(第五次総合計画)柏市総合計画審議会(第8回)会議録

1 開催日時

平成27年6月26日(金曜日)午後1時30分~午後5時

2 開催場所

柏市役所本庁舎5階 第5・6委員会室

3 出席者

(1)委員

浅野委員、大方委員、小野委員(副会長)、金江委員、亀岡委員、貞広委員、田中委員、谷一委員、溜川委員、常野委員、寺嶋委員(会長)、長妻委員、林委員、深津委員、藤原委員、宮部委員、森委員、山田委員、渡辺委員、渡邊委員(20人/25人)

(2)市・事務局

関口副市長、岩崎企画部長、飯田企画調整課長他、関係課職員多数

4 傍聴者

2名

5 議題等

  1. 分野別計画 「(5)環境・社会基盤」分野の考え方について
  2. 分野別計画 「(6)安全・安心」分野の考え方について
  3. 分野別計画 「(7)マネジメント」分野の考え方について
  4. その他

6 配布資料

7 議事要旨

(1)会長挨拶

今回で第8回目となる。前回から各論に入り、経済・活力と地域のちからの2分野について議論頂いた。プライオリティの観点は多角的であり、ある面からは良いように見えるものが他の面からは害に見えるものもある。本日は3分野と多いが、時間の許す限りお付き合い願いたい。

(2)前回の振り返りについて

事務局より資料3にて前回からの資料の様式変更の趣旨について、また資料6にて前回の主な意見等について説明。各委員から特段の質疑・意見は出なかった。 

(3)分野別計画 「(5)環境・社会基盤」分野の考え方について

 事務局より資料3を用いて重点化した趣旨を説明。主に次のような質疑・意見が出た。

【全体】

  • Ÿ全ての取組・事業を個別に進めるのは不十分・非効率であり費用面から実現可能性が危ぶまれる。それぞれをつないで一体的・効率的に進めなければ実現できない。
  • 個々の取組・事業を束ねた全体として、空間像のような鮮明なイメージが出せると良い。
  • 都市化と保全とのバランスをとった政策が必要。生産年齢人口を増やし(定住させ)、地域の担い手を確保するためにも、職住近接+コンパクトシティ+豊かな自然、という方針を入れて欲しい。
  • コンパクトシティを目指す過程で、歩けない危ない道の解消(安心して歩けるまち)を優先していく必要がある。
  • 持続可能・実行可能な誠実な計画ではあるが故に小粒の取組が多くなっているが、今後のインフレを前提とすると、長期的に使えるインフラ(但しランニングコストのかからないもの)、将来につながるインフラなら盛り込んでもよいのではないか。
  • 例えば公園の再配置等、削る部分についても積極的に取り組むものは優先度を上げるべきではないか。

 【施策5-1について】

  • Ÿ土地は個人所有のため、保全は難しいのではないか
    (事務局)特別緑地保全制度や条例等を活用し、民有地のまま保全を図っていきたい。
  • 谷津はひっそりと美しいだけでなく活用していくことが必要であるが、トイレが未整備のためお年寄りはアクセスしづらい。活用に向けた整備により動線を変えていく等、もう一歩ひねってもらいたい。
  • 取組1の4つの事業のうち1と2が優先されているが、それでよいと思う。1や2を真剣に取組めば3・4も達成されると理解している。
  • 谷津での耕作は非常に手間がかかって非効率であり、農家の頑張りで維持されている所は保全されているが、近年埋め立てが進行している。埋め立てを規制する条例が必要。それだけでなく、自然を守る施策を策定して担保することが重要である。
  • 自然保全は教育や健康面等など様々なことに有用であり、、活用のためには交通網が必要である。
  • 柏の谷津を知らない人が多いのでPRが重要であり、加えて活用のためにはトイレやゴミ箱等のインフラ整備が必要。バリアフリーだけでなくユーザビリティやアクセシビリティを高めていく必要がある。
  • 環境汚染対策は対症療法にならないよう注意が必要。
  • アクセシビリティの意見が出たが、良いものを身近で享受できることが重要。 

【施策5-2について】

  • Ÿ平成2年から24年で人口増にもかかわらず排出量が8.6パーセント減の理由は。
    (事務局)リーマンショックによる事業所の減少等が大きく影響していることが挙げられる。
  • 排出量の多い事業所向けではなく、家庭向けの取り組みが多い理由は。
    (事務局)多くを占める民生部門の排出量が減っていないことから、まずは家庭での削減が必要。また、事業所への削減は経済成長を削ぐ影響も考慮する必要がある。

