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更新日令和6(2024)年9月30日
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#01 地域の想いを、これからも。
東部 手賀沼(てがぬま)エリア
道の駅しょうなん 駅長 木村 美穂 さん
今回は、自然豊かな手賀沼エリアでますます注目を集めている「道の駅しょうなん」で、駅長を務めている木村美穂さんを訪ねます。2021年に「知産知消」をテーマにした直売所がメインの施設「てんと」をオープン。「作り手の思いやこだわりを、手に取って感じていただける機会を作りたい」という木村さん。
手賀沼でつづいてきた生業や暮らし、文化を次の世代へつなぐため、道の駅が担う役割についてお話を伺いました。
プライドを持って農業をつづける姿に「つづくを、つなぐ。」大切さを実感しました。
「かしわ市民大学※」で農業の授業に参加したことをきっかけに、「道の駅しょうなん」に携わるようになりました。私は秋田県出身で、実家の農家が大変だった様子を見ていて、将来は別の仕事に就こうと地元を離れたんです。ですが、柏に来て地域の農家さんと接点を持ち、農業体験もするなかで、みなさんがこだわりを持って農業をつづけている姿に衝撃を受けました。ただ、私には農業に関する知識や経験がなかったので、自分ができる範囲で農家のみなさんの仕事を支えたいと思うようになりました。
道の駅に勤めて今年で5年になります。いまは駅長として、「道の駅しょうなん」を多くの方に知っていただくための広報業務や、楽しくご利用いただくためのイベント企画を担当しています。仕事柄、全国の道の駅や直売所を視察する機会があるのですが、なかでも「道の駅 しょうなん」の野菜はトップクラスです。欲目も入っているかもしれませんが(笑)、農家さんは新鮮でおいしいものを届けたいと、本当にクオリティの高い野菜を作っています。高齢化、後継者問題など課題があるなかで、プライドをもってずっと柏で農業をつづけていることが、本当にすごいと思います。ほかにも、畜産、養鶏、各種店舗様など、多くの方が日々懸命に、生業に向き合っていらっしゃいます。みなさんと交流するうちに、私自身も「つづくを、つなぐ。」ことが大切だと感じるようになりました。
※かしわ市民大学
街づくりの課題を学びながら議論し、地域での活躍を目指す市民を対象に講座を実施。
柏市主催で2011年度にスタートし、2016年の第6期まで開講していた。
生産者さん自身が“つながり”を生かして想像を超える化学反応を起こすことができたら。
2021年、道の駅には「てんと」を新設したのですが、ロゴマークには「つなぐ手」が描かれています。地域の人・もの・こと・情報・文化など、さまざまな点と点を“つなぐ”場所になれたらという思いが込められました。販売だけでなく、農業やイベント、アクティビティなどを通じて、さらにその先の将来へつながることもやっていきたいと考えています。
「道の駅しょうなん」は、消費者と生産者、生産者と生産者、生産者と店舗様、異業間などを“つなぐ”きっかけをつくる役割を担っています。生産者さんがお客様やほかの事業者さんの目線を知ることで、「荷姿をきれいにしよう」「もっと良い野菜をつくろう」というふうに、どんどんプラスに進化できたら、生産者さん自身で“つながり”を活かせることになります。もし“つながり”を面倒に感じる方がいらっしゃったら、道の駅が良い方向へつなげられるよう働きかけていきたいです。
さらに、次の世代へ農業をつなげていくためには、何でも私たちが守ってあげるのではなく、生産者さん自身が自立して、農業だけで生計が立つようにすることが大切だと思います。「道の駅しょうなん」を、市内の多彩なジャンルの方に活動の場としてご活用いただき、農業もいろんな分野と接点を持って、想像を超える化学反応を起こすことができたら、また新しい形に進化していけるのではと期待しています。
柏は感受性を豊かにしてくれる、恵まれた場所です。
手賀沼は土壌が豊かで、農業にもすごく良い土地なので、行商も盛んだったそうです。その昔から、地域の人たちが誇りを持って守りつづけてきた生業や技術、手賀沼に根付いてきた文化や歴史、思いというような抽象的なことも含めて、次の世代へ「つなぐ」きっかけを、引き続き道の駅がつくっていけたらと思います。
柏はまちも田舎もあって、いろんなところでいろんなものを感じられる、とても恵まれた場所です。感受性が豊かになる、すごくいい環境。この恵まれた土地で感じたものを外に発信して、それがほかの地域の方にとって新しい気づきになったり、課題解決の一助になったり……おこがましいですが、何かお役に立てたらいいなと思うんです。柏にとどめるのではなく、ほかの地域の方とも連携して、関心をもっと広げていけたら。
道の駅で持ち帰っていただいた「気づき」や「人との縁」「つながり」が、みなさんにとって何かしらのきっかけになって、日本全体をより豊かにすることにつながるとしたら、こんなに嬉しいことはありません。
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