(第五次総合計画)柏市総合計画審議会(第9回)会議録

1 開催日時

平成27年7月29日(水曜日)午後1時30分~午後4時30分

2 開催場所

アミュゼ柏1階 プラザ

3 出席者

(1)委員

浅野委員、小野委員(副会長)、金江委員、亀岡委員、貞広委員、田中委員、谷一委員、溜川委員、常野委員、寺嶋委員(会長)、深津委員、藤井委員、藤原委員、宮部委員、村田委員、山田委員、山名委員、渡邊委員(18人/25人)

(2)市・事務局

関口副市長、石黒副市長、岩崎企画部長、奥山企画部参事、飯田企画調整課長他、関係課職員多数

4 傍聴者

2名

5 議題等

  1. 分野別計画 「(1)こども未来」分野の考え方について
  2. 分野別計画 「(2)健康・サポート」分野の考え方について
  3. その他

6 配布資料

7 議事要旨

(1)会長挨拶

前回は環境・社会基盤、安全・安心、マネジメントの3分野について議論頂いた。本日はこども未来、健康・サポートの2分野の審議を頂くが、会場の都合上延長が不可のため、スムーズな進行に協力願いたい。

(2)分野別計画 「(1)こども未来」分野の考え方について

事務局より資料3を用いて重点化した趣旨を説明。主に次のような質疑・意見が出た。

【全体】

  • 施策体系の内容・並びが「知」に偏り、「徳」「体」は必ずしも重視されていない。
  • 前提として、誤解されないよう学力の定義の明確化が必要。学力は必ずしもテストの点数のみではないことから、例えば「学ぶ力」という表現に改めることも検討が必要。
  • 地域と学校が別々の施策立てになっているような気がする。子どもたちは地域のなかで学校に通っている。地域と学校はつながっているので、別々に施策を進めるのではなく、一体的に行えるよう市長部局と教育委員会が連携して取り組んでいくべきである。
  • 施策体系の並びは、理想形を追求した概念重視なのか、特定の課題解決に注力した実現可能性重視なのか、いずれを重視するかによって異なることを理解する必要がある。
  • 施策体系の並びが、対象者が混在しているためにわかりにくい。例えば時間軸で並べ、その中で重点化すべきものを明確化するような整理が考えられるが、学力を先に出すとわかりにくくなる。
  • 例えば幼児期から本に親しむことで小学校以降の国語力だけでなく全ての学力の向上につながると思う。そのような子どもの成長の時間軸に沿った施策に盛り込んでいくのがよい。
  • 空き教室は多様な使い道があるが、活用が進むよう、校長以外で管理責任を負う仕組みをつくっていく必要がある。
  • 幸福な人生に向け、将来的な発見に備えた言葉を使ってほしい。そして、将来、豊富な知識を持って、それを運用してほしい。

