平成26年度4回自立支援協議会議事録

平成26年度第4回柏市自立支援協議会議事録

開催日時

平成27年2月23日(月曜日) 午前10時から午後11時55分

開催場所

教育福祉会館2階大会議室

出席者

委員

松井会長、渡部副会長、綿貫委員、大久保委員、市岡委員、細田委員、田中委員、富澤委員、戸井田委員、吉川委員、竹内委員、中野委員、西脇委員、平山委員、松村委員、佐藤委員、山下委員、飯塚委員、永桶委員、鈴木委員

欠席者

門脇委員、新福委員

事務局

  • (保健福祉部)
    上野保健福祉部次長
  • (障害福祉課)
    枝川障害福祉課長
    小川副参事
  • (障害者相談支援室)
    宮本障害者相談支援室長
    石田統括リーダー
    佐久間副主幹、河内副主幹、小原副主幹、長谷川副主幹、植竹主事、針替主事、星主事
  • (障害福祉就労支援センター)
    宮本障害福祉就労支援センター所長、野村副主幹、廣藤副主幹

議題

  1. 各部会報告
  2. 計画相談支援・障害児相談支援について
  3. 委託相談支援事事業所の業務について
  4. 報告事項
  • ノーマライゼーションかしわプラン
  • 柏市障害児医療的ケア支援連絡会の取り組み
  • その他

傍聴者

なし

会議録

平成27年2月23日午前10時開会

議事

議題1 各部会報告

《相談支援部会:大久保委員》

  • サービス等利用計画・障害児支援利用計画の進捗は、12月末現在63%、今年度は月50件余りのペースで新規立案が進んでいる。今後も月50件強の新規立案ペースで取り組むことで、継続の方が来年度中に迎えるサービス更新までの計画立案は達成できることを確認した。
  • 市町村の代替プランは一年かぎりの措置なので、できるだけ代替プランにならないように、指定相談支援事業書での計画作成を進めていく。待機者がたらい回しにならないように、待機の場合でもリストを作成して順次声をかけていく。
  • 今年度から地区別の開催を行い、各事業所のノウハウが生かされる内容になった。来年度も継続して実施していく。相談支援連絡会に積極的に参加している事業所についても、さらなるスキルアップができるように研修を行っていく。ワーキンググループの活動や今後の活動予定については、資料をご覧いただきたい。
  • 松井会長:相談支援部会について何か質問はあるか。なければこども部会から報告をお願いします。

《こども部会:松井会長》

  • 計画相談については、大変重要なことだと考えている。特に子どもは3月から4月にかけて進級するので、計画が多く出てくる時期にもなってくる。
  • 学齢期の子どもの大きなこととして、矢切特別支援学校の開校に伴う学区変更がある。市内の放課後等デイサービスの事業所には、学区の変更についての情報提供をし、そのことで送迎できなくなる場合には、他事業所にスムーズに引き継ぐよう依頼した。
  • 障害のある児童が児童福祉法のもとに支援を受けることになったが、厚生労働省から出された「障害児支援の在り方について」の報告書と「放課後等デイサービスガイドライン」「平成27年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性」の資料をもとに概要を各委員に情報提供した。
  • こども発達センターから早期支援担当者会議の報告があり、今後のあり方として、児童発達支援事業の適切な拡大と母子支援の充実のために、児童発達支援センターの整備の要望が出された。児童発達支援事業の拡大については、事業所の連絡会を持ってはどうかとの意見も出された。
  • サポートファイルを持った子ども達が学齢期に入るため、その活用についても意見が出された。また、キッズルームこすもすの子ども達、特に医ケアの子ども達への支援をどうするかについても、今後のこども部会で検討することが確認された。
  • 松井会長:こども部会について何か質問はないか。なければはたらく部会から報告をお願いします。

