柏市保健衛生審議会 がん対策専門分科会 会議録 平成21年10月19日

1 開催日時

平成21年10月19日(月曜日) 午後7時~8時40分

2 会場

柏市柏255
柏市保健所 3階 小会議室

3 出席者

(1) 委員

長瀬会長、山木副会長、金子委員、木下委員、佐々木委員、酒井委員、小林委員(保健医療部会)、山本委員(保健医療部会)、村 川委員(保健医療部会)、矢部委員(保健医療部会)、内富委員(保健医療部会)

(2) 事務局

山崎保健所長、加藤保健予防課長、矢島生活衛生課長、大塚地域健康福祉課長、平島保健センター所長、松尾衛生検査課長、秋 山保健福祉総務課長、宮島総務企画課副参事、酢崎総務企画課専門監(企画担当)、田中総務企画課副主幹(企画担当)、松丸保 健センター副主幹(成人健診担当)、秋谷地域包括支援センター所長、高木地域包括支援センター専門監

4 議題

  1. がん対策プロジェクトまとめについて
  2. その他

5 議事

(1) がん対策プロジェクトまとめについて

事務局から趣旨を説明した後、意見交換及び質疑応答を行った。その概要は以下のとおり。

  • 地域包括支援センターの機能があまり知られていない。地域包括支援センターは何ができるのか、どのように利用するのか分からない。がん患者を想定していないのか、介護予防事業を行うのか。(委員)
  • 名称が介護保険制度の相談窓口であるため、確かに一般には浸透していないと思う。主に患者が病院から退院する際、退院先が決まっていない場合に情報提供したり、調整する役割を担っている。介護保険の窓口になっているので、がん患者も来所するが、医学的、専門的なものは難しい。(事務局)
  • 設置主体は誰か。(委員)
  • 市が運営している。直営が1か所、残り4か所は民間に委託している。委託の地域包括支援センターへの指導も市が行っている。(事務局)
  • 最終的には何か所とする計画か。(委員)
  • 来年度に3か所増やし、市内全体で7か所とする。相談だけでなく、市内を7つに圏域を分けて、民生委員、地区社協や訪問介護ケアマネ、医師等と地域の中で協力し合い、ケアに携わる関係者を含めて支援できるようなネットワークを作っている。(事務局)
  • がん患者の支援は、ターゲットとして少し違うのか。(委員)
  • 今後のバランスを考えると、がん患者の中の高齢者の割合が増えてくる。今後の課題だとしても、高齢者の割合が3人に1人から、2人に1人くらいになってきたら、そのようなことも考えなくてはならないのではないか。(委員)
  • 今は予防が中心なので、現実的にがん患者さんがそこにいくとなると、特に終末期になると難しい。(委員)
  • 地域包括支援センターの機能として、介護保険制度の中で設置されていて、また介護をどう使っていくかという支援になるが、終末期においては介護保険の制度上のすみわけが難しい。(委員)
  • 今後は施設でもがん患者をみるという動きもある。(委員)
  • がん講演会来場者アンケートの結果について、自宅で死にたいという人は、全国のデータでは2割強くらいだったと思う。アンケート結果はかなりバイアスがかかっている。柏市はもっと少ないと思う。(委員)全国調査でも、男性は家で死にたい、女性は施設でという報告もある。(委員)
  • がん患者家族総合支援センターの特徴としては、医療者や福祉関係者の相談にも乗っていることである。新聞に掲載されると相談件数が増える。(委員)
  • 地域包括支援センターでは、がん患者家族総合支援センターに、がんの在宅医療の研修をサポートしてもらった。相談の役割分担、医療のこと、介護等の情報提供は、地域包括支援センターも間接的に関わっていけると思う。(事務局)
  • 慈恵医大柏病院では、地域がん診療連携拠点病院の機能として、「地域の患者会との密接な連携」が求められている。院内でがん患者の交流会が行われており、そのサポートをしている。また、グループへの場所の提供、患者会の手伝いなど、色々なテーマの事業を行っている。この輪を広げるための知恵や意見をもらいたい。
  • 患者会ごとに、思いや考え方が違うので、まずは場所を提供し、何かあったら相談に乗るということから始めてはどうか。(委員)
  • 患者や家族にとっては、定期的に行ける、いつも使えるということが、すごく心強いと思う、必ずしも病院だけしかないのではなく、そういうところがあるとよい。(委員)
  • 国立がんセンター東病院でも市民公開講座を開催しているが、市と病院、医師会との協働で、中立的な感じで開催できないか。(委員)
  • 慈恵医大柏病院でも、看護学校の講堂で開催しているが、病院のイメージが強い。市の施設で行えれば、市民なら誰でも参加できるというイメージができるのではないか。(委員)
