柏市総合計画審議会 第3回環境・教育・文化分野分科会会議録
1 開催日時
平成22年10月22日(金曜日)午後1時30分~午後5時
2 開催場所
柏市役所第2庁舎5階 第5・第6委員会室
3 出席者
(1) 委員
勝野委員(座長)、熊谷委員、古在委員、沢田委員、鈴木委員、綱野委員、戸塚委員、根本委員、花島委員、広瀬委員、?冨委員、山澤委員、山田委員及び山宮委員(14人)
(2) 市・事務局
石黒副市長、猿渡企画部長、吉川企画調整課長、小貫ホームタウン推進室長、高橋国際交流室長、金子環境保全課長、南條公園緑政課長、環境保全課;飯田副参事、横銭統括リーダー、スポーツ課;海老原副参事、企画調整課;中山副参事、稲荷田主幹、関本主査及び黒澤主任他10名
4 議題等
基本施策別における優先項目について
5 議事(要旨)
事務局から資料に基づき、議題「基本施策別における優先項目について」説明を行った後、質疑、意見交換を行った。主な内容は次のとおり。
【質疑及び意見交換】
スポーツを活かしたまちづくりの推進
・ 柏レイソルは確かに全国区だが、その他の団体の知名度は低い。ホームタウン推進室として、マスコミなどへのPRを進め、レイソル以外も柏のスポーツチームだという認識を広めていくべき。
⇒ レイソルには冠として「柏」の名称がついているが、その他はそうはなっていない。各チームにはそれぞれいろいろな立場や事情もある。市としては各チームが柏市にゆかりがあるということを、ホームページなどを通じて強くPRしていきたい。
・ 柏のスポーツチームとしては、レイソル以外は頭に浮かばないが、柏市には7つのスポーツチームがあるとのこと。それなら、優先項目の名称は「柏レイソルなどのスポーツ資源の活用」よりも「ホームタウンチームの活用」の方がよいのではないか。「スポーツ資源」ということばよりもわかりやすい。
⇒ 「ホームタウン」ということばには正式な定義がないが、検討したい。
・ 資料記載の施策内容をもう少し充実させたほうがよい。関連課との連携はどのようなことを行っているのか。
⇒ 柏レイソルと連携して、高齢者や青少年のスポーツ教室、健康づくり活動などを行っているが、そうした活動は当然それぞれの担当部署と連携しながら進めている。
・ スポーツチームとの連携は、学校でのイベント、市民の健康増進、障害者のスポーツなど、さまざまな面での取組みが考えられる。各種スポーツ教室など、幅広く推進していって欲しい。
・ 提示している目標の水準が低すぎる。もっと高い水準を目指して欲しい。
・ 基本施策の名称は「スポーツを活かしたまちづくりの推進」である。まちづくりが目的で、スポーツはあくまでも手段のはず。まちづくり関係の施策がはいるべき。「スポーツ資源の活用」が施策では、つじつまが合わない。
・ スポーツを通じてのまちづくりは素晴らしいこと。更なる振興をお願いしたい。
・ 「スポーツ資源の活用を図る」という優先項目の内容には異議はない。
・ 学校の現場では子どもの体力の低下を強く感じている。
・ スポーツチームと一緒になって何かやりたいと考えても、学校側には直接的な接点はない。担当課で学校との接点を設けてもらいたい。
スポーツ・レクリエーション活動の振興
・ 資料には「子どもから高齢者までだれもが生涯にわたってスポーツに親しめる」とあるが、実際はそうなっていない。市民が学校施設を使用できるというが、使えるのは少年団などの団体だけである。そういう団体に入っていない、普通の市民でも利用できるような体制を考えて欲しい。
⇒ 学校体育施設開放事業は地域のスポーツ施設として位置づけている。PTAなど地域のスポーツ団体も利用している。
・ 現状説明で、柏市はスポーツ施設が多いとあるが施設は不足していると課題に記載がある。どういうことか。
⇒ 確かに市内には公共スポーツ施設が多いが、身近で気軽にスポーツに親しめる場所をより多く整備したいということ。
・ 「青少年の健全育成」の基本施策のなかでスポーツを入れることを考えても良い。