《はたらく部会:富澤委員》

  • 部会は11月の他に、1月、2月にも開催した。11月の部会では、一般就労と福祉的就労の分科会に分かれて話し合いを行った。
  • 一般就労分科会では、人材の育成、アセスメント、企業開拓の検討、企業実習などが課題としてあがった。特に企業実習については、本人にできることとできないことがあるので、企業へのアプローチが大切だということが出された。障害者雇用の実績のある企業を講師として招き、研修会を開催してはどうかという意見が出された。
  • 福祉的就労については事業所によって作業の内容も違うので、作業活動別のネットワークの構築が課題としてあげられた。
  • 千葉県の平均工賃に比べ、柏市の平均工賃は低いので、なぜ低いのか原因を分析する必要があるのではとの意見があった。
  • 次年度については、方向性が見えてきたので具体的な形にしていきたい。
  • 松井会長:はたらく部会に対し何か質問はあるか。以前、特別支援学校から直接就労継続支援B型を利用することについての対応が問題になっていたと思うが、そこはどうなったのか。
  • 富澤委員:今年度の9月の部会で柏市と就労支援事業所との話し合いを行った。そこで障害者相談支援室が説明をして事業所からの意見をもらい、就労移行支援事業所でアセスメントを実施するということになった。
  • 松井会長:対象となっている方達は、希望どおり就労継続支援B型に行けたということなのか。そのあたりを含めて事務局から答えていただけるか。
  • 事務局:特別支援学校とも相談し、就労移行支援事業所の協力のもと、希望者に対してアセスメントを実施して、その結果をもとに4月からの進路の決定を行い、希望者には利用に向けて支給決定していくところである。
  • 松井会長:はたらく部会について何かないか。なければ権利擁護部会にお願いします。

《権利擁護部会:市岡委員》

  • 養護者のための研修「養護者なき後~今しておくべきこと~」には、100名を超える出席があった。研修の中でも障害者の高齢化は高い関心を持ってとらえられていると感じた。虐待の件数等の報告を受け,具体的な事例を検討した。保護者だけでなく、血縁のない人、遠縁の人からの虐待も増えてきており、判断に悩む事例が多いということが紹介された。
  • 平成28年度からの障害者差別解消法の施行について、来年度はその準備として啓発の取り組みが必要になる。権利擁護部会も差別解消法を中心に取り組んでいくことになった。まだガイドラインは出ていないが、今後具体的に必要な対応について啓発していく必要がある。
  • 意思決定支援については昨年から取り組んでいるが、来年度はより現場に近い話をしていきたい。現場でどのように生かしていくかを中心に事業所の協力も得ながら考えていく。
  • 虐待に関する研修は今後も継続して実施していく。平成27年2月27日(金)にも今年度第5回の虐待防止の勉強会を実施予定である。
  • 松井会長:何か質問はあるか。他の部会もそうだが権利擁護部会は特に難しいことが多かったと思う。次にグループホーム連絡会にお願いします。

