平成30年度第2回柏市障害者差別解消支援地域協議会会議録

1 開催日時

平成30年11月8日(木曜日)午後2時から3時まで

2 開催場所

柏市役所分室1 第4会議室

3 出席者

(1)委員(敬称略)12名

市岡武、宮本治道、長谷川秀夫、萩原得誉、関口篤行、中野しのぶ、山口滿信、白田東吾、羽田知彦、田久保宏征、岡野高信、北村大明

(2)事務局

(障害福祉課)阿知波専門監 
(障害者相談支援室)小野主査、吉田主任

4 議題

(1)平成30年度上半期他部署での障害者差別に関する相談受付状況について

(2)啓発活動について

(3)その他

5 議事

午後2時、定刻になり開会。

(1)の後、(2)以降の議題を実施した。

(2)以降は、市岡会長が進行を務めた。

(1)開会の挨拶

開会に当たり、障害者相談支援室長が所用により出席できないため、障害福祉課専門監より挨拶を行なった。

(2)平成30年度上半期他部署での障害者差別に関する相談受付状況について

  • 事務局
    平成30年4月から9月の他部署での相談受付件数は0件。障害者相談支援室では4月以降相談受付件数は3件で2件は終結。1件は対応中。昨年度は1年間で10件相談があったので、比較すると今年度は少ないことを報告
  • 市岡会長
    これに対して何かご質問はありますか。委員の皆さんどうですか。
  • 長谷川委員 
    相談先に変化はあるのか。
  • 事務局 
    相談先としては特に変化はない。
  • 長谷川委員
    偏っているとかはあるのか。
  • 事務局
    特に偏りはない。今年度は民間の事業者から差別を受けたという相談にはなっている。
  • 市岡会長
    他にございませんか?相談件数が減っていることへの評価はどうなっているか。
  • 阿知波専門監 
    相談件数が少なくなっていること、外部から相談が減っているということについて、必ずしも差別が減っているという認識がない。むしろ、差別があってもどこに相談したらよいかわからない。相談するのにためらいがあり、実際には飲み込んでしまう方が多いのではないかなと推察される。決して大きな制度変更があった上で差別がへったわけではない。あくまで表にでてくるのが減ってきたという印象である。
  • 長谷川委員
    問い合わせのアクセスの方法はもっぱら電話でしょうか。ファクス、手紙はあるのか。
  • 事務局
    今回は電話、メール、来庁での相談である。ファクスはない。昨年もファクスはない。電話や来庁での相談である。
  • 市岡会長
    皆さん、件数が減っていることに対しての意見はないのか。
  • 宮本副会長
    アイネットや相談支援事業所からは、差別についての相談はあがってくるのか。いつも接する機会が多いので話を聞くとないようだが、実際はどうなのか。
  • 白田委員
    虐待は経済的虐待などの相談があるが、差別の相談はない。関わりのなかで、障害のある方の家探しをする際に不動産業者の理解が難しく、それを理由に断られる時もあり、そういった部分について、これはどうなのかなと支援者側としては思うことがある。
  • 市岡会長
    どうですか。基幹センターとしてシャルでは。
  • 関口委員
    基幹センターではいろんな相談がはいるが、現状では、今年度差別についての相談は記録としてはない。もしかしたらあるかもしれないが、基幹センターとしての周知が行き届いていなところがあると思うので、今後は周知を図っていきたい。
  • 市岡会長
    我々委託相談としても、直接差別の相談はない。私自身も差別という認識をただ障害があるから仕方がないということで済ませてしまうことがある。自分の中で振り返って少し反省しないといけない。障害だからもう一手間かけないといけないと本来する必要がないことをやっている可能性もある。特に入院の時とかあるかなと。
  • 山口委員
