令和2年度第2回柏市障害者差別解消支援地域協議会会議録

1 開催日時

令和2年11月18日(水曜日)午後2時から3時まで

2 開催場所

介護予防センターいきいきプラザ2階 研修室(1)

3 出席者

(1)委員(敬称略)15名

市岡武、竹之内誠、名川勝、長谷川秀夫、萩原得誉、渋谷孝雄、関口篤行、中野しのぶ、山口滿信、白田東吾、小宮山智美、羽田知彦、大久保夏樹、佐藤健一郎、春日智郁子

(2)事務局

(障害福祉課)阿知波副参事、小野主査、針替主任、松本主事

4 議題

  1. 令和2年度障害者差別相談受付状況について
  2. 第1回柏市障害者差別解消支援地域協議会アンケート結果について
  3. 新型コロナウイルス感染拡大に伴う障害者差別に関する懸念事項について
  4. その他

5 開会

 障害福祉課 阿知波副参事より挨拶。

 コロナの影響もあり、差別の通報はそれほど多くはない。ただ、差別がなくなったわけではなく、見えなくなっているという印象がある。

 短い時間ではあるが、障害者が差別を受けない日々を過ごしていけるよう、しっかりと議論を重ねてもらいたい。

6 議事

(1)令和2年度障害者差別相談受付状況について

・名川委員

 バス会社が大学に出入りしているが、各障害に対応いただいており、毎年デモンストレーションも一緒に行っている。バスの運転席から車椅子が見えず、待っていても気づかれないことがある。運転手から「なんでちゃんと見せないんだ」と怒られたという話もある。最初から配慮してくれる人もいるが、配慮の必要性に気づいていないと、いつまでも同じことを繰り返すため、具体的な段取りや言葉遣いの提示も必要であると考える。すぐには効果がでないと思うが、そのような取り組みができたら良い。

・市岡委員

 今回の事例のように、本人が特定されることを恐れている場合に、どのように伝えていけばいいか。

・名川委員

 特定されないためには他の事例と併せて話をしたり、類似のケースを複数提案したりすることも1つの手としてある。

 具体的な対応について分かりやすくまとめ、当時者の方に協力をいただいて、手の空いている運転手の方々に話をする場を設けることができると効果があるのではないか。

(2)第1回柏市障害者差別解消支援地域協議会アンケート結果及び新型コロナウイルス感染拡大に伴う障害者差別に関する懸念事項について

・竹之内委員

 社会福祉協議会では、障害者手帳をお持ちでない方で、新型コロナウイルスによる収入の減少により相談に来た方が多くいた。最近また流行してきているため、我々も様々な制度の中で支援を提供していく必要がある。

・春日委員

 感覚過敏でマスクをつけることができず、周りから責められてしまう児童もいるため、周知のためのポスターを貼っている。このような方がいるということを知らせていくことは大切だと思う。

・大久保委員

 精神障害の方の支援をしており、常に目の前にあることに不安を感じながら生活している方が多いが、相談が増えたとは感じてない。自粛が長期化したことにより、サービスの変更があったり、気分転換ができなくなり、メンタルコントロールができない方は出てきている。家族との距離感を保つことが難しい方もいるため、一定のルールのもと拠点を活用していただき、時には家族も一緒に宿泊していただくこともある。状況に合わせて対応していきたい。

・佐藤委員

 商工会議所に来る方は事業者の方が多い。契約や給付金関係の相談がメイン。障害者の方への関わりが難しい部分もあるが、できる限り協力していきたいと考えている。

・羽田委員

 知的障害者の利用者が50名いる。緊急事態宣言下では、通常通り運営。保護者の方にも協力いただいて、自宅で過ごす時間を増やしていただく方もいた。長期化し、自閉症の方の中には、イベント等が中止になったことで、自身の生活リズムが崩れ不安定になった方もいる。

 生活介護はバスで送迎しているが、就労継続支援B型は公共交通機関を使用して来ていただいているため、距離感や感覚過敏によりマスクを着用できないことによる差別的扱いが見られた。ヘルプマークを活用していければよい。

