平成23年度第1回柏市地域公共交通会議概要
1 開催日
平成24年2月8日(水曜日) 午後1時30分~3時
2 場所
柏市役所 第5・6委員会室
3 出席者
- 委員
山田委員、藤井委員、山中委員、藪委員、瀬戸委員、中山委員、花崎委員、片岡委員、村越委員、沓澤委員、清水委員、池田委員、中村委員、大竹委員、岩崎委員、星委員
- 代理出席
小野里氏、渡辺氏
- 事務局
柏市道路交通課 佐藤主幹、大山副主幹、柳沼副主幹、吉田主事
- 傍聴者
1名
4 柏市地域公共交通会議設置要領について
資料1にもとづき、会議の目的、協議事項、構成員、運営について説明を行った。
5 議題
- 議題1 かしわコミュニティバス及びかしわ乗合ジャンボタクシーの運行状況等について
資料2により、背景と位置付け、運行の状況、課題について説明を行った。
- 議題2 かしわコミュニティバス及びかしわ乗合ジャンボタクシーの見直し方針及び進め方について
資料2により、見直し方針、今後の進め方について説明を行った。
6 議事
質疑応答
- (委員)コミュニティバスでは、これまで住民の声を反映した点はあったのか。
(事務局)要望を受け22年1月より逆井駅、道の駅しょうなんへの延伸等、事業計画の変更を実施した。他には、運賃を100円にしてほしい、運行本数を増やしてほしい、柏駅へ直接乗り入れほしい、など要望があるが既存公共交通との適正な役割分担を確保する観点などから、これらの要望への対応は難しい。
- (委員)コミュニティバスの収支率が6パーセントと低いのは課題である。コミュニティバスを終了し、デマンド交通へ転換するとのことであるが、デマンド交通の収支率の目標設定は。
(事務局)デマンド交通の収支率については、運行の背景や目的から千葉県内のコミュニティバスの平均収支率33パーセントは難しいと考えている。しかし可能な限りこれに近づけることを目標とし、現在のコミュニティバスの目標である収支率25パーセントを目標として目指したい。
- (委員)公共交通を維持・確保していくため、利用促進(モビリティーマネジメント)は必要。ただし、これだけでなく住民の参加や協力を得て住民の責任で交通を維持していく仕組みが必要である。柏市としてどのような体制や考え方で市民にアプローチしていくのか。
(事務局)社会福祉協議会と連携しアクティブシニア外出ガイドの作成等、利用促進の取り組みを行なってきたが、まずは、地域の方々への利用促進が重要と考えている。これまで地域で交通を維持していく組織づくりや取り組みなどは行っていないが、出来る限り地域の方々とコミュニケーションをとりながら、地域の役割等も検討していきたい。
- (委員)デマンド交通は乗合率が低く成功していない先進事例も見られる。乗合率を高めるための「セミデマンド方式」とはどのような方式か。また、タクシーとの役割分担はどのよう考えているか。
(事務局)フルデマンド方式は出発時刻も乗降場所も定めず、サービス提供を行なう仕組み。セミデマンド方式は一定の制約を設定する仕組み。例えば出発時刻を定めて予約を集約し乗合率を高める。また乗降ポイントを設定し運行の効率化を図る。といった方式である。タクシーとの役割分担は、ひとつに運賃の設定。タクシーより安く路線バスより高い運賃設定を検討。他自治体の事例では300円程度の設定が多いが、今回の対象地域は東西に10キロメートルほど距離があり移動距離が長くなる場合もあるので、距離制の運賃の設定を考えている。また、タクシー事業者の将来的な新規事業として1台のタクシー車両をデマンド交通(乗合)と通常のタクシー(乗用)で併用する併用型タクシーについても、将来の可能性について柏地区タクシー協会と勉強をしていきたい。
- (委員)東京大学のデマンド方式について説明してほしい。
(事務局)オンデマンド交通システム(通称コンビニクル)は、1つのサーバーを複数の自治体が共有して使用することが可能なためイニシャルコスト、ランニングコストともに安価。また様々なサービスメニューがある。例えば利用履歴から、登録者の行動を予測し、利用案内を登録者に働きかけるサービスがある。また、システム内で運行経路を作成するので、人的なミスがない。
- (委員)事前予約しないと使えないのか。急な使用は出来ないのか。
(事務局)突発的な予約には対応が難しい。他の事例では利用希望の30分前まで予約可能といったものもある。また、すでに他の予約が成立している場合、同じ方向の移動でないと新たな予約の受け付けができない。この場合、次は何時なら予約が可能といった代替提案を行なうこととなる。課題としては、帰りの予約。往復の予約を事前に行い予約に合わせた行動が求められることとなる。
- (委員)先進事例では、行きと帰りの予約をセットで受け付けて利用している場合もある。また、登録の対象者を市民に限定している事例もある。(意見)
- (委員)デマンドの運賃は安いので、今のタクシーの営業形態が崩れてしまうことが懸念される。タクシー事業のサービス水準を高め、もっと利用者の視点になって考えていかなければならない。(意見)
- (委員)公共交通機関が空白・不便であることから、市が補助をしてドアtoドアに近い便利なデマンド交通を導入する地域と、そうでない地域とでは、行政サービスの水準に差が生じてしまう。よく市民の声を聞きながら既存の公共交通と役割分担を明確にしたほうが良い。
(事務局)既存の公共交通機関との違いのひとつに、運賃設定がある。基本的にはタクシーより安く、路線バスより高い運賃を設定することを検討していく。今後、タクシー事業者との勉強会などで協議しながら、地域に合った事業計画(案)を策定していく。
- (委員)デマンド交通の導入を検討している地域において、既存路線バスとの接点はあるのか。
(事務局)民間バス事業者の路線がいくつかあり、一部重複している。デマンド交通は基本的に区域内のみの運行となり、既存路線バスとの役割分担を構築していく。
- (委員)乗り継ぎを行う際、乗り継ぎの時間や場所を知らせるサービスがあると良い。どのくらい待ち時間があるのかなど。
(事務局)システムの構築には費用がかかるため困難であるが、先進事例を調査し、出来る限り乗り継ぎの抵抗を少なくしていきたい。また、極力、乗り継ぎなしで、移動ニーズが完結するような路線設定を行っていきたい。
- (委員)他市の事例で、市長が変わって運賃を距離制からワンコインに変更した結果、利用者数は15パーセント増加したが、逆に欠損額も25パーセント増加してしまった事例がある。他には、デマンド交通を導入したところに、既存の路線バス事業者の収益が90万円/月の減となってしまった事例もある。このことから、運賃設定は慎重に行った方がよい。また、乗り換えが発生する場合、乗り換え拠点は公共施設や商業施設など待合環境のある場所がよい。(意見)
7 会議結果
本日の意見等を踏まえ、今後、オンデマンド交通の事業計画(案)及び乗合ジャンボタクシーの事業計画変更(案)の策定を進めていく。
8 次回の開催予定
平成24年4月~5月に実施予定。(詳細は別途、調整する)
会議資料
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