    精神障害者の場合は家に閉じこもり、引きこもり状態が大半。何かをやろうと意欲をもっている人はごく一部。ですから、障害者側から積極的に社会に働きかけるとその時点で差別とかいろんな問題が発生する。障害者の側から例えば就労移行などで積極的に社会にでようと意識がほとんどないことが多い。逆に差別される機会がない。精神障害の場合も行動をおこす人が増えると差別される。家の中に閉じこもっていれば、差別はされない。そういう現状が精神障害の場合はある。
  • 市岡会長
    教育の方ではなにか相談とかあるか。
  • 北村委員
    義務教育の段階では、差別よりいじめや、不登校での対応となる。時々、合理的配慮の適切な提供がされていないと相談がある場合はあり、間にはいることはある。差別的に扱われているというよりは、どうしてよいかわからない。親も何をして欲しいかわからないということで間に入ることはある。
  • 市岡会長
    いじめも差別に近いところがあったり、教育では、差別の問題は大切ですね。
  • 長谷川委員
    柏の法務局でも毎週水曜日人権擁護委員会の電話相談の8割は差別で主に学校であると聞いている。職場の差別もあるが、学校でのいじめが多く、そこで最終的に学校に出向き、仲裁に近いことをしていると聞いている。具体的な例は教えて貰っていないが、その中に差別の問題が入っているかもしれない。いじめの問題で多忙なようだ。低年齢化していると聞いている。
  • 北村委員
    初めてきいた情報なので、こちらでも情報を共有したい。
  • 長谷川委員 
    人権擁護委員の1人からきいた情報である。電話だけでなく、学校へ出向いているようだ。
  • 市岡会長
    件数が減ってきていることに対して啓発をしていかないといけないという思いがある。啓発に関して皆さんの知恵を出してもらえればありがたい。警察の中で差別の相談を受けたり、逆に、警察から差別されたと苦情をうける場合はあるのか。
  • 田久保委員
    差別、虐待、いじめと区分けすると、学校でのいじめや虐待の相談はかなり多いが、差別されているとの相談はない。警察が差別していませんかといわれることはよくある。警察官の未熟な部分が多いと思う。やはりこういう場で話す口調、違う方にそれぞれ合わせて同じ目線で相手にあわせて話さないといけないところ、なかなかそうできない事情がある。例えば女性のデリケートな問題、精神に関わる問題とかにそれ相応のアドバイス、話し方、話す場所があるが、考慮しない警察官が増えている。そういったところには指導が必要な場合がある。その場合は素直に申し訳ございませんと言い、場所を変えてお話いただけないかと伝える。私からみても、公的機関の対応が追いついていない。障害がある人に対する対応が追いついていないのかなと感じている。
  • 市岡会長
    その辺の部分で協力できればよいのかなと思う。他にご意見ありますか。
  • 中野委員
    広い言い方になるかもしれないが、知的障害の親の会代表をしている。差別とか障害者ということが当事者からすると確かに一般の生活をしている方々にとっては、手がかかるし、わけがわからない行動をとったり、コミュニケーションが取れなかったりするので、非常に一緒に生活していく上では、面倒な存在だが、私たち親の立場からすると家族の一人であり、1人の人間である。障害者という言葉をつけられたり、差別という言葉自体がどうなのか。その言葉自体が一般の人と枠をつけられている気がしている。差別をどこまで差別と線引きするのかがわからない。私たちも社会の中にでていくことが困難なところには出て行きたくない。山口さんがおっしゃったように。積極的にでていけるところは選びます。福祉の制度は発達してきているので色々なサービスを受けられる。外出にしても、介護の方がマンツーマンでついてきてくださるので、直接一般の方との触れ合いはない。あるとしたら、一般の企業に就職している人はほとんど福祉サービスを使っていないし、相談機関にもつながっていない。本人と家庭の中ですごくストレスを抱えて生活をしていることは多いと思う。広い意味で言いますけど、特徴のある障害の人、例えば行動障害がある人が一般の社会の中の枠にはまることができない人たちなんです。そうしなければいけないとなっていること自体がおかしいのではないかなと思う。
