更新日令和4(2022)年5月27日

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令和4年度柏市少年補導センター運営協議会会議録

開催日

令和4年5月18日(水曜日)午前10時30分~午前11時35分

場所

柏市大島田48-1 沼南庁舎501会議室

出席者

委員

中村(雅)委員、金森委員、髙橋委員、中村(淳)委員、中川委員、荒井委員、門井委員、小山委員、平委員、上坂委員

事務局

田牧教育長、三浦学校教育部長、藤崎少年補導センター所長、小島指導主事、染谷主査

議題

(1)令和3年度事業報告
(2)令和4年度事業計画

議事

新たに委員となった2名の委員への紹介を行ったのち、次の事項を協議した。

令和3年度事業報告

「柏市学校警察連絡協議会生活実態調査」から得られた結果から次の内容を報告した。

  • 小学生、中学生、高校生ともスマートフォン所持率は高く推移している。小学生6年生のスマートフォン所持率は53%、中学生2年生は84%、高校生では90%を超えている。
  • 携帯電話・スマートフォン所有開始時期については、小学校高学年、中学校入学前後、高校進学等の時期に所有者が増加する傾向がある。子どもたちがスマートフォンを持つ前に情報モラルを確認させる必要性が感じられる。
  • オンラインゲームの利用状況を調査したところ、小学生から高校生まで、6割前後の利用率が認められた。また、平日1日4時間以上利用する者の割合は小中学生で約9%の回答があった。中学生であれば午後6時に帰宅とした場合、日付を越えるまで残り6時間、風呂や夕飯で1時間を消費することを考えると、帰宅後の時間がほぼゲーム漬けになっていることも考えらる。
  • 休日4時間以上利用する者の割合は平日よりも高くなっているが、令和2年度に比べて低い値の回答となった。コロナ禍で保護者の目が行き届く時間が増えたことや部活動の再開が理由として考えられる。
  • 携帯電話やスマーとフォン利用にあたって、家庭でのルールを決めているか「料金」「通話・メールの相手」「使用場所や時間」「アプリのインストール」「フィルタリング」等について調べたところ、全体的に低い値となっている。神奈川県教育委員会のアンケートの調査結果と比べると、フィルタリングの設定率、利用時間、利用料金について、低い値となっている。
  • 会ったことのない人とインターネット上で親しくなったことがあると答えた者は、小学生が17%に増え、中学生が27%に増えている。高校生は27%とほぼ横ばいだが、実際に会ったことがある割合が中学生に比べて高くなっている。また、実際に会ったことを保護者は知っているかについては、4割弱の児童生徒が「知らない」と答えている。
  • 実際に会った相手の年齢を調べたところ、小中学生が高校生や20歳以上の大人と会っていることや、高校生が大人に会っているとの回答も認められた。小学生で高校生と会っているという答えがあるのに対し、高校生側は0%。調査範囲外の学校だった可能性や高校生が回答を伏せたことも考えられるが、地域外の高校生であることも考えらる。

今回の調査から、危険性が否定できなインターネット利用が見受けられた。今後の啓発活動も実情を踏まえて実施することとしたい。

 

補導活動実施状況、相談活動実施状況、啓発活動実施回数及びサイバーパトロール実施状況として次の事項を報告した。

  • 補導活動については、補導少年数が303名で、令和2年度の327名と比べると24名減少した。令和元年度315件、令和2年度327名と続き、3年連続の300件台となった。不良行為としては怠学が多く、208件であった。
    補導対象として多く見られた怠学は、16歳から18歳が高い割合を占めている。喫煙については、全体で昨年より増加したものの、中学生の喫煙は令和元年度1件、2年度0件から、3年度も0件となっており、この年齢層の件数は、0件が継続している。
  • 相談活動については、少年相談が前年度から26件増加して152件、やまびこ電話柏相談が57件減少して206件、STOPit相談が23件減少して101件となった。
    少年相談の相談者別では、本人からの相談や対応が61件と最も多くなり、前年度24件と比べ割合が高くなっている。内容別の上位は、非行26件、家庭・親子関係21件、不登校に関する相談が18件となっている。
    やまびこ電話柏相談については、男子は特定の青少年から「性」の相談が95件と多くある。女子は全年度は「学業・進路」が14件で最も多かったが、令和3年度は「不登校」が15件と最も多くなった。
    STOPit相談については、中学1年生が40件、2年生が34件、3年生が27件となった。人間関係に関する相談や、いじめに関する相談が多くみられた。
  • 啓発講演については、情報モラル教育や薬物乱用防止等の内容を中心に111回実施した。他市の事案で、チャットに悪口が送信されるなどのいじめがあったとの報道もあったことから、柏市においては、児童生徒が一定の情報モラルを持てるよう、特に情報モラル教育を重視した。
  • サイバーパトロールについては市内小中高校生のものとして608件のアカウントを把握した。
    そのうちレベル2以上に分類される不適切な書込み・画像の投稿が3件確認された。LINEのQRコード掲載や、ネットゲームを介したプレイヤー間トラブルの内容であり、学校等に連絡し改善を図った。

