更新日令和4(2022)年8月29日

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第4回柏市地方創生総合戦略評価委員会 会議録

1 開催日時

令和元年8月30日(金曜日)午前10時30分~正午

2 開催場所

柏市役所本庁舎3階庁議室

3 出席者

  • (1)委員
    石橋委員、泉委員、飯塚委員、小出委員、宮入委員、山下委員、瀧上委員、野村委員、伊藤委員
    (1名欠席)
  • (2)事務局
    飯田企画部長、北村企画部理事、稲荷田企画調整課長 他8名

4 傍聴者

3名

5 議事等

  • 柏市の人口動向について
  • 柏市地方創生総合戦略評価指標管理一覧について
  • 柏市地方創生推進交付金事業評価シートについて
  • 地方創生汚水処理施設整備推進交付金評価シートについて
  • 2020年度柏市地方創生総合戦略及び指標の取扱について

6 企画部長挨拶

飯田企画部長より挨拶。趣旨は以下のとおり。

  • 今回で4回目を迎える柏市地方創生総合戦略評価委員会の開催に際し、各委員には出席いただき感謝。
  • 地方創生総合戦略は、人口減少を克服し活力ある社会を維持していくことを目指すものであり、2015年より始まったもの。
  • 柏市地方創生総合戦略も今年度で5年目を迎える中、これまでの成果及び指標の進捗を各委員に評価してもらい、改善を図ることが本委員会の目的。
  • 本委員会では、「人口」をキーワードとし、市が毎年整理をしている転入及び転出の動向を報告した上で、昨年度までの指標進捗と効果について報告し、委員より意見を賜りたい。

7 委員長等の選出について

次のとおり選出。

  • 委員長 宮入委員
  • 副委員長 山下委員

8 議事要旨

柏市の人口動向について

事務局より説明。趣旨は以下のとおり。

  • 市の世帯状況として、団塊世代及び団塊ジュニア世代のボリュームが大きく、全国比においても特段状況差はない。
  • 年齢区分別人口構成では、15歳未満及び15~64歳までの生産年齢人口割合が全国と比べやや高く、65歳以上の人口割合がやや低い。
  • 人口推移について、近年は3千人程度の増加で推移。転入は2万人強、転出は2万人弱で推移。社会増減も3~4千人程度で推移。平成30年度からは総増減数が社会増を下回り、自然減の状態。この状態は今後も拡大していくと推察。
  • 柏市は夜間より昼間人口が少なく、ベットタウンとしての特徴がある。近隣市と比較すると吸引力はある。
  • 転入出はライフイベントに合わせ20歳代~30歳代と乳幼児が中心。転入については22歳と24歳が特出しており、要因として、新卒者が最初に住む場所として柏を選んでいると思われる。一方、数年で転居してしまっているとも推察できる。また、乳幼児の転入超過が大きいことから、住宅供給量に応じて若いファミリー層が流入していると推察。
  • 市民の住居年数では、乳幼児と20歳代~30歳代が、居住年数が少ない傾向。また、転入者は短いスパンで転出する傾向にある。
  • 転入超過のうち、外国人の占める割合が高い。
  • 転入出全体の傾向として、狭い自治体エリア内かつ人口規模の大きい地域間で活発に起こっている。
  • 平成30年度市内地域別転入出の動向については、北部地域が転入超過の6割以上を占める。沼南地域もわずかではあるが転入超過。
  • 市民住居の傾向として、持家が7割以上。住居年数と住居状況は相関関係にある。昭和30年代後半から平成初期にかけて、大量に集合住宅が供給され人口は40万人を超え、そのうち30万人が持家に住んでいるという状況。残りの10万人が転入出を繰り返しており、住居が「柏でなければならない」ということではないと推察。
  • 柏が選ばれる理由として、住宅の経済性と利便性が高く、行政施策関連の要因を挙げる人は10パーセント未満。
  • 今後の人口推移見込では、当面人口増加は続き2025年をピークに、その後減少。年齢区分においても、2025年に75歳以上の後期高齢者割合が増加する見込み。
  • 柏市だけに人口を吸引するということは難しい。行政施策でどのように人を惹きつけるのかは知恵の使いどころ。

