平成25年度第1回柏市子ども・子育て会議会議録

 1 開催日時

平成25年7月26日(金曜日)午後3時~午後5時

2 開催場所

柏市柏五丁目10番1号
柏市役所3階 庁議室

3 出席者

(1) 委員(敬称略)

阿部和子、石田淑子、小貫松江、川村敏光、西藤尚子、杉山智、鈴木美岐子、溜川良次、中原めぐみ、那須美加子、藤本裕司、古谷美知留、満島章

(2) 事務局職員

鬼澤こども部長、秋山こども部次長(保育課長)、山口地域健康づくり課長、高橋児童センター所長、福島こども政策室長、宮島こどもルーム担当室長、関口こども発達センター所長、仁尾児童育成課統括リーダー その他4人

4 議事等

  1. 会長、副会長の選出について
  2. 子ども・子育て支援新制度の概要等について

5 議事等(要旨)

午後3時、定刻になり開会
議事等に先立ち、副市長のあいさつの後、委員紹介等を行った。

(1) 会長、副会長の選出について

事務局の進行により、柏市子ども・子育て会議条例第5条第1項の規定に基づき、委員の互選による会長、副会長の選出を行った。
会長には溜川良次委員、副会長には阿部和子委員が選出された。
その後、溜川会長及び阿部副会長からあいさつがあった。

