平成30年度第2回柏市消費者行政推進協議会会議録
1 開催日時
平成31年2月7日(木曜日)午後2時~3時40分
2 開催場所
柏市中央体育館管理棟2階 会議室
3 出席者
委員11名
谷生委員(会長)、齋川委員(副会長)、阿部委員、伊藤委員、今井委員、岩田委員、小川委員、菊田委員、小泉委員、蓑田委員、渡部委員
事務局6名
篠原市民生活部長、諏訪部消費生活センター所長、杉森同統括リーダー、野戸同担当リーダー、猪野同主査、佐藤同消費生活相談員
4 議題
- 平成30年度 消費生活相談及び消費者教育・啓発事業の実施状況について
- 平成31年度 消費者教育・啓発事業の実施方法等について
5 議事(要旨)
1 平成30年度 消費生活相談及び消費者教育・啓発事業の実施状況について
平成30年度の12月末までにおける消費生活相談の状況と、消費者教育・啓発事業の実施状況について、事務局から説明後、委員から次の意見があった。
- ア.消費生活相談の状況について
(渡部委員) 消費生活相談において、葉書による架空請求が急増したという報告があったが、例えば、年金支給日の前には相談が増えるなどの傾向はあるか。
(事務局) 年金支給日の前に相談が増える傾向はあると思う。また、ほとんどの場合、高齢の女性宛てに葉書が送られており、男性宛に届くことは少ない。また、数か月前から50代の女性にも葉書が送られてくることが増えてきた。旧姓で葉書が送られてくることも多いことから、古い名簿などを元に葉書が送られていることが疑われる。
- イ.消費者教育・啓発事業の実施状況について
(菊田委員) 成年年齢引き下げに関して、高等学校において図書展示をしたとの説明があったが、このことについて生徒がどのような感想を持ったか把握しているのか。
(事務局) 今回の図書展示では、学校図書館の司書教諭の協力によりアンケートを実施した。その中で、成年年齢引き下げを全く知らないという意見が約3割あった。また、今回の図書展示により、消費生活センターのことや、その業務内容を初めて知ったという意見もあった。
なお、消費者教育の実施について、これまでは、小・中学校に対しては、消費者教育推進連絡会の活動を通じて行ってきたところであるが、高等学校に対してのルートはなかった。そのため、高等学校に対して消費者教育の実施を依頼するにあたり、当初は、担当職員が各校を訪問して回ったが、良い感触が得られなかったことから、学校内部からその動きが出てくるよう、学校図書館と連携して図書展示を実施することとした。その結果、いくつかの高校において、消費者教育にかかる授業の実施につながった。
授業は、1学年全体を一堂に会して行ったものと、40人程度のクラス単位で行ったものがあったが、その効果は全く異なると感じたので、次年度は、クラス単位の授業の実施を増やせるよう取り組みたい。
(菊田委員) 成人年齢の引き下げを知らなかったという高校生が約3割いたことはショックである。また、学校の図書館を活用して消費者教育を実践したことは、外に発信してもよいと思う。それにより浸透していくことを期待する。
また、先ほどの事務局の報告の中で、高等学校に行かない生徒に対するアプローチをどのように行っていくかという話があった。このことに関し、以前、中学校では、高等学校受験の合格発表日には生徒全員が集まるということで、県消費生活センターが講座を行ったことがあったと記憶しているので、参考としてはどうか。
(齋川副会長) 先ほど、事務局から、9月の敬老の日に、北柏第2地域包括支援センター主催の啓発イベントに参加した旨の報告があったが、商業施設で開催するイベントは啓発効果が高いと思う。なお、消費生活センターで配布した啓発グッズは人気があったと聞いた。
(事務局) イベント実施日には、子供向けの大型イベントも開催されていたことから、同日に高齢者への啓発を行うことに疑問はあった。しかしながら、啓発チラシを配布してみると、高齢者は、自分は大丈夫だとしてなかなか受け取ってくれなかったが、子供向けイベントに来ていた若いお父さん、お母さん世代がチラシを手に取り、自分の親に伝えようと言ってくれる方が多くいた。
