柏市総合計画審議会 第3回産業・都市基盤分野分科会会議録
1 開催日時
平成22年10月28日(金曜日)午前9時~午前11時50分
2 開催場所
柏市役所分室1第1会議室
3 出席者
(1) 委員
落合委員(座長)、寺嶋委員、今津委員、花島委員、岡本委員、綱野委員、増谷委員、宮崎委員、(8人)
(2) 市・事務局
吉川企画調整課長、鈴木防災安全課長、小野寺消費生活センター長、斉藤公設市場長、加藤市場整備課長、岩崎都市計画課長、渡邊交通政策課長、後藤交通施設課長、濱野道路整備課長、平山消防局企画統制課長
企画調整課:熊井主幹、稲荷田主幹及び関本主査他15名
4 議題等
基本施策別における優先項目について
5 議事(要旨)
事務局から資料に基づき、議題「基本施策別における優先項目について」説明を行った後、質疑、意見交換を行った。主な内容は次のとおり。
【質疑及び意見交換】
卸売市場の活性化
・ 市場の再整備計画については、方針を検討中とのこと。それが出た時点でないと議論はできない。
⇒ 優先項目の設定も新たな計画が提示されてからということになる。
・ いつまでに結論を出すのか。
⇒ 整備計画の見直しは今年度中に完成させる。ただし、移転するかどうかの方針は11月中に決定する予定。
・ 現在、市場全体で900人の雇用があるとのことだが、今後の目標は。
⇒ 1,000人の雇用確保を目標としている。
防災・危機管理対策の推進
・ 自助と公助、どちらを優先しようと考えているのか。
⇒ どちらも重要だが、災害の発生直後に生命を守るためには、過去の例からまず自助が必要であり、重点的に考えている。そのための講習会等を推進している。
・ 子どもの災害対策、防災訓練などは行っているのか。
⇒ 酒井根西小学校をモデル校として、防災訓練を行った。しかし、全校での取組みはこれから実施していく段階。
自主防災組織を核とした取組みは防災安全課で進めているが、学校の防災については教育委員会と連携して進めていきたい。
・ なぜ教育委員会が関連課に入っていないのか。この基本施策は市全体として防災をどう考えるかということのはず。連携を図り、全庁をあげて施策をまとめてほしい。
⇒ 学校での防災についても重要という認識はあるが、これまでの施策は自主防災組織での活動が中心であったことは事実。今後は含めて考えていきたい。
・ この基本施策は範囲が広く、教育委員会や下水道関連などの関連課も多いはず。これらの課も含めて施策を検討してほしい。「災害に強いひとづくり」という優先項目はこれで良いと考える。
⇒ 各課と協議して施策をまとめていきたい。
・ 今日現在、台風が接近しているが、市としてどのような対策をとる予定か。
⇒ 台風が最接近する予定日の前に、総務部長を長とした検討会議を開催し、最新の気象情報をみながら、対応策を迅速に決定していく予定である。
・ 新潟中越沖地震の際に現地に赴いたが、被害者の精神的な被害は甚大で、活動しているのはボランティアだけという状況であった。災害発生時の被害者のメンタルケアについても考えてほしい。
消防・救急体制の向上
・ 優先項目の「消防体制の充実」は、いろいろな施策がある中でハード面の整備を優先していくということか。
⇒ まずハードを充実させる必要があるという認識。そのとおりである。
・ 沼南地区は消防水利が十分ではないといわれているが、今回の施策でこの問題をクリアできると考えているか。
⇒ 今回の計画期間中に、沼南地区での消防活動に必要な消防水利を確保するための対策を講じていく。
・ ハードの整備が必要であることはわかったが、ソフト面の取組みも重要。例えば救急時の病院間のネットワーク化といったことも表現に加えてほしい。
交通安全・防犯体制の強化
・ 交通安全に関連してだが、柏市では低炭素型まちづくりを進める手段として自転車の利用を促進している。しかし一方で、自転車による事故も少なくない。自転車交通に関する対策をどう考えているか。
⇒ 歩道での走行や、ヘッドフォン装着、携帯電話をかけながらの走行など、マナーが悪い自転車が目立っている。市では広報等を通して改善を呼びかけているが、自転車による事故は増加している。対策として、自転車を利用する高校生への安全指導などを行っている。
・ 低炭素型社会に向けて自転車は重要なファクター。そういう考え方での交通安全教育を盛り込むべき。
・ 交通安全の確保が十分でないということであれば、なぜ優先項目が「自主防犯活動の推進」だけなのか。防犯も交通安全も必要で、その中で特に防犯に注力したいという説明ならわかるが、そうではなかった。交通安全対策も優先項目に該当するのではないか。
・ 優先項目が防犯のみということに疑問を感じる。市と市民と警察の連携による交通安全も含めるべき。
安心できる消費生活の実現
