柏市総合計画審議会「安心」分科会(第2回) 会議録

1 開催日時

平成18年1月31日(火曜日) 午後2時~午後5時10分

2 開催場所

柏市役所第3委員会室

3 出席者

(1) 委員

安藤委員、落合委員、葛綿委員、座間委員、高橋委員、田中委員、綱野委員及び中島委員 (8人)

(2) 市・事務局

ア 関係課

  • 防災安全課;上野課長及び鈴木主幹
  • クリーン推進課;秋山課長及び沖本副主幹
  • 都市計画課;窪井課長、吉田副参事、鈴木副参事及び古市副参事
  • 公園緑政課;鈴木課長及び谷口主幹
  • 都市緑地担当室;吉川室長

土木総務課;飯田土木部次長兼土木総務課長

  • 治水課;阿部課長及び小川主幹
  • 道路建設課;渡辺主幹及び吉場主幹

イ 事務局

  • 石黒企画部長及び酒井企画部次長兼企画調整課長
  • 企画調整課;滝田副参事、石橋主幹、斉藤副主幹及び鈴木副主幹

4 議題

(1) 報告事項

  • ア 柏市総合計画審議会第5回会議の結果について
  • イ 市民から提出された中期基本計画素案検討に際しての参考資料に対する意見の概要について

(2) 協議

  • ア 柏市第四次総合計画中期基本計画素案について
  • イ その他

5 議事(要旨)

(1) 報告事項

ア 柏市総合計画審議会第5回会議の結果について

事務局から、第5回会議の結果について報告を行った。

イ 市民から提出された中期基本計画素案検討に際しての参考資料に対する意見の概要について

事務局から、市民から提出された意見の概要について報告を行った。

(2) 協議

ア 柏市第四次総合計画中期基本計画素案について

事務局から、中期基本計画素案の各項目ごとに要点説明を行った後、協議を行った。主な内容は、次のとおり。

(ア) 第3部 第4章「環境共生」

○第1節 豊かな水と緑に親しむ

・p81「2.水質の浄化」において、手賀沼のしゅんせつ土の処理をどのように行っているか。

←旧沼南町では、年間700トンのしゅんせつ土を造成用に活用していたが、現在、平成18年度までは、県で公共事業用として活用している。今後、地元で利用できるよう、県と協議を行う予定である。なお、県は、手賀沼の水質改善に伴い、印旛沼の水質改善に重点化を進めるとのことであるが、我孫子市などとの連携により、今後も広域的な取組を進め、しゅんせつ及びしゅんせつ土の活用について、引き続き県と協議したい。

・手賀沼の水質改善といっても、かつてのワースト1からワースト6に改善された程度であり、今後とも水質浄化の必要性について、県への働きかけを続けてほしい。

・こんぶくろ池については市民参加で進められてきたが、現在はどのような状況になっているのか。

←今年度、市民ボランティアを募集し、管理活動に向けた取組をスタートさせた段階である。職員ボランティアについては、昨年6月に60名程度が集まり、すでに管理活動に取り組んでいる。現在、管理拠点の用地取得が終了し、拠点の下草刈り等を進めている。来年度以降、ボランティア活動の具体的な取組を進める予定である。

・市民との協働に係る先導的な取組である旨、PRを進めるべきである。

・柏らしさを考える上で、緑の役割は大きい。緑の保護・創造・育成に当たっては、「環境共生に配慮」の姿勢ではなく、より積極的なトーンでの記載とすべきではないか。また、緑のネットワーク化の視点が重要である。

←合併に伴って緑に対する考え方が変わった点を踏まえ、検討したい。

・公園の一人当たり面積が千葉県平均よりも低いわりに、緑が多いと感じるのは、民有地の緑が多いからではないか。「千葉県里山の保全、整備及び活用の促進に関する条例」の活用など、民有地に係る行政支援についての記述を加えてほしい。