【施策5-3について】

  • 「カシニワ制度」は、幅広い捉え方をしている他と比べ個別の事業を取り上げており、バランスが悪い。「未利用地の活用」の方がよいのではないか。
  • 「バリアフリー」よりも「ユニバーサルデザイン」ではないか。
  • 空き家対策は重点化すべきではないか。どういう観点で重点化しているのか。
    (事務局)結果を出すために投資するものを抽出している。空き家も含む様々な行政課題への対応と他市との差別化とは観点が異なる。これまでと異なるのは空き家の「活用」を意識し表現を追加している。
  • カシニワ制度は既に取り組んでいるものであり、5年後・10年後に向けた取組ではないのではないか。
  • 人が集まる場としては、オープンスペースだけでなく屋根のある集会所(空き家の活用が考えられる)や商店街も必要。
  • バリアフリーだけでなくトイレ整備や既存建物の改修も含めトータルな歩行環境の整備が必要。
  • 空き家対策では、例えば住宅の流通や住み替えの支援等が重要。
  • バリアフリーは駅や公共施設等が一般的であるが、身の回りの住環境のバリアフリー化(通学路の安全対策等)も読めるようにしておく必要がある。
  • 空き家対策は重点化すべきではないか。

【施策5-4について】

  • Ÿ公共交通は市営ではなく事業者による運営のため、利便性向上に取り組むといっても、どこまでできるのか。
    (事務局)これまでも事業者と連携し、バリアフリーに関してはそれぞれの役割を果たしてきた。バス路線のネットワーク化は事業者と協議しており、難しい中でも進めていきたい。
  • バス交通の機能向上とあるが、お年寄りでもバスは渋滞で大幅に遅延するために使われず、自転車で買物に出ており危ない。公共交通のみに注力するのは疑問。むしろ、自転車利用環境の向上は重要ではないのか。
    (事務局)自転車通行環境についても5-4-2にて採り上げており推進していく予定だが、他市との差別化につながり、市内外にアピールするまでの取組ではないと考えている。
  • 道路整備が不十分。都市計画道路で未整備の路線が多くあるが、その中でもつながることで効果が高まる箇所については優先して取り組むべきであり、5-4-3-2は優先度を上げるべき。子どもの観点からも2人並んで歩ける歩道は非常に重要であるが、拡幅難な所が多いことから一方通行化を積極的に進めるべき。
  • 「通学路、生活道路の充実」については優先度が高い。
  • 「安心して歩ける道」の優先度を上げるべき。
  • 観光バスの停留所の設置、多額の投資をしているあけぼの山へのアクセスの改善等、総合的な計画づくりが必要であり、その中で都市計画道路の見直しも出てくるのではないか。
  • 公共交通においては、駅を起点・中心とした交通施策は欠かせないが、回遊性をつくるなど、駅に頼らない交通施策についても必要ではないか。
  • バス停をシェルター化すると共に待ち時間の表示をつけるだけでも大きく改善する。トータルとしての都市環境の整備を考えていく必要がある。
  • バスは路線網の拡充だけでなく定時性の確保も重要。PTPSや交差点改良等の取組を進めていく必要がある。   

