平成21年度柏市健康福祉審議会第3回障害者健康福祉専門分科会 会議録

1 開催日時

平成21年21年11月6日(金曜日) 午後1時30分~3時30分

2 開催場所

柏市役所 第2庁舎 5階 第2委員会室

3 出席者

【審議会委員】

名川勝分科会会長、小林正之委員、古川隆史委員、為成勝五郎委員、菱沼正委員、山下秀徳委員、西脇理知子委員、小林和美委員、水野治太郎審議会会長

【事務局】

保健福祉部部長(木村精一)

保健福祉総務課課長(秋山亨克)

保健所所長(山崎彰美)

保健予防課   専門監(中川和雄)

地域健康福祉課 副主幹(福田智子)、主事(古谷名帆美)

児童家庭部部長(石挽峰雄)

児童育成課   課長(柴田均)

十余二学園園長(関口洋一)

柏育成園    園長(鈴木敬子)

青和園     園長(福田栄)

朋生園     園長(小林正孝)

社会福祉協議会局長(村田恒)、担当リーダー(桜井健一)

障害福祉課課長(宮本治道)、副参事(枝川政子)、統括リーダー(黒須美浩)、副主幹(細野敏雄)、副主幹(神戸和雄)、副主幹(髙坂十郎)、主査(河内大悟郎)

柏市自立支援協議会 会長(永桶静佳)

4 議 題

  • (1) 第2期柏市障害者基本計画(後期プラン)の計画骨子及び施策について
  • (2) 第2期柏市障害者基本計画(後期プラン)策定に向けた提言について

5 資 料

  • 1. 議事次第
  • 2. 【資料1】ノーマライゼーションかしわプラン(計画骨子及び施策検討資料)
  • 3. 【資料2-1】第2期柏市障害者基本計画(後期プラン)策定に向けた提言書
  • 4. 【資料2-2】第2期柏市障害者基本計画(後期プラン)への提言
  • 5. 【参考資料1】第2期柏市障害者基本計画(後期プラン)策定のためのアンケート調査報告書【完成版】
  • 6. 【参考資料2】第2期柏市障害者基本計画(中期プラン)からの主な課題について
  • 7. 【参考資料3】発達障害児の早期発見及び相談・支援並びに家族支援体制の整備指針(最終案)

6 傍聴者

2人

7 議 事(要旨)

委員交代に伴う副会長の選出

(補足)
佐野公子委員の辞職により新たに西脇理知子委員が就任、残りの任期を引き継いだ。

●委員 副会長であった佐野委員の辞職に伴い、新たに副会長を選出したい。どなたか推薦があればお願いしたい。

●事務局 事務局としては、菱沼委員を推薦したい。

〔委員より、特に異議なし〕

●委員 特に異議がないようなので、副会長には菱沼委員をお願いしたい。

(1) 第2期柏市障害者基本計画(後期プラン)の計画骨子及び施策について

計画の総論について

〔事務局より、資料2.【総論部分】の説明〕

●委員 今回の計画について、12月にはまとめパブリックコメントを実施する予定である。スケジュールが詰まっているがご協力のほどよろしく願いたい。

計画の総論部分、7ページの施策体系まではこれまで議論を重ねてきたこともあり、特になければ次の各論に入りたい。

施策の展開、重点事業について

〔事務局より、資料2.【施策の展開】【重点事業】の説明〕

●委員 事務局からの説明を受け資料の検討に入りたい。

 私から1点。ケアマネジメントの体制については、高齢者のシステムと違い国が用意してくれているわけではない。柏市だけではなく自主的に動いてくれる人がどれだけいるかが問題になる。自立支援協議会でも検討されているが、何らかの形で困っている人の話を聞き対策を講じる、実働部隊を持つことが必要になってくる。これが重点事業の「総合相談支援体制の充実」のなかで動き出すと考えてよろしいか。それとも検討を重ね、23年度時点で方針を固めるということか。

●事務局 平成22、23年の2年間でできるだけ形にしていきたい。

●委員 中期プランからの変更部分をもう少しわかりやすくした方がよい。

●事務局 ご指摘のとおり。「新規」や「拡充」など明確にするようにしたい。

●委員 加えて、市民のみなさんにお示しする際にはわかりやすいアピールの資料を工夫していただきたい。

●委員5ページの「自己決定と自己選択の尊重」について、この流れは60年代以降の時代の変化によって生じてきたものだと思うが、ある意味「強制的な自己決定」というか、自己決定できない人に自己決定を迫っているような面もあり、国では現在その方針の見直しを検討している。この点は今後の行方を見守りつつ検討していきたい。

●委員 自立支援法について、国が廃止を検討しているということだが、その方向性が市町村におりてくるのはいつごろか。

●事務局 自立支援法については前の国会で見直し案が廃案になった。応益応能負担の見直しがまず先行していくかと思う。現在の情報として、自立支援法は廃止した上で総合的な福祉プランを策定するということであるが、それには2~3年かかる見通し。よって大きな変更については次期の計画に反映していくことになるかと思う。