 委員からの意見等はなし。

令和4年度事業計画

 補導活動、相談活動、環境浄化活動、広報啓発活動を積極的に展開し、非行の未然防止に努めること。また、関係団体・関係機関と連携しながら地域ぐるみの非行防止活動の推進を図ることを活動方針とし、特に次の内容に重点を置いた活動をすることに承認を得た。

  • 「問題行動の早期発見・早期補導(愛のひと声)」として、毎日地道な補導活動を行っていく。補導件数は平成23年度の1375件をピークに平成27年度の198件まで減少を見せていたものが、ここ3年間300件台を横ばいの状況となっている。
    喫煙等は低い件数で推移しているが、問題視すべき非行行為であると考える。和2年度まで、正規職員と補導委員が夜間補導に従事していたが、令和3年度からは実地経験の豊富な生徒指導アドバイザー、非行防止アドバイザー及び補導専門員も従事するよう夜間補導の充実に着手した。
    青少年の非行傾向を早期に改善できるよう、今年度も夜間補導に力を入れていきたいと考える。
  • 相談活動については、あたたかく、適切な指導、助言に心がけ、各種相談活動について重点的に取り組んでいく。
    少年相談の相談者別内訳としては、青少年本人への対応が最も多くなり、令和2年度の2倍を超えている。内容別にみても「非行」が1位となっており、家庭や人間関係、学業等の悩みに類する相談が上位に見られた傾向から、非行に関する相談が増加したことに注意していく。
    少年補導センターには、多様な相談、多様な事象の報告がもたらされるため、それぞれの事象に関係機関の協力を得ながら、横のつながりを持った対応、多角的な対応につなげ、青少年の非行防止・解決を図ってく。
  • 研修の充実として、今年度は、少年補導委員の委嘱換えの時期でもあったため、早期に「補導委員の活動について」講演形式の研修を行い、補導活動に関する共通理解を図るとともに、補導センター事業について再確認した。
    学校警察連絡協議会においては、会員の方が視察や情報交換に参加することによって、学校での生徒指導等に活かせるよう、視察研修や情報交換会を計画していく。
    サイバーパトロールでは、SNS利用者の秘匿性が年を追うごとに高まていることを鑑み、令和3年度から事例研修を導入したので、これを継続実施し、職員の技術の向上に努めていく。
  • 環境浄化活動の推進については、補導活動を行うと同時に、有害環境について実態把握に努め、市街地等においては商業施設等の理解を得ながら、たまり場等の健全化を図っていく。
    更に、有害なチラシ等の撤去活動について、各地区で実施している活動に今後も補導センターとして協力していく。
    令和3年度は、裏路地に改造した車両等の放置や、落書きなどが散見されたため、交番等への情報共有、巡回依頼等を行った。環境の悪化、常態化が、非行行為の誘発となることが懸念されるため、補導や巡回で得た情報を共有する活動を継続していく。
  • ・広報啓発活動推進については、他市のいじめ事件において学校貸与端末が使われていたとの報道もあり、令和3年度は特に情報モラルの講演を多く実施した。
    多方面においてデジタル化の推進が謳われていることもあるため、引き続きネットトラブル・被害防止のための情報モラル講演を中心としつつ、非行・被害防止につなげるための講演を実施する。
    また、月報「すこやかに」を少年補導センター公式ツイッターに投稿して広報拡大を試みている。時代に即した情報発信となるよう検討していく。
  • 情報収集および資料の整理と活用については、各種活動から、また関係者から提供を受けた情報を収集・整理し、必要に応じ関係機関へ提供をしていく。
    不審者情報等も共有し、地域での子どもたちの見守りにつなげていきたいと考える。
    また、近年SNSに起因する被害児童等が増加傾向にあることから、内閣府においてもペアレンタルコントロールの導入等を啓発している。補導センターにおいても青少年がそのような被害等にあわないよう、今年度もサイバーパトロールを実施していく。
    不適切な書き込みや画像、動画、違法行為、被害の可能性が考えられる書き込みについては、学校への通報を迅速に行い、問題行動の早期解決やトラブル等の未然防止に努める。