柏市地方創生総合戦略評価指標管理一覧について

事務局より資料について説明。

柏市地方創生推進交付金事業評価シートについて

事務局より説明。趣旨は以下のとおり。

「資料3-1 AI・IoTによる新ビジネスを実現するための新産業創出拠点計画」

  • 当事業は3年計画として昨年度採択を受けたものであり、柏の葉地区を中心に、先端技術を活かした新たなビジネスを創出する企業を支援するもの。
  • 一方で、市内全体では人手不足・知識不足などから先端技術の活用が困難であり、かつ有益なパートナーを見付けることが出来ない企業も多いことから、経営専門家人材を活用し、企業訪問を通じて、先端産業活用の導入促進や企業マッチングを図ることで付加価値の高い事業の創出を目指す。
  • インキュベーションマネージャーは市内企業訪問、マーケティングリサーチャーは市外企業を訪問。
  • 成果として、160件の企業訪問を実施し4件のマッチングを達成。訪問ヒアリング結果はデータベース管理し次年度に活かすとともに、市内市外企業が一同に介するイベントや人材面でのマッチングを次年度に開催予定。

「資料3-2 都市との共生による新たな「農村地域」創出事業」

  • 当事業は5年計画として平成29年度に採択を受け今年度3年目を迎える事業であり、手賀沼周辺を中心とした都市近郊の立地性と豊かな自然環境が共存する地域特性に着目し、農業と観光の融合による体験のまちをつくるもの。
  • 道の駅しょうなんと柏駅を繋ぐシャトルバス運行や遊覧船運行、手賀沼田んぼラグビー、収穫体験などのプログラムを企画し実施。加えて、農山漁村振興交付金を活用し農泊推進事業を実施。台湾の留学生受け入れを2回行った。その他、ガバメントクラウドファンディングの活用による手賀沼ヒマワリプロジェクトなどを実施。
  • 道の駅しょうなんを核として進める当事業は、地方創生に相当程度効果があったと思われる。

地方創生汚水処理施設整備推進交付金評価シートについて

事務局より説明。趣旨は以下のとおり。

「資料3-3 良好な住環境の基となる水資源の循環都市「柏」整備計画」

  • 当事業は5年計画として平成28年度に採択を受け今年度4年目を迎える事業であり、中間である3年目が終了したことを受け、中間評価を行うもの。
  • 手賀沼の水質環境が悪いというイメージを払拭し定住人口増加に繋げるため、水質改善を目的に公共下水道と個人設置型浄化槽整備を一体的に進めるものであり、公共下水道は603m、個人浄化槽は135基の整備を目指すもの。
  • 交付金以外の取組みとして、公共下水道の啓発ポスター・パンフレット作成や広報誌作成を実施し、市民環境意識の高揚や汚水施設への関心を高めている。
  • 地域再生計画にて設定している手賀沼水質改善目標については現在未達。
  • 公共下水道整備は概ね順調に進捗中。
  • 個人設置型浄化槽の整備については現状を鑑み、地域再生計画の変更に合わせ目標値の見直しをする予定。

意見交換

柏市の人口動向について

【宮入委員長】傾向として、ベットタウンでは高齢化が進む傾向にある。例えば相続をする場合、持ち家を処分する人もいると思われ、結果空き家の問題が生じる可能性がある。柏の場合はどのような状況か。

【事務局】持ち家の空き状況は掴めていないが、一定数存在はしていると認識している。市内南部地域を中心に、昭和40、50年代に個別の分譲住宅が建設され、現在そこが空き家に近い状況になっている。ただし一部のエリアでは、住宅事業者が土地と建物を購入し、建替えが進んでいる。例えば、建替えにより分譲し販売するなど。市内中心、北部地区については比較的新陳代謝が進んでいることから、空き家のまま放置されるケースは現在のところ少ない傾向にある。

【宮入委員長】地方の空き家問題が柏市には該当しないことは理解したが、行政として空き家活用策や積極的な新陳代謝を図る取組みを今後検討し、人口流入増加を進めてもらいたい。

柏市地方創生推進交付金事業評価シートについて

【山下副委員長】基本目標1項目2について、各委員事前意見ではそごう跡地の活用を含めた柏駅周辺の活性化という観点と手賀沼地区の強化という意見が多かった印象。個人的には中心市街地の活性化が重要と思っている。その中で、三井不動産による新たな商業施設建設やUDC2による柏駅周辺グランドデザイン策定という話を聞いている。市がどのように柏駅周辺のまちづくりに関わっているか教えてほしい。

【事務局】取組み主体には、民間単独、行政単独、官民連携で行う場合がある。また、取組む視点として、中心市街地活性化と商業活性化という2つの施策方向性が想定される。中心市街地活性化の視点においては、中長期的な目標を定めたグランドデザインが策定された。これは、市民、民間、行政が一体となって策定したものであることから、市としてもグランドデザインに基づき様々な方と意見交換を図りながら、まちづくりを進めていきたいと考えている。

