平成24年度第2回柏市健康福祉審議会高齢者健康福祉専門分科会 会議録
1 開催日時
平成24年10月4日(木曜日)午後1時30分~3時40分
2 開催場所
本庁舎第3委員会室
3 出席者
水野治太郎(会長)、神林保夫(副会長)、秋元信子、今村貴彦、金江清、長瀬慈村、原田淳子、古川隆史、堀田きみ
事務局等
- 保健福祉部長(下隆明)
- 保健福祉部次長兼保健福祉総務課長(秋山享克)
- 保健福祉部次長兼生活支援課長(宮本治道 )
- 福祉政策室長(松本直樹)
- 指導監査室長(渡邊祐康 )
- 高齢者支援課長(秋谷正)、同課副参事(酒巻薫、広瀬一彦 ) 、同課統括リーダー(田口大 )
- 介護基盤整備室長(鈴木茂美)、同室統括リーダー(花野井茂) 、同室副主幹(増田貴史)
- 障害福祉課長(枝川政子 )
- 障害福祉就労支援センター長、(宮本大)
- 福祉活動推進課長(上野哲夫)、同課専門監(根本暁子)
- その他関係職員
4 議事(概要)
(1) 地域主権改革一括法の施行に伴う高齢者健康福祉に係る条例等の整備について
〔資料に基づき、事務局から説明〕
(委員)
基準条例案5ページについて、国は身体拘束を原則禁止としている。市の基準について記載する際、国と重複する部分については国に同じとのみ記載されている。繰り返すことになるので省略したのだと思うが、抽象的になり、ややわかりにくい。内容や方向性について、直してほしいということではなく、国の現在の基準から一歩進んでいることを示すニュアンスがほしい。国の基準を厳守した上で行う旨を表明してはどうか。
(事務局)
身体拘束は、本人の生命を守るため等、やむを得ない場合にのみ、「一時的に」行うものであることを認識してほしいと考えている。 国の基準に加えて、研修を実施していくことを表明していきたい。
(委員)
基準条例案3~4ページについて、共用型指定認知症対応型通所介護・共用型指定介護予防認知症対応型通所介護の設備運営基準において、国では当該事業所を行うにあたり「3年以上の経験」としているが、柏市では「必要な経験を有する者」としている。必要な経験の具体的な内容とは何か。
(事務局)
国の基準が「3年以上」としているところを、「必要な経験」と緩和している理由は、例えば、3年以上の経験という一律の基準では、事業所が合併等を行い、新規事業所として再度立ち上げた場合、事業所としての経験期間がリセットされ、対象外になってしまう。 このようなケースを想定し、事業所の実情に合った経験期間を評価することを目的としている。
(委員)
基本的には3年以上の経験が必要であり、例外として対応するのであれば、限定的に認める旨を加えないと、趣旨が伝わらないのではないか。
(事務局)
例示を明記したうえで限定的に認める旨を加える等、趣旨が伝わるよう工夫をしたい。
(委員)
2点聞きたい。 1点目に、身体拘束について、身体拘束の抑止だけでなく、研修によりケアの質の向上を目的としているということだが、この研修はどのような内容を想定しているのか。 2点目は、暴力団の排除についてである。暴力団の関わりは決して許してはいけないと思う。暴力団をどのように定義しているか。柏市の基準があれば示してほしい。
(事務局)
まず、高齢者に対する身体拘束の研修については、何が身体拘束に当たるのかをきちんと定義する必要がある。国においては、厚生労働省が「身体拘束ゼロへの手引き」のなかで身体拘束の禁止の対象となる具体的行為を挙げている。 広義においては、本人の自由の妨げとなる行為の禁止という趣旨を含んでいる。 そのため、利用者の尊厳を守るという考え方を浸透させる研修を考えていかなければならない。 その一方で、具体的な禁止項目も徹底する必要があり、理念と実践を兼ね備えた内容の研修を行っていきたい。 2点目の暴力団の定義については、平成24年7月1日に施行された柏市暴力団排除条例において、暴力団員を定義しており、その対象は不特定のものではなく、限定されている。
(委員)
暴力団については、高齢者福祉のみならず、行政全般にかかわることなので、きちんと議論をしてつめていってもらいたい。 別添のパブリックコメントの2ページで身体拘束に関して、県との2重の研修よりも、ビデオカメラのほうが効果的ではないかという意見が出ている。これについてはどう考えているか。