・小宮山委員

 精神障害者の方の電話相談が増えた。同じ相談を何度も繰り返す方もいるが、受容するだけでも効果があるのではないかと考えている。

 コロナ禍において、職業を失った方からの相談は県や国で判断をして話を伺うことになっている。

・中野委員

 知的障害者の親の会。差別が表面化していない原因の1つとして、感染を防ぐために、地域に出ていく機会が減っていることがあるのではないかと考えている。

 人が多いところに行かない障害者が多いことに加え、移動支援の事業所も自粛している状況がある。自宅と通所先の往復だけで、休日は家にこもっているという方も大勢いる。

 コロナは批判が起きやすいため、感染を避けたい気持ちはある。施設で、人の少ない公園を探して、日中散歩をして体を動かしていたが、通りがかりの人から「ここはお化け屋敷みたいだね」という言葉を掛けられたと聞いた。悪意なく人が傷つく言葉を吐く人もいるのだな、啓発しても、そのような人は変わらないだろうなと思う。障害のある方は皆一生懸命生きているのになと感じた。

・山口委員

 3市合同の精神障害者の家族会。精神障害者は3密が苦手であるため、皮肉だが感染防止にはなっている。自宅にこもりきりのご本人に対しては、改めて説明していない家族もいる。

・関口委員

 世の中色々制限がかかっている。事業所が移動支援事業を提供しているが、楽しみにしていたカラオケに行けなくなった、電車に乗れなくなったという利用者の声を聴くことが増えた。一方で支援員にもストレスがかかっている。予防しているが外出の支援にあたる職員は負担がかかっている。相談業務は特に増えたとは感じていない。

 柏市から指定障害福祉サービス事業所宛にメールが届いたが、「事業所職員と思われる支援者が障害者にぞんざいな態度で接しているという事例があったと障害福祉課に連絡があった。適切な対応を心掛けてほしい」という内容。今までこのようなメールを受け取ったことはなく、現場は混乱している。もう少し経緯や目的をはっきりさせてほしい。

・渋谷委員

 広域専門員指導員という立場で柏市や我孫子市と協力している。

 コロナ禍でこう変わったというようなことはないが、精神障害者の方からの電話

が多い。相談機関と上手くやりとりができていない方や家族間の相談や不安を傾聴している。センターの他の部署では、手帳の更新を1年延長したり、電話での聞き取りを行ったり、在宅勤務に切り替えて業務したりしている。

・白田委員

 今年度柏市から福祉の総合相談と生活困窮の委託を受けている。障害があろうとなかろうと困窮に陥って、生活が立ち行かなくなっている現状がある。家賃滞納により追い出されそうな方が自殺を仄めかしたりすることもあり、精神疾患を患ってしまうのではないかという危機感を覚えた。一方、引きこもりの方、発達障害の方が、コロナ禍で配送業務を始め、続いている事例もある。

・長谷川委員

 成年後見の業務が主。3月から7月の間、相談会を中止し、電話での相談のみにしていたが、要望が多く8月より相談会を再開した。相続、遺言等通常より相談が多かった。多くの方が相談したくともできない状況にあった。自殺自死対策相談会も行っているが、こちらは件数は増えなかった。

 知的障害の方の後見を数件担当しており、墓参りに同行したが、家族は怖くて連れ出せないという家庭もある。まだ耐えている方々も多くいるのではないかと推測されるが、パチンと弾けてしまわないか心配である。

・名川委員

 都内の他の障害の協議会でも同様の話題が出ている。行政としてどういう風に関わることができるのか明確にしてほしいという要望が出ている。利用者家族からも、自分が病気になった時障害のある子をどうすれば良いか等不安が上がっている。どのような対応をやっているのか広めていく必要性を感じる。

・萩原委員

 障害がある方にもわかる感染対策のマニュアルが必要だと感じた。

 コロナを理由とした差別がこれから出てくる。障害者差別であっても、コロナ差別として顕在化する可能性がある。

・阿知波副参事

 柏市では、障害を持った子がいる親御さんが新型コロナウイルスに罹患、入院し、介護者がいなくなった場合に、濃厚接触者である本人を、2週間程度預かりができる一時預かり事業を用意している。今のところ、利用者はいないが、皆様が安心して過ごせるようにしていきたいと考えている。

7 傍聴者

 1名

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