平成22年度柏市健康福祉審議会第2回障害者健康福祉専門分科会会議録
1 開催日時
平成23年2月24日(木曜日) 午後1時~午後3時
2 開催場所
柏市役所 本庁舎 5階 第3委員会室
3 出席者
【審議会委員】
川眞田 喜代子会長、河野 昌永副会長、金江 清小林委員、小林 和美委員、小林 正之委員、西脇 理知子委員、為成 勝五郎委員、山下 秀徳委員、水野 治太郎委員
【事務局】
保健福祉部 部長(木村清一)
福祉政策室 室長(秋山享克)
高齢者支援課 課長(上野哲夫)
福祉活動推進課 課長(池田高志 )
福祉活動推進課 主幹(鈴木節 )
保健福祉総務課 副参事(重田恭義)
保健所総務企画課 次長兼課長(下隆明)
保健予防課 課長(中村知江)
地域健康づくり課 専門監(福田智子)
児童家庭部 部長(穐山高治)
児童育成課 課長(柴田均)
社会福祉協議会 事務局長(村田恒)
社会福祉協議会 地域支援課 課長(山下嘉人)
青和園 園長(福田栄)
朋生園 園長(宮本大)
こども発達センター センター長(関口洋一)
障害福祉課課長(宮本治道)、副参事(真家松雄)、統括リーダー(黒須美浩)、統括リーダー(渡辺清一)、副主幹(髙坂十郎)、副主幹(小林寛治)、主査(竹本智子) 、主任(松本千恵子)
4 議題
(1) 障害者基本計画策定に係る調査について
ア 平成22年度実施調査報告
・発達障害者・高次脳機能障害者アンケート結果報告
・有識者による意見交換会報告
イ 第3期柏市障害者基本計画策定のための基礎調査報告書について
(2) 第3期柏市障害者基本計画及び第3期柏市障害者福祉計画策定スケジュールについて
5 資料
議事次第
【資料1】 自閉症(児)者・高次脳機能障害(児)者アンケート結果報告
【資料2】 柏市障害者基本計画策定に係る「有識者による意見交換会」報告書
【資料3-1】 第3期柏市障害者基本計画策定のための基礎調査報告書について
【補足資料3-2】基礎調査結果のまとめ
【資料4】第3期柏市障害者基本計画及び第3期柏市障害者福祉計画策定スケジュールについて
6 傍聴者
1人
7 議事(要旨)
(1) 障害者基本計画策定に係る調査について
ア 平成22年度実施調査報告、イ 第3期柏市障害者基本計画策定のための基礎調査報告書について
〔事務局より、資料の概要説明〕
事務局
最終報告書については、更に精査を重ねて年度末までに完成する予定。
委員
防災の面で、最近でも被災者に関する報道があったが、以前柏市で実施した災害時要援護者の登録制度は活用されたのか。
事務局
平成20年度から、総務部の防災安全課と保健福祉部保健福祉総務課による共同事業として、全市的に取り組みを開始した。毎年、町会等を対象に説明会を年に20回から多い時で40回程度開催し、着実に支援者の増加及び要援護者とその支援者のマッチングは進んでいる。
一方で、町会によっては、民生委員が災害時に災害時要援護者を支援していくシステムをすでに実施している地域もあり、そうした地域とも連携を図り、安全・安心なまちづくりを目指していきたいと考えている。
委員
医療と障害者とのケア、結びつきに関するニーズが多いようだが、実態から言うとどのようなものを希望されているのか。もう少し実例として生の声が聞きたい。
事務局
例えば、在宅でできれば一人暮らしをしたいという相談があるが、それに対応するには、障害の程度にもよるが24時間のなんらかの支援が必要となってくる。ケアホーム等はあるが、在宅の方が支援を受けられる体制にはなく、専門家もいないという状況のなかで、法律では地域移行を推進しているが、そのための体制が実際には整備されておらず、非常に対応が難しいところではある。
アンケートでは具体的なニーズを聞くような設問がなかったが、現実としてはそのような相談やサービスの限界が課題となっている。
委員
A診療所のようなところでは、かなり踏み込んだ在宅医療サービスを受けることができるということを聞いている。家庭的なケアも充実し、さまざまところに外出もできる。また、在宅への24時間の支援体制については、遠隔の映像による長岡市で実施されている見守りシステムなど、そのようなサービスや実例を想定しながらアンケートに回答した当事者もいるのではないか。そうした具体例やより具体的なニーズが分かると対策が取りやすいのではないか。
委員
相談を受けた中に、重病膠原病の患者で、退職後一人暮らしで自宅療養をしている方がいる。内容としては、医療機関に行きたいが、どこに行けばよいか分からないということである。病状の進行により、障害者になりつつあることから、治療と同時に障害の総合的な知識をもつ人の支援が同時に必要となっていることは明らかである。しかし、障害に関する専門知識を持つ医師がいる医療機関は少ない。
