第8期第2回行政改革推進委員会会議録

1 開催日時

平成26年12月24日(水曜日)午後1時30分~午後3時40分

2 開催場所

柏市役所本庁舎5階 第2委員会室

3 出席者

(1) 委員 

髙野会長、伏野副会長、上野委員、溝口委員、岡田委員、薦岡委員、竹之内委員、村越委員

(2) 柏市

(執行部)石黒副市長、鬼澤総務部長、岩崎企画部長、重田資産管理課長、有賀副参事、岡村主幹、鮫田営繕管理室長、相田主幹、青木主任
(事務局)池田企画部次長兼行政改革推進課長、小倉副参事、山田副主幹、薮﨑主事、布施主事、石田主事

4 議題等

  1. (議題)アクションプランの取組みについて
  2. (講話)公共施設の再編と保全について
  3. (議題)公共建築物の保全方針について

5 議事

1.(議題)アクションプランの取組みについて

執行部から「アクションプランの取組み」について説明を行い、これについて質疑と意見の聴取を行った。主な内容は次のとおり。

  • 柏市行政経営方針の推進項目である「行政運営高度化への取組み」の一つに掲げている「行政運営の透明性の確保」について、行政執行部の附属機関である審議会の委員に市議会議員が就任している審議会が見受けられる。本来、執行部のチェック機能としての役割である議会の議員が執行部内に入っていることに対して疑問に思うので、このことについて執行部で検討してほしい。
  • 歳入増加の取組みのうち、過年度分と現年度分の収納率向上への取組みで、市税収入全体の10パーセント強が回収できているが、収納率向上への取組みはこれまでやってこなかったのか。
    (回答)これまでも取り組んでいたが、柏市行政経営方針に基づくアクションプランの策定に当たり、取組みを更に強化したということである。
  • 収納率はどれくらいか。また、収納率は改善されているのか。
    (回答)平成25年度における現年度分の収納率は98.4パーセント、平成24年度以前の滞納繰越分の収納率は29.1パーセントであり、どちらも前年と比べて収納率は改善している。
  • 収納対策については、資力をきちんと調査し、見極めた上で、給与の差し押さえ等の対応を行っていく。一方で、生活に困っている人にも配慮し、バランスをうまくとりながら、職員の増加等による体制強化や民間企業への一部委託化等の対策を講じ、継続的に取り組んでいく。
  • 年度別計画のうち、平成27年度の計画における歳入増加の計画額が他年度の計画額に比べて少ない理由は何か。
    (回答)特に金額の大きいアクションプランについては、計画策定時点から可能な限り、前倒しで取り組んでいるためである。
  • 評価結果がC評価(期待を下回る)だった事業は何か。また、それらへの対策はどうなっているか。
    (回答)例えば、「給与制度の適正化」事業は、当初の計画より遅れているためC評価となっている。その対策として、計画の見直しを行い、新たに取組んでいる。
  • アクションプランの目標額に対する達成率を見ると、計画を上回るペースで進んでいる。また、評価でもA(期待を上回る)やB(期待どおり)の評価結果が多いことから、優れている部署に対してモチベーションを上げる取組をしてはいかがか。
    (回答)現在は、行財政改革等で効果を挙げた部署に対して職場表彰を行っており、今年度は2部署を表彰対象としている。今後も勤勉手当等、モチベーションを上げる取組を行っていきたい。

