木造大日如来坐像
概略
- 場所
柏市松ヶ崎1112(覚王寺) 案内図(外部サイトへリンク)
- 指定種別
千葉県指定文化財(有形文化財)
- 概要
木造・一木割矧造 漆箔 彫目
- 法量
像高56.8センチメートル
(補足)通常は非公開です。
仏像の概要と像立年代
髪際高44.9センチメートル(像高56.8センチメートル)の坐像である。螺髻を結い、正面に五仏を表した八角宝冠を戴き、条帛・裙(一段折返付き)・腰布を着け、智拳印を結び、右足を上にして結跏趺坐しています。
本体は、ヒノキ材を使用しており、頭・体幹部を竪一材より彫出しています。表面は錆地で漆箔が施されています。
光背は、大日如来(胎蔵界)1躯と飛天12躯を配した透彫の周縁部と仰蓮形の光脚を持った二重円相光背です。
台座は、上より仰蓮、敷茄子、華盤、束、上反花、受座、中反花、上框、下反花、下框を重ねた八角十重蓮華座です。
造像当初のものと思われる下の墨書銘記を認めることができます。
- (1)像内胸部
「三河栄珎[戊子/九月十六日]」([ ]内は割書)
- (2)像内両足部中央
「造立佛子六郎四郎」像立年代場所 作風から典型的な「定家様」の作品とみられ、銘文に記される「戊子」は天仁元年(1108)もしくは仁安3年(1168)に当たる可能性が高いと言われています。
また、制作場所は京都仏師の手によるものと想定されています。
(柏市教育委員会 『柏の仏像』 ー柏市内仏像等調査報告書ー 1989年)