(2) 子ども・子育て支援新制度の概要等について

事務局による資料の概要説明の後、質疑応答及び意見交換を行った。
質疑応答及び意見交換の主なものは次のとおり。

  • 委員
    「質の高い」「地域の」という言葉が資料に出てくるが、これは、例えば東葛地域の各市が同じものを目指していくということなのか、それとも柏市としてより子育てがしやすいまちづくりを目指そうという思いが込められているのか。
  • 事務局
    新制度の実施主体は市町村であるので、柏市として、柏市の実情に合った子ども・子育て支援を推進していくと捉えている。
  • 委員
    資料の中の図で、子育てに係る負担感や孤立感の増加が児童虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)につながるというように表現されている。しかし、DVについては、DVがあるからこそ孤立感や負担感を持つのではないか。
  • 委員
    資料の表現については、今後整理していく中で見直していただければと思う。
  • 委員
    平成27年度以降の子ども・子育て会議の役割である計画の実施状況に関する点検・評価は、自己評価なのか、それとも外部評価なのか。
  • 事務局
    市の取り組みが計画に基づいてしっかり行われているかどうかを、子ども・子育て会議にチェックしていただくということである。
  • 委員
    妊婦健診事業や乳児家庭全戸訪問事業は、地域子ども・子育て支援事業に入るのか。
  • 事務局
    13事業ある地域子ども・子育て支援事業のうちの2事業である。柏市の子育て支援に係る柱の中では「母子保健」に該当し、今後策定しようとしている『子ども・子育て支援事業計画』の主な対象となる「教育・保育」「地域における子育て支援」という2つの柱に該当するものではない。しかし、計画の策定に当たっては、その2事業については記載する必要がある。
  • 委員
    保育園事業者の代表として参加している。柏市の認可保育園は、公立23園、私立21園あり、私立の21園で私立認可保育園協議会を組織しているが、どちらかといえば近年になって新設された保育園が多い状況である。保育園を新設する際には、地域子育て支援センターを併設するという政策の流れがあったことから、柏市の私立保育園は、基本となる保育とともに地域の子育て支援も頑張っているところである。日々保育実践をしていく中では、一人一人のニーズや課題が違っており、昔と比べると複雑になっている。そういった中で、「全ての子ども」の育ちをどう保障していくのか、一人一人に合わせた「最善の利益」をどう保障していくのか、ということは、どのような事業形態であっても持っておくべき理念だと思う。また、生まれてから就学するまでの期間というのは、非常に大事な時期であるとともに、子どもの育ちはどこかで区切ることのできない、継続したものである。そのような子どもの育ちを、制度の中でどう確保していくのかということが大きな課題である。そして、その制度から取りこぼされる子どもがいないようにしなければならない。
  • 委員
    幼稚園事業者の代表として参加している。柏市の幼稚園は33園あるが、旧沼南町の地区にある幼稚園もあれば、柏の葉に近いところ、駅に近いところなど、33園全てに違いがある。「全ての子ども」という話が出たが、保護者がフルタイムで働いている、パートタイムで働いている、親族の介護をしている、育児・家事に専念しているなどそれぞれ異なる状況であっても、全ての子どもが同様に扱われる、もしくはそのような方向性を埋めるのが子ども・子育て会議の内容であると捉えている。また、きめ細かさが大事になってくる。現在うちの幼稚園では預かり保育を行っているが、小学生も10人預かっている。その10人は、市の学童保育の基準から漏れてしまう子どもたちである。色々な子どもがいるということを想定する必要があると感じる。幼稚園に行く子どももいれば、保育園に行く子どももいる、どちらにも行っていない子どももいるし、ハンディキャップのある子どももいる。全ての子どもに光が当たるようにできればいいと思う。
  • 委員
    子育て支援団体を運営している。子育て支援が充実してきたが故に、保護者が「支援」を“される”“してもらう”のが当たり前の立場になっている状況があると感じる。私たちの活動では、最初保護者はサポートされる側だが、その後サポートをする側になれるような体制をとっている。同じくらいの年齢の子どもを育てているからこそ、何が必要かを自分たちで考えお互いに助け合う、ピアサポートのような活動を行っている。資料の中にもあったように、地域のつながりが希薄化してしまったことによって、他の人がどのような子育てをしているのかが分からなかったり、大人同士が助け合い、育ち合うような良いつながりが子どもたちから見えにくかったりする社会になっている。先日、母親たちが実行委員になって、子育て中の親を結びつけるようなイベントを実施し、2、500人くらいの参加があった。その中に子どもを巻き込むことで、大人が楽しく助け合っている姿を見せることができ、子どもたちも切磋琢磨しながら成長し合っていけると思う。このような思いを多世代で共有していければ良いと思っている。
  • 委員
    駅前認証保育施設事業者の代表として参加している。柏市の駅前認証保育施設は、柏の葉駅、増尾駅、新柏駅、南柏駅、柏駅の近くに1施設ずつある。駅前認証保育施設は、平成24年度から、認可保育園と同等の条件で保育事業をしていこうということで、市の補助要綱も改訂され、新制度の先取りのような制度の中に入っている。地域として子育てができる、安心して子育てができる、楽しく子育てができる、そして信頼される施設を、駅前認証保育施設協会の中で勉強し合いながら目指している。協会の中には、認可保育園も含め全国で120から130か所の施設を運営している事業者や東京都の認証保育施設を数多く運営している事業者もおり、様々な情報が入ってくるので、その情報をこの会議の中で提供できると考えている。この会議が有意義なものになると期待しているところであり、色々なご意見をいただいて勉強していきたい。
  • 委員