《グループホーム連絡会:平山委員》

  • 今年度は情報共有のため事業所シートを作成して相談支援部会等で配布し、相談支援専門員を中心に情報の共有をはかった。管理者ではなく現場で働く世話人・生活支援員の間で情報交換を行った。身体・知的・精神それぞれのグループホームから運営状況や課題などを発表してもらい、現場の生の声を聞くことができた。
  • 松戸圏域や千葉圏域のグループホーム等連絡協議会と研修会を共催し参加することで、他の地域ではどうなっているかについて学ぶことができた。
  • 来年度は今年度課題として出された、グループホーム入居者の日中活動、夜間職員が一人の時の病気や震災等緊急時の対応、グループホームの職員の労働環境等の課題ごとに、課題別の班を作り検討を行っていきたい。
  • 研修についても、松戸圏域や野田圏域の情報も含めて、外部研修の情報発信と参加要請を行っていきたい。
  • 中野委員:グループホーム連絡会で、事業所シートの作成と空き情報の取り扱いとあったが、現在グループホーム入居者は運営する法人の利用者が中心となっている。新規のグループホーム設立希望者が、入居者の確保ができるかどうかが心配でためらう場合もあると思う。連絡会や行政で入居希望者と設置者とのマッチングはできないか。法人内だけでの情報ではなく、市内全体での入居希望者のリストがあれば、希望者が空きのあるグループホームに入れるのではないか。
  • 平山委員:最もなご意見とは思う。これまでは法人の利用者が中心となってきたが、空き情報を外部に出すことには難しさがある。例えば、今一つ空きがあったとしても、自分の法人の利用者で今後引き受けなくてはならない人がいる場合には、オープンにできないこともある。本当に空きがある時にはオープンにできるが、必ずオープンにしなくてはならないということにはしにくい。空きがあった場合の情報は提供するが、希望者を早い者順で入れるべきかどうか。環境等も考慮して入居させていきたい。
  • 松井会長:グループホーム連絡会のメンバーは事業所だけなのか。利用者等が参加するとまた新しい意見が出るのではないかと思う。
  • 綿貫委員:権利擁護部会からの報告で合理的配慮の話が出ていた。市町村には義務だが、企業は指導努力義務ということだった。はたらく部会と連携して会社の合理的配慮をお願いしたい。会社の場合は義務ではないということだが、事業所の職員からも会社における合理的配慮について働きかけていただきたい。
  • 市岡委員:労働関係については、早い段階から合理的配慮についての事例が出てきている。必要があれば、はたらく部会と合同で考えていかなくてはならないと思う。
  • 中野委員:計画相談支援について、継続の人も新規の人もどこの相談支援事業所を選択するかが大事になっている。すぐには計画は立てられなくても、待機ということになっているのでありがたいが、今後駆け込みで計画相談をお願いする際に、どこにどのような事業所があるか等を聞きたい。どこに相談すればいいのか。
  • 松井会長:その件については次の議題に関係するので、そこで検討するということでお願いします。