●委員 先ほどの「自己決定」について、過大な責任を求める形の自己決定が非難されているということかと思う。いっぽうで障害者の権利条約等では「Nothing about us, without us」という言葉がある。必要な人たちが関与しながら進めていくことが大事。単に個人に責任を求めるというのではなく、個人での決定が難しければ本人の意思を引き出し助ける人がいるようにすることが、政策として重要である。具体的な文面はすぐに浮かばないがもう少し検討していければと思う。

●委員 「子ども発達支援センター」から「子ども発達センター」に変更になった訳はどういうことか。

 また、参考資料3「発達障害児の早期発見及び相談・支援並びに家族支援体制の整備指針」との整合性はどうなっているのか。

●事務局 当初は「子ども発達支援センター」としていたが、設置条例等の検討にあたり他市の名称を参考にしたところ「子ども発達センター」のみのところもあり、柏市として「支援」を入れなくても内容として分かると判断した。

●委員 参考資料3の整備指針との整合性はどうか。「発達センター」とすることで、単なる支援だけでなく、クリニックなども併せ持つ、すべての解決の場という意味合いととらえてよろしいか。

●事務局 ご指摘の意味合いももちろんある。新たな施設の視点として「子どもの健全育成」の場ということが主としてある。障害児に限らずすべての子どもたちの健全育成を目指す。その上で「発達支援」も充実していくという考えかたである。

●委員 名称にはこだわらないということだが、そこでやるべきことを明確にしないと逆にあいまいになりがち。その点を委員も心配されているのではないか。

●事務局 参考資料3の56ページに「子ども発達センターの概要」をまとめている。機能的に切れ目ない支援を目指しており、体制的にも企画総務担当から言語指導、就学指導までを一体的に配置している。発達障害などの早期発見と早期支援、切れ目のない相談支援システムの構築、情報提供や相談支援による安心して子育てできる環境づくりなどを目的としている。

●委員 充実した内容であると感じた。発達障害児への対応ということだが、これが整備されることで、その他のかたにも大変有効な機関となると思う。

●事務局 ここには明記していないが、地域包括支援課も設ける予定。介護保険事業の地域包括支援センター委託が完了したため、そこを母体に地域包括支援課を設置する。高齢者や障害者などを限定せず年間8千件の相談に対応している現在の体制を引き継ぎながら、広く相談を受ける体制を整備したい。

●委員 家庭に対する包括的な支援が大切だと感じている。昨年末、堺市で痛ましい事件があったが、養育のニーズが高い子どもを抱え障害のある母親とその家族が追い込まれていたことが背景にあった。支援から孤立しており、なおかつ対処のできない難しさを抱えた家庭について、今後対応が求められる。そういう点についても検討いただければと思う。

●委員 保健所との連携について、保健所の計画でも切れ目のない支援を目指しているが、学校に関しては高校までの支援しかできず、そこで支援が途切れてしまう。その点はこの「ノーマライゼーションかしわ」でカバーするということになっており、どこまでを保健所が担い、どこからこの計画が担うのか、きちんと見える形で示して欲しい。

●事務局 発達障害については乳幼児期の出現率が高く、早期の対応が重要といわれている。近年では県の指定を受け発達障害の支援に関する連絡会議を設けて検討してきた。青年期や中高年期の発達障害についてもかなり議論してきたが、まず乳幼児期からの発達支援ということで着手し始めたところである。今後はさらに切れ目ない支援という視点を持って、次期計画へもつなげていきたい。

●委員37ページの「生活を支援する施設の確保」の施策が「施設入所支援(夜間ケア等)」のみとなっているが、参考資料2では「身体障害者療養施設の整備については、日中サービスを生活介護、夜間サービスを施設入所支援として・・・」となっている。中期プランでは医療的ケアが必要なかたへの支援として、東葛地区として対応すると謳っていた。重度のかたへの支援についてはどうなるのか。

●事務局 東葛地域での重度心身障害児の入所施設整備については方向性が固まっておらず議論が進んでいないため、2年間の計画としては実現可能なものということでこのような記載とした。