【施策1-1について】

  • 資料4の4ページの課題にて、学習が好きな小中学生の割合や校外での勉強時間が挙げられているが、全国平均との差はどうなっているか。
    (回答)市独自の調査のため全国との比較はできないが、校外での勉強時間については取組による改善がみられる。
  • 学力は二極化が問題だったのか。基礎調査では基礎学力が課題ではなく思考力・判断力が課題だったと記憶しているがいかがか。
    (回答)全国学力状況調査において全国トップの秋田県レベルにある学校が約半数ある一方、最下位の県レベルの学校が半数あり、平均レベルの学校がないという二極化が、最新の現状分析で明らかになった。このような傾向は首都圏都市部の特徴的な課題。
  • 学力の地域間格差はあるのか。
    (回答)駅周辺部とそれ以外とで差異がみられる。
  • 学力は学校間格差以外の課題は見られるのか。
    (回答)二極化は学校のみならず校内の個人でもみられる。
  • 1-1-1では事業1(ICT利活用)より2(人的支援)を重視すべきではないか。またICTのハードを整備してもその活用をフォローする人が必要であり、その手当てもできないならばハード整備をしても意味はない。
    (回答)1-1-1は事業1~4全てを重視しており、その中での資源配分に特段の差はないが、事業の並びについては再検討する。
  • 1-1-1の4事業は、課題である学力の二極化への直接的対策となっておらず、不整合である。むしろ1-1-5-3~5が対応しているのではないか。
  • 学力の捉え方が古臭いのではないか。2020年の新指導要領では知識詰め込み型から脱却し知識活用を目指しており、その意味からは1-1-1-3や4が対応している。新しい学力を求めるか、学力の下支えを推進するか、どちらで捉えて取組を進めるのかを明確化する必要がある。
  • 学力向上はハードより人であり、ICT整備ではなく多忙な教員の支援を行う、教育支援員や雑務の支援等が重要であり、1-1-1-2を大きく打ち出していくべき。一方で夏休み期間中における教員の適切な人事管理も必要。
    (回答)二極化は学校のみならず校内の個人でもみられる。
  • 1-1-5-2が重要。現在では犯罪やいじめの多くがネット絡みであることから、ICTの上手な活用を親子で学ぶこと(リテラシー教育)は非常に重要。
  • 育児や子育てへの支援ばかりではなく、二極化はその両極についての対応に特に注力すべきではないか。
  • 学力も大事だが人間力も大事であり、精神的にタフな人間を育てる取組も重要ではないか。
  • 学力だけでなく、魅力ある人間の創造が重要なことから、1-1-2も重視すべきと考えるが、旧来からの道徳教育ではなく心の豊かさを育むことが大切ではないか。
  • 食育は、気にしない親もいるが重視する親も多いので、1-1-3-1も重点化すべきではないか
    (回答)食育は教育の一部でもあり、大切な視点と捉えているが、二極化のほうがより大きな課題であり重点的に進める取組と認識している。。
  • 英語教育は多くの親が気にし、教室に通わせたりしているが、なぜ1-1-4-1は重点化しないのか
    (回答)学ぶ意欲と習慣の育成には、まずは確かな学力を身につけることが最重要であり、発展的な学習の取組よりも優先順位は下がる。
  • いじめや不登校の状況を教えていただきたい。
    (回答)いじめについては、どんな小さなことでもいじめと判断した場合はカウントするため認知件数はこれまでに比べると増加傾向である。昨年度は1580件で98パーセントが年度内に解消している。今年度は1学期のみで1176件であり、アドバイザーが夏休み期間中に各学校を回り、いじめの実態等を検証していく予定である。
    (回答)不登校については、年間30日以上の長期欠席者(病気・経済的理由も含む)の減少を目指しているが、小学校で156人(0.73パーセント)、中学校で360人(3.59パーセント)。全国平均を0.1ポイント下回る。
  • 児童生徒の不登校だけでなく教職員の休職状況について教えていただきたい。
    (回答)小学校が1054人中44人、中学校は572人中23人となっている。
  • 学力の二極化の背景には貧困問題も関係しているのではないか。経済的に不安がなくても病気など様々なことによって経済的に困窮することも考えられる。経済的理由により学力に差がつかない安心できる教育環境が重要である。

【施策1-2について】

  • 1-2-2-2(認可保育園の整備)と1-2-6(適正化)は別々に分類されているが、将来的な事業の廃止が想定されるならばそれを視野に入れた構築を検討するべきであり、整備と再整理は一体的に考えていくべき。
  • 言葉の使い方として、法令上は「学校」には幼稚園が含まれている必要がある。また認定こども園は幼稚園でも保育園でもないことから書き分けておく必要がある。保育教諭という言葉の使い方も定義(保育士+幼稚園教諭)に照らして気を付ける必要がある。
  • 1-2-3-1(放課後子ども教室)の推進も然ることながら、学童の待機児童が発生している地域もあり、その解消が必要ではないか。学童教室との関係はどう整理されているか。
    (回答)それぞれは、元々制度や対象者の定義が異なるが、国の通知を踏まえ、関係の2課が連携した運営委員会を設け、いずれも指導員やアドバイザー等の人員不足が課題であることから、その解消に向け検討中である。
  • 1-2-3-1(放課後子ども教室)は、実態的には学童保育ではなく学習支援であることから、位置づけが異なる(1-1配下)のではないか。
  • 1-2-4-3は質の向上のために監査の充実を挙げているが、監査はマイナスの改善であり、質の向上には第3者評価の推進の方がよい。
  • 1-2-6では、規模と配置は別のものであり、例えば再整備というのは規模または配置のどちらを指すのか不明確なことから、明確な区別が必要である。その際、例えば自宅から保育所や駅まで500メートル以内という位置関係は重要であり、配置における視点として採り入れてはどうか。

【施策1-3について】

  • Ÿ1-3-1(地域と学校との連携)は取組レベルに位置づけるのではなく、施策レベルに引き上げ、学校における地域の諸活動等様々な取組が配下にぶら下がるような位置づけではないか。
  • 地域の中に学校があることから、1-3-1は施策レベルに引き上げるべきである。地域と学校とを分け別々に取り組むとうまく進まないことから、推進することが困難な状況とならないよう、関係部署や団体と一体的に取り組む仕掛け・仕組みが必要。
  • 地域の行事に興味を持つ子どもも少なくないことから、地域活動に参画することで子どもが育っていくような取り組みも必要。

【施策1-4について】

  • Ÿ1-4-1-1は確かに重要だが、総合的な支援体制が整ってもそれを知らない母親が多いと支援が受けられないことから、周知も重要であり、1-4-1-2も重点化すべきではないか
    (回答)それぞれの事業の周知はそれぞれの事業の中で取り組む。1-4-1-2は各事業の周知ではなくハード面の整備である。
  • 子どもが一人前になり地域に貢献するまで30年を要することから、先行世代を支える後続世代の育成のため1-4-1への注力は必要。
  • 大学では妊活の授業がある。、「妊娠から」ではなく、例えば教育プログラムを提供するなど「妊娠前から」のフォローが必要ではないか。その際、多様性を考慮した取組が必要ではないか。
  • 高齢者の予防接種には多額の補助が出ているが、子どもへの補助は少ない。高齢者の自己負担を引き上げることにより捻出した原資で子どものおたふく風邪やインフルエンザの予防接種への支援を進めるべき。近隣市も拡充してきており、都市間競争の観点からも重要。