そごう跡地について、民間事業者による活用方法の協議が進んでいるところ。市としてはこれまでどおり、賑わいの中心となるよう商業的な活用についてお願いをしていく。

その他取組みとして、UDC2では、公民連携によるダブルデッキ上の広場を活用した「カシワテラス」が9月8日よりオープンする。加えてストリートイベントも年間を通じて実施している。また、商店街の取組みとして、若者の力で街を活性化する「高校演劇」を昨年より実施。高校生に柏の中心市街地を知ってもらうこと、街の賑わいを創出することを目的としている。

このような取組みを多様複合的に進め、様々な視点から中心市街地の賑わい創出を図っていきたい。

【飯塚委員】市のシティプロモーションをはじめとした県外からの流入人口増加対策は行なっているのか。

【事務局】シティプロモーションとして具体的な事業は実施していないが、昨年度よりふるさと納税に対する返礼品やガバメントクラウドファンディングなどの取組みを行っている。これらの取組みを通じ、市の名産や観光地のPRを行っている。

【飯塚委員】なぜ柏市に住むのかという理由に、住宅条件や通勤、通学の利便性が高いという点が挙げられており、これらは柏市の魅力の要因であると思うが、加えて何か柏市としての魅力をPRできれば移住者が増えるのではないか。また、人口減少の階層として考えられる子育て世代についてPRができればよいのではないか。リビングかしわの読者を対象に、子どものセミナーと併せて親向けプログラミング教育セミナーを開催。柏市は先行してプログラミング教育に取組んでおり、子どもに対しての教育は進んでいるが、親は市の取組みをよくわかっていなかった。同セミナーを通じて市の取組みを知った親からは、「子どもが何を勉強しているのかわかった」「市の取組んでいることがわかった」と、とても高評価をもらっている。市が実施している取組みをPRできる場があると、市民も魅力を感じ、住み続ける要因の一つになるのではないか。

【山下副委員長】基本目標2項目14について、入園保留者を低減させる現在の政策はよいと思う一方、入園時の振り分け作業は人手と時間が必要だと思う。東京都港区が10月から、埼玉県さいたま市が来年度から、AIを使い業務の効率化を図っていると聞いた。どの程度影響力があるのかは不明だが、AIの活用は検討しているのか。

【事務局】昨年度からAI及びRPAの導入検討は庁内で進めているところ。入園審査については、現状、数名の職員が一定期間つきっきりで審査作業を行っている。AIを導入済みの先進市からは、大幅な作業効率の改善が図れることに加え、利用者にとっても幅広に選択肢を増やすことができ、利便性が向上したと聞いている。これらのことを踏まえ、入園審査に限らず、事務作業改善のため導入について検討している。

【宮入委員長】基本目標3について、誘致企業数など未達の項目が多く苦戦している印象だが、例えば法人税の視点から、実際の活動拠点は柏市に置きながら、本社の登記は都内などにして柏市への納税負担を避けているようなケースはあるのか。空き家問題にも言えることだが、事業を進める上で、実態を市として積極的に把握することが重要であると思うが。

【事務局】事業所の実態については、地方創生推進交付金事業を活用し、商工振興課を中心に企業訪問を行い調査を実施し、把握に努めている。全国的に有名な企業で柏市に本社があるにもかかわらず、活動拠点を他に設けているような企業の情報は把握していないが、近年、市内で売り上げが伸びている新しい企業については、市内に本社を置いてもらっている。例えば、地域経済を引っ張っていくような地域経済牽引事業者は市内に事業所を構え、柏市とともに成長していくと言ってくれている。そのような企業とともに、柏市も産業の振興を図っていきたいと考えている。

【宮入委員長】実態がどのようになっているかのデータも示してもらえると有難い。

地方創生推進交付金評価シートについて

【泉委員】実績に、160件の企業訪問及び4件のマッチングとあるが、160件の訪問自体はさほど難しくないと思う。重要な点は、160件の訪問先の中で、どれくらいのニーズを引き出せたのか。また次年度に繋がるニーズをどのくらい発掘できたのか。これが将来のマッチングのベースになるはずである。評価シート記載の内容では、この点の判断が難しい印象。仮に160件の企業訪問のうち、ニーズが引き出せずに終わったケースが多いのであれば、次年度の成果創出も難しいと考える。市はどのように考えているか。