議題2 計画相談支援・障害児相談支援 ー 進捗状況及び次年度以降の対応について

《事務局》

  • 来年度の対応について、事業所向け、障害者団体向けの資料を作ったのでご意見をいただきたい。特に事業所向け資料4のセルフプランについて資料5の指定相談支援事業所による計画相談を利用できない利用者への暫定的な支援について説明させていただきたい。
  • 現在柏市は計画相談作成率70%未満で、28年度に向けて完全に体制が整ったとは言えない。平成27年度中に作成ができない場合、28年度からのサービスが提供できない可能性がある。そのような事態を避けるため、セルフプランの作成支援を行うと共に今後も計画相談の体制を整えていく。利用者の家族から4月以降受給者証が発行できないのではないかとの心配も出始めているが、そのようなことがないように、今回暫定的な対応を検討した。つなぎにはなるが適宜対応していく。
  • ただし、相談支援事業所による計画相談が基本ということであり、国からは体制整備に努めたうえで、サービスの支給決定が妨げられぬようセルフプランを実施するようにとの指導もある。安易にセルフプランの作成とならないように進めていきたい。他市では計画相談の作成率を上げるために、セルフプランの作成が安易になされている所もある。あくまでも体制整備を進めることが前提という国の通達を遵守しながら、今後も進めていきたい。
  • 前回の運営会議で団体向けに別に資料を作った方がよいとの意見があり、別途に資料を作成した。多少表現をわかりやすく訂正している。この場でご意見をいただければ事務局で訂正し、2月下旬から3月の始めに各事業所に送付したい。
  • 松井会長:事業所向けに説明会はしないのか。
  • 事務局:3月中に事業所向けの説明会をすることは難しいため、障害福祉課の施設指導担当が毎年実施している事業所向けの集団指導で、時間をもらい説明を行う予定である。
  • 市岡委員:全国や千葉県の状況から見ると、柏市の計画作成の進捗状況は進んでいる方である。しかも、同規模の自治体に比べるとセルフプランの率は低く、計画相談が多くがんばっていると思う。今後の見通しとしても危機的な状況ではなく、来年度このままでいけば何とかやっていけるのではないかと思う。
  • 松井会長:相談支援部会の報告を見ると、来年度も今年度と同じペースで計画を作成していけば、目標が達成できるとなっている。しかし、現在計画作成をしている事業所はもう一杯でこれ以上は無理なはず。今までと同じペースでの計画作成は難しいと思うがどうするのか。
  • 大久保委員:もうすでにかなりの計画作成件数をあげている事業所と、まだ件数があがっていない事業所とをどう扱うのかは、相談支援部会でも議論を重ねている。 実績が少ない事業所に件数を増やすよう支援するのか、既に作成している事業所に更に件数を増やしてもらうのかは難しいところである。現在件数が少ない事業所が急に増やすことは難しいと考えている。件数の少ないところを支援して盛り立てていくほどの余力は他の事業所にもない。また、既に計画を立ててもらっている利用者から、相談支援事業所を変えたいなどの苦情が、委託の事業所にあがってきている。 その対応に時間を取られることも多い。これからは計画作成の件数をこなすという部分と利用者と相談支援事業所のマッチングという部分も考えていかなくてはならない。事業所と利用者のマッチングについては、特別支援学校が学校で顔合わせを行ったように、相談支援事業所が一堂に集まり、説明会をするなどの情報提供をした後、利用者が選べると良いと思っている。他に、新規事業所の育成や各相談支援専門員の作成計画の自己の見直しもある。
  • 松井会長:いくつか実態を探ってもいいのではないか。
  • 平山委員:彩会は今年度一年間計画作成を実施して、常勤と兼務の職員で80件近く計画相談を受けている。来年度このペースでさらに80件追加できるかどうかは考えてしまう。来年度は5件程度かとも思ってしまう。来年度は断ることもあるのか、受けたとしても今までのように丁寧にやりきれるのかとの思いもある。また、相談支援の範囲をどこまでやるのかというところもある。 時間外の対応についてどこまでやれるのか。職員には携帯を持たせていることもあり、今は対応できているが、夜間等の時間外にどこまで対応できるのか。来年は人員を増やして対応するしかないかなと思っている。また、介護保険と併用している方については、介護のケアプラン優先となるが、介護のケアマネは障害のサービスについてあまりわからない。障害のケアマネと両方つけて欲しいとご本人から意見があった。介護のプランについて、障害の計画も使えないか検討してほしい。
  • 松井会長:いくつも争点はあると思うが、今回の議題に絞って話したい。今回の柏市からの提案はわかりにくいものではあるが、他市に比べてとても丁寧に書かれていると思う。今回この通知の了承が得られたら、いつ頃事業所に周知するのか。
  • 事務局:内部で決裁をとり、2月中できれば今週中に送付したい。
  • 松井会長:相談支援部会と運営委員会で内容を確認している。今日、他から何か意見はあるか。
  • 西脇委員:先日、柏市との懇談会でも市から説明を受けたが、今回の資料でより理解が深まった。団体にもこの資料を配ろうと思う。
  • 松井会長:各団体から依頼があれば、市は説明に出向けるか。
  • 事務局:この件に限らず、団体からの依頼があれば説明したい。
  • 竹内委員:保護者にとっても、このような通達があればありがたいと思う。保護者のことも書いておりよいと思う。このまま進めていただきたい。
  • 綿貫委員:新規に参入する事業者の見込みはあるのか。
  • 事務局:相談支援事業所の指定をまだ受けていないが、今後こちらで期待している法人はあるので、働きかけをしてみたいと思う。ただし、それを受けてくれるかどうかは法人の判断になるかと思う。
  • 松井会長:協議会としてはこの議案については了解したということでよろしいか。

(特に反対なし)よければここで休憩とします。

休憩

  • 松井会長: 先ほど他県他市では作成が600件と言ったが、これについては計画作成の時に訪問がされていない。私達柏市は、訪問なしに計画を作成するのはあり得ないことなので、そこが大きな違いとなる。それでは議題(3)の委託相談支援事業所の説明と質疑応答をお願いします。