(事務局)
故意に虐待をするケースもあると聞いている。プライバシーに配慮しつつ、カメラを設置することは、確かに一定程度虐待の抑止につながると思うが、独自基準案においては研修を行うことによって、介護サービスのケアを向上させることを事業の主目的としている。
(委員)
ネグレクトや言語による虐待、差別などが耳に入る。その防止やケアの向上を図るのは大事なことだが、研修を行うだけで、身体拘束や虐待を防げるのかという感じがする。ただし、条例の文章としては、これでよいと思う。
(委員)
基準条例案5ページについて、身体拘束についての研修を義務付けるとある。研修の実施主体、研修の対象者について、条例の中で明確に示したほうがよいのではないか。 パブリックコメントでも、管理者のみが受講すればよいのではという意見が出ていた。はっきり記載したほうがよいのではないか。
(事務局)
具体的な対象者としては、条例案5ページ目に記載しているサービスの対象事業者およびその従業員が対象と考えている。身体的拘束を防止する研修の実施は、事業主に対して義務付けるものである。
(委員)
前回の資料の中で、市で独自の研修を実施してほしいという意見が出ていたように思う。事業主により実施される研修とは別に、市でも研修を行うのか。
(事務局)
事業主にも身体拘束禁止の考え方を徹底し、職員に身体拘束禁止を広めてもらうためにも、市が主体となって研修を実施する方向で考えている。
(事務局)
事業者の皆様から、県での虐待の研修について、受け入れ人数の関係で、すべての受講希望者が受講できないという意見が寄せられている。そのため、市でも研修を実施することを考えている。
(委員)
その辺を読み取れるようにしてほしい。
(委員)
事業主だけでなく、その従業員まで身体拘束の禁止が浸透しなければ意味がないため、徹底して浸透させてほしい。
(事務局)
従業員に対する取り組みについては、集団指導や実地指導などで介護職員と直接話をする機会を通じて、現場に身体拘束禁止の理念が伝わる仕組みをこれからも引き続き工夫していきたい。
(事務局)
その点については、条例の中に書き加えるのではなく、指導等を通じて事業所全体の問題と捉えられるような指導をしていきたい。
(委員)
基準条例案1ページの施設における入浴について、条例案自体は理想とは思うが、具体的な回数を定めていない。基準として具体的な回数を定めずに、最低限のサービスを確保することができるのか。
(事務局)
基準に具体的回数を定めないことにより、サービス低下を懸念するのはもっともなことだと思う。しかし、一律に週2回の入浴を行うのではなく、利用者一人ひとりに合わせた入浴が提供されるよう、このように記載したものである。指導等を通じ、現場に話をすることもあるので、その理念や趣旨を浸透させていきたい。
(委員)
議題の1について今まで審議してきた中で、文言の訂正が求められたが、どのように取り扱うか。
(事務局)
文言等については条例を成文化するなかで、今回ご指摘いただいた内容を修正したい。また、趣旨・方向性に関する変更はなかったため、今回の条例案についてはご理解いただいたものと思う。
(委員)
今回指摘された点については、条例化にあたって軽微な修正を行うものとし、これをもって答申とする。
― 一同承認、高齢者専門福祉分科会会長から答申をいただく ―
(2) 第5期柏市高齢者いきいきプラン21の進捗状況について
(事務局から資料4~11ページを説明)
(委員)
7ページの主治医・副主治医の調整を行う地域医療拠点について、事務局を市で行うとされているが、市で行うのか。
(事務局)
市が中心となって行う。医師会と歯科医師会の関係の団体も関与する形で行う。
(委員)
市で行うとすれば、どのようなイメージをもっているのか。誰がやるのか、どのくらいの人数で、どのような業務を行うのか。
(事務局)
市の職員については事務職・専門職の配置を考えている。人数等については、現在組織の検討を行っているところである。 退院され、在宅へ復帰される中で、在宅医療を必要とする人がいれば、連絡をいただき、市が中心となり、医師会・歯科医師会等の関係団体と連携を行う。地域の特性や本人に応じた在宅医療をコーディネートする。
