令和元年度第2回柏市健康福祉審議会障害者健康福祉専門分科会会議録について

1 開催日時

令和元年10月24日(木曜日)午前10時から11時30分

2 開催場所

ウェルネス柏 大会議室

3 出席者

審議会委員

松浦俊弥会長、砂川博延副会長、秋元学委員、浅井紀明委員、小松幸子委員、菅井治子委員、鈴木美岐子委員

事務局

  • 保健福祉部長(宮島 浩二)
  • 保健福祉部次長兼障害福祉課長(小川 正洋)
  • 福祉政策課長(石毛 雅之)
  • 社会福祉課長(田口 大)
  • 高齢者支援課長(宮本 さなえ) 
  • 地域包括支援課専門監(竹本 智子)
  • 生活支援課長(矢部 裕美子)
  • 保健所長(山﨑 彰美)
  • 保健所次長兼総務企画課長(能崎 勉) 
  • 保健予防課専門監(川﨑 仁江)
  • 地域保健課長(根本 暁子)
  • 健康増進課長(相馬 桂子)
  • こども部長(髙木 絹代)
  • 子育て支援課専門監(宮本 大)
  • こども福祉課長(三富 和法)
  • 学童保育課長(沖本 雅樹)
  • 保育運営課長(依田 森一)
  • こども発達センター所長(黒須 美浩)
  • 児童生徒課副参事(福島 敎文)
  • 児童生徒課副主幹(北村 大明)
  • 柏市社会福祉協議会事務局長(山下 嘉人)
  • その他関係職員

4 議事

  1. ノーマライゼーションかしわプラン2021の策定に向けた基礎調査の速報結果について 
  2. 〔報告事項〕教育福祉会館の耐震改修工事後のあり方・活用について

その他
〔報告事項〕台風19号の対応状況について

5 資料

6 会議録

議事 1 ノーマライゼーションかしわプラン2021策定に向けた基礎調査の速報結果について

資料1に沿って、現行プランの7つの柱ごとに事務局から説明

(松浦会長)

まず、前半の柱1~柱3について、ご意見やご質問はあるか。 

(秋元委員)

柱2の地域生活支援拠点では、具体的な相談の内容としてどんなことが多いのか聞きたい。

(事務局)

主に精神障害の方からの相談が多い。生きていくのに辛い、これからどうやって生きていこうなどの内容が寄せられている。

(松浦会長)

他に無いようであれば、後半の柱4~柱7について、ご意見やご質問はあるか。

(小松委員)

柱4に関して、地域若者サポートステーションは39歳までしか利用できないと聞いている。国では40代も含めるよう対象年齢が上がったと記憶しているが、柏市ではどのような状況になっているのか。

(事務局)

地域若者サポートステーションは、従来は15歳から39歳までを対象として実施していたが、40代の利用が増えており、対象者が拡大になったと聞いている。何歳まで対象となったかは確認する。

(松浦会長)

参考までに、千葉市の例を紹介すると、現在、学校と放課後等デイサービスの連携が法制化されているが、学校の教員が理解していないため、昨夏から教育委員会主催で教員向けの放課後デイ講座を2回実施し、うち1回は現場体験をしている。

現在、従業員数45人未満の企業の障害者雇用率は2.2パーセントで、当事者や行政がいくら頑張っても、現場の理解がなければ雇用を広げることは難しいと思う。そこで例えば、商工会や青年会議所に協力いただいて、企業の障害者雇用の担当者が、障害者雇用の現場を体験したり、特別支援学校の高等部などで一日体験することが考えられる。特に、市川大野高等学園や流山高等学園は職業教育に特化しており、子どもたちのスキルが極めて高い。そういう姿を、企業の方に実際に見てもらうと雇用の推進につながると思う。行政、商工会、青年会議所、当事者団体、施設など、どこが主催してもよいと思うが、現場体験の機会があると理解が広まると思うので参考にしてもらいたい。

このほか、全体を通して意見があればお願いしたい。

(砂川副会長)

柱6で挙げられている医療的ケアに対する支援に関して、本校(柏特別支援学校)は知的障害の学校なので、医療的ケアが必要なお子さんは3名ほどしかいないが、松戸特別支援学校は肢体不自由の学校なので、おそらく柏市の肢体不自由のお子さんも通っていると思う。本日午後から開催予定の柏市の医療的ケア支援連絡会でもずっと話題になっているのは、子どもたちの通学のことである。それから通学した後、たくさんいる医療的ケアのお子さんを待っている保護者や送迎を担当される福祉サービスの方々の体制に大変さがあると感じている。また午後の会議で深めていくことにもなるが、このあたりについて、委員の皆さんもいらっしゃるので、事務局から説明があると良い。

(事務局)

ご意見はまさにごもっともで、医療的ケアの必要なお子さん方が学校に通うための手段がなかなかないという現状があり、通学を保証してほしいという意見が多数ある。柏市医療的ケア連絡協議会の重要なテーマの一つとして、医療的ケア児の通学支援について検討を重ねているところである。正直申し上げて、通園バスでの死亡事故などがあり、なかなか具体的なところまで検討できていないが、様々な福祉サービスを活用しながら、どのように通学の支援を保証できるか今後も検討を重ねて参りたい。

