • 委員 核家族化等によって孤立化が進んでいることから、支え合いや社会的な支援が必要になっているという展開はよい。しかし、常日頃感じるのは、上の世代の知識や経験が生かされていないのではないかということである。近居が多いというデータもあるが、世代間の伝承がなされない世の中になってきたので、教わっていれば、あるいは見たり聞いたりしていれば防げたはずのことが、防げていないと感じる。また、祖父母にあたる世代が、自分が嫌われたくないということなのかもしれないが、言わない、伝えないということがあるのではないか。例えば、若い母親がハイヒールを履いて子どもをおんぶ、抱っこしているような場合、かつてはその親が注意したと思う。子どもを連れて居酒屋へ行き、夜9時過ぎまでいるような光景も目にする。以前であれば、この時期は我慢しなさいと止められたはずである。犠牲者は、子どもである。上の世代の責任として、伝えていかなければならないということを、基本理念の中に盛り込めないかと思う。ベビーカーを押して公共交通機関を利用することは、今では普通のことであるし、社会的にも受け入れるべきである。しかし、かつてであれば折りたたんでいたが、折りたたまず子どもを乗せたまま、親はスマホをいじっているということがある。それに対して誰も何も言わないが、祖父母であれば、子どもをあやすという大事な仕事を放棄していないか、と言うべきだと思う。伝えるということがなくなってしまったことによって、世の中が荒んでしまったのではないか。子どもの声がうるさいということで、保育園を訴えたという事例があるようだが、各世代が分かり合えていないことによる結果だと思う。私たちの世代がしっかりやってこなかったという反省がある。
  • 委員 高齢者への支援に目を向けがちだが、子どもから高齢者までいるのが世の中であるので、子どもにもより目をかけていかなければならない。小中学生の頃から、いずれ親になり子どもを育て、そして年老いていくということが頭の中に入っていることが大事だと思う。小学校では命の授業、中学校では父親・母親を体験する授業があるが、一部の学校で実施されている。できれば全ての小中学校で実施して欲しい。
  • 委員 ここまでの話で出てきたような状況だからこそ、若いお母さん方と地域のコミュニケーションが必要なのだと思う。それが子育て支援の基本なのだろう。学校における赤ちゃんとのふれあい体験については、全校でやらないともったいないと感じる。その一方で、西原地区の子育てサロンでは、夏休みに小中学生のボランティアに来てもらっているが、今年度は、応募者が多過ぎて断ったほどであった。保育園での職場体験なども含めて、色々なところで小中学生の体験活動を実施した方がよいと思う。また、施策展開の方向を考える上では、妊娠期から2歳くらいまでの、子育ての不安が大きい時期を重視した子育て支援というものを強調してもよいのではないか。
  • 委員 祖父母の世代が遠慮してしまっているという話についてだが、子どもの世話をせずスマホやゲームをやるのはよくないと思いながらも、大変魅力的であるのも事実だと思う。テレビコマーシャルなどはスマホやゲームのことばかりである。世の中が向かっている方向と子育てにおいて大事にすべきことが、反比例しているかのような状況がある。そういう状況については、誰もが肌で感じており、その中で注意するというのは難しいのかもしれない。世の中はスマホなどを使えと言っているのに、子育て中の親は使ってはいけないと注意するのは、ジレンマである。子どもの育ちを考えるほど、親が苦しくなるような状況について、計画の中で触れられればとは思うが、非常に難しい。
  • 委員 幼児教育の現場でも、泥んこ遊びを歓迎する親もいれば、よく思わない親もいる。デジタル文化の中にあって、子育てはアナログなものであるので、そのギャップをどう感じるかだと思う。
  • 委員 今のようなジレンマの話がある一方で、柏の葉のインターネット放送局の「笑って笑って子育てスマイル」という番組は、子育て中の母親たちが企画・出演している。母親に抱かれて一緒に出ている赤ちゃんがとてもハッピーな様子であるという話を聞いた。そういった事例からヒントが得られるとよい。