←昨年実施した山林所有者アンケートによると、所有している山林を売却する主な理由は、管理に係る手間の多さと相続税の高負担である。現在、山林所有者とともに、管理や税制にかかる研究会の立ち上げに向けた取組を進めており、来年4月を目途に設立予定である。

・国に関する内容も含まれており、あまり詳細な記述を行うと、法的制限などのために実効性を担保できないおそれがある。

・税制の問題は国にかかわることであるが、管理の問題については夢を描く部分でもあり、記述してもよいのではないか。

・山林所有者としては、現実問題として、相続税の負担が大きい。

・現時点で良好な保全状態を保たれている山林でさえ、ごみなどが散乱している場合がある。ごみ拾いや下草刈りなどを、義務としてではなく、レクリエーションの一環として取り組めるような仕組みがあってもよいのではないか。

←税制等の問題について、「国に働きかける」といった位置付けをすることは可能である。

・緑や水の量だけではなく、質の問題がより重要である。外生生物の寄生による水質環境の悪化は、全国的な問題となっており、市としてどのような考え方を持っているのか、基本的な姿勢だけでも記述しておくべきではないか。

←環境保全課による対応が想定される。委員の指導をいただきながら、整理したい。

・あるNPOが実施した大堀川水域の水質調査によると、希少種もある程度発見されているとのことである。流山市など、流域自治体との連携した取組が必要ではないか。

・p82の主要事業の記載が乏しい。親水空間についての取組などを掲載してはどうか。

・節を横断するような主要事業もあると考えられる。こうした事業については、それぞれの節で重複記載してもよいのではないか。

←重複記載している箇所もある。質にかかるソフト的な内容についても、主要事業に位置付けるべきとの意見がこれまでの分科会でも出ており、位置付けについて検討したい。

○第2節 環境にやさしい循環型社会を形成する

・p83において、大気汚染に関する苦情件数が増加しているが、実際に大気汚染が進行しているのか。

←市内の産業廃棄物処理施設や、南部地域の廃材処理施設に関する苦情が多いと思われる。野焼きなどについては、現在までに規制を強め、一定の成果が上がっている。処理施設の設置に係る決定権者は県であり、今後、県と連携した取組を進めたい。

←中核市への移行に伴い、産業廃棄物に係る一定の権限が市に移譲されることを受け、警察との連携を図りながら、規制強化に向けた取組を進めたい。

・「バイオマス立県ちば」を受け、柏市で具体的に進めている取組はあるか。

←生ごみの資源化について取り組んでいる。焼却については、第二清掃工場の稼動に伴って容量に余裕が出てきた。たい肥化については、民間事業者が中心に取り組んでおり、こうした内容を研究し、今後の取組につなげたいと考えている。

←行政として取り組んでいるのは、千葉県内では野田市のみで、他の自治体では民間主導であると聞いている。柏市で発生する食品残さは年間26,000トン程度にもおよび、学校給食で発生する残さも含め、処理について検討する必要がある。

←たい肥化に係る時間や場所の確保の問題が大きい。「柏市一般廃棄物処理基本計画」の中で、たい肥化については、民間事業者主体の取組の誘導も含めた検討が必要である旨、示している。また、教育の一環として、教育委員会と連携しながら、ごみの減量に係る指導を行っている。

・以前より、2、3校でたい肥化等の取組が進められているが、こうした動きが拡大しないのはなぜか。

←処理の難しさや処理に伴うにおいの問題が大きい。また、たい肥化よりもごみとして出したほうが低コストである点もあげられる。(市)

・p84「市民、事業者、市が一体となって、ごみの排出抑制と資源循環・有効活用システムの確立に努める」という記述は、実効性を伴わないのではないか。

・千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター内において、実験プラントとして、有機施設循環施設の建設を進めている。ただし、現時点において、最善のたい肥化の方法については研究中であり、実用化に向け、市との連携が重要であると考えている。市との連携による取組を進める旨、記述してほしい。

←3Rのうち、リサイクルは最も困難であると思われる。全国的にも、どの方法が最もよいかということは分かっておらず、本分野について様々な取組を進める旨、位置付けることがよいと考える。