(3)分野別計画 「(2)健康・サポート 」分野の考え方について

 事務局より資料3を用いて重点化した趣旨を説明。主に次のような質疑・意見が出た。

【施策2-1について】

  • Ÿ健康寿命は現状何歳で、何歳に引き上げることを目標とするのか。
    (回答)平成22年時点で男性79.4歳、女性83.67歳。具体的な目標値は設定していないが現状よりも伸ばす方向。
  • 自殺者数はどのような状況なのか。
    (回答)年間約70~80人で全国平均並み。
  • 2-1-1には、脳の若さを養うことも重要であり、その意味では生涯学習が重要だが、2-2-1-1に含まれているのか。
    (回答)含まれている。今年から試行中の事業もある。
  • 2-1-2に関して市民活動で取り組むことを行政がサポートすればよい。

 【施策2-2について】

  • Ÿボランティアも大切だが就労はより重要なことから、2-2-1-1や2の重点化に賛同。
  • 2-2-1の地域参加の場を学校に設けてはどうか。
  • 2-2-1-1について、市役所に既にセカンドライフの窓口が設置済だが、今後の展望としてどう考えているのか。また、既に設置していることから、整備という表現ではないかもしれない。
    (回答)全国でも実施しているのは柏市だけであらゆる相談に答え、社会参加を促すことを目的として昨年11月から市役所のロビーで稼動を始めている。利用者については1日4~5人程度である。この利用者数が適当なのか検証しており、また整備ではなく「推進」とすることも検討していく。
  • 資料4の23ページでは、将来的には高齢者は減少するが、2-2-1-2はどう充実させるのか。
    (回答)請負では参加する高齢者のニーズを満たせてないことから、派遣や職業紹介へと拡充。国も補助金を出して推進している。
  • 2-2-1-2は市だけでなく県のシルバー人材センターも間に介在するため、手数料が増え、経営者からすると使い勝手が悪い。
    (回答)最低賃金でも県・市の手数料により時給千円を超えるため、高齢者の雇用につながりにくいという問題は認識しており、厚労省にも相談している。
  • ハローワークやセカンドライフファクトリーとシルバー人材センターとで役割・機能が重複しており、ワンストップでサービスが受けられるようにする必要がある。
    (回答)ハローワークとは求人情報の共有等により連携。セカンドライフファクトリーとは啓発で連携しているが、わかりづらいという指摘をうけ機能重複を解消する予定。

【施策2-3について】

  • Ÿ2-3-1-1の医師の仕事であり、行政の関わる余地は少ないのではないか。
  • 認知症は、地域における声がけが重要であり、地域力の向上が必要。また、地域と学校が連携し、子どもの頃から勉強会にて認知症について学ぶことが必要ではないか。

【施策2-4について】

  • 共働きが多い中、付き添いが必要であり、そこへのフォローが重要。よって2-4-1-1は医療体制だけでなく多職種連携を打ち出すことが必要。
  • 2-4-1-1は全国トップ水準のモデル地域もあるため既に体制が整っており、今後は訪問看護やボランティア等の支え手の確保や市民意識の啓発等底上げが必要な段階であることから、重点化する必要はないのではないか。
  • 2-4-1-1で地域間格差はないか。
    (回答)豊四季台をモデル地域にセンターを設置しているが、全市的に広げているところ。南部は松戸市民病院が近いため病院が立地しづらいが東葛5市の広域で考えられている。
  • 2-4-1-2は基本構想でも重点として位置づけられていることから、優先順位を引き上げるべきではないか。
    (回答)高齢者を主たるターゲットとしているため、相対的に優先度は下がる。また担い手確保の問題もあることから、改めて検討。基本構想の表現との整合は他の分野も含めて最終的に整合性を確保するため点検中。
  • 多職種連携はステークホルダが多数にのぼるため実現(まとまる、情報共有できる)には多大なエネルギーが必要であり、実現可能性の観点からは疑問。 

【施策2-5について】

  • 難しいのは承知しているが、何らかの重点化はできないか。特に共通する心配事として、親が死亡後の障害児の行く末への不安があるので、例えばそのフォロー等の重点化等検討願いたい。
  • 福祉のまちづくり学会の会場になるぐらいのポテンシャルがあることから、2-5-2や2-5-3を重点化してもよいのではないか。

(6)その他

次回第10回は8月26日(水曜日)午後1時30分から市役所5階の予定。

以上