柏市総合計画審議会「希望」分科会 会議録

1 開催日時

平成17年9月17日(土曜日) 午後2時~午後4時40分

2 開催場所

柏市役所分室1 第1会議室

3 出席者

(委員)

浅野委員、大矢委員、坂本委員、津金委員、成相委員及び成島委員並びに(他分科会から)小林委員及び綱野委員

(8人)

(事務局)

石黒企画部長、酒井企画部次長兼企画調整課長 企画調整課:滝田副参事、斉藤副主幹及び中村主査

4 議題等

  1. 重点プロジェクトについて
  2. 地域別整備方針について
  3. その他

5 議事(要旨)

1.重点プロジェクトについて

事務局から資料に基づき、『「重点プロジェクト(仮称)」に関する議論のたたき台資料』の説明を行った後、これについて質疑、意見交換を行った。主な内容は、次のとおり。

○重点プロジェクトの方向性等について

  • 便利だから住む、という街ではなく、魅力的だから住む、という街にしたい。
  • 「安心」「希望」「支え合い」の概念図については、「希望」は未来に向かってという要素を多く含み、「安心」「支え合い」は市の基礎となるような意味合いを含むため、現在のように「安心」を「希望」「支え合い」が支えるイメージの図ではなく、「希望」を「安心」「支え合い」が支える図とすべきではないか。また、これに「年齢軸」が入れられるとよい。
  • 「希望」というフレーズはあまりフィットしていない。「地域性に基づく魅力」という意味合いを打ち出した方がよい。
  • もう少し具体的に記載していくべきであろう。

○「柏ブランド」発掘・創造・発信プロジェクトについて

  • ブランド化するためには、裾野がしっかりしていなくてはならない。「柏でなくてはならない」というものがなくては。上から引っ張るだけではなく、下から押し上げて突出させるような発想が必要。
  • 近年我が国は農業をないがしろにしてきた面がある。今後は、子どもに、農業が日本を支えているという意識をしっかりと持たせ、地域農業を誇りに思うようにすることが必要ではないか。
  • 重点プロジェクトについて、方向性が定まれば、学校現場でも協力できることはあると考える。
  • 柏ブランドについては、市外の人からみると、「柏レイソル」のイメージは強い。しかし市民の立場から見ると、あまりそうした意識は無いのではないか。企業等を中心とした市民へのPR活動も重要ではないか。
  • ブランドは外部から評価されて成り立つと言える。中期基本計画については、外部や市民に対して柏を認知してもらうことも一つの要素であろう。
  • 柏ブランドについて、まず、いろいろな分野で、世界一、日本一、千葉一など、ブランドとなる可能性のあるもののリストアップを行うことから始める必要がある。またブランド戦略は企業において様々な取り組みがなされており、こうした事例を参考とする必要がある。
  • 柏ブランドについて、重点プロジェクトに「準備」を位置づけているが、準備は今年度中に行うことが必要ではないか。

○「文化・スポーツ」活性化プロジェクトについて

  • 柏に足りないものは「文化的要素」である。様々な文化活動等が行われており、また大学への留学生に活躍いただいて国際的な文化交流を図ることができる可能性もある。こうした面に着目できないか。また、東葛映画祭などについても、もっとメディアを活用してPRしていくべきである。 →「柏ブランド」プロジェクトの中で、こうした面をもっと強く打ち出していきたい。
  • 文化の面では、沼南地域には歴史・文化のすばらしいものが数多くある。こうした面を活かすことができないか。
  • 市内には硬式の公式野球場が一つもない。県営球場ができても、市民はあまり利用できないことが想定される。また、高齢化社会を迎えるにあたり、テニスなどは高齢者にとってよいスポーツであると言われる。市民スポーツの推進が必要ではないか。 →スポーツについては、民間と公共の役割分担をどうするかがポイントであろう。スポーツは健康づくりという面からも重要である。
  • 文化・スポーツについては、野口会長のメモにもあるような、休閑地のスポーツ施設の転用などは重要であり、こうしたものについてもまずはリストアップが必要である。
  • 文化については、これまでも様々な取り組みが行われてきているが、これをどのように前向きに発展させていくかが課題である。