    最近の育成会の中での話題ですが、先日、ワークハピネス農園が沼南にできて、ハウスの中で野菜栽培をするが、すごくよくできたシステムで、ハウスが沼南に30本くらいある。一つのハウスを企業がレンタルし、そこに障害者のある人を雇い、一つのハウスの中に4人をチームとし、1人は管理者で一般の方、3人は障害者で組んでハウスで野菜を作る。作った野菜は一般の流通にはのせないでレンタルした企業の子会社的なハウス経営。できた野菜は販売せずに、企業の食堂で使ったり、希望する職員の人に無料で配ったりしている。ただ作るだけなんです。企業にとっても雇用率があげられる。障害がある人もハウスの中だけで仕事をするので、一般の人とふれずにトラブルない空間で仕事をする。非常によくできたシステムなんですけど、障害のある人と一般の人が遮断されて生活している。ほぼ障害がある人はそういう守られた世界で生活をしているので、差別は何か。どこで起きるのかという一般的な家庭とはちょっと遠いという思いがある。
    別の資料で、私が書き足した権利擁護ネットワークで取り上げたい柏プランのアンケートの中での声を読むと、何とかうけとめてあげたいことが一杯記入されている。特別な枠の中で子供を育てたくないという意見が多い。学校の中で対応に困っているとか。教育指導を受ける時に辛いことがあったりとか、差別という案件ではあがってこなくても、結構言葉で傷ついたりとか地域の中で安全に暮らしたいという思いがあるので、そこの取組について、何か地域の方と話をするとか、交通機関や警察とかの話をする機会をもって、困り感をしらないといけない。そうするころがなければ埋まらないと思います。
  • 市岡会長
    一通り各委員の意見を一言づつ、意見をききたいと思います。
  • 萩原委員
    差別の形で相談があがるのは就労の場が多い。就労でこの間、、某スーパーマーケットのことが報道されたが、あれが実情なんだろう。あの方は声をあげたごくわずかなケース。あれが障害者雇用の実情なんだろうなと思う。相談できるということ、社会と障害者の接点があって問題が起きやすいのは、日本の現状だと就労の場が多いのかなと思う。あとは教育ですね。教育の現場でお子さんが幼い間は親の気持ちとしては、障害者だけでなく、一般の特別支援ではないところで、言い方が適切かはわからないが、健常者と一緒に生活してほしいという意向が強くあって、ある程度の障害者のなかで成人になって守られた中で社会生活を送ることが現状だと思うので、成人関係だと就労。小さいお子さんだと、学校、教育関係が多い。教育の現場では、いじめや医ケアの問題が多い。体制つくりの問題なのかな。
    差別かどうかは基準がない。似たような話でハラスメントも同様だが、結構、相談しにくかったり、解決が難しいと思う。躊躇してしまう。ましてや、障害者の人は差別と言う言葉は強いので、余程のことがないと、差別されているとは言わない。これは相談しても良いですよということを、啓発活動の中で訴えていけるか。
  • 羽田委員
    福祉施設の立場からは、利用者を受け容れて、利用者の言葉が足りない部分を代弁者として社会に対して理解を求めるようにやっている。就労B型事業で比較的社会との接点が多い。通所で交通機関など利用する時に差別されることもあると思うが、中々本人も理解できなくて、言い出せない、訴えられない、言葉にできない。そこを日頃の様子から我々が汲み取って、具体的な相談はあがってはこないが、本人の様子から、不当な対応をとられないように支援していきたい。
  • 市岡会長
    他にありますか。
  • 岡野委員
    事業所でも、自力で登園しているが、先日、車椅子利用の人がバスを利用した時に、運転手が介助して、スロープで介助してもらったが、バスに乗車する時にパスモにタッチできなかった。その後、降車する時に運転手は乗車したバス停を知っていたにもかかわらず、始発料金から取られた。直接話をして、解決はしたことはあった。
  • 市岡会長
    そういった事例を、次回の時にアンテナをあげて事例をもってきてもらえたらよいかと思う。