2.(講話)公共施設の再編と保全について

上野武委員から「公共施設の再編と保全」について講話があり、これについて質疑と意見の聴取を行った。主な内容は次のとおり。

  • 施設の複合化について、日本では海外に比べて複合化を検討している自治体が少ないのは、国民性の違いが影響しているのか。
    (回答)主にヨーロッパでは新築が少なく、多くが改修である。住宅においては、アメリカでは50年、イギリスでは70年もたせるところを日本では25年から30年程度で壊してしまう。
  • 複合化について、小学校と中学校を複合化した場合、小学校と中学校では校庭の使い方等が違うと思うが、いかがか。
    (回答)今回の話は、小学校と中学校を複合化するということではなく、小学校に新しい機能、中学校に新しい機能を追加するといった話である。ただし、今後、小中一貫校へということであれば、考えていかなければいけない。柏市でも柏の葉小学校の隣に中学校を建て、共用できるところは共用するという考えであると思うが、体育館やグラウンドの共用は難しいと思う。
  • これまで空調や配水管は外から見えないように敷設してきたと思うが、東大柏の葉キャンパスでは、外に配管されている。これは更新等を検討した結果なのか。
    (回答)東大の事例は実験用の配管や排気ダクトである。実験用は実験ごとに配管を変える場合があるため、配管変更しやすいようにしている。ただ、最近では、マンションの建設でも、設備や配管等、更新しやすく設置する例が増えている。
  • 施設ごとに所管が異なることや法的規制が原因で、自治体の複合化の取組に温度差が生じてしまっているのか。
    (回答)自治体によってはあまり協力的でない部署もあると思うが、同じ自治体であれば、行政改革を推進していくべきであると思う。また、それぞれの法律に見合うように改修していかなければいけない。
  • 様々な規制のなかでうまく複合化するにはテクニックがあると思うが、いかがか。
    (回答)まずは現状把握をして、携わる人が同じデータを共有して始めることが大事である。
  • 柏市でも現在、学校の空き教室をデイサービスやこどもルームとして使用しているが、一番の課題は、学校を活用していて事故等が起きた時に学校の先生が責任を持てないことである。そのため、市の方針をしっかり出し、先生だけの責任にならないような仕組みを作ることが大切である。国でも運用の規制緩和が進み、柔軟になっていると思うので、公共施設等総合管理計画の中では、そういう方針を出して有効な活用につなげていきたいと考えている。
  • 文部科学省でも検討を始めた段階であるため、あと2、3年経つと活用事例等も出てきて具体的に進められるようになってくると思う。
  • 複合化について、自治体があまり取り組んでいないことに驚いた。柏市でも施設の現状把握に早めに取り組んでほしい。

3.(議題)公共建築物の保全方針について

執行部から「行政改革推進委員会における公共施設の老朽化対策に係る審議スケジュール」及び「公共建築物の保全方針」について説明を行い、これらについて質疑と意見の聴取を行った。主な内容は次のとおり。

  • 建築的なデータに加えて、利用状況等の施設の現状を全てデータ化しないと方針は立てられないと思う。また、市民生活に影響を及ぼさないようにしつつ、少しでも総量を抑制するといった見直しをしていかないといけない。日常的な維持管理費についてもリストアップし、分析していく必要があり、施設白書を早急に作った方がよい。
  • 対象としている公共施設の全体像が見えないため、委員は何をすればよいか分からない。
  • 全体像が分からないと意見が出せないため、現状が分かる形で示してほしい。
    (回答)維持管理費や利用状況等の施設情報の一元管理について鋭意、進めている。早期に把握して提示していきたい。
    (回答)公共施設等総合管理計画には学校施設や企業会計も含めた市の関係施設をすべて盛り込んでいく。資料がまとまり次第、示したい。
  • 計画の策定にはこれほど時間がかかるものなのか。それとも、次期総合計画に合わせているために、このようなスケジュールとなっているのか。また、施設の老朽化は計画策定中にも日々、進んでいくと思うがどうなのか。
    (回答)行政経営方針にも課題として位置付けているが、情報の整理が不完全な状況であるため、平成28年度スタートの総合計画に間に合わせるように進めている。国は平成29年度までに公共施設等総合管理計画を作るよう通知を出しているが、国の期限より1年早い策定を目指している。計画策定中の対応としては、平成24年度に公共施設整備基金を設置して財源の積立てを始めた。また、今年度も予算を措置して保全工事を先行して行っている。
  • 総合計画にも関わりがあると思うが、どのようになっているか。
    (回答)現在策定中の総合計画には、再配置の考え方を示していく予定であり、複合化や廃止といった施設の考え方を位置付けていきたい。
  • 総合計画でも施設の現状をすべてデータ化した資料がベースになると思う。
  • 保全の考え方について、維持保全と予防保全の考え方を取り入れたことは、利用者にとっても、きれいで安心して使える施設になるため、よいと感じた。しかし、今ある施設をそのまま維持する前提ということは少し違うと思うため見直してもらいたい。
  • 行政改革推進委員会としてやるべきことは方針を出すことか。方針も含めた総合管理計画を作ることか。
    (回答)保全について審議いただき、方針を主軸に御意見いただきたい。総合管理計画については、それぞれの方針を受けてまとめていく。
  • これまでは建てることに主眼を置いてきた。また、官庁会計の考え方に減価償却の概念等、将来にわたって維持していく考えがなかったため、これからは仕組みを変えないといけない。減価償却の考えを入れ、改修に必要な財源と体制をしっかり構築していく。人口が減っていくこと等を踏まえ、柏市全体のあるべき姿を見据えた上で、公共施設を今後どうしていくかをまとめていきたい。

6 傍聴者

傍聴者3人