○新たに位置づけるプロジェクト等について

  • あけぼの山付近などについては、賑わい・農業活性化に、文化・スポーツの要素も融合させ、農業者、市民、行政が一体となって取り組んでいくような、複合的な事業展開が考えられるのではないか。 →都市農業と文化等を関連させたような取り組みは、手賀沼周辺など、沼南地域での展開も含め、検討していく必要があると考えている。
  • 「合併してよかった」と思えることが、重点プロジェクトで最も重要なポイントである。
  • 現在のプロジェクトには、「活力・賑わい」に直接的に関わるプロジェクトが無い。これを新たに位置づけることが必要である。つくばエクスプレス開通によって、柏とつくばの「産業クラスター」の中核争いが激しくなっている。柏においては、工業だけでなく農業の要素も入れた展開が必要である。
  • 産業活動を支えるのは「交通」である。「バランスをとる」という観点からではなく、真に活力を与えるための交通体系の整備が必要である。南北方向の結びつきを強めるような交通基盤の整備が必要であり、かつ国・県が主体となって動いていくような仕掛けが必要である。
  • 柏ブランドの一つは、「産業活力」という面であろう。その際、東大柏キャンパス、というのはそれ自体が大きなブランドであり、これに乗っかってうまく展開していくことが必要であろう。また、「産学協働」や「研究開発」などのキーワードも重要である。
  • ブランドとは切り離して、産業振興だけで一つの重点プロジェクトを立てるべきである。外から企業を呼び込んでくるような取り組みが必要である。
  • 環境共生と関連することとして、未来を考えていくと「ローハス」の発想が重要である。魅力ある柏に住まう、ということを、新産業としてのブランド、住まい方のブランドとしていくべきであろう。また、農業と子どもの教育についての関わりも重要である。
  • 「安全まちづくり」「子育て支援」「シニア世代等」は、具体的に「柏としてこうする」という方向性、具体性が無く、もっと詰めていく必要がある。「大学との連携」についてももっと詰めていくべきであろう。「自立都市づくり」は重点プロジェクトとしてはやや異質な感がある。 →大学との連携については、「アクティブシニア」ともっと結びつけて位置づけていくべきであろう。「自立都市づくり」は分権時代に応えられる自治体づくりとして位置づけていきたい。
  • 防犯・防災は重要である。この5年間できっちりやってほしい。また、子育て支援も重要であり、柏だからこそ、という特色ある取り組みを行って欲しい。学童保育も重要である。
  • 用語について、「産学連携」となっているところは「産学官連携」とすべきであろう。学校はまちづくりにとって有効な「入れ物」であり、これをうまく利用するための仕組みづくりが必要である。
  • 「いい市民をつくる」プロジェクトが必要ではないか。インパクトのある「市民づくりカリキュラム」がほしい。
  • 若い世代に柏に住んでもらうためには、小児医療なども含め、子育て施策の充実が必要である。子育て世代が住みよいまちづくりを。また、休校日における学校開放を進め、有効に市民活動に利用していくべきである。
  • 学校について、他自治体では芸術活動や産業活動等における学校利用なども行われており、地域活性化につながる拠点となりうる。

2.地域別整備方針について

事務局から趣旨説明を行った後、地域別整備方針について意見交換を行った。主な内容は、次のとおり。

  • 新市建設計画に位置づけられた道路を入れ込んだプランとしてほしい。 →中期基本計画の計画期間内に進めるものについて位置づけていく。
  • 沼南地域においては、手賀地域における消防分署の整備など、防犯・防災を重視してほしい。また、救急車両が速やかに大規模病院等へとたどり着けるという観点からも道路整備は必要である。
  • 手賀沼周辺等の自然を残しつつ道路整備を進めてほしい。
  • 手賀地区から北柏駅までの道路については、比較的実現可能性が高いのではないか。道路の経済効果は大きい。中途半端にならないような取り組みが必要である。
  • 道ができることにより、農地活用等も進むであろう。
  • 手賀地区については、手賀の丘公園の県立宿泊施設等との連携により、拠点性が高まるのではないか。また、手賀沼からの舟運は、観光面や防災のサブシステムとしての側面からも重要である。
  • 放っておいても伸びる地域は伸びる。そうでない地域に、どの程度のものを投入できるかが重要ではないか。またゾーン間のつながりも意識する必要がある。
  • 北部地域ではいろいろと新しいまちづくりを進めることが可能であろう。総合的な何かよい仕掛けができないか。
  • 各ゾーンの地図のトーンを同じものにしてほしい。
  • 北部ゾーンの絵については、「シンボル道路」など、絵に描いた餅になりそうなものも含まれている。中期基本計画においては、「5年間で取り組むこと」「中長期的に取り組むこと」の区分けをきっちりとすべきである。
  • 新市建設計画との整合は重要である。またそれ以前の積み残し課題で約束が果たされていないこともある。そうした事業については優先的に進めるべきであろう。
  • 新市建設計画の事業の中で、できるものとできないものをはっきりと区分することが必要ではないか。 →地域別整備については、どの事業を優先的に行うかということもあわせて、できるだけわかりやすく整理していく必要がある。
  • 景観条例に基づいた対応が遅れているのではないか。 →景観法施行も踏まえ、市条例の見直しの方向も検討している。景観については合意形成づくりが重要である。
  • 北部地域のまちづくりにおいては、景観面での規制を行うことにより、まちのブランド化につながるのではないか。
  • 重点プロジェクトに位置づけなくてもよいが、新しく整備する場所においては景観面でもきっちりと行う、ということが必要であろう。

3. その他

○計画策定に関して

  • 優先順位の発想が必要。
  • 文章について、カタカナが多すぎ、市民にわかりづらいのではないか。
  • 写真やイメージ図を多く用い、具体的にわかりやすいものとすべき。また、トピックごとに関連する施設の場所を地図に落とし込むことはできないか。また、関連する法律も1つでもよいので書き込むことにより、重みが出てくる。

○その他

  • 事務局から第4回審議会の開催日程について説明を行った。

6 傍聴

  1. 傍聴者  3人

7 次回開催日時

  1. 開催日時   平成17年10月5日(水曜日) 午後2時から
  2. 場所 柏市役所第2庁舎5階 第5・第6委員会室