平成28年度第1回柏市障害者差別解消支援地域協議会会議録

1 開催日時

平成28年6月29日(水曜日)午後2時から3時30分まで

2 開催場所

柏市役所別館4階第5会議室

3 出席者

(1)委員(敬称略)11名

市岡武、名川勝、長谷川秀夫、萩原得誉、飯塚敏晴、藤田哲也、中野しのぶ、白田東吾、三井正行、竹内昭彦、山口祥子

(2)事務局

(障害福祉課)小川課長、阿知波専門監、吉田主幹

(障害者相談支援室)石田室長、大川原担当リーダー、小原副主幹、秋山副主幹

(障害福祉就労支援センター)野村専門監

4 議題

(1)活動方針

(2)具体的事例の確認及び検討

(3)その他

5 議事

午後2時、定刻になり開会。

議題に先立ち、以下(1)~(3)についても実施した。

(1)開会の挨拶

開会に当たり、障害者相談支援室長から挨拶を行った。

(2)各委員紹介

第1回目の開催に当たり、各委員から自己紹介を行った。

(3)会長・副会長選出

柏市障害者差別解消支援地域協議会運営要領第4項の規定から、会長に市岡武委員、副会長に楯雅博委員が選出された。

続いて、市岡会長の進行により、審議が進められた。

(4)活動方針

各委員及び事務局による主な意見等は、次のとおり。

  • 会長 少し前まで一般市民だった柏市の新人職員研修で、障害者差別解消法を知っている人が障害福祉課関係の職員しかいないのが実情。啓発広報が大切なので、事例の収集・評価と啓発広報を二つの柱としたい。
  • 委員 千葉県の差別条例も、アンケート調査から知っている方が30パーセント弱。先日も千葉駅で条例と法律のチラシを配布したが、なかなか周知というのは難しい。
  • 委員 差別というものは、具体的に何か分かりづらい、分かってもらえないところがある。当事者も、自分が差別を受けていることについて、分かっていないところもある。特に知的障害の人たちや家族は、地域に遠慮している現状、周囲に迷惑を掛けさせているという負担感がある。要求しすぎるのもいけないが、もっと要求しても良い内容について、親御さんに分かってもらえるような工夫を積極的にお願いしたい。
  • 委員 地域の方やボランティアの方と接する機会、会議の場、研修の機会に、啓発物を配布したり、時間を取って紹介する機会は取れると思う。
  • 委員 法施行へ向けて、教員向けにパンフレットを配布した。また、小中学校の保護者向けパンフレットを作成中で、2学期に配布予定。
  • 事務局 高齢者や子供と比べ、障害者については周りにいたり関係していないと理解できない。民生委員からも、地域の人へ何とか周知したいと言われるが、どうして良いか分からない部分もある。その中で、理解啓発事業をここ3年続けているが、少しでも支える側と支えられる側で距離を縮め、お互いに障害があってもなくても当たり前みたいな共生社会、当たり前のように隣りにいて障害だということを気づかず普通に話しているみたいな環境が出来るように、みんなでいろいろ考えることが出来たらと思っている。
  • 事務局 依頼があれば、市で市民向けの障害者差別解消法の出前講座を実施している。
  • 委員 有料になるが、バスの車内に差別解消法の広告やポスターを貼るということで、少しでも啓発出来るのではと思っている。また、差別ではないが、バスには車椅子をご利用のお客様が乗車するためのスロープ板を備えたり、耳の不自由なお客様へ筆談する等の対応をしている。
  • 委員 虐待は分かりやすい面もあるが、以前よりもアンテナは高くなったものの、現場では差別かどうか迷ってしまうことがある。差別について、挙げられたものだけでなく、現場で迷った声も吸い上げて評価し、Q&Aなんかが出来たら分かりやすいのでは。広報としては、毎月の研修で、市民向けに周知や情報提供が出来ると思う。
  • 委員 今年は入園式の配布物やフェイスブックで広報した。フェイスブックについては、随時情報や具体的な事例を挙げていくと、分かりやすくて食いついてくれるのではと、皆さんの話を聞きながら思った。
  • 委員 地域協議会がメインとして協議する部分は、実際にあった差別の申し出の事例に対する検討と合理的配慮。しかし、この法律が目標としているのは、これが差別にあたるのか、合理的配慮がこれで良いかというところというよりは、それを通じて障害者に対する理解を促進するところにゴールはある。事例や配慮を集積し、一定の時期が来ればまとめた形で市民の方に配布することで、障害の方に対する理解のハードルを低くするところが目指すべきところと個人的には思っている。この地域協議会は民間事業者も入っており、非常に多種多様な方が集まるため、勉強させていただくとともに、皆さんで良い議論が出来ればと思っている。
  • 委員 他の大学や専門学校の方から学内での交渉や差別解消の考え方に従って取り組んでも理解してもらえないとき、弁護士さんや人権関係の機関以外に、この協議会もあるといっても具体的にピンとこない。また、障害学生支援の調査機関から大学内における差別解消のあり方についての調査が、全国の各協議会へ照会される予定。
  • 委員 障害者差別だけでなくいろんな差別が世の中に存在している。障害がある人や特徴的な人、みんなそれぞれ変わっているが、変わっていることを個性として受け入れられないところに差別は存在するのだろう。いろんな差別はあるが、その根本について議論していくことが一番必要。教育の現場が一番大事。学校の先生が子供たちと一緒に考えていくことの出来るところに投資することが効果的だと思う。具体的には作文コンクール、子供たちが発言するシンポジウム等を開催するとか。かなり先になるかもしれないが、子供たち自身で解決する仕組みが必要になるのでは。まずは高校から始めて中学、小学校は5~6年生なら出来るかな、友達同士で問題意識として話し合う。例えば、ADRという手法等、紛争ではないが紛争に近い出来事を自分達で解決するため、差別がどういうものか整理することで、自分達の中ではっきりと捉えることが出来るようになるのではないか。

(5)具体的事例の確認及び検討

事務局が報告した具体的事例について、各委員が意見や感想を述べた。主なものは、次のとおり。

  • 委員 一方だけの話だと、聞き違いや認識のズレ等が出てきてしまうので、双方の意見を聞いて、食い違いみたいなところをプロセスを踏んで、きちんと結び合わせ、上手く解決した事例だと思う。
  • 委員 相談しても無駄だからということだと、制度はあっても使わずに放置されてしまう。実効性あるものにするためには、100パーセントの回答ではなくても自分達の思いを汲んで動いてくれたと実感することの出来るような解決を積み重ねることが必要。
  • 委員 差別を訴えた側の話だけを聞き、差別を訴えられた側へいきなり介入してあれこれやれと言う調整方法だと、逆差別的な考えが広まってしまう可能性もある。
  • 委員 あくまでも中立的な立場で相手の話も聞いてあげること、事情を十分聞くことが大切。

(6)その他

柏市権利擁護部会が作成したチラシ「選挙に行こう」が、参議院議員選挙の投票所に置いてもらえることになった。

6 傍聴者

1名

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