平成24年度第1回柏市健康福祉審議会高齢者健康福祉専門分科会 会議録

1 開催日時

平成24年7月12日(木曜日)午後1時30分~3時40分

2 開催場所

本庁舎第3委員会室

3 出席者

 水野治太郎(会長)、神林保夫(副会長)、秋元信子、今村貴彦、金江清、栗田正、長瀬慈村、中谷茂章、原田淳子、堀田きみ

事務局等

  • 保健福祉部長(下隆明)
  • 保健福祉部次長兼生活支援課長(宮本治道 )
  • 福祉政策室(吉田みどり)
  • 指導監査室長(渡邊祐康 )
  • 高齢者支援課長(秋谷正)、同課副参事(酒巻薫、広瀬一彦 ) 、同課統括リーダー(田口大 )
  • 介護基盤整備室長(鈴木茂美)、同室統括リーダー(花野井茂) 、同室副主幹(増田貴史)
  • 障害福祉課(小川正洋 )
  • 障害福祉就労支援センター長、(宮本大)
  • 福祉活動推進課長(上野哲夫)、同課専門監(根本暁子)
  • その他関係職員
     

4 議事(概要)

 保健福祉部長挨拶

  柏市では平成24年3月に平成24~26年の3ヵ年の第5期柏市高齢者いきいきプラン21を策定した。昨年度柏市においても高齢化率が20%に達し、今後急速に高齢化が進み、20年後には全国平均を上回る見込みである。超高齢社会に備えたまちづくりを目指すという意味も込めて、「全ての高齢者がその人らしくいきいきと住み慣れた地域で安心してくらすまち」を基本理念にも掲げ計画を策定した。

今年度は第5期計画の初年度に当たるため進捗に係ることおよび、地方分権によって県から移譲された業務の執行にあたり、市の決め事である条例について、委員の皆様からご意見をいただき実効性のあるものにしていきたい。非常に重要な年度になるため、皆様から忌憚のない意見をいただきたい。

 水野会長挨拶

  今年度は地方分権に係る基準条例の制定という新しい課題に対して、お手伝いできればと考えている。各委員からもご協力いただきたい。

 (1) 平成24年度高齢者健康福祉専門分科会の予定について

〔資料に基づき、事務局から説明〕

今年度の主な審議事項としては、2点を主な内容として予定している。1点目は全体会でも諮問したとおり、地域主権改革一括法の施行に伴う高齢者健康福祉に係る条例等の整備についてである。12月議会において議案上程できるよう、今回の分科会で、条例について事務局案をお示しし、皆様からご意見を頂いたうえで、事務局で意見を練り、次回分科会において答申が得られるよう進める予定である。

2点目は、第5期いきいきプラン21の進捗についてである。5期計画の初年度でもあるため、進捗状況の報告を中心にして進めていきたい。前年度の決算等がまとまったため、第4期の報告を行う。第5期計画の進捗への取り組みの結果については、各重点施策を中心に次回分科会から報告を行いたい。

 (2) 地域主権改革一括法の施行に伴う高齢者健康福祉に係る条例等の整備について

〔資料1~5に基づき、事務局から概要説明〕

〔基準条例ワーキングについて報告〕

協議内容及び過程について報告する。

基準条例ワーキングの構成員は10名。ワーキングの会長である私と訪問介護事業者が2名、介護支援専門員が2名、その他に特別養護老人ホーム職員、社会福祉協議会職員、グループホーム職員、柏住宅リフォーム相談員協議会に所属する建築士の10名である。ワーキングは昨年度11月以降、今年度5月まで計6回開催した。

ワーキングでは、事務局から当該ワーキングの協議事務である省令について説明を受け、条例に委任する場合の国の基準設定である、従うべき基準、標準基準、参酌基準に関わらず、現在の国の基準の不具合について意見交換を行った。

ワーキングでは、不具合と考えられる項目について40項目ほど挙げられ、協議の結果、国の基準と同一とするものなどを仕分けた。

最終回となった6回目のワーキングにおいては、現場の事業者の意見として、独自基準を8項目に絞り込んだ。

この8項目に対し、事務局から入浴の充実について1項目追加ということで、全部で9項目となった。

まず、ワーキングとして議論した範囲、2番目に独自基準を考える視点、3番目に具体的な独自基準、4番目に独自基準の設定、条例化が目指すものの内容。以上について、取りまとまったため、本日報告するものである。

  • 委員

 柏市の独自基準に関するワーキングにおいて、議論が分かれたり判断が異なったところはなかったのか。

  • 委員

委員からの意見書をいただき、それに対する国や市の考え方と合わせて協議をした上でとりまとめを行っている。

  • 委員

安心・適正化の項目について、行政のかかわりを強化するという表現は適切なのだろうか。介護サービスが増える一方なので、それをコントロールするという意味合いを含んでいるのか。その場合は適正化という言葉が実態にあっているのだろうか。安心・適正化という目的に対して、行政の関わりの強化という手段が適当なのかどうか、もっと具体的に議論しないとわからないのではないだろうか。意見として述べておきたい。

