平成25年度 第2回柏市健康福祉審議会病院事業検討専門分科会会議録
1.開催日時
平成25年11月28日(木曜日)午後3時30分~5時
2.開催場所
本庁舎5階 第5・6委員会室
3.出席者
市立病院事業検討専門分科会
大久保委員、岡田委員、金江委員、小林委員、妹尾委員、中谷委員、野坂委員、西田委員、吉田(勝)委員、吉田(博)委員、水野委員
柏市
庁内会議構成委員
関口副市長、下保健福祉部長、藤江保健福祉部理事、上野保健福祉部次長、羽石消防局長、関保健所次長、飯田企画調整課長、中山財政課長、松本福祉政策室長、濱田救急課長
事務局
- 保健福祉総務課:石塚副参事他3名
- 柏市医療公社:捧病院事務部次長、仲企画課係長
- パシフィックコンサルタンツ株式会社 :石川、川畑
傍聴者
2名
4.議題
柏市立柏病院整備基本方針の策定について
5.資料
- 次第
- 柏市立柏病院整備基本方針について
6.議事(要旨)
1 開会
関口副市長挨拶
2 議事
柏市立柏病院整備基本方針(経営戦略・整備基本計画・資金計画)について
事務局より説明し、質疑及び意見交換
質疑及び意見交換
- 委員
病院の弱みとして、「交通アクセスが良くない、診療圏が狭い」が挙がっていて、その対策として分院開院を検討するとある。一方、建替えの話しになると分院は出てこない。小児科の充実と併せてこの点も考えなければバランスが悪いのではないか。 - 事務局
アクションプランで「分院設置の必要性を考える」を挙げている。365日24時間の小児救急のために医師の確保が必要。当院の人材を活用し、小児科・内科の専門性を広域的に活かせるよう考えている。人材・費用・立地も含め、建替えの議論と併せて検討していきたい。 - 会長
一番最初に南部に医療機関が少ないという話があった。南部にも候補地を探したが、然るべきところが見つからず、最終的に挙がった4つの候補地は北部になってしまった。それゆえ分院を置いて南部のケアも行う。それが基本的な考え方と捉えていいか。 - 事務局
場所を検討中であるが、中期構想でも医療資源に偏りがあるというご指摘を受けているので、南部も含め、当院が地域に貢献できる形を検討したい。 - 委員
検討するという言葉では五分五分かと思うが、この弱点を補う前向きな姿勢であれば評価する。 - 委員
マスタープランでは基本線を現地内移転方式と考えていると理解してよろしいか。 - 事務局
相対評価を終えた現状では、4候補地のうちローリング移転ではなく現地内移転が、今のところハード面では最も優位性が高いと考えている。 - 委員
診療機能の拡充でセンター化構想があり、高齢化社会において、例えば、アクセス性についてある種の制限がかかってくる。高齢化社会における通院スタイルをどう考えるか。バスを利用できるのはまだ良い方だが、そうしていても転んでしまう人が結構多い。また自転車で無理をして転ぶ人もいる。それゆえ車で来る人が比較的多いと思う。介護車両などの福祉サービスも発達していることも踏まえると、モータープールというか、駐車場を準備しないと、ユーザーである患者側から見ると使い勝手が悪い。その辺の、交通機関等のアクセス性はどう考えているのか。後からでは対外動線は検討が難しくなるので、そこを検討に入れてほしい。 - 事務局
現状の駐車台数は、患者様・職員合わせて320台である。一方、現地内移転方式だと前面が駐車場となり、手前側で459台となる。また、それ以外に、病院の左奥も駐車スペースとして見込める。車でお越しの方にも配慮してこのような配置にしている。 - 委員
南側の駐車場125台は職員用ではなく患者用か? - 事務局
患者様も利用できる。前回の委員のご指摘も踏まえ、患者満足度調査についてもご報告したい。2年前の前回調査よりも、バスが2ポイント減っており、その分自家用車での来院が増えている。このような状況も踏まえて、駐車場の整備も行い、対応していく必要があると考えている。 - 委員
たいへん古い話しだが、今の市立病院は国立病院の跡地であり、昭和63年に跡地利用専門委員会ができたが、市民には非公開だった。委員は、市会議員が2名、市の部長が4名、医師会員が4名だった。九州へ視察をしたり、相当なディスカッションをしたりした。当時の柏には一次~三次医療機関が揃ってきたことから、市立病院は老人病院としてできた。そこから一般病院化して今に至っている。市なら広大な土地を半値で購入できるという経緯もあった。今また新しい土地を取得してどうこうするよりは、今の土地を上手に利用することがベターかと思う。民間で見れば、これだけ広大な土地がある中で、全国的に見ても移転建替えする例はないのではないか。また当時と市の財政も違い、当時は裕福だったが、今は相当まだ借金を抱えているとも思う。 - 委員