補足だが、79ページに「新たな入所施設整備の方針の検討と要請」ということで、重度心身障害児施設についての設置を検討していく旨を明記している。

●委員 アンケートなどからの課題として、利用が進んでいないサービスについては運用の改善などを行う旨の記載もあったかと思う。

●事務局 移送サービスについては事業内容や運営体制の適正化を図るとして、34ページに4つの施策を挙げている。

●委員74ページの「就労支援センター(仮称)の整備」について、今計画期間ではどこまでの到達を想定しているのか。

●事務局 目標としては、22年度に準備し23年度には何らかの形で相談機能などが開始できるように考えている。

●委員 ここで自立支援協議会からの提言について、資料の説明を願いたい。

(2) 第2期柏市障害者基本計画(後期プラン)策定に向けた提言について

〔自立支援協議会・永桶会長より資料3.の説明〕

●委員 まず、この提言の取り扱いについて事務局より回答願いたい。

●事務局 提言について事務局でも検討するが、この審議会でも検討いただいた上で、次回の会議で素案として反映できればと考えている。

 この計画骨子は自立支援協議会の代表者会にはまだ諮っておらず、提言のなかには反映されていないものもある。

●委員 災害時の情報提供について、K‐Netを活用しての提供を進めていくのか。K‐Net自体は検討を行う組織ではないため、何を任せるかはこちらで検討していく必要があるのではないか。

●事務局 K‐Net事業は防災課が担当し、現在は地域の自治会等を通じて要援護者のリストアップと、自治会と市との間で個人情報保護を踏まえた契約を進めているところである。現在65団体と契約が終了している。まだ動き出したところであるが、この事業は地域健康福祉計画の重点事業に位置づけられていることから、今後も拡大していく方向である。

●委員 視覚や聴覚の障害のあるかたに向けた掲示板やパトライトの設置など、具体的な取り組みについてはこちらから提言していきたい。例えば、避難所の設置などについて、情報提供は拡声器とあわせて掲示板などでの視覚的な表示も行うといった、細かい手順をあらかじめ取り決めておくことが必要である。

●事務局 避難所については障害者に限らずさまざまな人たちが利用するため、どういう優先順位で取り組むか、別途専用の避難所が必要な人たちへの対応など、他地区の事例などを元に具体的な検討を進めている。

●委員 くらし部会の「暮らしを支えるサービスの充実」について、「親なき後のことが心配」とある。これは切実な問題であり、もう少し具体的な事例などのデータがほしい。今後、現状把握のための調査をかけていく必要があるのではないか。

  重度の認知症のかたは受け入れの病院がなく、いろいろなところをたらい回しされた上で、終の棲家としてグループホームを選択しているという。重度の認知症のかたの多くがグループホームで亡くなっている。こうした人たちへの相談や支援などを充実すべき。実態についての調査をした上で何らかの対策を講じたい。

●事務局 今のご指摘について、重度の知的障害者の保護者等から、重度の場合ケアホームでの対応は難しいなどの意見は伺っている。自立支援法では施設対応から在宅・地域への転換が図られたため施設整備が進まなかった。今後は必要な施設整備も進めていくべき。その上で、地域で暮らせるかたについてはその支援も行っていくということで、グループホームやケアホームの充実を進めていく。

●委員 重度の障害のあるかたも暮らせる場というものが求められていると思う。

●委員 それぞれにあった生活の場が必要ということかと思う。この点については今後も検討していきたい。

 医療の充実について、医師会との話し合いを設けるという指摘があったが、医療的な部分と福祉の部分との話し合いを重ねることで連携を進めるという方向かと思う。

 高次脳機能障害について、骨子の冒頭では触れているが具体的な施策として明確にはされていない。後期プランとして、社会参加への支援などはある程度触れていくべき。

 ケアマネジメントに関してはとてもユニークな提言がされており、今後の参考となると思う。今後検討をしていきたい。

 自立支援協議会からの提言はかなり具体的なものが出されている。当審議会との位置づけ、関係性が明確にはなっていないこともあるが、今回の提言については、当面12月のまとめに向けて取り入れられるものは反映することとし、残りは23年の見直しに引き続き継続して検討していくこととしたい。

●事務局 自立支援協議会で何度も協議を重ねていただいた提言であり、審議会でご指摘いただいた点や後期プラン期間内に対応できるものについては積極的に取り組んでいきたい。もう少し時間を要するものについては次期計画に生かしていきたい。

●委員 この提言は誰に対するものか。審議会に対しての提言か。

●事務局 自立支援協議会は自立支援制度についての協議が主たるものである。今回の後期プラン策定にあたり、市から提言を求められたということであり、計画を検討されている審議会に対して資料を提供した。

●委員 審議会は計画の実施主体ではないので、現状がどうあるのかという部分も示した上での提言として欲しい。

●委員 審議会と自立支援協議会との関係性がまだ明確にされていない。自立支援協議会の役割としては市政に対する提言の機能も求められており、今後どういう対応をしていくかという部分については十分な議論が必要かと思う。

 では、本日の審議内容を踏まえ事務局で検討いただき、次回の会議につなげたい。

(3) その他

●事務局 次回審議会は12月22日(水曜日)14時から、議題については計画素案の策定を予定したい。

●委員 時間を今回同様13時半からにしていただけないか。

〔他にも賛同の委員あり〕

●事務局 では、他に異論がなれけば時間は本日と同じく13時半から15時半としたい。

・以上で本日の会議を終了する。

〔保健福祉部長より挨拶〕

閉会

以上