  • アクセスが良い柏駅近辺で、年間の回数を決めて、市が中心になり、そこに関係機関が常に参加するような形で講演会を開催してはどうか。関係機関がきちんと連携していることが市民に分かるように、年間を通して、関係機関がいつも演者に名を連ねている。それを年に3回くらいやると、柏市民のメリットになるのではないか。(委員)
  • 色々な事業がばらばらに行われており、どこで何をやっているのか分からない。どこかでまとめていくことが大事である。2月にフォーラムの開催を予定しているが、それを一つのきっかけとして、定期的にやっていければと思う。また、先日「乳がん意見交換会」を行い、かなり色々な意見が出た。今度は一度、臓器を限定しないで、がん全体でやってみたいと思う。その他、以前、市が開催した「がん対策・職員セミナー」のようなものを開催し、関係者や市民に情報が届くようにしていきたい。今年はそういった予定がないのか。(委員)
  • 去年は内部職員対象だったので、今年はケアマネージャーや訪問看護ステーションを対象にと考えている。(事務局)
  • 医師会の中でも、自分の診療所の中で、看護師や保健師が患者に説明するため知識が欲しいという声がある。そのようなセミナーはないのか。(委員)
  • 今後、研修規模によって、幅広く呼びかけていきたいと思っている。(事務局)
  • 国立がんセンター東病院では、専門職向けの研修を色々と行っている。来年一杯で研究事業は終了となるが、その後、行政と協力していきたい。リーフレットや教科書が多くあるので、ある程度、集約して使った方がよいと思う。(委員)
  • 勉強会の情報提供をはじめ、色々なことはある程度集約した方が、無駄なく、質が高くなっていくと思う。(委員)
  • 「がん患者・家族総合支援センター」の事業はとても良いと思うが、市でも色々な情報を流せる場を常設して、がんについて相談支援できるような場所が必要ではないか。(委員)
  • 骨子の中にそういう言葉を盛り込んでもらえれば、それを踏まえて考えていきたい。(事務局)
  • 市のそのような窓口が新施設の中にできるということか。(委員)
  • そこはまだこれからの話である。そういった要望や必要性を報告書に盛り込んでもらえればと思う。我々が答えを出すというより、委員がどのように柏市を見ているか、感じているかを報告書の中にまとめてもらいたい。(事務局)
  • がんの部門は保健所の機構の下にお願いしたい。(委員)
  • がんもそうだが、医療情報センターのようなものを新施設のどこかに置いてもらいたい。市民のためになる方向性を分科会で出して、がん対策が継続できる場を施設の中に置けるようにしてもらいたい。(委員)
  • 千葉県でも議論しているが、柏市でも、受け皿となる在宅診療医を集めないと、今後、在宅療養はパンクしてしまうのではないか。(委員)
  • その件は医師会の中でも議論しているが、難しい話である。(委員)
  • 在宅診療自体は悪くないが、夜中までというのが難しいと思っているのではないか。自分の診療時間外の後方支援を受け持つ病院があり、システムがあれば、手をあげる医師もいると思う。(委員)
  • 現実に在宅診療を行っている立場からみると、そういう問題なのだろうか。(委員)
  • 喜んで在宅診療を行っている医師もいる。今は行っていない医師をいかに引っ張っていくかということである。夜間のバックアップがあることで、躊躇している医師が手を挙げることもある。(委員)
  • 本当はどこを増やせばよいか。病・診連携はよくいわれるが、診・診連携か。柏市の患者を流山の医師に診てもらうこともある。(委員)
  • 他市も診・診連携で、グループ診療をしたら、あまりうまくいかなかったようだ。そして、顔が見える関係の中でグループを組み直している。なかなか難しいようだ。(委員)
  • 報告書の短期計画、長期計画というのは、市としてはどのくらいを目安としているのか。(委員)
  • 短期計画は、今も取り組めるもの、昨年から取り組んでいるものも含めている。(委員)
  • 短期計画も長期計画も、同じ書きぶりになっている。長期計画は難しいとしても、短期計画は具体的に書いた方がよいのではないか。あるいは、短期計画について説明を入れた方がよい。(委員)
  • 今回は骨子案だが、最終的には詳細な形にする。既に取り組んでいる、あるいは、具体的に取り組めるものは詳細に示していく。(事務局)
  • 現状と課題にも数値を入れたらどうか。(委員)

審議の内容を踏まえて事務局が最終的な報告書案を作成して委員に送付し、その内容に対して委員が意見を述べ、委員の意見を踏まえて事務局が次回の会議資料を作成することとなった。

(2) その他

ア 国立がんセンター東病院 市民公開講座の開催について

イ 広報かしわ「われら健康応援団」がんコラムについて
 10月15日号からコラムを開始した。第1回は事務局が作成、第2回は酒井委員が執筆する。

6 傍聴者

なし

7 次回開催日時

平成21年12月2日(木曜日) 午後7時から