平成24年度 第1回柏市健康福祉審議会病院事業検討専門分科会会議録
1 開催日時
平成24年7月19日(木曜日) 午後3時~5時
2 開催場所
本庁舎5階 第3委員会室
3 出席者
【市立病院事業検討専門分科会委員】(敬称略 9名)
江角浩安、大久保摩利子、岡田敏英、金江清、小林正之、妹尾桂子、野坂俊壽、水野治太郎、吉田勝彦
(欠席 中谷茂章、吉田博)
【柏市】
石黒副市長
【庁内会議構成委員】 (7名)
藤江保健福祉部理事、羽石消防局長、秋山保健福祉部次長兼保健福祉総務課長、福祉政策室長(吉田専門監代理出席)、関保健所次長兼企画総務課長、田村保健所次長兼地域健康づくり課長、濱田救急課長
【事務局】
保健福祉総務課(医療公社担当):原田副参事、石塚統括リーダー、平塚担当リーダー、他企画総務担当2名
柏市医療公社:捧病院事務部次長
4 議事等
市立病院中期構想について1.
テーマ;地域医療の現状と課題
5 資料
添付ファイルをご覧ください。
6 議事 (要旨)
(1) 開会
- 委員自己紹介
- 石黒副市長挨拶
市立病院は20年目を迎え、当初4診療科目から始まり現在では15診療科目となっている。一方、建物自体は昭和51~52年度に建設され、施設としても老朽化や狭隘化等の問題を抱えている。市の人口構造も高齢化が進んでいる状況で、市民が安心して生活できる医療体制が求められている。地域医療の中で他の医療機関と連携しながら、市立病院が今後担う役割をこの分科会において、委員の方々の協力のもと審議していただきたい。 - 当分科会の審議内容などについて説明
事務局より分科会の審議内容、今年度のスケジュールについて説明
(補足)「資料1病院事業検討専門分科会の予定などについて」参照
(2) 議事
『市立病院中期構想について1. テーマ;地域医療の現状と課題』
プロジェクターを使用し、事務局より地域医療の現状と課題について説明
(補足)「資料2柏市の地域医療の現状と課題」及び「データから見る柏市の地域医療の現状と課題」参照
(3)藤江保健福祉部理事より総括と次回課題整理
7 議事 【質疑及び意見交換】
意見
- 現実とデータが違うという印象がある。病床数と医師数に関して、ナショナルセンターであるがんセンターは地域一般病院としてはなじまない。また慈恵医大柏病院は、東葛北部全体や茨城、埼玉からも患者が来ている。医師数と病床数を見る際には、がんセンターや慈恵医大に市民がどれだけ入院しているか、市民以外を引いて考えていく必要がある。
- 東葛北部の他市を見ると、我孫子市の病床数・医師数は全国平均の半分以下、野田市、流山市も同様にかなり低く、柏市の医療機関に来ている。市民40万人よりもっと多くの患者を診ている。
- 診療所の小児科医数については、以前は診療所を開設する際に2診療科以上を出すというルールがあったため、標榜している診療科はある程度あるが、小児科専門医は14人しかない。内科・小児科で出している医師がかなり多い。
- 診療科別医師数で、循環器系が少ないということだが、元々、専門医が少ない科目である。複数の診療科を選択することができるが、循環器と脳神経系は選ぶ先生は少ない。脳神経系は特殊であり診療が難しい、循環器系は心電図など器機等が必要となり、選ぶ先生が少ない。見かけ上は少ないが、実際には困らないと思っている。
- 15ページの救急医療体制については、慈恵医大が2.5次から3次救急になったが、以前から実質3次救急に対応していた。病床の増床はしたが、スタッフの変更等はなく、現実的にはこれまでと同じ状況。
- 二次病院だが、慈恵医大が救命救急センターになったからといって、特に変化はない。
- 市外から柏市に患者が来るというが、一方で市民は東京に流れている。病床数、患者数、医師数のデータは現実とはあっていない。千葉県でも房総の方は、地域内で完結するが、柏市の場合は都内で診療、手術している人も多いので、データほど困っていないと思う。来る人も多いが出る人も多い。地方の都市とは違うという点を考慮する必要がある。
- 柏はベッドタウンなので、そのような傾向がある。
- 課題に対して、優先順位がつけることが必要ではないか。その上で原因を探り、優秀な都市はどうなのか調べてはどうか。医師の待遇が全国的に低いのか、公的資金が低いのか、市民の意識が低いのかなどその原因を探る必要があると思う。
- 小児科医が少ないことは以前からを言われている。若いお母さん方にとっては、急な発熱などがあった際、小児科が近くにあった方が助かるので、小児科を増やしていただけるとありがたい。
- 救急搬送については軽症が問題にもなっているが、午前は様子を見ていても、夜に一人で見ていると不安になってしまい救急車を呼ぶケースがある。そういう時に近くに小児科があるといいと思う。小児科だけでなく内科の先生にも診てもらえるということも伝えている。
- 周産期についても、市内では対応できず松戸などへ行く方が多いので市立病院で対応できるといい。
- 市立病院の小児科も外来だけなので、入院まで診てもらえるといいと思う。
- プレゼンの中で、小児科は少なく、厳しいという印象がある。
- 10年前から柏市で小児科医をしている。病院勤務医と開業医の両方を経験したが、どちらも違った大変さがある。
- 開業医になってから、重症患者は診ていないが、休憩時間もなく患者を診続け、何とか2次病院や3次病院、夜間診療への流入をせき止めているが、今は若いので何とかできているが、あと何年か過ぎると診療所で対応するには限界がある。