⇒ 少年期のスポーツは、体力向上のみならず、スポーツを通じてマナーやルールを守ることを覚えるということで大変重要であると考えている。
・ 掲げられている施策は、主に成年や高齢者を対象にしているように見える。青少年向けの対策も追加して欲しい。
・ 目標水準も「成人のスポーツ実施率」だけでなく、難しいかもしれないが可能なら子どもの指標も入れて欲しい。
国際化の推進
・ 「多文化共生プラン」について聞きたい。また、国際化は横の連携が必要となる分野のはずだが、関連課は資料に記載の課だけで足りると考えているのか。
⇒ プランはこれから作成していく段階。関連課については、今後保健・福祉分野などとも連携を図って行きたい。
・ この資料でそれらの関連課が盛り込まれていないことが問題である。国際交流室が主体的に関連課に働きかけていくべき。そうでないと目標に掲げた「国際化の推進を重要と考える市民の割合」も上げることはできない。
・ 関連課として学校教育課をぜひ加えて欲しい。外国人の子どもの教育にかかわっているが、現状では学校に入る際の外国人の子どもの学年について、単純に年齢できめられてしまう。学校教育課と連携できれば、柔軟な対応ができるはずである。こうした横の連携がないために問題となっていることは多い。
・ ライオンズクラブに加入して25年になるが、ライオンズクラブも国際化の推進のための外国人の受入や派遣の活動を積極的に行っている。こうした活動にも理解を示して欲しい。
・ 男女共同参画の審議会に入っているが、その中で国際化の視点でも議論がされている。
・ 国内に居住する外国人のなかには人権が守られていない人もいる。外国人の人権を守る、相手の国の文化を尊重する、日本の文化を伝えるといった姿勢は必要である。
⇒ 男女共同参画や人権の視点も、多文化共生プランの中で盛り込んでいきたい。
・ 国際交流室のメンバーは4人ということで、少なく大変だと思う。ただ松戸市と比較すると、活動実績が極端に少ないようにみえる。
・ 柏の葉キャンパスにある国際交流サテライトは、事業仕分けで廃止か縮小かの方針になったようだが、留学生に聞いてもその存在はほとんど知られていない。活動内容がわからないから仕分けの対象とされてしまう。認知させる努力が足りないからだと考えられる。また松戸市では、大学の留学生が集まるパーティなどに職員が参加しているが、柏市ではそうした動きが見られないようだ。
⇒ 柏の葉の国際交流サテライトを拠点とした活動を行っており、大学のパーティ等にも職員が参加しているが、まだ活動が不十分な面がある。活動を更に推進していきたい。
緑の保全と創出
・ 市民の側から見ると、緑は農地なども含む。関連課はもっと多いはず。
⇒ 農政課とも連携を図っていく。また、将来的には環境保全を切り口にした組織の改編なども検討していきたい。
・ 緑の保全に加えて、公園の活性化も推進していってほしい。未利用地の有効利用の方策としてコミュニティガーデンの例があげられているが、そのほかにもバーベキューガーデンやバスケットコートとしての利用なども考えられる。バーベキューなどはやりたいが場所がないという声も多い。工夫して未利用地の活用を図っていってほしい。
⇒ 未利用地の活用の方策として「カシニワ制度」を検討中で、近々発表できる予定。これは、公園的な土地利用で土地を借りたい人と貸したい人の間に行政が入り、貸し借りを進める制度。市が土地を提供するのではなく、民間同士での貸し借りを活発化し、公園的な用途での土地の有効活用を図っていく。
利用の仕方については、公園的な用途の範囲内であれば土地を活用したい人が責任を取れる範囲で自由なので、バーベキューガーデンやバスケットコートとしての利用も可能。
・ 市が緑の保全を一手に行おうとすると、ばく大な費用がかかる。市民を巻き込んで、市民運動として緑の保全や再生を進めていく仕組みを作る必要がある。市だけで取組むのは無理。
