令和元年度第3回柏市障害者差別解消支援地域協議会会議録

1 開催日時

令和2年2月6日(木曜日)午後2時から3時まで

2 開催場所

柏市社会福祉協議会2階研修室

3 出席者

(1)委員(敬称略)10名

市岡武、宮本治道、名川勝、萩原得誉、関口篤行、中野しのぶ、山口滿信、白田東吾、岡野高信、北村大明

(2)事務局

(障害福祉課)早川統括リーダー、小野主査、吉田主査

4 議題

(1)差別相談受付状況について

(2)啓発活動について

(3)その他

5 議事

午後2時、定刻になり開会。

(1)の後、(2)以降の議題を実施した。

(2)以降は、市岡会長が進行を務めた。

(1)開会の挨拶

開会に当たり、障害福祉課早川統括リーダーより挨拶を行なった。

(2)差別相談状況について

  • 事務局   

 差別の相談受付件数についてご報告します。令和元年度3件、平成30年度5件、平成29年度10件、平成28年度6件の推移となっている。先日、近隣市と話しをした際も、年間差別の相談は2~3件の相談であると報告。また、この相談件数には挙げていないが、1月に企業より障害者の方に対する対応の相談を受け、障害福祉課と宮本氏と共に対応した。事前に対応方法の相談を受けたことは良いことであると思われる。

  • 市岡会長
    これに対して何かご質問、ご意見はありますか。
  • 北村委員

 教育委員会での相談内容は、心ないことを言われたとの相談がある。一つ一つのケースの気持ちを受け止め、子供が傷つかないようにしていくことが大切である。

  • 市岡会長 

 岡野委員はご質問ありますか。

  • 岡野委員   

 バスを利用している利用者も多いが、先日、バスに利用者がのった時に、女子高校生二人がスマホで写真をとっていた。他の乗り合わせた利用者が発見して注意した。

  • 市岡会長 

 山口委員はご意見ありますか。

  • 山口委員 

 精神障害者は服薬で一見おとなしい性格になっている。副作用で意欲がなくなることがあって薬の影響だと思う。仕事が長続きしないのも、副作用が原因であると思われる。社会の受け止め方は精神障害者が、特異な事件を起こすと被疑者の段階で通院歴、入院歴があると情報がでて、その結果として、精神障害者は怖い、精神障害者の犯罪が多い印象になる。実際には違うデーターもある。これは最大の差別であると思う。

  • 白田委員 

 生活困窮者の相談窓口だが、最近ホームレスの相談を受けることが多い。行き場所がなくて、ネットカフェや日雇いの寮を転々としている人が多い。彼らは、何らかの障害があると思われる。いろいろな場面で、いじめを受けて傷ついて、親の理解がなく、居場所がなくて転々としている人が多い。そのような状況に陥ったのは、彼らの責任なのか、周りが早く気が付いたり、理解のある環境が作れなかったのかと思う。

  • 中野委員

 先程報告があった、企業からの対応の相談があったことは今までにないことである。少しづつだが、障害がある人を受け入れようという思いや姿勢がでていると思った。障害がある人が一般の教室などに通えるようになるとよいと思うが、合理的配慮や障害理解については、相互の理解が必要である。小さいトラブルも起きてくる。本人がおきざりにされていないか、周囲とのコミュニケーションが大切であると思う。一つ一つ対応を重ねることが必要である。

  • 関口委員  

 障害者の活動の場が広がっているという認識である。社会にでていく機会が増えると、差別と感じる質も変わってきているのではないか。差別が増えても不思議ではない。件数が変わらないのは、発信がためらうこともあるのかと感じた。相談では、本人の話をしっかりきいて、生活を一緒に考えていくことができたらよいと思う。

  • 萩原委員

 報告にあったが、事業所から相談があったことは初めてでよい流れだと思う。相談できることを発信していくのも良いと思った。最近、職場での合理的配慮を求める依頼も多い。職場のやり取りが上手くいかない。障害特性があり、上司とコミュニケーションがとれなくて孤立しているという相談がある。間にはいって上司と話をすると、職場でも配慮が必要であることはわかっていても、具体的にどういう配慮が必要なのかはわからないという話もある。本人は配慮されていることが逆に差別と感じる場合もあるようで、行き違いがある。主治医と話をして、本人が不安に感じることや本人の特性を教えてもらい、仕事の流れの道筋をつけることもある。その辺りの支援が必要であると思う。職場側からも相談しやすいことがあると良いのではないかと思った。

  • 市岡会長

 大学で障害をもっている学生に対しての対応はどのようにしているのか。

  • 名川委員  

 国立大学では合理的配慮は義務なので、対応要領の整備や研修をしている。最近多いのは、発達障害の学生について、勝手な行動をするので、締め出したり、研究室等のトラブルがある。上の学年で、個々に仕事をする状況では介助の余裕がなくなるので、トラブルになる。最近、実習にいくとトラブルになることもあると聞いている。重度の肢体不自由だけども、教育実習で付属の学校ではなく、一般校にいきたいと要望が出た場合、介助を入れながら教育実習をしたいといわれた時に、柔軟に対応してもらえていないと思うこともある。丁寧に話合いをして双方に理解してもらって実習に取り組むことができれば良いのかなと思う。落としどころをみつけていくことは可能なのかなと思う。

