平成25年度第7回柏市子ども・子育て会議会議録

1 開催日時

平成26年3月18日(火曜日) 午後3時から午後5時10分

2 開催場所

柏市柏五丁目10番1号
柏市役所本庁舎3階 庁議室

3 出席者

(1) 委員(敬称略)

阿部和子、石田淑子、小貫松江、川村敏光、西藤尚子、杉山智、鈴木美岐子、溜川良次、長澤真由美、中原めぐみ、那須美加子、野呂直子、藤本裕司、古谷美知留、満島章

(2) 事務局職員

鬼澤こども部長、秋山こども部次長(保育課長)、山口地域健康づくり課長、高橋児童育成課長、高橋児童センター所長、福島こども政策室長、宮島こどもルーム担当室長、関口こども発達センター所長 その他6人

4 議事等

  1. 教育・保育提供区域について
  2. 量の見込みについて

5 議事等(要旨)

午後3時、定刻になり開会

(1) 教育・保育提供区域について

事務局による資料の概要説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。
質疑応答及び意見交換の主なものは次のとおり。

  • 委員 3区域と7区域のどちらが望ましいかを、市内の私立幼稚園にアンケートにより聞いた。すべての園が回答したわけではないが、3区域が望ましいとしたのが10園、7区域が望ましいとしたのが14園、その14園のうち1園は健康福祉計画に準じた7区域が望ましいとの回答だった。分からないとしたのが2園だった。幼稚園事業者からすると、新制度の根幹の部分がはっきりとしない中で、3区域なのか7区域なのかを決めるのは難しいという意見である。今の議論は量を確保しようというものであるが、我々の願いとしては、量ではなく、教育・保育の質のことを考えていきたい。質を考えていく際には、園庭を持っている幼稚園を活用して欲しいと思う。園庭のない保育園が整備されたとして、それが本当に子どものためになるのか。市内の私立幼稚園は一番新しいところでも30年以上の経験があり、その土地・建物等を利用して、小規模保育や認定こども園を行うことができる。そのように考えると、供給量の不足がよりはっきりと分かる7区域の方が好ましいのではないかと思う。なお、7区域の場合に、幼稚園の供給不足が生じる地域が発生するということが示されているが、11月の時点では残念ながらお断りするケースがある。しかし、4月の時点でどこの幼稚園にも入れなかったということはない。多くの園が通園バスを出すなどしているので、実態として不足は生じない。
  • 委員 地域で子どもを育てるということを考えたときには、7区域程度がよいのではないかと思う。子どもたちの顔を地域住民が見えているという関係を持てる地域区分がよい。また、乳幼児の移動は大変である。
  • 委員 利用者支援事業が地域子育て支援拠点など身近な場所にあった場合に利用したいかという質問に対して、75%が利用したいと回答している。身近な場所が求められているということだと思うので、7区域がよいと思う。
  • 委員 地域で子育てをするというのはとても望ましいことである。一方、0歳から2歳までの供給量が不足しているという現実もある。今後5年間の計画を作るために議論をしているが、時間が経つと状況が変わるので、見直しの必要性も出てくるだろう。そういう中で、現実問題として、入園ができずに困っている人が大勢いる。そのような人たちは、一時保育が頼みの綱であると言うが、一時保育での対応にも限界があり、それも利用できないことがある。今のこのような状況をまず解決するための建設的な議論が必要だろう。事業者も住民も協力し合うことが重要だと思う。私としては、整備のしやすい3区域が好ましいと考える。
  • 委員 現在の待機児童の状況はどうなっているか。
  • 事務局 平成25年4月1日時点の国基準待機児童数が117人、実待機児童数が326人であった。平成26年3月1日では、国基準待機児童数が332人、実待機児童数が794人である。
  • 委員 駅前認証保育施設でも、昨年の今頃は待機児童を抱えているような状況であった。しかし、今は定員に余裕がある。つまり、地域によっては、既に足りているところがあるのではないか。認可保育園でも定員に満たない状況はあるのか。
  • 委員 現在入園審査を行っているが、一次審査を終えた段階で、130人ほど実保留者がいる。定員を埋めていった上で、あと130人ほどが入園が決まっていない。したがって、待機児童はいる。ただし、歳児によってはニーズと合わないところがあり、年度当初から100%稼動ということではない。保護者の中には、ある1つの園しか利用したくないという意向を持つ人がおり、このような人は国基準の待機児童には含まれない。
  • 委員 保育園整備のことを考えると、やはり3区域の方が優位性があると思う。また、身近な地域での子育てということについては、3区域か7区域かに関わりなく、実態として中学校区や小学校区、あるいは20区域くらいの単位で考えていかざるを得ないものだろう。したがって、3区域でよいのではないかと思う。
  • 委員 かなり遠くの保育園に子どもを預けてから、通勤のために戻ってくるような話を聞く。そのような状況にまでなっている現実があるので、大きな視点で3区域にした方がよいのではないか。大きな視点から小さい視点に変えていくのは容易だが、その逆は難しい。必要なことに関しては細かい区域で考えていくということが根幹にあれば、3区域でよいと思う。
  • 委員 赤ちゃん訪問をしている中で、復職予定の有無を尋ねている。1歳からの復職を望む声が最も多いが、待機児童が多くて入園が難しく、またそのような状況では就職活動のタイミングもつかめないという話をよく聞く。待機児童のことを考えずに、仕事をしたいと思ったときに始められることが大事だと思うので、今の段階では3区域とし、待機児童を解消した方がよいのではないかと思う。
  • 委員 まずは待機児童の解消が重要だと思う。とにかく子どもを預けられる場所がなければ、働くに働けない。3区域で見ることによって待機児童の解消を進めるとともに、3区域の中でも細かい視点からの対応を臨機応変にしてもらえればと思う。
  • 委員 区域を決めた場合でも、居住している区域内の園しか利用できないということではなく、他区域の園も利用できるということでよいか。
  • 委員 そのとおりである。利用者の選択には影響しない。今議論している教育・保育提供区域は、計画を作る上で、どの地域で供給量が不足しているのか、不足しているのであればそれを埋めていく必要があるということを考えるに当たり、便宜上市域を区分するものである。
  • 委員 小学校でも学区があり、一定の区域内の子どもが通っているのに、就学前の子どもが広い区域であるというのは、かなり貧しいと思う。財政的なことなどを含めて保育部門は出遅れてしまったところがあるので言いにくいが、子どもにとっての視点だけははずさないで考えて欲しい。