・ 消費生活センターがあいているのは、平日のみのはず。土日のニーズが高いと考えられるので、対応を検討してほしい。
⇒ 試験的取組みとして、第3土曜日の午後に電話での相談を受付けている。その結果をみて、土日の対応を考えていく予定。
・ 目標として、「消費者教育・啓発の提供を受けた市民の数を93千人にする」と掲げているが、これは他の市の水準なのか。設定した数値の根拠を知りたい。
⇒ 数値は近隣市と比較したものではない。ただ、学校での教育事業など、柏市は全国的にも進んだ取組みを行っており、消費者教育の啓発度合いも高い水準にあることは間違いない。
・ 学校への消費者教育の出前講座は何回実施したのか。またそれは要請があって行ったものか。
⇒ 出前講座の回数は31回。要請があっていくケースと、こちらから企画して行くケースの両方がある。
・ 自発的に行くような企画機能を充実させ、まだ実施していない学校もカバーするように対応していってほしい。
・ これまでの取組みを自慢しているように聞こえる。93千人という数値も、多いのかどうかわからないので、現在の取組み状況の水準について判断ができない。
⇒ これまでは要請があった学校への出前講座に偏りすぎているという傾向もあった。すべての学校に対応していけるように改善していきたい。
基地対策の充実
・ 騒音被害の件数を3割削減させることを目標としているが、具体的にどういう努力をしていくのか。
⇒ 騒音が一定レベル以上の地区には、対策として防音装置の設置などについて、防衛庁からの助成措置があるのでこれを活用していく。
また最近では、基準値に達していない場合でも苦情を訴える人もいる。そうした人が多い地区に関しては、防衛庁への助成の要請等を行っていきたい。
・ 基地近隣の居住者のほとんどは、基地ができた後に移転してきた人のはず。そういう人が基準値未満であるのに苦情を訴えることはおかしい。クレイマーである。クレームをつければ対応してくれると安易に考えている人には対応すべきではない。カネをかけずに話をして解決していくべき。
⇒ そのような考え方もあるが、騒音の感じ方は人によってそれぞれである。基準未満でも、大変うるさいと感じる人もいる。助成について、防衛庁と協議しながら対応していきたい。
・ 苦情が消費生活センターへいくことはないのか。
⇒ 詳細に把握しているわけではないが、企画調整課が窓口になっていることは広く認識されているはず。ないと考えている。
景観の保全と創造
・ 優先項目が「骨格的景観の形成」とあるが、「骨格的」という表現が一般的ではない。表現に工夫をしてほしい。景観には「通り」も含まれる。景観重点地区として、市民に親しまれている「通り」も含めてほしい。
⇒ 景観地区の「地区」は地権者がいる場所。「通り」を景観地区とする場合は、管理者である市と周辺の地権者の協力のもとで進めることになる。
・ 手賀沼は重要な観光資源。景観としてどう捉えているのか知りたい。
⇒ 手賀沼の重要性は当然認識しており、我孫子市とも協力しながら、今後も良好な景観の保全を推進していく。
・ 関係部署として、商工振興課の都市観光の分野でも景観の発想があり、協力しながら対応していってほしい。
・ 目標に「景観重点地区を6地区に増やす」とあるが、手賀沼など更に増やすことも検討してほしい。
バリアフリーの推進
・ 優先項目として「公共空間のバリアフリー化」とあるが、その根拠を。
⇒ バリアフリー化はすべての場所で必要だが、特に人が集まる場所、その中でも交通の結節点である駅のバリアフリー化が重要との認識。駅はどこへ行くのでも欠かせない場所。駅などの公共空間のバリアフリー化を優先項目とした。
市街地の整備
・ 重点事業に「エリアマネジメントの推進」があげられている。大きなテーマだが、これについてどのように考えているのか。
⇒ エリアマネジメントの推進にはキーマンが必要。何もないところに行政は入ってはいけない。下地があることが条件になる。地域で活動の気運が盛り上がれば、市として積極的に関わっていきたい。
実際に現在柏の葉地区で行われている。今後は、柏駅周辺地区でも推進していきたい。
・ 地域ごとのプロジェクトとして、具体的に動きがある事例については名称を入れるなどして、推進する想いを盛り込んでいってほしい。
・ 都市計画道路については、従来の方針どおり進めていく予定なのか。
⇒ 必要性が高い道路とそうでない道路がある。来年出るパーソントリップのデータをみて、再検討していきたい。
・ 都市計画と都市整備が縦割りで動いているように見える。これでは、目指そうとしているコンパクトシティにつながらない。市街地の整備という目的のために、関係する課が知恵を出し合っていくことが必要である。
・ 市街地整備の中に「高齢者にやさしい」という考え方は含まれていないのか。