議題3 委託相談支援事業所の業務について

《発達障害支援室シャル:細田委員》

  • 発達障害者相談支援事業所シャルは社会福祉法人青葉会になる。事業所は松葉町にあり、開所時間は平日で9:30から17:00となっている。土日祝日はお休みとなるが、携帯電話で対応している。法人が実施しているその他の事業については、資料をご覧いただきたい。
  • 法人の特徴としては、自閉症・発達障害の専門機関として、柏市をはじめとして近隣の市町村から多くの相談を受けている。近年は、学校職場でトラブルになった方やご家族からの相談、就労や日中活動についての相談も多い。それについては法人の就労支援機関はもちろん、千葉県発達障害者支援センター(CAS)や地域の相談支援事業所、福祉サービス事業所とも連携しながら取り組んでいる。
  • 施設の概要としてスペースや従事者の状況は資料に載せている。臨床心理士、その他の資格を持つ者が、委託相談・計画相談を行っている。また療育支援コーディネーターがおり、柏市の療育支援事業、千葉県の療育支援事業として委託を受け、保育園や幼稚園の訪問を行っている。 また今年度から、障害支援区分の認定調査の委託を受けていて相談員が実施している。
  • 専門性の確保として、外部研修への参加実績を載せている。内部での相談従事者の専門性アップへの具体的な取り組みとしては、週1回のケース会議は必ず実施している。また月1回の法人内のWITHUS相談室との共同会議では、相談室の運営、相談支援についての会議を行い、困難ケースを共有している。 年1回の法人内の研究会では、委託相談についての発表も行っている。
  • 相談支援マニュアルの整備については、法人内で相談規程を定め、その中で相談提供のルールを定め、定期的にケース会議で検討する体制をとっている。また、定期的に外部のスーパーバイザーと困難ケースの検討も行っている。得意とする障害以外への対応については、発達障害以外に知的障害、精神障害の方を多数受け入れ、柏市内外の障害福祉サービス事業所、相談支援事業所、行政と連携して相談を行っている。 近年は病院のソーシャルワーカーや医師とも連携するケースも増えている。
  • 地域の取り組みは、資料の方に載せている。また、柏市発達障害者支援協議会が開催する「発達障害サポーター研修会」の事務局をシャルが担当している。地域移行・地域定着への取り組みとしては、病院と連携してグループホーム入所までを委託相談として行った。
  • 事業所としてのアピールポイントとして、ケースは事業所内で共有することを大事にしている。本人の了解をとったうえで、他機関や法人の関係事業所と連携している。発達障害やアスペルガー症候群の方に対しては、学校や職場で判明することもあるので、相談の窓口として指定相談支援事業所とも一緒に取り組んでいる。また、具体的な事例での助言なども行っている。

【事例1】

  • 子どもに発達障害の傾向がある事例。市内の他の指定相談支援事業所が関わっていたが、意思疎通がうまくいかなかったり、発達障害への理解が難しかったりするので、助言者として関係者会議に参加したケース

【事例2】

  • 夫のDVで離婚した母子家庭のケース。家族支援と子育て支援の視点から家族援助を行った。訪問介護、居宅介護を開始するまでを支援したケース。

【事例3】

  • 50代の女性。広汎性発達障害の診断を受け、対人関係が難しく部屋が片付かないので、本人と話し合いをしながら、どのように生活していくのがよいのか、障害者相談支援室と一緒に取り組んでいるケース。
  • 松井会長:続けて権利擁護あさひから相談を受け、その後の質問という形にしたい。