事務局提案の3区域案について採決した結果、賛成多数であった。
また、3区域を採用するに当たっては、次の内容を全委員が確認した。

  • 「保育所待機児童を早期に解消しようという緊急の課題解決を考慮し3区域に決するが、乳幼児の育ちにとってより望ましい環境を考えたとき、地域性や利用しやすさという点は欠かすことのできない視点である。このことから、子ども・子育て支援事業を計画・推進する際には、十分にこの点に配慮するものとする。」

(2) 量の見込みについて

事務局による資料の概要説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。
質疑応答及び意見交換の主なものは次のとおり。

  • 委員 こどもルームの高学年による利用は、実態として、量の見込みで示されているような数値にまで上がっていくのか。
  • 事務局 法改正により対象児童の年齢が引き上げられるが、あくまでも対象の変更であって、実際にどのように対応するかは、各自治体が地域の実情に応じて考えることとなっている。柏市の場合、小学1年生から3年生までについては、引き続き優先せざるを得ないことに変わりはない。4年生以上については、現在でも、定員に余裕があったり、障害があるなどの特段の事情があったりする場合には、入所している。今後も一定の優先順位を付けながら、検討を進めていくことになる。
  • 委員 柏市の算出方法については、ニーズ調査に基づいて考えられているので、説得力はあると思う。一方で、国の手引きによる方法で算出した場合に、3号認定の0歳部分の量の見込みが非常に多く出てしまうのはなぜなのか。
  • 事務局 この数値は、0歳の子どもを持つ保護者のうち今後利用したい教育・保育事業として保育園等を選択した割合を基にして算出している。今後利用したいという場合、必ずしも0歳のうちに利用を開始したいとは限らないが、国の手引きのとおりに算出すると、0歳のうちに発生するニーズとしてカウントされてしまう。そのため、量の見込みが非常に多くなってしまう。
  • 委員 こどもルームに関して、対象児童の拡大に伴い、平成26年度中あるいは平成27年4月以降の対応について、市としては現時点でどのように考えているのか。
  • 事務局 平成27年4月の定員数として、現時点での具体的な見込みは2,450人程度である。平成27年度の量の見込みとは400人程度の乖離がある。高学年については、低学年と同様に考えるべきかどうかは非常に難しいところである。利用実態として、高学年と低学年では利用のされ方がまったく違うということもあり、整備するかしないかとは別に、高学年の利用についてより慎重に見ていく必要がある。例えば5・6年生は、定期的に利用する必要がなくなるという理由で退所していく実態があり、同じ高学年でも4年生とは異なる状況がある。法改正の趣旨を踏まえつつも、現実的な部分では、客観的なものに基づきながらやっていかざるを得ない。
  • 委員 1年目は4年生、2年目は5年生というように、平成26年度以降順次拡大していくような方法については、考えていないか。
  • 事務局 具体的には考えていないが、まったく考えられないというわけではない。4年生については、比較的利用希望が強いという実態はある。参考までに、平成26年4月時点での高学年の待機児童の見込みは、33人である。
  • 委員 一時預かりの潜在ニーズが非常に高いと感じている。保育園が多くあっても、そのうち一時預かりを実施している園は少ない。また、利用形態としては午前のみ、午後のみ、一日の3通りしかないが、1・2時間という短い時間でもリフレッシュしたい保護者はたくさんいると思うので、工夫して欲しい。多くの保育園で実施されるとよい。
