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更新日令和6(2024)年9月30日

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#04 つながりが、まちに新しい価値を生む。

立ち話をする様子

北部エリア

柏の葉アーバンデザインセンター 副センター長 三牧 浩也 さん

 

先端的な研究を生かした未来型の新しいまちづくりを実践している柏の葉エリア。まちづくりを担う行政(公)、住民・民間企業(民)、大学・研究機関(学)を“つなぐ”場所として生まれたのが柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)です。2006年の設立当初から関わり、現在は副センター長を務めているのが三牧浩也さん。都市デザインを専門とする三牧さんが「柏にはおもしろいアイデアを持つ方がたくさんいる」と唸るほど、柏の葉ではさまざまなプロジェクトが実現しています。

まちづくりのプレイヤーたちを“つないで”
支えていくのがUDCKの役割です。

2005年につくばエクスプレスが開通し、もともとゴルフ場しかなかった柏の葉エリアに人口2万6千人以上のまちをつくるプロジェクトが始まりました。白紙の場所にどんなまちを描くのか。柏の葉の特徴で一番に挙げられたのは、東京大学や千葉大学をはじめとする日本有数の研究機関があることでした。そこで、先端的な研究をまちづくりに活かした「世界の未来像をつくる街」をコンセプトに掲げることになりました。集まったのは、研究に携わる先生方や学生、千葉県や柏市の行政の方、民間のディベロッパーの方々。そして、皆さんを“つなぐ”場所として生まれたのが「柏の葉アーバンデザインセンター」(以下、UDCK)です。

2008年には「柏の葉国際キャンパスタウン構想」が策定されました。大学の研究や教育をキャンパスの中だけで閉じてしまうのではなく、実際の社会で試してみる。まちづくり全体をひとつの実験・研究材料にしながら、住んでいる方も学生と一緒に学ぶことを楽しめる。まち全体が大学になり、その先に未来型のまちの姿を見出すという構想です。

例えば、東京大学による自動運転バスの公道実証実験をやっていたり、定期的に市場を開くマルシェコロール(※1)では、大学生も運営に入っています。住民と一緒に汗をかきながら、集客やニーズ、どんな工夫をしていくべきかを考え、実施したことを修士論文にする学生もいました。

このまちのプレイヤーは、住民であり、柏市であり、大学や民間企業。皆さんのやりたいプロジェクトを応援し、支えるのがUDCKの役割です。まちで何が起きているのか、何に困っているのか。目を配り、耳をそば立てて、発見する。課題解決のために情報を集めたり、おもしろい活動をしているひとをつなげたりする。我々はそういった活動ができるように、日々心がけています。

※1 マルシェコロール
キーワードは「みんなでつくる、みんなのマルシェ」。地元農家の新鮮野菜や職人こだわりのお菓子、アーティストによるクラフトコーナーやフリーマーケットなど、“まちのみんな”で運営する都市型マルシェ。

ミニチュアの都市模型

公・民・学の「壁」をなくすことで
“市民力”はますます高まっています。

まちにはみんなが「もったいない」と感じる空間があると思うのですが、その空間を変えるために行動するとなるとなかなか難しい。ですが、柏の葉では日常的にみんながUDCKに集まり「あの貯水池もっとよくならない?」「高架下を駐輪場にしておくのはもったいない」と誰かがつぶやくと、「じゃあ動こう!」とアクションを起こしていく。そういった流れの中で開発されたのが、ただの貯水池ではなく訪れた人が憩いの場として利用できるようにリノベーションした『柏の葉アクアテラス』や、柏の葉キャンパス駅北側高架下に、屋台をモチーフにした小型飲食店が並ぶ『柏の葉かけだし横丁』です。

行政と住民や民間企業、大学の間には通常“越えがたい壁”があるものですが、柏の葉ではその壁がほぼない、もしくは非常に低い状態で、対等に議論しています。そして、「何かやりたい!」という思いを持った方が、柏の葉には多いんです。我々がいないところでも、すでにいろいろなつながりが生まれていて、自然とディスカッションが始まっていることもあります。少しさみしい気もしますが(笑)、本当にまちが成熟してきたのだなと感じてうれしいです。

現在柏の葉の人口はおよそ1万3千人。15年で目標の半分なので、まだまだ先は長いです。一方で、1万人以上が暮らしているとさまざまな声もあがってきますし、当然一枚岩というわけにはいきません。新しい課題に向き合うのもまた、プレイヤーの皆さん。地域の“市民力”はますます高まっています。

インタビューを受ける様子

新しい価値が新たなひとを呼ぶ。
柏の葉で積み重ねた“つづくを、つなぐ”。

UDCKがやろうとしているのは、公・民・学の垣根を壊していくこと。日常的にフランクに“つながる”関係になって、多くのひとが大学に関わったり、行政の方も地域に出て住民といろいろなことを話し合う。そういう“つながり”が生まれていくことが柏の葉のひとつの目標です。

柏の葉エリアは、あと2年くらいでもっと面白くなります。令和5年9月に開校したインターナショナルスクール『Rugby School Japan(ラグビースクールジャパン)』では、海外のお子さんたちもどんどんまちに出て、また新しい風を吹き込んでくれると期待しています。2年後には空気圧制御機器メーカーのSMC株式会社が1000人規模の研究開発拠点を開設予定です。これまでの積み重ねが新しい価値を生み、その価値がまた新しいひとを呼び込んで変化を生む。そういう意味では、まちづくりが非常にうまくいっていると手応えを感じています。

柏の葉エリアでの取り組みや成果を他の地域に広げていくためには何をすべきか。それが我々にとっての大きなミッションです。
柏の葉は特殊なエリアかもしれませんが、ここでの研究成果は多岐にわたるので、他の地域でも展開できるものがあると思います。また、他の地域にお住まいの方にも柏の葉エリアに関心を持っていただき、ぜひ遊びに来ていただければと思います。

集合写真

 

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