主な意見は次のとおり。

(中村(雅)委員)啓発活動では情報モラル教室に注力するとのことであったが、これまでのところ児童生徒に反応の変化は起きているか。

(事務局)講演のアンケートを取ったものの中からは「ためになった」「気をつけたい」との意見がみられているが、トラブルが0になっていないのが現状である。トラブルが起きた学校から講演の依頼を受けることもあるが、事前に取り組むことや継続して取り組んでいくことが重要と考える。

意見交換

(小山委員)柏市内の学校はスマートフォンの持込みを認めているのか。

(髙橋委員)市立小中学校においては、事情がある場合可としている。

(中村(淳)委員)市立高校は持込み可としている。ICTを活用する学習の一環においてBYODとして使用することもある。また、高等学校では生徒が広域から通学しているため、移動中の連絡手段及び必要時の情報収集手段の確保という観点から持込み可としている。

(中村(雅)委員)未成年のSNSの利用については、県の補導委員連絡協議会でも意見交換したことがある。「ペアレンタルコントロール」により被害等防止の効果が見込めることから、保護者への啓発を重視していただきたい。

(中村(雅)委員)相談内容として非行が増えているとのことだが、補導委員としての活動では特に大きな事案がなく、明らかに非行行為と思われるものを認知することも少ない現状である。目立った非行行為はどのようなものがあるか。

(事務局)昨年度は中学校がバイク窃盗、乗り回しで逮捕される事案があった。また、他校生徒、他市生徒とのグループの形成も確認されている。過去には仲間が決めた場所に集まる様子が多くみられ、そういったたまり場周辺をパトロールすることが有効であったが、近年はSNS等を介していつどこに集まると連絡を取りやすい。顔を知らなかった者の間にもつながりも出てきており、これまでの補導活動に加えネットパトロールも継続実施していきたい。

(中村(雅)委員)少年相談の件数が増えたのは啓発活動を通じて相談窓口が周知された成果か。

(事務局)成果と言えるかは難しいが、コロナ禍の影響か、子どもたちが不安定になっていると思われる現象がある。STOPit相談では小学生の相談0件が、令和4年度はすでに複数の相談が入っている。メール相談も小学生からの相談が複数認められる。心理的な影響を受けている小学生が増えていると推察する。

(髙橋委員)SNSのトラブルは根が深い。引き続き啓発活動を推進してほしい。市立校だけでも64校あるので補導センターだけでは大変な面もあるが外部の力を使う工夫も取り入れてほしい。啓発では児童生徒を相手にするか保護者を相手にするかで話す内容が変わると思うが厳しめの話をして良いと思う。相談内容で非行が上位にあるのは意外であった。不登校等についても相談してくれる保護者であれば、早めに手を打ち、指導支援に学校側も努力することができる。人的な支援を含めて事業を進めてほしい。

(事務局)少年補導センターが属する児童生徒課では、不登校、いじめ、非行問題、虐待、特別支援など幅広い問題を分掌している。不登校、いじめ、非行等の現象の根底には、発達の課題や家庭環境の問題などがある。髙橋委員のご意見のとおり、相談してくれる保護者はSOSを出しているので対応が可能だが、そこにたどり着けいていない方が少なくない。そのためスクールソーシャルワーカーの配置に着手している。全中学校区へのスクールソ-シャルワーカーの配置を進め、地域を回って困りごとを掘り起こす活動を強化していく。

傍聴者なし

お問い合わせ先

所属課室:学校教育部少年補導センター

柏市柏5丁目8番32号(分室2-1階)

電話番号:

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