《権利擁護あさひ:吉川委員》

  • 特定非営利活動法人権利擁護あさひは、柏市篠籠田に事務所があり、平日の10:00から17:00に開所している。土日祝日と年末年始は閉所しているが、事前に予約いただいているケースについては、閉所日にも直接訪問に出向いている。
  • 法人で実施しているその他の事業としては、指定一般・特定・児童相談支援事業所、居宅介護や訪問介護のヘルパーの派遣、生活介護、高齢者のデイサービスも行っている。 地域生活支援センターの3型を2ヶ所運営しており、主に精神障害の方が利用している。また少し離れたところで、放課後等デイサービスも行っている。
  • 法人の特徴としては、ピアヘルパー養成研修ということで、軽度の知的障害の方や精神障害の方にヘルパー2級研修(介護職員初任者研修)を不定期ではあるが7回実施している。毎回20名から30名の修了生があり、その中ですぐに働きたいという方については、適性に応じて法人内の事業所で雇用している。
  • 事業所の概要だが、事務所などについては資料の通り。職員は2名で、社会福祉士と精神保健福祉士の資格を持っており、1名はヘルパーの資格も持っている。その職員が指定相談支援事業に従事している。また、二人とも放課後等デイサービスに勤務していたので、障害児への保育や保護者へのアセスメントに関しては得意である。地域活動支援センターの経験もあるので、精神の方への対応も得意としている。
  • 研修にはできる限り参加したいと思っており、資料に記載した研修には参加してきた。事業所内でのスキルアップや振り返りとしては、月1回から2回の事例検討を実施したり、自分が作った計画や関わりについて、情報交換をしたり悩みを打ち明けあったりし、振り返りを行いながら業務を実施している。
  • 事業所として独自に取り組んでいることとしては、福祉サービスを利用していない対象者や家族に対しての丁寧な相談を心がけている。独居など孤立しやすい状況にある対象者へのアウトリーチということで、定期的な訪問や電話などで孤立の防止に心がけている。

【事例1】

  • 43歳の男性。発達障害があると思われるが、高校卒業後は自宅で暮らしていた。家族の障害受容が不十分だったため抱え込んでしまったと思われる。その状態で何十年と暮らしてきたが、父の死亡、母の病気などで問題が顕在化してきた。母親のケアマネと連携し、何とか本人が自立して生活していけるように支援しているところである。

【事例2】

  • 33歳の統合失調症の男性。就労継続支援B型を利用していたが、就労移行支援事業所にステップアップしようとしたところ、プレッシャーから体調を崩し、引きこもりで通所困難となった。事業所からは地域活動支援センターからやり直したらとも言われているが、本人は就労継続支援B型で頑張りたいという気持ちがあり、本人と保護者を含めてケースカンファレンスをしながら、どう支援しようかと検討している。

【事例3】

  • 50歳のうつ病の母とダウン症の息子の事例。息子については、放課後等デイサービスの頃から関わっている方。 高校くらいから息子が不登校で療育困難となり、母の病状も悪化した。現在、息子が短期入所を利用したことで母も少し楽になったが、預けてしまったことへの罪悪感も出てきた。現在病院とも連携して、母の気持ちの持って行き方等について検討している。
  • 松井会長:二つの事業所に対する質問やご意見があれば。先ほど話題に出たセルフプランについては、どのように受けているのか。
  • 吉川委員:セルフプランについては何人か問い合わせはある。現在、指定相談については、かなりの件数を受けているので一度ストップしているが、随時依頼があれば待機リストに載せていた。ただ、セルフプランも出てきているので、ある程度話を聞いて、この人ならセルフプランでもよいのではないかとなれば、ゆっくり説明しながらすることになるかなと思う。現在1名ほど、セルフプランでよければまたお電話を下さいと話している方がいる。
  • 細田委員:セルフプランについては、計画ができないからセルフプランということではなく、セルフプランを作ることが本人と家族にとってベストということが、これからはあるのではないか。その方にセルフプランが合うということならば、委託として作成のバックアップしながら、落ち着いたらセルフプランから信頼できる事業所を紹介するという形で移行することはできるかなと思う。実際にもこれからは取り組まざるを得ないかなと思う。
  • 大久保委員:委託の機能強化の役割は、本来なら地域啓発や予防など、プランや福祉サービスではないところの充実が、持ち味も生かしていけるのではと思うが、計画作成がひと段落したらやってみたい、今後の展開や思いを聞かせていただければ。
  • 吉川委員:個人的には精神の分野には興味がある。地域活動支援センターでさえ通えない人がいるので、その人達も参加できる自助グループのようなものを作ってみたい。また,引きこもりの子どもも多いので、平日には難しいが、土日にボランティアを募ってサークル的なものもやってみたい。
  • 細田委員:今後は委託事業所として受ける困難ケースが増えていくと思われる。事例にもあったが、福祉サービスを入れたくても入れられない家庭について、障害者相談支援室や保健予防課のケースワーカーが頑張っている。委託も一緒にやっていかなくてはいけないが、そういった時に新しい福祉サービスが欲しいというのは強く感じるところである。 生活支援はサービスを入れるだけでは難しいので、委託の事業所が部会等で問題提起していきたい。また、柏市の基幹相談支援センターについて、まだ周知が足りないと思うので、あわせて今後の課題だと思う。
  • 松井会長:この場は委託事業所の評価という位置づけでもある。今後の委託の継続の評価は柏市ですると思うが、協議会としてはどうか。 引き続きの課題については、それぞれの事業所で述べていただいたと思うが。特になければ、協議会として今年度は一定の評価をしたということでよろしいか。(特に異議なし)それでは最後に事務局から報告事項をお願いします。