⇒ 当然意識しているが、福祉分野で掲げられる施策だと考えている。ここでは基盤整備という視点から整理している。そういう考え方では、すべての基本施策についてすべての視点から取上げることになってしまう。
・ 柏のまちをどうしていくのか、いろいろとテーマがある。高齢者への対応もその1つで、実際に豊四季でのプロジェクトも行われている。そうした視点での整理が必要。
⇒ そういう考え方でまとめるには、現状の6つの章に分けた整理の仕方では無理である。すべてにかかる理念があるのはわかるが、それを切り口にするということでは章立てで考えることはできない。今回は分野別、基本施策別で整理を行っているはずであり、この基本施策ではインフラを中心として記載している。
・ 優先項目の名称は「計画的な都市基盤の整備の推進により地域の活性化を図る」となっているが、これではすべての内容が含まれているイメージがする。求められる施策をまとめると、こうなってしまうのはやむをえないのだろうか。
・ 総花的かもしれないが、関連課からの意見を踏まえて、この基本施策の優先項目を整理するとこうなってしまう。
総合交通体系の充実、道路網の整備、交通環境の整備
・ 市民からすると、この3つは同じ目線で取扱われるべきものである。
・ 低炭素型社会に向けて、自転車交通について整理が必要。やるべきと考えていることについて聞きたい。また、橋などのインフラの今後の更新について、どう考えているのか。
⇒ 自転車の主な利用目的は、駅まで行くこと。そう考えると自転車により主に代替されるものは、自動車ではなくバスということになる。自転車交通を進めることでバス運行の減少は避けたい。
また、駅へのニーズとは別に、柏の葉地区では実験的にコミュニティサイクル事業を進めている。これは乗り捨てができるシステム。駅への移動ではなく、市内を横断的に移動する際の交通手段として自転車の利用を考えている。バスへの影響も含めて、利便性の高い自転車利用の推進方法を考えていきたい。
・ コミュニティサイクル事業は先導的な取組みであり、報告書にも盛り込んでほしい。
・ 低炭素型まちづくりの方向性ははっきりしている。また、市民アンケートの結果から自転車交通へのニーズは高い。バス路線も必要だが、自転車交通をしっかりと計画の中に落とし込んでほしい。
・ 3つの基本施策が別々に掲げられているが、「総合交通体系」を主管する交通政策課として、道路整備課に要請したいことはないか。
⇒ バス交通の利便性を高めたいと考えているが、物理的に入れないところがある。バスなどの公共交通を受け入れられる道路体制を整備してもらいたい。
・ 交通体系を考える部署と道路をつくる部署がバラバラに施策を立案していては、総合的な方向性をまとめることができない。交通という大きな分野において、関係する各課が十分に協議して、柏市全体の交通をどういう方向に持っていくのかを考えて、それにしたがってバランスのとれた施策を講じていく必要がある。例えば、「バス利用を推進する」「そのために駅周辺への車の乗り入れを規制する」「余った部分で自転車専用レーンを作ることができる」というようなつながりが求められる。道路整備課はきちんとした道路をつくるのが使命だが、知恵を出していくことによって、他のこともできるのではないか。
⇒ そのとおりだが、そうした考えで方向性と施策にまとめていくには、地元も含めた相当な議論が必要。現段階でその内容を実際に計画書に書き込むことは難しい。
・ 3つの基本施策は、市民にとっては共通の問題である。すぐにはできないかもしれないが、いつどのような手法でやっていくのか、それをこの計画に提示して、この5年間で考えていくべきではないか。
・ できることからはじめれば良いのではないか。柏の葉で先導的なことをやっているが、うまく広報できていない。市民が認識できれば、そこから議論が始められるはず。
・ 「自転車レーンの設置」は最優先であるべきなのに、資料に記載がないことは残念。取上げるべきである。
・ 「総合交通体系の充実」では、他の2つの基本施策との関係も含めて考えて、優先項目は本当に「バス交通」で良いのか、検討してほしい。
・ 「交通環境の整備」は非常に幅が広い。駐輪場と駐車場だけで良いのか、これも他の2つとの関係から、検討が必要である。
・ 3つの基本施策を、関係課が一体となって考えていかねばならない。
・ 各基本施策で優先項目を、このようにしか記載できないということであれば、基本施策の枠組みを変えることも必要。3つの基本施策について、枠組みと名称について再検討してほしい。
6 傍聴
傍聴者 3人
傍聴要領に反する行為は見受けられなかった。
7 次回(全体会議)開催日時
平成22年11月12日(金曜日)午前9時から