  • 委員 授乳中にメールをする母親がいるが、それをとんでもないことだという人がいる。一方、その母親からすると、授乳中しかメールができない、他の人とつながっている唯一の時間であるということになる。このようなギャップをどのように捉えるのかということだろう。また、新しいものを取り入れるときに、社会としてのコンセンサスがなかなかできにくいということもいえる。ベビーカーの話であれば、電車の中やエレベーターの中で、周りが受容する雰囲気がすぐにできるかどうかという問題である。そこで、質の高い教育・保育の提供ということでは、受容できる社会をつくることも、教育・保育に携わる事業者の責務ではないかと感じるところである。なお、命の授業の話があったが、各園の努力としてそれぞれやっていると思う。また、施策の最後に、教育・保育の質の向上に関することとあり、「研修」「幼保小連携」は当然のことであるが、ここに「指導監査」が入っていることには、違和感を感じる。自由闊達さが大事だと思う。
  • 委員 3歳くらいまで、親に対してきちんと支援があると、子どものその後の成長にとてもよいという研究結果の話を聞いた。虐待予防という観点からも手厚い支援は必要であると感じる。CAPの活動をしていて感じるのは、今の子どもたちは、「そのままでいいんだよ」「できなくてもいいんだよ」ということではなく、常に追いかけられているような環境にいるということである。親が思い込んでいることを、子どもに背負わせてしまっているように感じる。そうではないということを、子育て世代に分かってもらえるような環境を作っていく必要がある。「これができていない」というような否定する子育てではなく、「よくできたね」「ここまではできたんだね」というように肯定する子育てに転換していけるような関わり方が必要だと思う。また、地域が崩れてしまったということがよくいわれるが、地域をもう一度つないでくれる存在が子どもたちではないかと思っている。
  • 委員 子どもの最善の利益ということがよくいわれるが、先に生まれた大人がしっかり考えて行動しなければならないと思う。色々な葛藤がある社会の中でみんな生きているわけだが、そんな時代だからこそ、希望は子どもであり、未来への投資という言葉は非常に大事だと思う。そのような中で、「支える」という言葉の意味を、世代を超えて考えなければならないし、実践していかなければならない。その指標になるのが、子ども・子育て支援事業計画なのだと思う。そして、子どもは社会の財産なのだということを全世代が理解しておかないと、施策を実践する段階で、それぞれの立場で様々な意見が出てきてしまうという懸念がある。また、幼保小連携については、これまでも進めてきたところではあるが、子どもの健全な育ちということについて、お互いに共通の感覚で教育・保育にあたっているかといえば、必ずしもそうだとはいえないところもある。事業者としてさらに努力していかなければならないが、その中に、親育ちを支えるということも入ってくるだろう。
  • 委員 社会福祉協議会では生活資金の貸付を行っているが、手続きに来る方は、生活は苦しいがスマホは持っている。一方で情報が届かないという話もあり、そのあたりをうまくつなぐことができないのかと思う。また、進学等の貸付も行っているが、それを利用する家庭は、地域の中で浮いてしまっている状況がある。社会福祉協議会の職員、民生委員、生活支援課の職員との関わりだけになってしまっている。たまたまその家庭に生まれたということだけで、未来を制約されてしまうということについては、考えさせられる。子どもたちの未来については、しっかりと支える必要があると思う。
  • 委員 就学前と就学後が連動しないと、施策がぶっつりと切れてしまう。そうならないように、どのような子どもの像を作るのかがイメージとして湧くようなキャッチフレーズが必要だろう。
  • 委員 世代を超えてつながる仕組みということで、人間関係を豊かにすることは非常に大事だと思った。また、スマホについては、自分ではそんなに使っている感覚がなかったが、子どもや親から注意されたことがある。情報を得るためには必要だが、使い方については考え直さないといけないと感じている。
  • 委員 育児について教えて欲しいと思う反面、否定から入られると、きちんと聞く耳を持てず、ギスギスしてしまい、ひいては子どもにあたるなど、負のサイクルが出てきてしまうかもしれない。お互いを認め、思いやりのある対応をすることで、解決できることだとは思う。子育ての環境を整えるにあたっては、常に思いやりの気持ちを持つことが大事だと感じる。教育・保育の質の向上については、以前にも出てきたが、教育・保育に従事する人の労働条件を向上させることが、ひいては子どもの育ちに通じるのだと思う。30人の子どもたちをしっかり束ねている幼稚園の先生を見ていて、尊敬する反面、賃金は大丈夫なのかと心配になってしまう。賃金の問題については、柏市として一定の配慮をしていただければと思う。