現実的に言うと、コスト的には現地が一番と思う。しかしものは考えようで、一次・二次救急を担うには、ある程度の医師数を確保する必要があり、さらに小児科においては全国的に非常に厳しい状況にあるので、医師を確保するには病院自体が魅力的でないと若い世代が集まってこない。以前に私がいた病院は500床あり、研修医も17~8人いて救急もできたが、それが1~2人ではできない。またそういった大きな病院であっても小児科医の確保は非常に難しい。病院とは、建物も大事だが、人があってのもの。看護師も若い世代が集まらないといけない。人的なことも少し考慮する必要があるのではないか。つまり、医療者にとって魅力的な病院という点には、正直、場所も関係するのではないか。研修医等が行きたいと思える病院にしないと、絵に描いた餅に終わってしまう気がする。 - 委員
医師会としては色々な候補地があるが、移転となると近隣の病院・診療所等からはかなり反対が出るのではと思う。今の場所は他ともバッティングしないし、馴染んでいるので、立地的には今の場所がいいのではとも思う。確かに小児科がメインとは思うが、全国にも共通しているが、柏市の医療は小児が遅れている。救急に関しては、小児の三次は慈恵が担い、一般二次も何とか保てている中で、小児二次が弱点である。やはり委員のおっしゃるとおり、看護師の確保が主たる課題かと思うが。千葉県全体でも増床計画はたくさんあるが、看護師が足りないので、どこも先に踏み出せない現状だ。そこはこれから5年間あるので考えながら、ということで。私も病院の中で進めていただく方がいいのかなと思う。 - 委員
病院の具体的な計画が出てきて嬉しく思う。随分高いレベルの病院を皆さんが求められていると実感し、身を引き締めている。小児を始め二次救急、災害にも対応する。感染症の初動の対応もする。それを支える日常診療も行う。今後は在宅医療にも協力するし、その入院にも対応していく。これを200床余りの病院で担うには、よっぽど高いレベルの病院にしなければと思う。そのためには優秀なスタッフの確保が必要。メインは小児科ということだが、小児の素養のある外科医を確保する必要がある上、救急をやるには心臓や糖尿病の対応に向けた医師の確保も必要。腎臓内科を作る必要があると私は思っている。そのための医師も確保しなくてはならない。感染症も現状は一般内科医が担っているが、きちんとやるのであれば、その専門の医師を確保する必要がある。そのために魅力ある病院を作らなくてはならないと痛感している。またそれ以外にも、大学との関係を強化する、地域医療機関との連携を強化する、現スタッフの研修を強化する等がある。それはもちろん私の仕事であるが、建替え・移転等でレベルアップに寄与できるのであれば是非ご検討いただきたい。ともかく4候補地あるので、現地建替えと今すぐ決めずに、他の候補地ならどうなのか、ソフトの面でもレベルアップが図れないかどうか検討していただきたい。 - 委員
資料の23~25ページにあるデメリットについては、他の候補地に比べて少ないからこの程度はやむを得ないということなのか、その点をお聞きしたい。 - 事務局
仮の仮くらいの案であるが、今の柏市立病院は県道側から入ってくると、進入路9mくらいの幅員で敷地内に入ってくる動線になっている。そうすると、工事車両の進入が発生する。それと同時に病院を運営するので、利用される方と工事車両への進入については何か考える必要がある。進入路が1つで、入った後に2つに分かれるような形の案があるが、その動線では利用者の安全性にも関係するので検証を要する。また、他の候補地についての問題はないのかという点については、色々課題があろうかと思う。ただ、候補地【2】【3】【4】についてはハード面、用地費等がかかるとか、地権者の方との対応とか、そういった部分の検証のみとなっている。なので、委員のご指摘も踏まえ、ソフト面からの検証も併せて行うことが必要と認識している。 - 委員
医師のモチベーションは建物のきれいさや周辺の華やかさで決まるものではなく、スタッフ同士の連携度合いや提供している医療に拠ると思う。しかしやはり働きやすい環境があれば人の感情も変わるとは思う。この間防災訓練で伺った時には、やはりもうどうにもならない建て増しなのだなと実感した。建替えは喫緊の課題と思う。また動線について一つ言いたいが、小児・一次救急、高齢の患者さんは車で来ることが多いので、この図面では駐車場と建物の距離がありすぎて、それだけでも患者さんの使い勝手が悪いという評価になるのではないかと気になった。 - 委員
