トップ > 文化・スポーツ・観光 > 歴史・文化・芸術 > 歴史・文化財 > 柏市歴史デジタルミュージアム > かしわの記憶(web版) > 第8回 豊四季村と柏駅の開設
更新日令和3(2021)年2月26日
ページID2949
ここから本文です。
第8回 豊四季村と柏駅の開設
柏駅前の風景(大正10年頃・柏駅の南側から、中央奥に蒸気機関車の煙が見える)
豊四季村と柏駅の開設
小金牧の開墾によって成立した豊四季村と十余二村のその後について、2回にわたり紹介します。
首都圏でも屈指の乗降客数を誇り、柏市の玄関口として親しまれている柏駅。千代田村の字名「柏」から付けられた駅名ですが、実は住所が「豊四季村字乗馬ケ谷」と豊四季村内に作られていたのをご存知でしょうか。
明治29年12月、日本鉄道土浦線(現・常磐線)田端-土浦間が開通し、県内では柏・松戸・我孫子に駅が設置されます。松戸と我孫子は水戸街道の宿場として、江戸時代からにぎわいをみせ、駅の開設にふさわしい場所と見られていた一方で、柏市域周辺はとても乗客や貨物の利用が見込める場所ではありませんでした。
そのような中、柏に駅ができたのは富勢村の実業家・小柳七郎や千代田村の村長・寺嶋雄太郎ら地元の強い誘致活動と、小金牧の開墾地に成立した豊四季村は土地が広く、用地確保が容易だったことがあげられます。
鉄道用地寄附につき書簡
新設されることとなった駅は両村の境付近に作られることとなり、豊四季村内に千代田村の字名を取った「柏駅」が誕生しました。開通直後の明治30年の地図には、駅と線路に交差して両村の境であった野馬土手が描かれ、やがて駅前通りが整備されていった様子が伺えます。
(JPG:97KB)
豊四季村絵図(現・柏駅周辺・中央下からのびる赤い太道は現・旧水戸街道)
(JPG:101KB)
明治30年の柏駅周辺の迅速測図(黄色の部分が野馬土手)
(JPG:264KB)
明治40年の柏駅周辺の迅速測図(黄色の部分が野馬土手)
明治44年5月には、野田醤油の輸送を主な目的とした県営軽便鉄道(現・東武野田線)柏-野田間が開通し、豊四季村内には「豊四季駅」も開設されます。小金牧跡に作られた柏駅は、東葛飾郡を縦横に結ぶターミナル駅となり、駅前商店街が発展し、さらに市街地の発展によって人口が増加していくことになるのです。
(JPG:10KB)
煙を高く吐き上げて柏駅を出発する蒸気機関車
(JPG:132KB)
現・旧水戸街道の松並木(昭和30年代・小金牧の風情が漂う)
掲載しているすべての画像・資料は、無断での複製・転載を禁止します。
資料や写真をご提供いただいた方々には改めて御礼を申し上げます。
お問い合わせ先