⇒ これからは、全て市が行おうとするのではなく、農地の維持、生け垣や緑のカーテンの設置など民地であっても環境保全、景観の向上、生物多様性、防災等に役立つ取り組みに対しては積極的に助成していくという方向に転換する必要がある。現在のところ生垣の設置などについて緑の基金等を通じて助成する制度があるが、このような制度を広げていきたい。
・ 温暖化の防止など、都市部における山林の意義は大きいはずだが、相続により手放さざるを得ず、それによって保全されない事例も多い。財政面で負担が大きいことはわかるが、行政には、相続発生時の市による山林の買い取りや、有料でも良いので刈ったあとの枝の引き取りといった対応をお願いしたい。
⇒ 枝の処理の件については、エタノールにし、ガソリンに混ぜて燃料に転換していくという研究が進んでいる。将来的には逆に買い取ってもらえるようになるかもしれない。
・ 都市部の緑を保全するための相続税の減免に関する特区は考えられないか。
⇒ 相続税の件は確かに問題があるが、国税の特区については現実的には難しい。国への陳情などで地道な活動を進めていくしかないと考える。
・ 開発された地区の雨水対策のために、その地区内の緑化を推進していくべき。
⇒ 開発時の緑の配置については、現在は一律10パーセントの緑化を要請しているが、用途によってこの割合を変えていく予定。駅周辺ではスペースがないことから減になるがトータルでは用途に応じて10パーセント以上の緑化ができる見込みである。
・ 「カシニワ制度」などの前向きで市民を巻き込んでできる取組みは、ぜひ今回の計画書に掲載して欲しい。
・ 実際の事業は単独でできないことも多いはず。観光や農政など、関連する課と連携して進めて行って欲しい。
・ 生物多様性の問題では外来種による被害が出ている。駆除などの対応を進めて欲しい。
⇒ 柏市独自の生物多様性プランの作成を進めているが、そのなかで外来種の駆逐策だけでなく、種を持ち込ませない対策などについても盛り込んでいきたい。
治水と親水空間の形成
・ 手賀沼のハスは、観光資源にもなりうる。手賀沼をアピールする付加価値の高い資産として、これを活用した手賀沼の活性化策を検討してもらいたい。また、できることから実現していって欲しい
・ 農業で使用する化学肥料の影響で、栄養価が高い水が手賀沼に流れ込み、ハスが異常に発育しているという話を聞いた。ハスの繁茂は魅力的な反面で、問題もある。処理の対応を考えて欲しい
⇒ ハスの繁茂は異常な状態にある。観光資源ではあるが、一部は刈り取り、適正な管理を行っていくという方針が出されている。肥料の件などは農政課との調整になる。連携して対応していく。
・ 市民活動として、市民に手賀沼の水質に関心を持ってもらうために、道の駅しょうなんの近くで水質調査の事業を実施した。その際に、手賀沼のほとりの区域が、ここまでが国、ここまでが県、などと権利関係が複雑になっており、事業を行ってよいという許可が下りるまで3ヶ月もかかってしまった。民間が良いことをやろうとするのに、それを妨げるような規制だと感じた。
・ この基本施策は「治水と親水」がテーマで、手賀沼の浄化という親水の方が優先項目にあげられているが、治水の方にも重点をおくべきではないか。市内には浸水の被害で大変な目にあった地区もあり、柏市は浸水が多いと転出していく世帯もいる。大きな問題である。
⇒ 環境対策の問題と治水の問題は関係が深く、環境対策を推進すれば治水対策にもなると考えている。
浸水対策としては、雨水管を整備して水を速く流す方法と、土にしみこませて水をゆっくり逃がす方法がある。両方の対策が必要になるが、前者は根本的な解決にはならない。長期的にみるとはゆっくりと水を動かしていく後者が必要になる。
なお、他の分科会の担当範囲だが、産業・都市基盤分野分科会で扱っている「下水道の普及促進」という基本施策においては、「雨水幹線整備による浸水解消」を優先項目として掲げて、浸水被害へ応していくこととしている。
より良い環境の整備
・ 温室効果ガス対策の取組みはいろいろと行われており、資料を見ると、学校などは着実に成果が上がっているようだ。しかし、本庁・分室などでは逆に排出量が増加している。本体が率先していかなければならないのではないか。