議題4 報告事項

ノーマライゼーションかしわプランについて

《事務局》

  • ノーマライゼーションかしわプランの策定についての、平成26年度における自立支援協議会での協議は、運営会議で5回、全体会で3回協議し、10月31日の全体会が最後となっている。委員の方の意見をふまえ、11月20日の健康福祉審議会障害者専門分科会、12月9日から1月9日の1ヶ月実施したパブリックコメント、1月29日の障害者専門分科会の協議を経てまとめ、2月19日の健康福祉審議会で答申を受けることができた。 皆様のご協力のおかげで無事まとめることができたことを御礼申し上げたい。
  • 本日配布したのは、先日の審議会で報告した概要版案で、約180ページの本編を8ページにまとめたものである。親しみやすい表紙になるよう一新し、フルカラーで見やすく作成した。現計画の概要版は16ページだが、さらにコンパクトな8ページにまとめた。概要版は許可の関係でまだ写真が全部は入っていず、色なども現在調整だが、もう少しやわらかいイメージになる予定で作成している。関係者の皆様には、概要版、本編とも4月に配布させていただく。計画作成にご協力いただきありがとうございました。
  • 松井委員:これについて何か質問はあるか。では引き続き事務局から報告をお願いします。

柏市障害児等医療的ケア支援連絡会の取り組み

《事務局》

  • 平成26年10月30日に第4回連絡会、平成26年12月25日に第5回連絡会を開催した。事例検討等の議題になっているが、詳しい内容や出席者については、資料を参照していただきたい。今後は平成27年2月26日に第6回を開催する予定である。
  • 松井委員:何かご質問はあるか。その他で何か皆さんから議題提案はあるか。なければ、その他について事務局からお願いします。

その他

《事務局》

  • 来年度の全体会の日程について、会場の確保の関係であらかじめ年間に3~4回程度を年間計画として事務局で設定させていただきたい。今回の委員の皆様は任期の関係で来年度も委員を継続していただくことになるので、この場で皆様がよろしければ、会長と副会長と事務局とで相談させていただき、日程を年間計画として決め、来年度の第1回の全体会の前には、皆様に連絡できればと考えている。あくまでもあらかじめ日程を決めるのは全体会だけなので、会場確保のためにご協力をお願いしたい。
  • 松井会長:事務局から提案の件はよろしいか。では、それで決めてご連絡させていただく。その他にご提案は何かあるか。それでは、今年度の自立支援協議会は修了とする。

次回開催日

  • 次回開催日は、新年度になってから各委員に事務局から連絡する。