(松浦会長)

佐倉市には重度心身障害の児童や成人も含めて通所施設があり、近隣の特別支援学校への登下校の際、ストレッチャーなどを使って、職員2名と看護師も付いて移動を支援している。どういう予算措置があったかは分からないが参考にしてほしい。

他にご意見がないようであれば、報告事項に移りたい。

(事務局)

先ほどの地域若者サポートステーションの対象年齢に関するご質問に回答したい。担当部署に確認したところ44歳まで対象を広げたとのことで報告申し上げる。

議事 2 教育福祉会館の耐震改修工事後のあり方・活用について(中間報告)

資料2に沿って事務局から説明

(松浦会長)

報告事項ではあるが、ただいまの説明について、ご意見やご質問があればお願いしたい。

(小松委員)

今まで予約して使っていた方がいると思うが、部屋数など今までのキャパシティよりも多いのか、少ないのか。

(事務局)

地域福祉センター部分はこれまでと変わらず、また公民館と連携することで、使い方は多様になると思う。さらにこれまで60歳以上を対象としていた中央老人福祉センターを多目的スペースとするので、使える場所は拡充すると思っている。

(菅井委員)

教育と福祉が一緒になってやり直そうという姿勢がすごく感じられて素晴らしい計画だと思う。特に、事務室にボランティアセンターと中央公民館の方が一緒に入ると連携しやすいだろう。文科省でも障害者の生涯学習が取り上げられており、とてもタイムリーなことで、私たち障害者にとって世界が広がるのはとても嬉しく思う。ただ、初心が忘れられてしまうことがあるので、始めに考えたことが絵に描いた餅にならないよう、現在の素晴らしい計画を実現できるように検証しつつ、私たち一般市民にも分かるように説明をお願いしたい。

(事務局)

ご意見ありがとうございます。確かに計画と同様、作った後にどうやっていくかが大事である。現在の計画も行政だけでなく、多様な方の意見を取り入れているので、理想の形に近づけていくために、運営委員会形式などで多様な方の意見を取り入れつつ、時代に応じて変化させながら進めていきたいと考えている。

(松浦会長)

その都度報告と検証を繰り返していくということでお願いしたい。他にご意見はあるか。

(小松委員)

貸出の料金は高くなるのか。

(事務局)

まだ予約方法や料金に関する議論には至っていない。現在、公民館部分は予約システムで有料、福祉会館部分は無料だが、今後一緒の建物とするならば、ルール化が必要だと考えている。 

(小松委員)

パレット柏は市民活動センターで、市民活動をする方が利用しているが、教育福祉会館のボランティアセンターでの活動との棲み分けはどうなっているのか。似たようなことをしているが連携を取っていないように見えるが、今後の状況はどうなるのか。

(事務局)

ただいまのご意見は、パレット柏を作る時も話題になったことである。パレット柏とボランティアセンターとの棲み分けについて、現実ではパレット柏は、立地の良さもあって若者の勉強場所にもなっているが、教育福祉会館は仕掛けの場として、より福祉の人材育成や各種事業など、人が集まるだけでなく、色々な課題について仕掛けづくりをすることなどにより、棲み分けしようと考えている。今回の検討においては、市民活動センターの職員もメンバーとなっているので、ボランティアセンターと連動しながら、仕掛けづくりについても後半の大きな検討課題である。教育福祉会館は、予定通りにいけば、再来年1月にオープン予定なので、実際の活動については今後詰めていきたいと考えている。

(松浦会長)

ノーマライゼーション推進の最前線として機能していくということだろう。他にご意見などあるか。 

(浅井委員)

従来1階部分の入口にホームレスのような方が数人座っている姿を目にしていた。先般の災害時に、避難所でのホームレスの処遇について話題になっていたが、市内のホームレスの方の実態把握はどうなっていて、雨風などで館内に入っている場合、どのように対応するのか。災害時のホームレスへの対応も考えておかねばならないと思うが、いかがか。

(事務局)

現在、年に1回市内のホームレスの方がいるであろう場所を調査したり、地域からの通報によって出向いてお話し、あくまでご本人の意思によるが、様々な場所や制度を案内している。昨年、教育福祉会館に長時間ホームレスの方が座っていることがあり、状況をうかがって相談対応しているので、今後もそのように対応していきたいと考えている。

(松浦会長)

参考として、10年前に池袋でホームレスの調査を実施したところ、130名のうち3割が知的障害で、そのうち数名が重度の知的障害、残る7割のうち半数が精神障害という結果であった。いずれホームレスと障害福祉も関係性が出てくると思うので、関心を持っていただきたい。

他にご意見がないようであれば、報告事項は以上とし、その他として、先日の台風に伴う災害対応について事務局より説明をお願いしたい。

〔報告事項〕台風19号の対応状況について

(事務局)

