柏市総合計画審議会「支え合い」分科会 会議録

1 開催日時

平成17年9月19日(月曜日) 午前10時~午後零時40分

2 開催場所

柏市役所分室1 第1会議室

3 出席者

(委員)

小沼委員、鈴木委員、高城委員、谷委員、谷川委員、手島委員、中島委員及び西富委員

(8人)

(事務局)

石黒企画部長、酒井企画部次長兼企画調整課長 企画調整課:石橋主幹、星副主幹及び関本主任

4 議題等

  1. 重点プロジェクトについて
  2. 地域別整備方針について
  3. その他

5 議事(要旨)

1.重点プロジェクトについて

事務局から資料に基づき、『「重点プロジェクト(仮称)」に関するたたき台資料』の説明を行った後、これについて質疑、意見交換を行った。主な内容は、次のとおり。

○重点プロジェクトの方向性等について

  • 現在の事務局案は、具体性に欠けている。重点プロジェクトの打ち出しにあたっては、切り口の明確化が必要である。17日の「希望」分科会で提案された「いい市民をつくる」というのは一つの切り口と言える。
  • 重点プロジェクトを展開する上での具体的な視点が必要である。
  • 「人の活動を元気にする」という視点からは、様々なセクターが活動しやすいような仕組みづくりが必要である。
  • 重点プロジェクトの基軸として、「市民との協働」を位置づけてはどうか。その上で、市民との協働の具体的内容については、個々の重点プロジェクトで明示してはどうか。
  • 市として、「人を育てる」という姿勢を打ち出すべきである。

○「子育て支援」充実プロジェクトについて

  • 「子育て支援」ではなく、「子育て・家庭支援」と位置づけたほうが、支援対象がより広範になる。
  • 既存保育園の運営は民間に委ね、新たに設置する児童センターで保育士(既存保育園で働いていた職員)が働けるようにしてはどうか。
  • 『「子育て支援」充実プロジェクト』の例示は、従来型の子育て支援であるが、現在でも前進しているとは言いがたい。その背景には、長時間労働や、出産によるキャリアの中断、ニートの存在など、「産みたくても産めない社会」の存在がある。仕事と子育ての両立支援や、育児休暇及び短時間労働の普及促進、企業内保育所の設置に対する支援などが重要である。
  • 子どもとその親世代を地域につなげる仕組みづくりが重要である。
  • 病後児保育が柏市では不足しており、就労上のネックとなっている。
  • 様々な子育て支援は実施されているが、単発的なのが現状である。子育て支援に係る各専門機関のネットワーク化が重要である。
  • 学童保育の充実が必要である。
  • 『「子育て支援」充実プロジェクト』で掲げられているプロジェクトは、全て施設に関連するものとなっているが、「支え合い」は基本的には地域が主体となって行なうものである。施設の検討にあたっては、将来を十分に見据えることが重要である。
  • 子育て手当てや教育関連費用を支援できるよう、国や県などに積極的に働きかけることも必要である。

○「シニア世代等」元気プロジェクトについて

  • 高齢者を寝たきりにさせないため、グループホーム設置の促進が効果的である。また、グループホームの運営に元気なシニア世代を活用することもよい。
  • これまで、男性が町会活動等に参加する機会は少ないのが現状であるが、団塊世代のリタイアを見据え、シニア世代が各活動に参加できるような仕組みづくり(行事づくり等)を行政が主体的に実施すべきである。
  • 柏市の財産は人であるとの考えから、団塊世代の知恵を恒常的に地域に還元できるような取り組みが重要である。例えば、高齢者に対する各種支援(介護、生涯学習の講師等)については、シニア世代が実施するほうが効果的な場合も多い。
  • 『「シニア世代等」元気プロジェクト』の「シニア世代等」をより分かりやすい言葉で示してはどうか。
  • シニア世代の中には、個別に活動している人やどんな活動をすべきか悩んでいる人が多い。こうした人々のシーズを顕在化させ、個々のシーズをネットワーク化させることが重要である。

○「市民との協働」について

  • 中核市への移行等により、今後行政が肥大化することが懸念される。地域自治組織など、新しい地域での受け皿となる組織が必要である。地域自治組織のもとで、個々のテーマについて委員会を設置して活動を進めてはどうか。(現状では、様々な組織が個別に活動している。)
  • 市民活動団体等が気軽に会合できるような施設があるとよい。こうした施設について、行政が関与する必要はない。
  • 近隣センターなどで、一人暮らしの高齢者が地元の小学生と交流するような取り組みが進められている。二世代、三世代の交流を進めることは、必然的に地域ぐるみの活動を生み出すことにつながる。
  • 現状では、地域の活動に参加していない人が多い。また、子どもの参加が少ない。
  • 各世代の活動のつながりが必要である。各世代間のつながりがないことで、様々なひずみが生じるものと考えられる。
  • 大学の学生が地域活動に参加できるような取り組みも必要である。
  • まちづくりに関する様々な地域組織が存在しているが、活動に参加する人材は限定的であり、複数の地域組織で活動しているのが実態である。地域組織を一本化(既存の各地域組織を解体し、地域自治組織などの新組織を設立)することにより、地域活動への参加に対する人材の負担軽減や市の財政負担の軽減を図ることができる。
  • これまでは、拠点(ハード)に立脚した施策が中心であったが、これからはソフトウェアが重要である。
  • 行政ニーズと、各市民活動団体等の活動をむすびつけるような仕組みが必要である。
  • NPO等の市民活動団体と地域組織の連携が重要である。NPO等の活動を具体的に地域で実施する場合、地域組織との連携が不可欠である。
  • 世代間交流の取り組みとして、学校の理科教室での実験教室を開催している。
  • 柏市ホームページに市民活動団体の登録をしても、市民から声がかからないのが現状である。市民活動団体と市民のニーズをむすびつけるような取り組みが必要である。