⇒ 本庁・分室でも削減目標を掲げて取組みを推進しているが、残念ながら直近では前年比でプラスとなってしまっている。省エネのための活動を一層強化していきたい。
・ ここではCO2の説明が中心となっているが、環境の範囲は広い。計画書では事業者などにどういうことを求めるかなどについて、具体的に提示して欲しい。
⇒ 環境との共生は、事業者の協力がどうしても必要な分野。CO2削減だけでなく、さまざまな面で要請をしていきたい。
温暖化防止を優先項目としたのは、これが人類の生存に関わる喫緊の課題であるため。柏市として重点的に取り組むこととした。
・ 温室効果ガスという表現と、二酸化炭素という表現が出てきている。また全体会の重点テーマでは低炭素型社会という表現が出ており、分かりづらい。
⇒ CO2も含めて6種類で温室効果ガス。また最近では低炭素という言葉がよく使われている。言葉の使い方を整理し、統一をしていきたい。
・ 市の条例と文言をそろえるべき。
・ 市民の生活にどうPRしていくのか。具体的な方策を関連課とも協議の上で整理して欲しい。説明があった「環境配慮行動計画」と「省CO2まちづくり計画」の2つの計画についても、まちづくりにどう落とし込んでいくのか計画書に盛り込んで欲しい。
⇒ 現在の条例にもとづいて、平成2年度比でCO2排出量6パーセント削減を目標としている。ただしこの目標が低いという意見もあり、条例の改正も視野に入れている。
現状では一般家庭の排出量が増加しており、これが一番の問題になっている。CO2排出量削減のための情報提供・啓発活動を行うための拠点として、柏市地球温暖化防止活動センターの開設を計画している。スタートしたばかりのストップ温暖化サポーター事業など、市民との協働で行う事業を推進するとこで、目標達成を目指していきたい。市民に対しては、特にエコドライブや環境家計簿などを推奨していきたい。
資源循環型社会の形成
・ 目標とすべき水準が「平成9年度比で半分にする」とあるが、平成9年時点ではゴミの分別の体制が異なっており、当時のごみの排出量はかなり多かったはず。9年を比較の対象とするのはおかしいのではないか。
⇒ 目標の設定については再度精査したい。
・ 平成4年からの、34人の柏市ごみ減量推進協議会の活動についての説明があったが、どんなことをしてきたのか。
⇒ 協議会は「議論より実践を」という方針のもと、町会単位での啓発活動やゴミ処理施設の見学会などを行ってきた。
・ 34人のそうした活動で、それほど大きな効果を出すことができたとは考えにくい。
・ 優先項目に「3Rの推進」とあるが、「3R」といっても理解できない人も多いはず。英語やカタカナではなく、分かるような表現とした方がよい。
・ ゴミを焼却したあとの灰は埋めるとの話だったが、燃えないゴミはどうしているのか。
⇒ 細かく破砕して、磁石で吸い付けることで金属を除いたあとに、残りを焼却している。
・ 自宅で生ゴミは土に戻す取組みを行っている。それにより1ヶ月のゴミの量を8分の1にしている。生ゴミは単に焼却するのではなく、有効に使うようにしていくべき。そうすればゴミも減らすことができる。今回の計画で「生ゴミの資源化の検討」を掲げてはどうか。
⇒ 生ゴミの分別再資源化については議会でも指摘されている。庁内でワーキンググループを立ち上げて、環境と農政の部署とともに研究を始めたところである。ゴミ削減のノウハウなどを啓発活動で紹介していきたい。
・ 家庭での生ゴミの資源化に関する補助制度はあるのか。
⇒ 3種類の制度がある。これまでのべ1,600世帯が利用し、それにより年間400トンのゴミが削減できていると推測している。
・ 旧柏市と旧沼南町で、ゴミ袋の色が逆なのはなぜか。
⇒ 合併前の状態を継続しているため。今後調整を進めていく。
6 傍聴
(1) 傍聴者
無し
(2) 傍聴の状況
傍聴要領に反する行為は見受けられなかった。
7 次回(全体会議)開催日時
平成22年11月12日(金曜日)午前9時から