また、「ライフステージの切れ目のない一貫した支援」に対するニーズが上がっているようだが、女性であれば少女から大人へ、青年から壮年・老年へと、ステージごとに専門的なアドバイスが必要となる。「医療機関と障害者のつながり」に対応するには、障害に関する相当な知識が必要となる。また、一般的な議論はむずかしく、各個別のケースへの対応しか議論できない。
事務局
昨年策定した「ノーマライゼーションかしわプラン」の資料編に、自立支援協議会の提言がまとめられている。その中の相談支援部会の箇所に具体的なニーズ等が記載されているため、そちらをご参照いただきたい。
委員
当事者の具体的なニーズについては、ケースバイケースで一概には言えないが、アンケートに出てくるような高次脳機能障害については、障害があるかないかの診断が難しいことがあげられる。在宅介護については、在宅支援センターの担当者はかなり多くの事例を知っていることから、そうしたところを介して、しかるべきところにつなげていくことが必要ではないか。
委員
ケアマネジャーに対する学習機会の必要性を感じる。
委員
ニーズ一つひとつに対応するのは難しいが、先ほどの「ノーマライゼーションかしわ」に、より具体的な記載があるとのことから、そちらと照らし合わせながら、障害者と医療の関係についてもう少し踏み込んで整理してもらえると、よりよい施策ができるのではないかと思う。
委員
在宅医療は、医師会と市と施設との連携が必要になってくるが、医師だけに頼るのは絶対的に無理がある。基本的には普段からの生活を見てくれる人がいないと、いくら在宅医療といっても医師だけではとても手が足りず対応が難しい。全国的にもA診療所のような取り組みをしている施設はあるが、大きな市域全体での取り組み事例はなく、包括的な支援ができる窓口は現実ではほとんどないのが現状であるが、現在、医師会と市と施設が組織的に連携し、一箇所で対処できるようなシステムづくりに取り組んでいる。ようやくスタッフの基礎的な学習が終わり、これから具体にシステムを構築していく段階であるが、医師だけでなく、訪問看護ステーションのケアマネジャー等あらゆる関係者の連携がなければ実現しないことである。
事務局
障害者の場合、障害の程度によりいろいろな支援が必要となる。例えば開業医が在宅医療を進めるにあたっては、専門的な医療機関による後方支援がシステム化されていないと不安がある。重度の障害者へのケアが可能な医療機関を中心とした重心施設を軸に構築することが必要だと考える。
委員
そのためにも各分野のスペシャリストの連携しあうと良い方向にむかうのではないか。
委員
高次脳機能障害の判定については、医師でも症状を理解していない現実がある。また、包括的な相談窓口の重要性を感じている。アンケート結果のなかで手帳について、取得までに時間がかかるという意見があった。希望者は誰しも早く取得したいと感じている。時間がかかるのはどのような理由からかご説明いただきたい。
事務局
回答者のなかでニーズが高かったのは自閉症ということで、療育手帳の取得となるが、間に児童相談所が入ることになっている。身体障害に関しては、中核市になったことにより、市で手帳交付ができるようになり、かなり交付までの時間が短縮された。一方で、療育手帳の場合は児童相談所による面談等が行われるため、交付までに平均1ヶ月半程度かかっている。
市だけの問題ではなく難しいが、市から県への事務的な手続きにかかる時間の短縮に努める。
委員
高齢者部会のほうで「サポーター制度」が議論にあがったが、その中で、障害者に対するサポーター制度はどうしているかという質問があった。障害者に対する「サポーター制度」はどのような形であるべきか模索しているところであるが、柏市として障害者へのサポートをどのようにしようとしているか、独自性、特色を見出せないのではないか。
サポーター制度がふさわしいかどうかはわからないが、また、相手によって非常にデリケートな問題を含むが、それでも「サポーター制度」のような仕組みは必要なことだと思う。
サンフランシスコのバークレー在住時に、障害者の暮らし方や制度について見聞している。先進事例等を意識して、今後そうした取り組みを盛り上げる方法がないものかご検討いただきたい。
(2) 第3期柏市障害者基本計画及び第3期柏市障害者福祉計画策定スケジュールについて
〔事務局より、資料の説明〕
会長
事務局は以上の意見を来年度の第3期柏市障害者基本計画及び福祉計画の策定に反映させていただきたい。
以上で本日の会議を終了する。
〔保健福祉部長より挨拶〕
閉会