- 14名の市内の小児科専門医年齢構成はあがっており、50代で若手と言われている。市内の小児医療体制を改善して欲しい。小児科医を守るということではなく、子どもたちを守るという意味でお願いしたい。
- 高齢化の中で、高齢者に目が行ってしまうが、子どもを2~3人抱えるお母さん方や子どもを守っていくことも必要。目先の高齢者に目を向けるだけでなく、お母さん世代、子ども、若い世代を守っていかないと、地域としても順調に育っていかない。
- 慈恵柏病院の産婦人科は当初は産科に力を入れていたが、今は婦人科がメインになっている。高齢化でニーズが減っている面もあるのでは。
- 小児救急の状況は横ばいと説明があったが、市内で利用できないから、松戸市や流山市に行っている状況がある。市内で診てもらえないから、東葛病院、千葉西病院に行く人が多い。横ばいというグラフは現実離れしている。
- 資料の4ページを見ると、精神病院が市内の中心部でなく外側に立地している。在宅で認知症患者を抱えている家族は大変不便になっている。地域的な偏りがあり、日常生活に関わってこないという現状がある。
- 後期高齢者の激増に対して、精神病院の偏りが一つの課題として上がってくる必要がある。精神系の診療所が少ないということも問題。8ページを見ると、今後は精神及び行動の障害がさらに増加すると思う。これへの対応が日常的に問題になる。
- 精神科の問題は難しい。病床認可がなかなか得られないという問題がある。慈恵柏病院でも精神科を作ろうと思ったが、認可が下りなかった。
- 入院施設の問題ではない。認知症など実際には在宅で生活できるのに無理に入院させていることが問題。心療内科が少ないという点は重なっていると思う。
- 分娩施設について、年間3,000人強産まれているという柏市で、4つは少ない。
- その点の全国平均、千葉県平均のデータも必要だと感じる。
- データは保健所も持っていると思う。市民が見えるところにデータを掲示する努力も必要である
- 産婦人科は難しい部分がある。慈恵大柏病院が出来た当時、周囲は畑で宅地が増え始めた頃であった。その宅地の増加に伴い、産婦人科が増えたが、団地の入居者の出産が終わると、産婦人科はいなくなる。産婦人科を未来永劫、同じ地域に定着させるということは、経営との兼合いが出てきて非常に難しい。産婦人科と小児科はセットで捉えられることがあるが、全く別の問題である。分けて考えるべき。
- PETはがんセンターにしかない。放射線の核医学は慈恵医大で行っている。高額な医療機器をすべての施設が揃えることは無駄なことなので、そのような点でも病院間で相互利用できるよう、連携をしていく必要がある。
- 高齢者は多くの疾患を抱えている。がんセンターを受診する人も高齢化しており、がんだけでなく体全体を診て欲しいと言っている。一つの疾患しか診ない病院がいつまで存続するかという問題もあるが、一方で地域の病院はその恩恵を受けているという点もある。高齢者の疾患に着目したデータの組み直しをお願いしたい。先ほど精神科といったが、神経内科が足りないことも良く聞く。高齢者の疾患も幅広く診て欲しい。
- 高齢者の中で最近話題になるのが、脳ドックと人間ドックである。行く方も増えており、患者が増えた原因の一つではないかとも思う。
- アクセスの問題もある。駅近くであれば、周辺地域からも患者が来るが、アクセスが悪いと周辺地域だけが対象となってしまう。
質疑
市内の産婦人科の状況はどうか。
応答
- 柏市から松戸市に移転した産婦人科病院がある。患者も一緒に移っている。
- 現在、市内にある分娩施設はフル稼働の状態だと思う。市内がいっぱいだから松戸に行くという人もいると思う。里帰り分娩の人もある程度いると思う。
質疑
救急を見る場合、昼と夜で分けて考える必要がある。昼と夜で受入れ体制はどうなっているか。
応答
夜間は受け入れ体制が難しい。
予防については、健診や健康づくりなど行っている。健康増進計画を現在作成中であり、その中で、予防に関する施策を検討している。
質疑
都内の医療機関に行っている方が多いという話があったが、都内に勤めている方が都内に通院しているということか。
応答
- そうである。退職してから紹介状をもって来る方もいる。
- 退職してから紹介状をもって市内の医療機関に来る方が増えている。大企業などは、企業内診療所もある。また、特殊な病気であったり、大病院志向で都内の大学病院などに行く方も多い。しかし、高齢になり動けなくなると市内に戻ってくる。
質疑
産婦人科が松戸市に移転したという話があったが、できれば市内に残って欲しかった。移転の理由は何かあるのか。行政の努力で何とかなる問題なのか。
応答
- 個人的な理由だと思う。
- 移転先はURの開発した土地で、産婦人科という条件で安く貸し出していた。誘致されたと思う。
質疑
柏市内にはかなり医療機関がある。どのように連携されているのかいう点も重要になる。市内の総合病院の連携状況はどうか。
応答
柏市は医療資源に恵まれている。市立病院だけに限ると、総合病院である必要はないと思っている。医師会の先生方もいるので、全ての診療科を揃えて完結させる必要はない。入院が必要な方に対応できればよい。また、がんセンターや慈恵柏病院もあるので、第3の総合病院を作る必要はないと考えている。
8 その他
事務連絡
第2回病院事業検討専門分科会
9月27日(木曜日)午後3時~5時 ウェルネス柏4階 大会議室
その後閉会
9 傍聴者
2名