  • 委員 病児・病後児保育は、全国的に実施箇所は少ない状況にあるが、柏市は1箇所であり、年間の延べ利用者数も227人と少ない。子どもにとっては、病気の時は家庭で過ごせるのが一番よいことであるが、仕事によってはそれが難しい人がいるのも現実である。しかし、病児・病後児保育は、リスクがある割には見合わない事業と言われており、拡大しない要因となっている。医療機関の理解も必要である。ハードルとしては非常に高い事業であるが、必要性があるのも現実である。また、直前のキャンセルが多いため、安定した事業運営をするためには、行政からのサポートが必要であるという話も聞く。
  • 事務局 現在、市立病院の建替えの計画が進んでいるが、その中で小児科の創設とともに、病児・病後児保育についても検討している。また、ファミサポのような形で実施している自治体があることから、そのような方法についても検討していきたい。認可保育園の中に確保することも可能性としてはある。直前キャンセルというリスクについては、ある一定のラインまでは行政の保障が必要であると認識している。
  • 委員 風邪をこじらせた子どもと治りかけの子どもでは、まったく対応が違ってくるが、その区分についてはどのように考えているか。
  • 事務局 病児保育は医療が伴うことになるが、柏市で実施しようとする場合、実施可能な医療機関がどこにあるかを考える必要があり、南部には少ないという実態がある。また、夜中に発熱し、翌日の仕事を休めないといった緊急のケースは多いと考えられるが、予約制というやり方ではなかなか対応できない。しかし、実施箇所を増やしていくとなると、制度として一定の方法で行う必要があるため、どこまで緊急性に対応できるかという面では難しい問題もある。
  • 委員 感染症の場合には、隔離し、1対1でみる必要があるので、採算性はないと言われている。国の子ども・子育て会議でも様々な意見が出ており、対策が盛り込まれるようである。
  • 委員 子どもの育ちに誰が責任を持つのかというところが不安になってくる。一義的には保護者であり、国や地方自治体にも責任があるとされているが、育てられる子どもの感覚からはどうか。病気の時にはこの事業、こういう時にはこの事業というように、自分のことを一番見て欲しい時に見てもらえないという感覚はどうなのだろうか。会社であれば、会社の中の子育て支援として、子育て中の社員には何かしら手厚い支援や仕事の肩代わりをするような発想が出てくるようにならないと、非常にさびしい。誰かがきちんと見届けられるようにしないといけない。
  • 委員 そのような意見も非常に大切である。そうでないと子どもを育てる工場を作るかのような話になってしまう。なお、参考までに国の現在の議論を紹介すると、7千億円というとりあえずの財源の使い道として、事業の実施順を検討している。質の改善としては、以前から言われていた3歳児に対する保育士の配置基準が、7千億円の中で20:1から15:1にしていくことが合意された。また、病児・病後児保育については、どうしても利用せざるを得ない人がいるということを認識した上で、システムを充実させていくしかないという意見がある一方で、ワークライフバランスの観点から解決するためにより議論を深めるべきだという意見もある。柏市の子ども・子育て会議としては、決めるべきことは決めていくが、活発な意見を今後も出して欲しい。

6 その他

事務局(こども政策室)より、次回の会議開催予定等を示した。
その後閉会

7 傍聴者

8人