(4)分野別計画 「(6)安全・安心」分野の考え方について

 事務局より資料3を用いて重点化した趣旨を説明。主に次のような質疑・意見が出た。

【施策6-1について】

  • Ÿ防災よりも減災が重要。減災を防災の一つの策として重点化すべき。具体的には官民連携で備え・心構えを高め、自立マインドを高めていくことが必要。
  • 要配慮者へ支援する者(地域組織)の強化が必要なので、6-1-1や1はもちろん重要であるが2についても優先していくべきではないか。
  • 防災はマニュアル化されていて機能していないのではないか。
    (事務局)そういう地域もある。
  • この体系には医療が重点化されていないが、とても大切なことである。体系のなかには、6-2-1のとおり「救急体制の適正化」とあるが、「医療機関の適正配置」も必要である。大災害が発生した場合は交通網が遮断され、ケガをした方々は歩いて医療機関に行かなければならない。そうした事態を想定した場合に市立病院が移転すると、歩いて行ける所に医療機関がなくなる地域が出る。
  • 現在の医療機関は、昼間はスタッフが充実しており、夜間はほとんどいない。こうした医療体制をどう解決していくか考えていく必要がある。
  • 縦割り・バラバラに取組むのではなく、平時の見守り体制とのセットで地域力の向上を図っていく必要がある。
  • 住宅改修(6-1-3)は、耐震だけでなくバリアフリー等とも一体的に実施する必要がある。
  • 防災訓練等の回覧はあるが、与えてもらう慣れがあり地域の防災活動に参加しない傾向がある。自ら守る意識を高めていく仕組みが必要。
  • 柏には全国的にも先進的な事例をもつ町会があるので、それらを市全体に広めていくのがよい。
  • 中で何が行われているのか不明なため年長者中心の町会に入るのは躊躇するが、消防団の退団(引退)後に町会に入るような流れができればよいのではないか。
  • 6-1-2-3(情報通信体制の強化)とは何を意味するのか。
    (事務局)駅前のデジタルサイネージや県のエルアラート等も含め、災害時に使える情報伝達手段の多重化を想定。 

【施策6-3について】

  • 防犯カメラは、リアルタイム捕捉やGPS連動のものを街中だけでも設置した方がよい。また民間の防犯カメラとの相互乗り入れも必要。
  • 振り込め詐欺対策とはどのような取組を想定しているか。
    (事務局)防止条例を施行し、関係者・事業者と連携、情報共有を進めることを想定。
  • 犯罪しづらい町は地域がしっかりしている所であり、住宅街では防犯カメラを嫌がる住民も居ることから、6-3-1は事業3(自主防犯活動の強化)も優先扱いすべきではないか。
  • 街灯のLED化を進める際にカメラ付きのものを設置してはどうか。 

 

(5)分野別計画 「(7)マネジメント」分野の考え方について

事務局より資料3を用いて重点化した趣旨を説明。主に次のような質疑・意見が出た。

【全体】

  • 海士町の事例から、人口を増やすことを目指す取組においては、行政も覚悟を示せば市民も支持する。まずは市職員が柏に住むようにして欲しい。
  • 優先順位を考えていく際には、現場の職員の情熱をおしはかることも必要と感じたが難しい。

【施策7-1について】

  • 市立病院は移転や現地建替が議論されているが、必要なのか。百数十億円を使って建て替えるだけでなく赤字を続けていくことになり、同規模で黒字の病院も周りにはあることから、民営化できるのではないか。
  • 民間活力の導入は非常に重要。実施可能な施設は全て取り組んでいくべきであり、優先扱いしてもよいのではないか。
  • コントロールあってのマネジメントである。第4次総合計画では目標未達が多くを占めたのは策定後の管理が不十分であったのではないか。よって7-1-3は「マネジメントサイクルの実現による施策実現の推進」とし最上位に移動するか、優先度を上げるべきではないか。
  • 民間活力の導入はよく研究し注力すべきであり、優先度を上げるべきではないか。 

【施策7-2について】

  • 公共施設を削る際は、単なる数合わせではなく、物理的には減るものの機能的には向上するような取り組み方が必要。そのためには将来的にどのような形にしたいのかというビジョンが必要であり、ビジョンあってのマネジメントである。
  • 公共施設の最適化がこれまでできなかった理由は、どのように分析しているか。
    (事務局)受益者負担の適正化は進めてきた。これまでは官民共に危機感が不足しており、財源の確保も不十分であったが、今後は白書の作成・公表により市民と情報共有し、また基金への積立により財源を確保していく。
  • 削減や抑制に際しては、公の為すべきことの定義が必要。多数が求めるものを優先するのか、少数派だからこそ維持を図るのか、あるいは人気がないものはやめるのか、逆にやり続ける必要があるのか等。
  • やらなければならないことが明確化されたところについては、覚悟を持って果敢に挑戦していく必要がある。そのためには強力に推進するための工夫や矢面に立てる人を作っていくことが必要。
  • 資産価値も含め指標を揃えて議論していくことが必要。経済波及効果の高いインフラは、ランニングコストが多額となるものを除き、積極的に投資してよいと思う。 

(6)その他

次回第9回は7月29日(水曜日)午後1時30分からアミュゼ柏の予定。

以上