高齢者に対して直接伝えることも大事だが、その子や孫に対して啓発を行い、祖父母に伝えてもらうことも効果があると感じたので、あまり対象を絞らず、機会があれば啓発を行うようにしたい。
2 平成31年度 消費者教育・啓発事業の実施方法等について
平成31年度に実施を予定する消費者教育・啓発事業について事務局から説明後、委員から次の意見があった。
(齋川副会長) 地域包括支援センターでは、地域の住民にどのように知ってもらうかということで様々な団体と協力をしているが、最も簡単な取り組みは、地域の中で、住民同志が挨拶することである。1月に実施した北柏エリアの研修会では、挨拶を交わすことは、犯罪や消費者被害の防止に効果があることを学んだ。
普段は元気に挨拶をする方が、今日はすれ違った際に頭を下げただけだったので話を聞いてみたところ、トラブルに巻き込まれていることが判明したということがあったので、挨拶を広げていくことが、消費生活センターが課題とするところの解消にもつながっていくと思う。
また、地域包括支援センターでは、高齢者宅に入る機会が多くあるが、留守録機能が付いた電話を設置しているにも関わらず、それを利用していない宅が多い。市の防災安全課では、振込め詐欺等対策電話の購入補助をしているが、改めてそれを購入しなくても、既存の電話機の留守録を設定すれば、相手の声を確認した上で対応することができる。声を確認して不安に感じる場合には、民生委員や地域包括支援センターに相談してもらえばよいので、手持ちの機器により、被害防止を図ることができないかと感じている。
ただ、高齢者は、文字がたくさん書いてある資料よりも、イラストを多用したものの方が読みやすいと思うので、そのような形式により、電話機の留守録機能を活用して振込め詐欺を防止しましょう、不審に感じたら民生委員や地域包括支援センターに相談しましょうといったチラシを作成し、5月15日からの民生委員の声かけ訪問時に配布できるとよいと思う。
(小泉委員) ケアマネとしての業務の中で、振込め詐欺や消費者被害の防止啓発は日常的に行っている。ただ、啓発として特に必要なものがあれば、協議会を通じてチラシ等の配布は行うことができる。
(谷生会長) 千葉県弁護士会でも、公益活動の一環で弁護士を講師として派遣する出前講座を実施しているが、敷居が高いということなのか、活用の実績があまりない。敷居が高いことが原因にあるならば、消費生活センターにて弁護士会の出前講座を案内してもらえるとありがたい。
先ほど、高等学校における消費者教育について、クラスごとに講座を実施していきたいという話があったが、調整をすれば、複数の弁護士を派遣することもできると思うので相談して欲しい。
成年年齢の引き下げについては、施行まで時間が無くなってきているが、制度上の問題もあり、そこを狙った悪質商法の横行を懸念している。弁護士会としても、消費生活センターと連携して消費者教育を進めていければと思う。
(岩田委員) 先ほど、高等学校に行かない子供達に対する消費者教育の話があったが、義務教育である中学校までに適切な消費者教育を行うことが重要だという問題意識を持っている。中学校では、公民、技術家庭の家計において消費者教育に関わることが必ず出てくるので、そこでしっかり指導することが重要と考える。
また、柏市では、消費者教育の推進委員を各校から集め、その教員達に効果的に消費者教育を行っていくためのプログラムを考えてもらっている。
しかしながら、学校には消費者教育だけでなく、プログラム教育や外国語教育、道徳教育などの様々な教育が求められている。教員の働き方改革が話題になる中で、いかに授業の時間割を増やさずに、大切な要素を含めていくのかが学校全体の話題となっている。
消費者教育は、子どもたちが大人に成長していく上で非常に重要なものなので、義務教育の小中学校においては、その要素を小分けにして、毎日の授業において、系統性をもって指導していくことが適当と考えている。その指導力を高めていくことにより、高等学校に行かない子供達への消費者教育や成年年齢引き下げに対応していきたい。