←抽象的な記述ではなく、5か年で取り組むことが可能な内容について、記述することが重要である。

・柏市で発生するすべての残さについてたい肥化を進めるのは困難である。学校給食など、できるところから進めることが重要である。

←p86において、具体的な位置付けをしている。

・p84「公共施設への太陽光発電システムや省エネルギー機器の導入」とあるが、市からの助成はあるのか。

←市から民間事業者に対する助成は、特段設けていない。議会でも要望があがっており、民間への普及も含め、国の助成と合わせた取組について検討したい。

・「柏市環境基本条例」で位置付けられている内容は、中期基本計画にはどのように反映されているか。

←「柏市環境基本計画」を策定し、具体化に向けた取組を進めている。なお、環境基本計画の上位計画が中期基本計画である。

(イ) 第3部 第6章「定住促進」

○第1節 やさしさとうるおいのある都市空間を整備する

・p114「都市型の骨格的景観」とは何か。

←柏駅、柏の葉キャンパス駅周辺を示している。この名称は、平成4年に策定された「柏市都市景観基本計画」で使用している用語で、整合をとるために使用している。都市景観基本計画の見直し時、地域の魅力が分かるような名称への変更を検討したい。

・歩道はどのように設計されているのか。

←歩道の設置は、バリアフリーの観点から、新設については幅員2メートル以上、及び、道路との段差をなくすことを要求されている。以前は、幅員75センチメートル以上、道路よりも高い位置での設置(マウントアップ形式)が求められていた。歩道によって形状に違いがあるのは、このためである。

・どのくらいの範囲について、歩道のバリアフリー化を進める予定か。

←7駅周辺について、「柏市交通バリアフリー基本構想」に基づいたバリアフリー化を進める予定である。

・現時点で電線地中化は進ちょくしていないと考えられるが、どのくらいの範囲について実施する予定か。

←歩道にある障害物の問題などを考えると、駅周辺での対応が主なものである。

・全地域で実施するとの誤解を与えないような表現にすべきである。

・マウントアップ形式の歩道は、県道に多くみられることから、県との協議が必要であると考えられるが、実際に協議が進められているか。

←民有地は、マウントアップ形式を前提とした宅地造成が行われており、道路と同じ高さに改修すると、民有地への出入口を改修する必要が生じるため、困難である。県でも同様の課題を抱えていると思われる。

・実行力を担保する形での記述が必要である。

・P116で示されている柏駅東口の市街地再開発事業は、周辺開発におけるバリアフリーの基準としての機能を果たすべきではないか。

←新規の民間ビル開発については、バリアフリー化が条件となっており、事前協議が必要である。柏駅東口の市街地再開発事業は、当然、周辺開発の基準となるべきである。

・p115の基本方針で、ユニバーサルデザインがバリアフリーの下位概念であるような記述となっており、おかしい。

←表現方法について、検討したい。

・市民の活動を誘発するようなソフト事業についても、位置付けが必要である。

←「柏市交通バリアフリー基本構想」では、ハードのみではなく、地域全体での取組が重要である旨、示している。心のバリアフリーの観点から、表現について検討したい。

・p115「誰もが出かけたくなる意識と、それを支え、受け入れる環境が整った街」を目指すためには、中心部だけではなく、市域全体への拡大が必要ではないか。

←「柏市交通バリアフリー基本構想」は、交通結節点における整備を前提としている。駅周辺以外でも、整備の必然性の高い箇所については、実態を見ながら整備を進める予定である。表現について、検討したい。

○第2節 快適でゆとりある住環境を整備する

・千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター内において、ケミレスタウンの建設を進めている。安心できるまちづくりの核として、柏市内での建設を進めている。実際に進ちょくしているプロジェクトであるので、記述してほしい。

・水源確保について、どのように考えているか。

・北部地域の開発に伴い、新たな水需要が発生すると考えられるが、どのように対応するのか。

←現行では、地下水の活用、及び、北千葉広域水道事業団からの購入で対応している。北部地域などの新たな水需要への対応は、水道事業団からの購入で対応可能である。将来的な水需要については、周辺自治体も含め、減少傾向にあることから、十分に対応可能であると考えている。

