更新日令和8(2026)年3月13日

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民法等の一部を改正する法律について(離婚後の親の責務等)

民法等の一部を改正する法律の施行により、こどものことを一番に考えた離婚後の親の責務が明確化されました。令和8年4月1日から親権、養育費、親子交流などのルールが新しくなります。

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親の責務等に関するルールを明確化

親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。

こどもの人格の尊重

父母は、親権や婚姻関係の有無に関係なく、こどもが心も体も元気でいられるよう育てる責任があります。こどもの利益のために、こどもの意見にしっかりと耳を傾け、こどもの人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

父母には、親権や婚姻関係の有無に関係なく、こどもを養う責任があります。「養う」度合いは、こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

父母は、親権や婚姻関係の有無に関係なく、お互いを尊重して協力し合わなければなりません。次のような行為はこのルールに違反する場合があります。

  • 暴力や相手を怖がらせるような言動、濫訴
  • 他方の親によるこどもの世話を不当にじゃますること
  • 特段の理由なく他方に無断でこどもの住む場所を変えること(暴力等や虐待から逃げることはルールに違反しません。)
  • 特段の理由なく約束した親子の交流の実施を拒むこと

こどもの利益のための親権行使

親権(こどもの世話や教育をしたり、こどもの財産を管理したりする権利や義務)は、こどもの利益のために行使しなければなりません。

離婚後の親権に関するルールの見直し

これまでの民法では、離婚後は、父母のどちらかだけを親権者として決めなければなりませんでした。
これからは、離婚後に父母2人ともが親権を持つ「共同親権」、1人だけが親権を持つ「単独親権」のいずれかを選択ができるようになります。

親権者について

  1. 協議離婚の場合
    父母が話し合いによって親権者を父母2人ともとするか、どちらか1人にするかを決めます。
  2. 父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合
    家庭裁判所が、父母とこどもの関係や父と母の関係などを考慮した上で、こどもの利益を考えて、親権者を父母2人ともとするか、どちらか1人にするかを定めます。この手続きでは、家庭裁判所は父母それぞれから意見を聴かなければならず、こどもの意思を把握するように努めなければなりません。

次のようなケースでは、家庭裁判所は共同親権と定めることはできません。

  • 虐待のおそれがあると判断された場合
  • DVのおそれやその他の事情で、父母が共同して親権を行うことが難しいと判断された場合

※身体的な暴力を伴う虐待・DVだけとは限りません。
※これらの場合以外にも、共同親権と定めることでこどもの利益を害すると認められるときは、裁判所は必ず単独親権と定めることとされています。

親権の行使方法(父母双方が親権者である場合)

父母双方が親権者である場合の親権の行使方法のルールが明確化されています。

  1. 親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。
  2. 次のような場合は、親権の単独行使ができます。
  • 監護教育に関する日常の行為をするとき
  • こどもの利益のため急迫の事情があるとき

上記の行為等に該当する、該当しない事例(こども家庭庁ホームページ)(外部サイトへリンク)

    3. 父母の意見が対立する事項について、家庭裁判所の手続で親権行使者を定めることができます。

 今回の改正で上記2、3の規定が追加されました。

養育費の支払確保に向けた見直し

養育費を確実に受け取れるように新たなルールの創設やルールの見直しが行われました。

合意の実効性の向上

これまでは、養育費の支払いがされ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ない場合には「債務名義」という一定の文書が必要でしたが、今回の改正によって「先取特権」と呼ばれる優先権が与えられます。文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって一方の親の財産を差し押さえる申立てができるようになります。
※改正法施行前に養育費の取り決めがされていた場合には、改正法施行後に発生する養育費に限ってこの改正が適用されます。

法定養育費

離婚時に養育費の取り決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。

裁判手続きの利便性向上

家庭裁判所は養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。
家庭裁判所はこどものことを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し、親子交流の試行的実施を促します。

婚姻中別居時の親子交流

父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらないときは家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。

父母以外の親族とこどもの交流

こどもと祖父母などとの間に親子のような親しい関係があり、こどものために必要があるといった場合は、家庭裁判所はこどもと父母以外の親族との交流を行えるようにできます。

監護についての取り決め

監護の分担

父母が離婚するときは、こどもの監護の分担について決めることができます。これを決めるにあたっては、こどもの利益を一番に考えなければなりません。監護の分担の例には、次のような取り決めが考えられます。

  • 平日は父母の一方がこどもの監護を担当し、土日祝日はもう一方が担当するといったこと
  • こどもの教育に関する決定は同居している親に委ねるが、その他の重要な事柄については父母が話し合って決めるなどといったこと

監護者の権限

離婚後の父母の双方が親権者となっている場合でも、どちらか一方を「監護者」と決めることで、こどもの監護をその一方に委ねることができます。このように決められた場合には、「監護者」は日常の行為だけではなく、こどもの監護教育や住む場所、職業の決定を単独ですることができます。監護者ではない親権者は、監護等の妨害をしてはなりませんが、妨害しない範囲であれば、親子交流の機会などにこどもの監護をすることができます。

財産分与に関するルールの見直し

  • 財産分与は夫婦が婚姻中にともに築いた財産を離婚の際に分け合う制度です。夫婦の協議が成立しない場合、裁判所に対する財産分与の請求期間が離婚後2年から5年に伸長されます。
  • 財産分与において考慮すべき要素が明確化されています。

養子縁組に関するルールの見直し

  • 未成年のこどもが養子縁組した場合に誰が親権者になるかが明確化されています。
  • 養子縁組についての父母の意見対立を調整する裁判手続が新設されます。

関連リンク

【法務省】

【こども家庭庁】

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