(蓑田委員) 今年度の事業報告の中で、商業施設内における啓発イベントを開催したというものがあったが、柏市内には他にも商業施設がいくつかある。そのようなところで行われている子供向けイベントにて啓発資料を配布することで、子どもを通して親、祖父母に情報を伝えていくことができるのではないか。
(阿部委員) 31年度に、チラシ・リーフレットの配布先の拡充を行っていくとあるが、チラシ・リーフレットの内容はどのようなものか。
(事務局) 消費生活に関する情報は、内容が多様なため、対象とする年齢層が幅広い。先ほど、高等学校における消費者教育について報告したように、若者向けの啓発資料も作成しているが、消費生活センターに寄せられている相談の傾向としては、高齢者の割合が高いことから、主に高齢者を念頭に置いて啓発資料を作成している。
また、その配布手段として、高齢者の配食サービス事業者に配布を依頼したり、地域で開催されている高齢者サロンで配布するようにしている。
(小川委員) 高齢者の見守り体制ということで、所属している生命保険会社の取り組みを紹介させてもらうと、例えば77歳の喜寿といった節目となるタイミングに、その高齢者とコンタクトをとるべく、要望等を伺う郵便物を送っている。そこで返送がないようであれば、本社のコールセンターから電話を入れることとし、そこでも応答がないようであれば、担当者が高齢者宅を訪問するようにしている。また、高齢者本人と連絡が取れなくなってしまうこともありうるので、第二連絡先を教えてもらうようにしている。
更に高齢者との契約をする場合には、高齢者本人だけではなく、家族の同席を求め、リスクを説明するようにしている。
(今井委員) 自分には5歳の息子がいるが、祖父母は、孫が言うことをよく聞く。商業施設にはよく出かけるので、そこでの啓発は効果が高いと思われる。
自分はこの消費者行政推進協議会の委員になるまで、消費生活センターがどのような業務を行っていて、どのような相談を受けているのか知らなかったので、このような場合に消費生活センターに相談できるということを広く知ってもらうことは大切だと思う。
(伊藤委員) 啓発資料を作成し配布していても、それが目に届くところに置いてあるのか疑問である。先日、沼南支所に行った際、消費生活センターの啓発資料を探してみたが、目につくようなところには置いていなかった。
また、高齢者は資料を配布されても、字がたくさん書いてある資料は読まないので、消費生活センターは大変だと思うが、高齢者サロンなどの小さな集会に出向いて行って注意喚起をするなど、耳から情報を入れるようにするとよいと思う。
(渡部委員) 高齢者や障害者について、成年後見制度の後見人を付けることができる人は安心だが、そこまで至らない、一般の人とのはざまに入ってしまう人は、制度上の保護がないので、よく教えてあげることが求められる。地味ではあるが、そのような方々が集まる小さなグループに足を運び、消費者問題に巻き込まれた場合には、消費生活センターに相談できることを教えることが必要と考える。
(小泉委員) 渡部委員の発言を聞いて思ったが、介護保険等の制度を利用している高齢者には、ケアマネ等が付いていて目を配ることができるが、制度を必要としていない自活している高齢者にこそ、啓発していく必要があると感じた。
(菊田委員) 平成31年度は公開講座を実施する予定があるという説明が事務局からあったが、2025年問題として、後期高齢者の増加に伴う諸問題が話題なので、講座のテーマとして、相続や成年後見を取り上げてはどうか。
(事務局)相続や成年後見に関しては、市においては地域包括支援が担当しているところなので、消費生活センターとしては、消費者問題に関するところを考えたい。
(谷生会長) 相続については、大きく分けると法律の問題と税金の問題がある。弁護士会では、税理士会との連携も行っていて、講座を行うということであれば、弁護士と税理士の二名を講師として派遣することもできるかもしれない。必要ということであれば弁護士会まで問い合わせて欲しい。
6 その他
- 報告
2月8日(金曜日)、柏市生活クラブと柏市消費者の会が開催する講演会の紹介
- 次回開催予定
次回の開催は、平成31年6月~7月頃を予定。
7 傍聴
傍聴者なし