(委員)
その業務に対応できる専門性を持った職員がいるのか。
(事務局)
在宅医療が必要かどうかについての判断は病院の医師が行うため、市の職員にある程度の専門性は必要ではあるが、判断は可能である。
(委員)
人事のローテーションで配置された職員が、そういった業務において即戦力として、対応できるのか。それとも、市の職員に対応できる範囲の内容になってしまうということか。専門職としては、どのような職種を考えているか。
(事務局)
保健師等を考えている。
(委員)
地域包括支援センターも積極的に関わっているのか。市で事務局を行うメリット・デメリットがあると思う。
市が事務局を行うのは一時的な措置か。それともずっと事務局を続けるのか。それについての見通しはどうか。
(事務局)
市で事務局を行うメリットは、市全体をカバーできることである。現状では、各病院の地域連携室の職員がそれぞれのコネクションを通じて、個々に連携や調整を行っている。そのため、地域に偏りがあったり、連携を取りにくいことがある。 デメリットは、事務局の人件費を市が負担しないといけないことである。必要な人員と、市の負担のバランスを考慮して人員配置を決めたい。
(事務局)
在宅医療拠点事業は、厚生労働省の補助事業であり、全国で105の事業がエントリーしている。そのなかでも、実施主体が行政の取り組みは少ない。地域資源の特性にあわせて、効果的なものにする必要がある。柏市のさまざまな資源を活用するためにも、行政がまとめ役となって、在宅医療の推進を誘導していくという手法をとった。 ただ、このシステムの市民への周知不足については反省しているところである。今年度の後半から来年度にかけて、情報を提供したり、地域へ出て行き丁寧な説明を行うなどの努力を進めていく予定である。
(委員)
その拠点の運営を市立病院に委ねるのも、ひとつの手ではないか。地域医療拠点を公立の医療機関で行っている例も多いのではないか。また、医師会の全面的な支援がなければ、難しいと思う。
(委員)
医師会が中心となった場合に、医師会に入っていない医師が、この仕組みの中から外れてしまう恐れがある。市には公的な立場から仲立ちになってもらう。 また、特定の病院や事業所等が中心になってしまうと、その団体と運命共同体になってしまい、そこに何かあったら事業が継続できなくなってしまう。もちろん柏市医師会は全面的にバックアップしていく体制である。
(事務局から資料12~15ページを説明)
(委員)
24時間定期巡回・随時対応型事業者の選定の流れがわからない。公表してほしい。
(事務局)
柏市オフィシャルウェブサイトのビジネスの区分から公表している。探しづらいページで申し訳ない。後ほど掲載ページについてご連絡する。
(委員)
訪問診療を引き受けてもらえる診療所等の情報提供は、市民にとって切実な問題である。南部方面で実験しているということだが、進行中の情報も逐一提供してもらいたいと考えている。
(委員)
地域医療拠点でもこうした問題の解決のため、一括して情報提供や相談ができる窓口を整備していく予定である。医師会だけでは医師以外との連携が難しいので、市が中心となっった場合、様々な職種に呼びかけ、招集をかけることができるというメリットがある。そのため市が中心となって多職種と連携し、各職種の人がバックアップしていく。今まで在宅医療の取組みが浸透しなかったのは、すべてを一括してマネジメントできる拠点がないということが最大の原因と思われる。地域医療拠点は平成26年の1月に運営を開始する予定である。
(委員)
あくまでも個人的な感想だが、基本理念で「安心していきいきと暮らすまち柏」と謳っているが、安心して死ねるまちを意識していく必要があると思う。死生学の勉強も必要ではないか。
(事務局から資料16~22ページを説明)
(委員)
介護サービスも、医療サービスも、サービスが充実してきているが、医療費や介護費用は、高額になってしまうのではないか。介護サービスを利用している方は、所得が低い方も多く、サービスを整備したからといって、そのサービスを利用することができなければ、本末転倒ではないか。
(事務局)