  • 市岡会長 

 柏市ではそのような実習生は受け入れているのか。

  • 北村委員

 今のところそのような事例は聞いていない。どのような障害なのか。

  • 名川委員  

 排泄、移動はうまくいかない。車椅子なので、黒板の板書はできない。

  • 北村委員

 事前に、詳細な情報を教えてもらえれば、受け入れるためにどうしようかを検討する。

  • 名川委員 

 柏市に今後相談したい。どのように相談すればよいか。

  • 北村委員  

 教育実習に関しては、直接当該校だが、学校と教育委員会と両方に相談してもらえれば良いと思う。学生にプラスになってもらえると良いと思う。

 柏市では医療的ケア児時の教育についても検討しているところ。どうすれば教育の機会を保障できるかという方向で動いている。

  • 宮本副会長

 企業からの相談の件は、筆談でコミュニケ―ションをとっていたが、筆談だけではわかりにくい。絵とか写真でと要求が高まったので、教室としては、どこまで受け入れたらよいのかと相談があった。できる範囲で対応してもらうように話をした。

 先日、東葛飾障害者相談センターに特別支援学校の3年生が見学にきた。がっかりしたのは、差別解消法を知っている生徒はいなかった。相談件数が少ないのは、知らなければ相談もできないので、一から周知しなければいけないなと思った。

 障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県条例平成30年度広域専門指導員等活動報告書についての説明。27ページの件数の推移についてだが、千葉県条例ができた平成19年は295件、その後減少し、障害者差別解消法ができた平成28年はまた増えて、190件、その後は再び減っている。件数が何故減ってきているのか、人に訴えることが難しい人も多い。引き続き周知はおこなっていくが、周知の仕方について考えていこうと話し合っている。

(3)啓発活動について

  • 事務局  

 2月3日に内閣府主催の障害者差別解消支援地域協議会体制整備・強化ブロック研修会に出席した報告。

今年度は関東ブロック(千葉県)と近畿ブロックの2回開催。来年度は8ケ所で開催予定である。内閣府としては、市町村に支援地域協議会を設置するこ

とを重点としており、今回の研修では都道府県の職員が市町村に対して設置を働きかけていくという内容であった。

 研修の中で、差別解消の為の地域の取り組みとして、差別をうけた事案が発生した際の対応方法だけでなく、地域内の取り組みとして、民間事業所における合理的配慮の上手くいった事例、接客の好事例を集めれば、合理的配慮が上手くいった事例になるので、これらを収集して共有、分析しても良いとの話があった。

 また、障害者本人が差別と感じる状況は障害特性によって異なるため、障害種別に応じた周知や啓発の進め方を支援地域協議会で検討して、何が差別かわからないと相談にはこないので、当事者へ啓発について検討していく必要はある。

 柏市では来年度にむけて啓発活動に利用するのボールペン作成の費用は、人権啓発活動地方委託事業に計画書と見積書を提出している。委託金の交付が決定は4月なので、交付されたら、来年度の協議会で検討していきたい。また、前回ご意見がでた、チラシの作成については、令和3年度の予算要求が9月のため、第1回の協議会で具体的に検討していきたい。

  • 市岡会長

 3月9日13時から自閉症啓発デイ合同でのチラシ配りをおこなう予定。ご協力していただける方は、13時に集合してください。よろしくお願いします。皆さん、何かご意見ありますか。特別支援学級の生徒が知らなかったことは盲点だった。今後、知ってもらうように広報していきたい。学校では何かありますか。

  • 北村委員

 教育課程の中に位置づけられていれば、もっと学ぶ機会になる。

  • 市岡会長

 学校の教育はとても大切であり、小さいころから学ぶ機会があると良いと思う。

  • 中野委員

 差別自体については、障害特性によって感じ方が違う。知的障害がノーといえない人が多いので、差別がわからない人が多い。困った時にどこに相談するのかチラシの中にはいっているとよい。座学でやってもイメージしづらい。内閣府の研修や、名川先生の研修でグループワークや映像をみてイメージがつきやすかった。ヒアリングをして、本人の話を聞き、知っているようで、本人たちの気持ちを知らなかったんだなということを感じた。生きづらいなかで、我慢して生活しているようで切なくなる。いろいろなところでハードルがある。

(4)その他

  • 市岡会長

 他にご意見ありますか。なければ事務局にお返しします。

  • 事務局

 2月14日障害平等研修をおこなう予定。約30名の参加申し込みがあった。東京オリンピックのボランティア向けの研修会も実施している団体に研修を依頼しています。

6傍聴者

なし

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