まず、台風19号前日までの準備について報告する。市内の障害福祉関係の全事業所にメールにて注意喚起を行った。また、聴覚障害の方へのFAXまたはメールにて、強力な台風が来るという注意喚起文の送信をコミュニケーションセンターかしわと協力しながら実施した。福祉避難所に指定されている事業所には、もし福祉避難所が開設になった場合の協力をお願いをした。

続いて、当日の状況について。10月12日土曜日、午前6時41分に大雨暴風警報が発表された。その後、午前10時5分に大雨洪水暴風警報が発表され、午前11時30分に避難勧告(警戒レベル4)が土砂災害警戒区域に発令された。なお、この警戒レベル4は、避難が必要とされるレベルとなっている。夜は、市内の一部で停電が発生したが、市内の障害福祉事業所における被害は無かった。

10月13日日曜日の午前中、市内のグループホームに利用者の安全確認を行い、問題ないと確認した。その他に朝から施設の一部損壊などが報告されていて、課の職員で現場の状況を確認してきた。

また、利根川の水位が上昇し、避難判断の推移の7.1メートルを超える勢いということで、避難所の開設に向けて準備を進めた。結果的には水位が下がり、午後10時39分に警報は解除されて、大きな被害がなく対応を終えることができた。

最後に、この度の件で見えてきた課題を報告する。1点目は、台風ということで、予測できる災害ではあったが、準備に手間取ったこと。2点目は、市内福祉事業所との連絡体制はきめ細かく整備しておく必要があると感じたということ。3点目は、2点目と関連するが、今回は停電していなかったので事業所等に連絡ができたが、停電した際の対応については考える必要があるということである。

(松浦会長)

ただいまの説明について、ご質問やご意見はあるか。

(秋元委員)

実際に福祉避難所を開いて、対象者を送迎するのにどういう対応を想定していたのか。私の勤める施設では、土曜に台風が来ることが分かった時点で、通園の利用者の受け入れは止めて、入所の利用者の対応のみ職員を確保していた。ただ、今回は想定外のことで翌朝になり、緊急で川の問題が発生したので、今後はその辺りも細かく想定していただきたい。

(事務局)

福祉避難所は別名二次避難所で、優先的配慮を必要とする方向けに開設するものである。基本は一次避難所に行き、そこで抱えきれない場合に二次避難所となり、現在は原則、各自が自力で来る、もしくは施設職員の力を借りて来ることになっている。おっしゃるように、利根川の浸水被害の可能性があったが、今回の対応としては社会福祉協議会の移動サービスを活用して、車椅子を確保し対応を委ねた。また、車椅子で動けない人のためには救急車の利用を依頼するなど、臨時的に対応したが、具体的な計画体制に則ったものではなかった。今後は、風水害に伴う浸水被害が想定される地域の実態について、具体的に対象となる人数や避難場所の想定が必要だと感じている。

それから、避難所となる施設の体制については、例えば昼夜間や平日休日など、予め複数のパターンを想定した具体的な避難行動計画を、特に風水害の場合は、市としても作る必要性を強く感じたところである。

(松浦会長)

福祉避難所は東日本大震災以降に注目を浴びたもので、自閉症や知的障害の方が集団生活が難しかったため開設された。私が特別支援学校に勤めていた際には、特別支援学校を福祉避難所にするという話もあったが、最新の情報では、福祉避難所に疑問符が付いている。人の心理としては、最も身近な場所に避難するのであって、特に風水害の際、実際に二次避難所まで行けるのか、送迎も難しい。そうなると、ノーマライゼーションの観点から、身近な避難場所に配慮が必要な方のエリアを設けたり、あるいは、すべての避難所に医療的ケアが必要な人向けの機器を置くといった方向性も論じられている。福祉避難所はあった方がよいと思うが、場合によっては、障害者が福祉避難所に追いやられてしまうことも考えられる。ぜひ身近な避難所にすべての人が避難できる安心感を考えていただきたい。

他にご意見などいかがか。

(菅井委員)

色々なご配慮をありがとうございます。親の会に入っており、今回は風水害が想定される地域ではなかったが、福祉避難所開設の連絡を受けることができてありがたかった。一方で、実際風水害の危険があった地域の方々にはK-Net(ケーネット)などで必要な情報が発信されたのか、気になるので教えてほしい。

(事務局)

今回はK-Net(ケーネット)の活用までには至らなかった。ただ、浸水被害想定地域に限らず、台風15号の経験から停電を警戒していた対策をとった。障害のある方には、相談支援専門員などを通じて、高齢者にはケアマネジャーや訪問看護ステーションを通じて、事前に連絡周知し、医療機器の補助電源の確保、医療機関の連携、いざという場合の行き先を決めるなど、施設や相談員を通じて、リスクの高い方への注意喚起はかなりできた。しかし、実際避難することになれば、不足することはあったと思うので、今後しっかりと対応を検討したい。

(松浦会長)

今回のことをきっかけにして、マンパワーを十分に活用するということだ。他にご意見やご質問がないようならば、本日の議題を終了する。

7 傍聴者

なし

8 次回開催予定

日時:令和2年2月20日(木曜日)午後1時30分から午後3時30分まで

場所:柏市地域医療連携センター 研修室

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