  • 委員

市の独自基準が定められた部分については、国の基準はなくなるものと考えてよいのか。身体拘束に関して、研修の追加とあるが、国の基準である、利用者本人の生命と身体を保護する場合を除き身体拘束を行ってはならないという基準に追加するという意味なのか。

国の基準への追加である旨を記載しないとわかりづらい。

  • 事務局

お見込みのとおり、国の基準に追加を行うものである。

〔資料1~5に基づき、事務局から日常生活の継続に関する規準について詳細説明〕

  • 委員

特別養護老人ホーム(以下特養)の廊下幅の基準の緩和について、車椅子70cmを想定して、廊下幅を180cmと算出したということだが、体が大きい方は70cmの車椅子には座れないので、より大きいものを使うことがある。また、スムーズに車椅子を操れる方ばかりとは限らない。そうした方とすれ違う際でも、この廊下幅は適正か。ストレスなく移動が出来るといえるのか。

また、特別避難階段の緩和について、これは15階以上の高さの建物を想定した緩和なのか。それとももっと低層の階も含めた緩和なのか。

  • 事務局

まず、特養の廊下幅について、平成24年3月にオープンした小規模特養の廊下幅の基準は今回の緩和と同じ180cmが適用されている。この施設に視察に行ったときに、車椅子の方が通行する様子を確認した。普通の体格の方ではあったが、特に問題が起きる様子は見受けられなかった。また、事故の連絡も現在まで受けていない。

  • 委員

施設のかたに対してヒアリングをしたのか。実際に施設で住んでいるかたや働かれているかたにとって不都合が生じていないか調べて欲しい。

また、片廊下(片側にしか居室がない廊下)については、基準が150cmとあるが、すれ違いのためのゆとりはいらないと考えているのか。居室が複数ある以上、一方通行にはならないのではないか。

既に、その基準で運用している施設があるのであれば、その施設の職員や利用者等に良く確認をして欲しい。

  • 事務局

施設の職員等の意見について確認する。

  • 事務局

基準条例ワーキングの中には、広域型特養の職員も参加していたが、特に不都合は指摘されなかったことをご報告する。基準条例の内容については、介護サービスの事業所の職員への説明会を行ったうえで、その際にご意見を頂いた場合、検討していきたい。委員からご指摘頂いた点については、確認を行う。

  • 事務局

特別避難階段の件については、建築基準法では15階。厚生労働省の特養に関する規定において3階とされている。

  • 委員

勉強不足で申し訳ないが、ユニットという言葉が何度も説明の中に登場しているが、ユニット型個室のイメージはつかみづらい。従来型とユニット型の個室で、どのように違うのか。

  • 事務局

資料3の2ページ目をご覧いただきたい。従来型の多床室では、病院のようにカーテン等で区切られているだけなので、夜間にポータブルトイレ等を利用すると、音や匂いが漏れる等の問題がある。

廊下にこのタイプの居室が面して連なっている。また、食堂や機能訓練室等も廊下に面しており、利用者は、概ね居室、廊下、食堂のいずれかで過ごしている。

一方、ユニット型個室は玄関を入ると、10個くらいの個室がある。この個室に住んでいる10人という少人数をひとつの単位としてケアを行う。そのため、利用者お一人ずつに合わせたケアが可能となる。

従来型の個室との違いは、従来型個室は、先ほどの多床室が1名用の個室に置き換わったもので、施設の利用者全員が同じ食堂を利用したり、ケアを受ける場合においても、施設全体を単位としている。

  • 委員

ユニットというとユニットバスを連想するため、簡易的なカーテンで区切ったコストの低い部屋などを想像してしまい、まぎらわしい。施設を作る際のコストの差なのか、従来型個室の何が違うのか具体的な説明が欲しい。

  • 事務局

従来型の特養においては、プライバシーの保護や交流が図れるようなスペースはなかった。また、ユニット型個室は個人個人に対応が可能であるので、感染症の感染拡大防止というメリットもある。

  • 委員

要するに、10人程の少人数の単位で、ケアを受けられるということが違いの本質なのか。

  • 事務局

委員からのご指摘のとおり、10人程の少人数の利用者で、アットホームな雰囲気の生活空間を共有し、それが施設の中に複数存在するイメージである。従来型の特養については、施設に一つの食堂、風呂というイメージである。

  • 委員

ユニット型の施設を見学したことがあるが、各ユニットに担当する職員がおり、食事の際にも、ユニットのグループで、自分たちでよそったりするなどアットホームなイメージであった。

  • 委員

各基準の緩和については、無駄を排するために必要なのだと思うが、その省かれた分について利用者へ還元があるのか、それとも事業者の利益となるのか、行政の負担を減らすためのものか。敢えて基準を緩和する目的を教えてもらいたい。

