ひめしゃら文庫 本を通じて子どもに寄り添う

最終更新日 2010年9月1日

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写真 月曜日、午後2時半過ぎ。「こんにちは!」と元気な声がして、小学生が入ってきました。本や玩具でぎっしりの部屋に数人の子どもたちが集まり、絵本を開いたり、絵を描いたり、思い思いのことをはじめます。やがて一人の子どもが、絵本の朗読を始めました…。

 ここは、つくしが丘にある「ひめしゃら文庫」。代表の大杉富子さんのご自宅で毎週月・金曜日に文庫活動が行われています。大杉さん、スタッフの亀田昭さん、川上祺美子さんにお話をうかがいました。

小さくても風通しのいい場所をつくりたい

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 ひめしゃら文庫の開設は、平成14年9月。以前は市内にも多くあった「文庫」を復活させ、子ども達や地域の人達の集える場所になればと、大杉さんがご自宅を開放し、300冊の絵本の寄贈を受け、週に1日の文庫活動を始めたのです。「放課後の居場所のない子ども達がいます。絵本をきっかけに、子どもとじっくり向き合える、小さくても風通しのいい場所をつくりたかった」と大杉さん。

 子ども達が徐々に集まり始めたとき、赤ちゃんを連れたお母さん方も来てくれるようになりました。週1回では日が足りず、翌年には週2回となりました。現在、「月曜文庫(就園児以上)」、金曜日の「ママと子の会(それ以下の子ども)」とに分かれて週2日開設し、今では年に1,000~1,500人がここを訪れています。

いつしか子育て支援の場に

 集まった母親たちは、互いに育児に関する相談や情報交換をするようになりました。大杉さん自身も育児相談を受けることがあり、夜に電話で長時間話を聞くこともしばしば。いつしか、ひめしゃら文庫は子育て支援の場となっていきました。

 立上げ3年目、柏市民公益活動補助金の申請をきっかけに、絵本や玩具を見直すことにしました。「それまで自分たちの持ち寄りでやっていたけれど、補助金で0~6才それぞれの年齢の子に対応できる玩具や本をそろえたり、専門家から話を聞いたり。しっかり知識を得て、子どもに接していかなければならないと思うようになりました」と大杉さん。

 活動は年々広がり、開設3周年には記念事業として近隣センターでのイベントを経験しました。親子キャンプや子ども達の劇などにも取り組んでいます。母親たちも積極的に関わり、「ママの会」として独自の活動が始まっています。自ら活動を制限せず、求められること・必要だと思うことに積極的に取り組んできたからこそ、さらなる広がりを生んでいるようです。

「表現」をつうじて、子どもの「心」を育てる

 そうした広がりの中で始めたことの一つに、「子どもの表現の場をつくる」取組みがあります。「子どもの表現」というと特別な子だけができるように感じますが、例えば、紙芝居を観ている子が自分でも読みたがったり、自分が描いた絵にお話をつけて説明してくれるなど、子どもにとって「表現」はとても自然なこと。

写真 今年の夏は、2日間かけて手作り絵本に挑戦しました。子どもが一人一冊ずつ、絵を描きお話をつけた、それぞれ10ページほどの絵本ですが、きちんと布の表紙で製本されています(写真参照)。「2日間集中して作った子どものエネルギーには圧倒されます。小さい子の絵本の方がのびのびしてますね。大きくなると、まとまりのあるお話をつくってしまうみたい」と笑う大杉さん。

 また、子ども達は朗読にも挑戦しています。来年2月に開催する「朗読の集い」では、5人の子どもが「葉っぱのフレディ」で参加します。命の大切さをテーマとしたこの絵本を、子ども達は一年以上かけて練習しているそうです。「子どもの心を育てることも大切なこと。絵本作りや朗読がその助けになれば」と大杉さんはいいます。

「文庫活動」を再び

 以前は柏にも、「文庫」と呼ばれる場が数多くありましたが、図書館の分館が整備されるにつれ、姿を消していきました。けれども、分館は文庫にはなりえない、と大杉さんはいいます。

 「文庫は、本の貸出しもしますが、その場で読んだり、読み聞かせをしたり、感想を言い合ったり、触発されて絵を描いたり…。本に親しみ、本を中心とした様々なことができる場なんです。分館にそこまで求めることはできないでしょう。」

 また、亀田さんは、このように話してくれました。「ここでは、子どもの気持ちやペースに合わせて、子どものやりたいことをやる。絵を描いたり粘土遊びをしたり、時には公園に行ったり。けれど、それは何をしてもいいということではない。嘘をついたり、「遊びのルール」を守らないときは、もちろん叱りますよ。」

 子どもは自由に時間を過ごしますが、読み聞かせの時間だけは必ず取るとのこと。本の力や本の魅力を子ども達に伝えることが一番の目的だからです。

公の施設でないことの魅力

 ひめしゃら文庫の魅力は、「個人の家であること」だと亀田さんは言います。確かに、いわゆる「施設」ではない「家」の持つ温かな雰囲気と、居心地のよさがひめしゃら文庫にはあります。読み聞かせをしている亀田さん、川上さんと子ども達を見ると、失礼ながら、まるでおじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに来た孫のようです。

 「ご自宅を開放している大杉さんにとっては、さぞ大変だと思うけど、公の施設でもなく自分の家でもないことで、子ども達がのびのびと自分を表現できるのだと思う」と亀田さん。「中には「ただいま」って言いながら入ってくる子もいるんですよ」と笑う大杉さん。

 「自分達は、子どもに何かをしてあげているとは思っていません。子ども達に遊んでもらっているようなもの。楽しくて、子どもからもらうものが多くて、やめることができないんです。」亀田さんの言葉に、大杉さん、川上さんとも、大きくうなずいていました。

 今、ひめしゃら文庫で力を入れているのは「わらべうた」。古来からある「わらべうた」には、子どもと共感しあいコミュニケーションをとるための力があるのだといいます。

 「今、一緒にいても心が離れている親子が多い。子育て講座などで若いお母さんに会うと、それを強く感じます。わらべうたを通じて、少しでも親子が通じ合うことができるようになれば」と大杉さん。ひめしゃら文庫の活動は、まだまだ広がりそうです。

ひめしゃら文庫

  • 代表者 大杉 富子
  • 所在地 柏市つくしが丘4-15-6
  • 連絡先 04-7169-2461

情報発信元

地域づくり推進部協働推進課

所在地 柏市柏5丁目10番1号(本庁舎3階)
電話番号 04-7167-0941
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