介護サービスにおいては、所得の低い方に対して、高額介護サービス費や特定入所者介護サービス費のほかに柏市独自の負担金助成等の各種の負担軽減策等により、市としても考慮している。
(委員)
例えば、普段介護とは全くかかわりのない生活を送っている人が、自分の親が介護が必要になったときに、何をどうしたらよいのか、わからないのではないか。パンフレット等を渡されてもわかりにくい。市民への周知は十分といえないのではないか。単にサービスの説明を受けるよりも、何とかしてほしいと考えるのではないか。
(事務局)
介護が必要な場合、人によってさまざまな問題を抱えているため、高齢者支援課の窓口に相談があった場合も、地域包括支援センターにつなげ、訪問等を行い、本人・家族の実際の状況を確認しながら、サービスについて説明したりしている。まず、サービスを利用する場合は、ケアマネジャーに相談して、個別に相談ということになる。
(委員)
市民からの相談窓口として地域包括支援センターの役割も大きくなる。職員のレベルアップが重要なのではないか。
(事務局)
ご指摘いただいた点について、地域包括支援センターも徐々に名前も浸透してきており、民生委員の方からの情報提供も増えてきており、ニーズの掘り起しが進んでいると考えている。 それに伴い、地域包括支援センターの職員の力量アップはもちろん、地域包括支援センターの設置数と圏域の分析等ハード面での見直しを含めた地域包括支援センターの質の向上が必要である。 また、市民がどこに最初のご相談をされても、地域包括支援センターにつなぎ、ご本人へ折り返せる体制は取れていると思う。
(委員)
サービスの用途が市民に伝わっていないため、本来とは違う使われ方をしているサービスもあると思う。 特に、介護老人保健施設は、本来リハビリを受けて、在宅復帰を目指すための施設であるにも関わらず、実際に在宅へ戻れる方は5~10パーセント程度であり、ほとんどの方が特別養護老人ホームの入所を待っている状態と聞いた。このように、本来の用途とは違う使い方をされているサービスもある。 このような場合は、人員配置や設備等の基準が適切ではなくなってしまうのではないか。このまま、進めていってよいのか。
(事務局)
介護老人保健施設について、在宅復帰のための機能強化は課題として考えている。市内の介護老人保健施設の協力を得ながら、在宅復帰について検討していきたい。 そして、その結果を踏まえながら、平成26年度に整備予定の介護老人保健施設の事業者選定等に反映する予定である。 介護老人保健施設が在宅復帰施設として機能できていない現状を分析していきたいと考えている。
(事務局)
介護老人保健施設の在宅復帰機能の強化については、特別養護老人ホームの整備と在宅医療やサービス付き高齢者住宅の整備などの在宅復帰の受け入れ基盤を整備をしていくことにより、本来の機能を取り戻すことができると考えている。 どこまでできるのかという問題はあるが、方向性としては両方の面からのアプローチが必要と思っている。
(委員)
在宅医療推進のための、顔の見える関係会議やそのほかの取り組みについて、在宅に関するサービスに携わる人を集めるだけでなく、介護老人保健施設の関係者とも連携をとることが必要ではないか。在宅復帰を進めていくうえで、中間施設である介護老人保健施設との連携は必要ではないか。
(事務局から資料23~30ページの説明)
(委員)
事業者の指導監督の強化について、集団指導は年間の回数等は決まっているのか。きちんとコントロールしていく必要がある。
(事務局)
今年度から、市で事業所への指導を行うことになっており,すでに1回実施している。今年度中にもう一回実施する予定である。事業者から直接意見を提案いただくことが必要な場合もあるため、 市からの一方通行ではなく、双方向の指導を行っていきたい。
(3) その他
答申書の写しを配布
5 連絡事項
第3回柏市健康福祉審議会高齢者健康福祉専門分科会 の日程について
(1)日程
平成25年2月7日(木曜日) 午後1時30分から
(2)場所
未定
6 傍聴
(1)傍聴者
4人
(2)傍聴の状況
傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。