(2) 学童保育事業の対象範囲拡大に伴う対応方針について

事務局による資料の概要説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。
質疑応答及び意見交換の主なものは次のとおり。

  • 委員 資料中の「児童の自立度(自ら考え行動できる力)に沿った取り組みも学童保育の役割の一つであり」というところは、まさにそのとおりであり、教育ということであろう。その内容や質が重要になってくるので、充実していただきたい。
  • 委員 入所要件等について、もうひと工夫していただけないかと思う。この日だけ使いたいというケースや、就労時間が短い家庭について、考慮していただきたい。うちの幼稚園で実施している学童保育は、来年の3月末でやめることとしている。理由は、小学生を預かるには幼稚園は狭すぎ、禁止事項ばかりになっているためである。
  • 委員 別の市の学童保育に行ったときの印象だが、子どもたちは、家で気を遣い、学校で気を遣い、そして学童保育で発散しているようだった。その状態が、子どもの本当の姿なのだろうが、職員は非常に困難な状況を抱えているのではないかと感じた。そこで、家庭、学校と学童保育の関係について、現状どうなっているのかということと、職員の状況について、教えていただきたい。
  • 委員 放課後子ども教室には、地域住民が関わっているということだが、自分が得意なものを生かしているということなのか。また、資格などが必要になるのか。
  • 事務局 発達に課題があったり、成育環境に課題があったりするようなケースについては、こどもルームの中だけで処理できるものではなく、また、処理すべきではない。家庭、学校と同じ考えを持って対応していくこととしている。校長・教頭も入って、対応を考えることもある。また、こどもルームが閉まった後の時間に、保護者と個別に面談するなどの対応も行っている。こどもルームは、マンパワーで成り立っている事業なので、様々な課題が出てきている中では、人を育てるということが大事になってくる。放課後子ども教室は、地域の様々な方に関わっていただくイメージである。子どもたちにとっても、様々な大人と関わることは、とてもよいことである。資格は特に求められていないが、今後の展開を考えると、子どもたちを上手に遊ばせる、子どもたちに遊びを楽しませる技術を含めて、基本的なところを理解していただけるような仕組みが必要だと考えている。
  • 委員 放課後子ども教室については、地域住民が子どもを見守るという考え方に合致するので、是非進めていっていただきたい。子育てというと、就学前のイメージがあるが、小中学生も手厚く見守っていかなくてはならない。親が入ることで面倒になることがあるが、地域の大人が関わることの良さがある。家庭とは違った刺激を子どもたちが受けることができる。
  • 委員 学校は地域との関わりがあるが、こどもルームと地域は、まだ関係が作れていないのではないかと感じる。地域住民の目が届くことが、質の向上にもつながるのではないかと思う。また、学校によって、こどもルームの定員オーバーが生じることについては、どのように考えていくのかを知りたい。
  • 事務局 今年度は、1年生が非常に増え、前年比15パーセント増であった。そのため、光ケ丘小学校では入りきらない状況になったが、学校の協力を得て、仮の保育室を学校内に作って対応した。そういった対応も含め、学校との連携が大事になるので、密な関係を作り、柔軟な対応ができるようにしたい。施設を新たに作るということになると、当然時間と費用がかかってくるので、柔軟な対応をしていきたいと考えている。
  • 委員 社会福祉協議会のボランティアセンターには、様々な経歴の方が登録されている。放課後子ども教室と連携できればと思う。

6 その他

事務局(子育て支援課)より、今後の会議開催予定等を示した。
その後閉会

7 傍聴者

4人