    Child Assault Prevention、子どもへの暴力防止という言葉の頭文字を取ったCAP(キャップ)という活動をしている。CAPは、自分自身が大切な存在であると子どもたちに思ってもらうことによって、子ども自身があらゆる暴力から自分の心と体を守る教育プログラムを提供している。何をもって自分を大切に思うのかというと、安心・自信・自由という3つのキーワードを、心のレベルでの基本的人権ということで子どもたちに伝えている。その中で色々な子どもたちと出会ってきた。資料の中にある子どもたちの「最善の利益」という言葉を考えたときに、日本には児童憲章があり、その中に「人として尊ばれる」という素晴らしい言葉がある。障害の有無に関わらず「人として尊ばれる」ということが、全ての子どもたちに届いて欲しいし、CAPの活動や子育てしてきた経験などをこの会議に生かすことができればと思っている。そして、大人の視点ではなく、これまで出会ってきた様々な子どもたちの目から社会がどう見えているのかを伝えられればと思う。
  • 委員
    小学生と就学前の子どもを育てており、こどもルームと保育園を利用している。子どもたちは、3人とも0歳から同じ保育園に入れることができた。一市民としての思いを伝えられればと思う。
  • 委員
    平成7年の国のエンゼルプランを踏まえて策定された平成11年度からの「かしわ子どもプラン21」の時から施策づくりに関わらせてもらっている。柏市では既にその頃から、「全ての子ども」を視野に入れて計画を作っていたことを思い出した。その後もいくつか計画が作られたが、私の願いとしては、評価については、数だけではなく、実際の利用者の生の声を聴き、質的に分析して、そこから計画が立てられたら良いと思う。また、保育士養成をする中で感じているのは、制度が色々と動こうとしているところで、特に乳児保育の部分が揺れており、非常に心配している。乳児保育における「最善の利益」ということを、しっかりと考えていきたい。
  • 委員
    国の子ども・子育て会議の基準検討部会の委員を務めている。昨日内閣府で会議があったが、認定こども園の基準について検討が始まっており、また、小規模保育の基準についてはかなり固まってきている。政権が変わるなど国の方の混乱があったと思うが、我々現場が右往左往しないように、言うべきことは言おうと思っている。新制度については、少子化対策というところから始まっており、それについては思うところもあるが、日本の将来を担う人を育てるというところで新制度の本当の意味を発揮できれば良いと思う。現在幼稚園と保育園を運営しており、保育園を始める前には、認可外保育施設にも関わっていたので、色々なものを踏まえている。また、若い世代を助けたいという思いがある。自分がとても幸せな時代を生きてきたという自覚があるので、次の世代が気持ち良く暮らせるようになってもらいたい。
  • 委員
    町会や地区社協、こども会、子育てサロンなどに関わってきた。最近は、県内の他市で活動している子育て支援関係者と付き合いをさせてもらっている。子育て支援に関しては、インフォーマルな形で、普段から意見交換ができるような機会があると良いと思っていた。このような会議の立ち上げは近年にないことだと思うので、柏市にふさわしい子育て環境を作っていけると良い。また、子育て支援を考えていく時に、企業の役割というのは大きいと感じている。ワークライフバランスのことが言われているが、それだけではなく、企業も色々な取り組みをしているので、考慮しておく必要がある。
  • 委員
    保育園を利用している保護者が求めているのは、安心して子どもを預けられる保育をお願いしたいということである。また、大多数の保護者は、新制度に関する知識を持っていないので、情報が届くようにしなければならないと思う。この会議のことを子育て中の保護者に広く発信したい。下の子は現在市立保育園に預けているが、以前は事業所内保育だった。柏市に引っ越してきたばかりの時は、子どもの預け先で困った。待機児童がおり空きが無いため、下の子どもは保育園に入れなかった。そのため働くことができなかった。また、上の子はあと半年で小学校という時期だったため、私立幼稚園への途中入園というのもためらわれたが、市立かしわ幼稚園に入園できたのでありがたかった。家庭ごとに様々な状況があるので、「全ての子ども」を取りこぼさずに支援するということは非常に大事であると感じている。
  • 委員
    柏市社会福祉協議会から参加している。柏市社会福祉協議会は、子育て支援関係では、ファミリー・サポート・センター事業を柏市から受託している。支援して欲しい「利用会員」と支援したい「協力会員」を結び付けるコーディネーター的な事業である。また産前産後支援として、家事支援なども行っている。さらに、各地区で開設されている子育てサロンに対する支援を、地区社協を通じて行っている。
  • 委員
    就学前の子どもを2人育てており、上の子は幼稚園に通っている。たまに一時保育を利用し、外に出させてもらっている。上の子を出産後、何も情報がないまま柏市に引っ越してきたが、孤立をどんどん深めていった。夫は仕事が忙しく、日中の話し相手がいないくらい周りの親子の様子も分からず、乳腺炎になってもどこに相談してよいかも分からないといった状況で子育てをしていたので、第1子の育児は非常に辛かった。母親が少しでもゆとりを持てて、ハッピーになれるようなシステムがあれば、第1子から子育てを楽しめたのではないかという思いがある。専門家ではないが、現役の子育て世代としての声、専業主婦としての意見を言っていきたいと思っている。
  • 委員
    子育ての孤立については、とても共感する。同じ思いである。就学前の子どもを2人育てている。幼稚園や保育園に預けないで育てたいと思っているが、1日中家にいると煮詰まってしまい、イライラしてしまうこともある。トイレに行く時間だけが1人になれる貴重な時間である。そこで、地域で子育てをしていけたら良いのではないかと思い、この会議に参加した。現在子育てをしている母親としての意見を言えたらと思う。

6 その他

事務局(こども政策室)より、次回会議開催予定等を示した。
その後閉会

7 傍聴者

3人