  • 事務局

特養建設にあたり、施設の建設にかかった費用は、入居者の居住費に充当される。そのため、様々な無駄を省くことによって、入居者の居住費の軽減につなげることを考えている。先ほど資料に沿って説明したとおり、年金を使い、入居できるのが現状であるため、利用者の負担を減らすことが目的である。

  • 委員

所得段階について、負担限度額の対象者は介護保険の所得段階が1~3段階のかたのみが対象である。しかし、現状では4段階くらいのかたの場合、例えば夫婦の片方が入る分の費用を賄えても、自宅で暮らす方の生活費用まで捻出できないので入所てきないという話を聞いたことがある。低所得者層は救われるが、中間層に厳しいのではないのか。中間層が最も厚い層だと思われる。軽減策を利用できるのは一握りのかたになるのではないか。

  • 事務局

柏市内の特養入所者914名のうち、第1段階のかたは39名、第2段階483名、第3段階が133名、第4段階が116名であった。第3段階までで約70%である。

これは世帯分離を行うことにより、第2~3段階になるかたが多いからである。

そのため、入所者のうち、理論上は約7割のかたが、この制度を利用できる見込みとなる。

なお、資料に訂正があり、資料3の8ページについて入所者915名となっているが、要介護3に1名重複があったので、914名と修正した。

  • 委員

資料1の1ページについて、独自基準の基本的視点1~4として挙げられている項目は、国の高齢者施策の大きな方針である。柏市独自の基準として、より具体的で、より多様なあり方を模索しているというイメージの方が表現として理解を得られると思う。

今回挙げられている内容は、当たり前のものばかりだという感じがする。一つの意見として聞いておいてもらいたい。

〔事務局から認知症対策に関する基準について資料1-5にそって詳細の説明〕

  • 委員

グループホームを見学をした際に、1つのユニットでケアが完結しているように見受けられた。国の基準でユニット数が2までに規制しているのには、何か理由があるのか。ユニットごとにきちんとケアが提供されるのであれば、ユニット数が多いほうがやりやすいと思われる。

  • 事務局

国においては、グループホームは家庭的な環境下でのケアであるため、介護の大規模化を懸念しており、その防止のためと思われる。また、国の通知では、1事業所に3ユニットを超えるような事は望ましくないとあった。

  • 委員

ユニットごとのケアということはユニットごとに職員数等の基準が定められているということか。ユニットが増えるという事は、ユニット×何人という配置基準になるのか。

また、国の基準で、ユニット数2までとされているのに、現在3ユニットの事業所が存在するのはなぜか。

  • 事務局

職員配置数について、お見込みのとおりである。

3ユニットの事業所が存在するのは経過措置のためである。平成12年度のグループホームのサービスが始まった頃は2ユニットまでを上限とする規制がなかった。平成15年度から規制されるようになったが、既に出来ている事業所については、経過措置として、当面の間は適用されないこととなっている。

  • 委員

認知症対応型デイサービスについて単価が通常のデイより高いというのは、どのくらいの違いがあるのか。

  • 事務局

手元に資料がないため、正確に何単位と回答は出来ないが、同じ要介護度であれば月に8回通っていたところを7回にすれば概ね同じくらいの費用になるくらいの差である。

  • 委員

認知症対策について、2点に絞られているが、他には取り上げるべき課題はなかったのか。

  • 事務局

各事業者からの目線でピックアップされた項目もあったが、国の基準のほうが市民を守るために適しているものもあったことから、結果として国の基準のとおりとしているものもある。この点については、現時点では、独自基準の必要がないものでも、今後議論を深めていくべきであると言う意見も出た。

  • 委員

認知症の件とは異なるかもしれないが、基準の検討の中でいわゆる“お泊りデイ”に関する項目は出なかったのか。

  • 事務局

お泊りデイについても意見が出たが、現状を把握することを最優先とすること、また、今回の改正は、既に国で定められている基準に対するものであり、新しい規制を作るとなると枠組みが変わる。そのため、お泊りデイの取り扱いについては課題のひとつではあるが、今回の基準条例に関する議論の中には取り上げなかった。

〔事務局から安心・適正化に関する基準について資料1~5にそって詳細の説明〕

〔事務局から、今後のスケジュールについて説明〕

 委員からご指摘いただいたように、現場の意見を尊重するために、パブリックコメントを実施する。併せて介護サービス事業者に対しては、同時期の7月下旬から8月上旬にかけて、集団指導を実施する際に、説明を行う予定である。

 そのうえで、10月の当分科会において、再度ご審議いただき、12月議会での議案上程を予定している。来年度4月からの施行を目指している。

(3) 第4期柏市高齢者いきいきプラン21の実績報告について

〔資料6に基づき、事務局から説明〕

(委員からの質疑、意見特になし)

5 連絡事項

第1回柏市健康福祉審議会高齢者健康福祉専門分科会 の日程について

(1)日程

 平成24年10月4日(木曜日) 午後1時30分から

(2)場所

 本庁舎第3委員会室

6 傍聴

(1)傍聴者

2人

(2)傍聴の状況

傍聴要領に反する行為は、見受けられなかった。