【事務局】ニーズ把握について、訪問企業のうち、他企業との連携・マッチングを希望する割合は約45パーセントいた。128社の訪問企業のうち、57社からマッチングの要望を得ている。また、共通する経営課題として、製品・サービス・技術力不足が挙がったが、最も多く挙がったのは人材不足という点。今後事業を進める中で、課題解決に向けしっかりとアドバイスをしていければと考えている。いずれにせよ、現在2年目ということもあり、企業からの課題を抽出している段階。今年度及び来年度にかけて、抽出した課題に対する答えを出してけるよう進めていく。

【伊藤委員】金融機関の知見も活用してもらいたい。訪問企業とさらに深い話が出来るのではないかと考える。現在の金融機関も、貸付などお金のやり取りのみではなく、経営課題解決やビジネスマッチングなどにビジネスチャンスを見出し、顧客の成長を後押ししている。市の事業と方向性は同じだと感じている。ぜひ相談してもらいたい。

【宮入委員長】事業の実施時期について、年度末近くに全ての事業が行われているが、なぜか。

【事務局】地方創生推進交付金の規則上、交付決定後の着工・着手が定められている。当事業は平成30年8月に交付決定を受けた後、契約事務を経て事業を実施したため、初年度については、スタートが遅くなってしまった。

地方創生汚水処理施設整備推進交付金評価シートについて

【石橋委員】個人設置型浄化槽について、目標135基に対して実績8基となっており、目標に対してかなり少ない印象。この点についてどのように考えているか。目標の設定自体に課題があったのか。次年度に見直しをするとあったが。

【事務局】当事業の目的は、生活排水による公共用水域の水質汚濁の防止を目的として、単独処理浄化槽(以下「単独槽」という。)又はくみ取便所から合併処理浄化槽(以下「合併槽」という。)に転換する方に対し、その費用の一部を補助するものである。単独槽はし尿のみを処理し、台所、洗濯、風呂等の生活雑排水は公共用水域に未処理で放流する一方、合併槽はし尿及び生活雑排水ともに処理するため、公共用水域に放流する汚れの量は八分の一である。昭和58年に浄化槽法が制定され、その後平成12年に法改正があり、単独槽の設置が禁止となった。現在全国では単独槽と合併槽は5対5の割合だが、本市では依然として7対3の割合と単独槽の割合が大きく、このような状況を改善する必要性が高い。

今回の法改正を受けて、既存の単独槽であって、そのまま放置すれば生活環境及び公衆衛生上重大な支障が生ずるおそれのある状態にあると認められるもの(特定既存単独処理浄化槽)に対して必要な措置をとるよう助言又は指導することができることとなる。今年度本市では地理情報と連携した浄化槽台帳システムの導入をするので、このような浄化槽の管理者に対してしっかりと対応したい。

また、今回の法改正により、公共浄化槽という制度ができたので、必要性を見極めながら、手賀沼と地域の豊かな自然環境を維持できるよう事業を進めていく。

【宮入委員長】結果指標だけでは判断できない部分もある。浄化槽についてはアウトプット指標が設定されているが、アウトカム指標として、浄化槽設置により水質改善が図られ豊かな自然環境が維持されることで定住人口の維持、増加に繋がるであろうという仮説のもと事業が行われていると思う。その場合、アウトプット指標が出来ていなければ、仮に人口が増えていたとしても、当事業に起因するものではないということになる。加えて指標の設定も非常にわかりにくい。

以上のことから、最低でもアウトプット指標についてはやり切らなければいけない。そのためにはどうすればよいかを考える必要があると思うので、この点を今後意識してもらいたい。

2020年度柏市地方創生総合戦略及び指標の取扱について

事務局より説明。主な内容は以下のとおり。

  • 現在の総合戦略は地方創生推進交付金事業の活用に必須なため、1年延伸する予定。
  • 延伸に伴い、現在の指標を一部変更する。
  • 全指標の目標年度を「令和2年」へ変更する。
  • 国の第2期総合戦略指針が年末に発出される予定であるため、国の方針を踏まえて今後の取扱いを検討する。

柏市地方創生推進交付金事業及び地方創生汚水処理施設整備推進交付金の評価について

平成30年度に実施した地方創生推進交付金事業「AI・IoTによる新ビジネスを実現するための新産業創出拠点計画」、「農業と観光を融合した「体験のまちづくり」推進事業」及び地方創生汚水処理施設整備推進交付金事業「良好な住環境の基となる水資源の循環都市「柏」整備計画」について、出席全委員より「総合戦略のKPI達成に有効であった」と評価を得た。

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