・下水の分流化は、どの程度進んでいるのか。

←柏駅周辺以外では、ほぼすべて分流化している。柏駅周辺についても、すでに分流化工事を進めている。

○第3節 安全な生活環境を整備する

・高齢者の救急利用が増加していると考えられるが、現行の配備体制で問題ないか。

←過去10年、消防の出動件数は横ばいであるが、救急の出動件数は増加している。現行では、全署すべてに1台以上の救急車を配備し、救急需要への対応はできている。救急需要の増加を勘案しつつ、支所への配備を増やすことについて検討する予定である。沼南地域については、手賀東部地区分署を建設予定である。

・p132「柏警察署の2分署化」とあるが、以前から要望していた内容か。

←2~3年前から要望している内容である。千葉県内の主要都市ではすでに実施されており、警察力の強化が治安回復に直結するとの考えから、要望を続けたい。

・p130「手賀東部地区分署建設」とあるが、具体的内容について教えてほしい。

←新市建設計画の中で位置付けている。コミュニティ施設と消防署の機能を併存する方向で検討を進めている。

・不在交番の解消が不可欠である。

←不在交番対策として、複数の交番に、警察OBである相談員を配置している。千葉県警では、近々、全交番への配置予定とのことである。引き続き、強く要望していきたい。

・消防車の進入の可否の観点から、道路幅員はどのような基準となっているか。

←開発行為については、6メートル以上が前提である。高層建築物については、はしご車がアプローチする経路等について、事前協議を行うこととなっている。また、消防活動用空地も整備されることとなっている。

○第4節 バランスのとれた都市構成を実現する

・p136のジャンボタクシーは、今後、他地域への拡大の可能性はあるか。

←一人当たり700円程度のコストがかかり、利用者も少ない場合がある。現在はタクシー事業者に対して本サービスの提供をお願いしているが、他の自治体では、教習所の自動車を利用している例もある。コストはかかるものの、市として本サービスを提供する役割はあると考えられ、今後、検討を進めたい。

←バスとタクシーの中間のサービスが求められている。本サービスが地域事業として成立する仕組みについて、検討を進めたい。

・道路管理の委託化の現状はどうなっているか。

←柏市には、直営の道路サービス事務所があり、退職不補充の原則に基づき、不補充分についての委託化を進めている。

・p138「市道の愛称制定」とあるが、進ちょくはどうなっているか。こうした取組を、市道に限定せず、特徴のある都市軸についても進めてはどうか。

←公募が終了した段階であり、今後、文化や歴史などの要素を勘案し、選定委員による選定を進める予定である。20路線を目標としている。

・沼南地域には砂利道が多く、優先的な生活道路の整備を進めてほしい。

←合併協議会で議論されていた事項であり、優先的に生活道路としての整備を進めたい。

・p139「統合型GISの構築」に当たり、関係部局との連携はどの程度進められているか。

←情報政策室が中心となって、庁内職員での検討を重ねている。まずは、庁内利用に重点を置き、次の段階で市民にも使いやすい統合型GISを目指したい。

・全体的に、「食の不安」についての記述が見られない。「地産地消」という言葉が誕生して以来、食は自治体の問題となっている。千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センターでは、医食同源や薬膳をテーマとした、「食の安全」についての取組を進めており、記述してほしい。

(ウ) 第2部

資料3「第5回会議資料「資料2」補足資料」で示した書式でまとめる旨、本分科会で承認を得た。

イ その他

事務局から、第6回審議会で最終回としたいこと及び答申案(第6回会議資料)作成までの予定について説明を行った。

6 傍聴

3人

7 次回開催日時及び場所(予定)

  • (1) 開催日時 平成18年3月1日(水曜日) 午後2時から
  • (2) 場所 柏市役所第2庁舎5階 第5・第6委員会室