私も南部に病院をということを話していたが、やはり現地内移転がいいのかなと思いつつ、アクセス性の課題を認識して考えていた。 - 委員
余程のことを考えないと課題は突破できない。現実的な案を模索する必要があるのかとも思う。例えば、救急医療の小児病棟のみを街なかに分離して設置するなど。現地は子どもの数が少ないので、子どもが多い場所に連動して作るのが妥当ではないかとも考える。しかしそれも永久ではないから、ともかく現実的に今一番求められているのは、機能的・機動的な立地ではないか。いずれにせよ今の市立病院は子ども連れでもそうでなくとも厄介な場所にある。真夜中に搬送するのも容易ではない。よほど思い切った案がないと現実的に難しい。たとえば、市役所は柏市の真ん中にあるが、あそこも老朽化しているし、いっそ取り替えるとか。 - 委員
「はみんぐ」は建替えないのでしょうか。病院の建替え後に「はみんぐ」を建替えるのであれば、先に「はみんぐ」をということが総合的にいいのではないか。 - 会長
「はみんぐ」は建ててから13年ほどしか経っていないため、まだ借金が多く残っており、建替えるとさらにかなりの借金が生じる。それも含めて建築の資金計画を検討するということであれば、「はみんぐ」があの場所になければいけないということはない。 - 委員
医療スタッフの件で追加して申しますと、看護師も医師も確かに千葉県では少ないと思うが、東京にはたくさんいる。新しいことをしない診療科には若い人は集まらない。がんセンターのようなところに来る人たちは、勉強できるからであり、それが一番の魅力と思う。一般論としてだが、勉強できることが大事と思う。 - 会長
正にその通りだと思う。場所がどこかということよりも、施設そのものがどれだけのアクティビティを持っているかが、医療従事者にとって重要であるということは、私も大学畑を歩いてきたので、そう思う。他になければ、私からも意見を言わせていただいてよろしいか。4候補地の案内図が資料の16ページにある。【1】が現地。【3】の柏の葉公社取得地はスペース的に狭いと思う。また、【4】の北柏駅北口区画整理地はご覧の通り形が悪く、非常に厳しいかと。そうなると【2】柏北部中央都市区画整理事業区域内が残る。ここは柏の葉キャンパス駅から歩いて3~4分で、左隣に国立がんセンターがあり、下側に東大キャンパス、千葉大柏の葉キャンパスもある。辻中病院もこの近くにある。土地はかなり広い。ということで、土地としては一番魅力的。もしここに市立柏病院ができれば、これらの様々な医療に携わっている機関とも連携し、高度な医療が提供できる「可能性」がある。
問題はそれを実現できる資金力があるかということ。現実には24億円を要する。現在の土地を売却して手当てするということもあるかもしれないが、そうなると「はみんぐ」がど真ん中にあるので邪魔になる。壊したらまた造らなければならず、ややこしくなる。
良し悪しを検討するにはかなり問題がある。つまり、先ほどまでの検証は現在地についてだが、残りの候補地【2】~【4】の検証は25ページだけだ。現地内移転とその他の移転を比べた時、どれだけ負担があって、どれくらいのことが起こるのかという検証は本日の資料に入っていない。これはかなり難しい問題だ。間違えると後に色々な問題を起こす可能性がある。その辺をもう一度きちんと検証し、最終的にご意見をいただくのがベストではないかと私は考えている。そういうことで、先ほど現地内移転の場合の資金計画などを示していただいたが、それに順ずるようなものを、残りの3つとは言わず候補地【2】のみでいいので検証していただき、審議会でも最終的に検討する方が、後腐れなく進められると思うがいかがか。 - 委員
異議なし。 - 会長
では、改めて今後の方向性を提示していただきたい。事務局にマイクを返す。 - 事務局
現地と候補地【2】をあらためて検証し、事務局案をご提示したい。次回は2月の予定としていたが、それでは検討していただく時間がないので、例えば1月23日にもう1回追加開催することではいかがか。 - 委員
午後3時からであれば。 - 事務局
それでは、1月23日15時から次回分科会を開催させていただく。
3 閉会
(1)事務連絡
第3回病院事業検討専門分科会の開催予定 1月23日(木曜日)午後3時から
(2)藤江保健福祉部理事より総括と次回課題整理
本日はハード面である建替えの場所や、ソフト面である小児科についても様々な貴重なご意見をいただき、感謝を申し上げたい。次回は年始めの大変お忙しい中、1月に追加の審議会を開催し、候補地の検証をしていくのでご審議をよろしくお願いしたい。
以上