(3)啓発活動について

  • 市岡会長
    10月23日の研修について事務局から報告お願いします。
  • 事務局
    前回の協議会で、市民向けの研修の必要性について、協議したが、まずは民生委員向けにおこない、今回は、39名の民生委員が参加してくれた。
    市岡会長、千葉県健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室藤井氏を講師として、内容としては、障害者支援、障害者への差別や配慮について研修をおこなった。また、基幹、委託、相談支援事業所、あいねっと等より7名のファシリテーターにも参加頂き、グループワークをおこなった。アンケートの中では、今後も障害者支援や事例検討会についての研修は希望する意見が多かった一方で、差別についての研修会への希望は少なく、今後の啓発活動の難しさを感じた。今後、興味がある内容の中に少しづつ差別の内容を盛り込んでいくことが良いと考える。
  • 市岡会長
    差別の研修は非常に難しいなといった実感。虐待の方は比較的わかりやすい。この件についてご質問、啓発広報についてご意見があれば。
  • 阿知波専門監
    平成28年度、平成29年度は本市宛に、差別に解消に関する出前講座の依頼がきていた。年間3回、4回くらい。各地域の地区社協とかから依頼があった。今年になってからは減っている印象がある。
  • 市岡会長
    同じように県条例の立場からよろしいですか。
  • 宮本副会長 
    千葉県の方は条例から10年以上たち、県内に16名相談員がいて月に1回話し合いをしている。全体としては相談件数はやや減少傾向にある。差別自体は少なくなっていないだろうと思われる。啓発活動をどのようにしていくかがこれからの課題であるという話がでた。10年の時に県でも大々的に啓発活動をやればよかったのかなという意見もあった。
    民生委員の先日の研修では、民生委員も熱心にきいてくれて理解しようとしてくれた。今後もこのような機会をもっていったら良いのかなと思った。
  • 市岡会長
    差別解消法が施行された年には不動産業界とか、旅行業界とかが差別解消の研修を業界全体でおこなっていたが、現在は継続しているのか?
  • 長谷川委員
    機会がないとなかなかない。何年かに一度機会をもてると良い。
  • 市岡会長
    警察では研修はあるのか。
  • 田久保委員
    警察ではない。  
  • 市岡会長
    教育ではどうか。
  • 北村委員
    教員の研修では必ずおこなっている。
  • 市岡会長
    市役所ではどうか。
  • 阿知波専門監
    新採研修、新任管理職の研修はおこなっている。
  • 市岡会長
    全員にはいきわたっていないということですね。
  • 阿知波専門監
    すべての職層に対する研修は難しい。
  • 市岡会長
    いろんな業界の情報も知りたいとは思う。
  • 長谷川委員
    司法書士会が倫理研修を5年に一度から、毎年となった。基本的には失敗したケースをやるが、失敗したケースはそんなにあるわけではない。差別解消や虐待の問題も徐々にいれていくように検討するべきかなと思った。
  • 市岡会長
    いろんな面で差別解消について考えていきたい。 

(4)その他

  • 市岡会長
    議題3その他について、長谷川委員より内閣府の話をお願いします。
  • 長谷川委員
    先日、内閣府から依頼があり、内閣府担当者と市岡会長、あいネット白田さん、柏市役所小野さんで話し合いをした。内閣府からの依頼で、ある企業を通じて開発したノウハウを使った差別解消の研修会という形のモデル事業を検討しているので、柏商工会議所で行なって欲しいという内容で、差別解消に役立つ研修という認識であった。予算は内閣府が負担し、できるのではないかという話になった。柏商工会議所で2月に実施したいと思っている。内閣府としては、福祉関係者ではなく、障害者についてわからない事業者あてにやりたいとの意向。現在担当者と打合せをしている。30名定員でやる予定。障害者の立場にたった研修を受けて、体験をするという研修内容。ここにいる皆様方にも参加してもらいたい。
  • 市岡会長
    柏市障害者差別解消支援地域協議会も後援という形をとれればよいのかなと思う。警察官や教育など福祉関係ではない人が来てもらえると良いのかと考える。
  • 長谷川委員
    細かいことは市岡会長に一任するということでよろしいですね
  • 市岡会長
    その他協議することはあるか。(特になし)   

閉会 

6 傍聴者

0名

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