○「健康・福祉」について

  • 福祉に対する市民の関心の向上に向けた啓蒙活動が必要である。
  • 大学も含め、教育カリキュラムの中に福祉を組み込む必要がある。現状では、各学校の指導方針の違いによって、こうした取り組みに違いが生じている。
  • 「ハンディキャップの人にやさしい柏市」を前面に出してはどうか。
  • 総合的な保健医療福祉施設の運営にあたっては、ハンディキャップの人に対するサービス(特殊歯科診療などの設置・運営)の充実が必要である。
  • 痴呆[認知症]の方を地域で見守る取り組みが必要である。
  • 福祉教育を、(個々には進められているが、)教育行政として組織的に進めることが必要である。

○新たに位置づけるプロジェクト等について

  • 現役世代就労支援促進プロジェクトによる、シニア世代も含めた多様な世代への支援施策が重要である。
  • 大学との連携にあたり、学生のインターンシップなどの取り組みを進めてはどうか。
  • 合併に伴い、行政サービスが市全域に行き渡らないことが懸念されることから、「区制の施行」のような形できめ細かいサービスを進める必要がある。
  • 人の活動が阻害されるマイナス局面を支援するような仕組みづくり(失敗しても再挑戦できるような仕組み、自殺防止に向けた取り組み等)が必要である。

○その他

  • 緑住都市構想で示されている緑住まちづくり会議が設置されていないが、どういうことか。南部地域のまちづくりを進める上で重要である。
  • 各種取り組みにあたり、国等の外部との連携も重要である。

2.地域別整備方針について

事務局から趣旨説明を行った後、地域別整備方針について意見交換を行った。主な内容は、次のとおり。

  • 各ゾーンの地域の特色を明らかにし、市民が各ゾーンに関わることができるような仕組みが必要である。
  • 柏市全体を、首都圏全体でどのように位置づけるかをまず考える必要がある。柏市は、工業、商業、自然、人など、多様な資源を持った地域である。こうした特性をどのようにアピールしていくかが重要である。
  • 歩いていけるまちづくり(コミュニティバスや乗合バスの運行、パーク・アンド・ライド、貸自転車の実施等)を進めるべきである。
  • ゾーン間の多様性を強みと捉えるとともに、ゾーン間の連携を進める必要がある。
  • 市民との協働の視点から、地域別整備方針を策定することが重要である。
  • ゾーニングを検討する上で、防災の考えを取り入れる必要がある。
  • 柏ビレッジ居住者は、現時点ではアクセス手段がないため、柏たなか駅を利用していない。また、柏たなか駅は通勤快速がとまらない。
  • 柏の葉キャンパス周辺の地権者は、三井不動産を除き、民間地権者はほとんどいない。一方、柏たなか駅周辺では、大部分が地元の民間地権者の所有となっている。よって、柏たなか駅周辺では、早期の住宅開発は期待できないのではないか。
  • 柏駅とつくばエクスプレス新駅との違いを、市外の方々から見ても分かるようなキャッチフレーズの検討やイメージアップ戦略に取り組む必要がある。
  • 若者を中心に、“うらかし”などの柏発の文化が生み出されており、柏市が情報の発信源になりつつある。こうした取り組みを、柏市ホームページに掲載してもよいのではないか。
  • 市民活動団体で、柏の郷土史のとりまとめを行っている。旧柏市区域には、かつて遺跡があったという事実だけは残されているが、旧沼南町域では、現在でも埋蔵文化財が残っている。首都圏近郊では、こうした現状は特徴的である。健康や地域活性化、地域資源の掘り起こし(開拓)の観点から、文化的資源をウォーキングコースに組み込み、ウォーキングを実施している。
  • 旧沼南町域は、南北のアクセスが悪い。

3.その他

○会議の運営について

  • 各委員の発言の機会を増やすため、分科会形式での議論を継続すべきである。

○その他

  • 事務局から第4回審議会の開催日程について説明を行った。

6 傍聴

  1. 傍聴者  2人

7 次回開催日時

  1. 開催日時   平成17年10月5日(水曜日) 午後2時から
  2. 場所 柏市役所第2庁舎5階 第5・第6委員会室