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更新日令和6(2024)年2月22日

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市議会令和6年第1回定例会における教育行政方針

令和6年2月22日(木曜日)に開会した「市議会令和6年第1回定例会」において、次のとおり令和6年度に予定している教育委員会の主要な取り組みの概要について報告いたしました。

市議会令和6年第1回定例会教育行政方針

 市議会令和6年第1回定例会の開会に当たり、教育行政の主要な取組の概要についてご説明申し上げ、議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 はじめに、令和6年度に取り組む、主な計画の策定についてです。

 現計画期間が令和7年度までとなっている第2次柏市教育振興計画について、令和6年度から2か年をかけて、次期計画の策定を行います。

 令和6年度は計画策定のためアンケート調査を実施し、課題把握を進めます。現在策定中の新総合計画との整合性を図り、また、より良い教育環境を実現するための柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針をベースとして、課題解決に向けた具体的な事業活動を示す計画となるよう、策定作業を進めてまいります。

 

 次に、柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針の策定についてです。

 今後見込まれる児童生徒数の変化や今日的な教育課題を踏まえ、「より良い教育環境の確保」と「教育の質の向上」を図ることを目的として、将来的な新しい学校のあり方を示した「柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針」の策定に取り組んでおります。

 多面的に検討を進めるにあたり、令和5年10月には学識経験者や学校長、PTA関係者、学校運営協議会関係者、公募市民等を構成員とした「柏市教育政策審議会」を設置し、教育現場が直面する課題及びこの先の学校のあり方について幅広く審議を重ねていただいているところであり、令和6年度末に答申をいただく予定です。

 

 続きまして、令和6年度の教育委員会の主要な施策についてご説明いたします。

 

 まず、柏中学校区義務教育学校の設置についてです。

 柏市では、これからの時代に求められる質の高い教育を実現すべく、義務教育9年間を見通した一貫した学びと指導により、小学校と中学校のギャップの緩和を始めとした様々な教育上の効果が期待できる「小中一貫教育」の実現を進めてまいります。

 現在の柏中学校敷地内に柏第一小学校、旭東小学校を移転し、小中一貫教育を行う義務教育学校の設置に向け、保護者や地域住民を対象とした説明会を開催してまいりますが、今後は地域住民等による協議体の設置も検討し、多様なご意見を参考としながら、より良い学校づくりに努めてまいります。また、令和6年度からは、新たに市内の協力校8校を中心に、小中一貫教育の実現に向けた学校間の連携の在り方等について、さらなる実践や検討を深めてまいります。

 

 次に、体育館空調設備整備事業についてです。

 近年の温暖化に伴い、授業や部活動中の熱中症対策及び避難所の機能強化の観点から、中学校21校及び小学校41校の体育館に空調設備を整備いたします。

 令和6年度は、中学校については別途工事計画のある1校を除く20校における工事、小学校については41校分の工事設計に着手してまいります。

 

 次に、公立中学校標準制服導入推進事業についてです。

 SDGsや多様性への配慮、寒暖対応や衛生面等の機能性の向上、制服リユースのしやすさに伴う家庭負担の軽減等を目的として、令和7年度より、柏市立中学校の学生服において、既存制服に追加する新たな選択肢として、ブレザータイプの「柏市標準制服」を導入し、各校で採用を検討できるようにいたします。

 また、教育委員会では、校長会と協同で学校現場を支援し、令和6年5月以降を目途に、生徒モニター制度を実施してまいります。これは、希望する生徒500人にサンプル品となる「プレ標準制服」を無償で配布し、「制服の見直し」への生徒や保護者の直接参画や、多様性で悩む生徒への早期対応を目的としております。

 

 次に、GIGAスクール構想によるICT利活用の推進についてです。

 1人1台端末及びネットワーク等の整備を行い、令和3年度から学習活動の一層の充実や「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を目指すGIGAスクールを開始し、ICTの活用を段階的に進めてまいりました。

 令和5年度は「教科での学びを深める」ことを目標とし、学習の基盤となる情報活用能力の育成に焦点を当てて取り組み、令和6年度からは、その身に付けた情報活用能力を発揮しつつ、教科横断的な視点を持った探究的な学びの実現を目標に、新たに取り組んでまいります。

 引き続き、学校へのサポートとして各学校に常駐するIT教育支援アドバイザーを適切に配置するとともに、デジタル教材等のさらなる活用を進めてまいります。

 また、ICTの環境整備等を所管するICT推進室の機能を指導課に集約し、ICTを活用した学習指導等に係る指導・助言の充実、及び環境整備との一体的推進を図るほか、令和7年度に予定しているGIGAスクール端末の更新に向けた準備を行ってまいります。

 

 次に、SNS相談業務委託についてです。

 各学校では、児童生徒に不安や悩みがあった際に相談できる様々な窓口を周知しており、中でもいじめや友人トラブルについて、柏市では、第三者に匿名で報告・相談できるアプリケーションとして、『STANDBY』を提供しております。

 相談件数は令和3年度までは130件前後、令和4年度はおよそ400件の相談、チャットのやりとりは2,000件を超え、大幅に増加している状況となっております。

 相談内容は、いじめ、部活動、ネットトラブル、教員の指導、家庭生活、学習、学校生活、友人関係、身体的な悩みなど、現在はいじめ以外にも多岐にわたる相談内容があり、より専門的知見を踏まえた対応が求められる状況となりました。

 これらの現状を踏まえ、令和6年度より、『STANDBY』SNS相談業務を対応能力の強化を図るため、事業委託します。

 委託により、現状のニーズに合わせ、幅広い相談内容への専門的知見による対応と、対象児童生徒の拡大を図り、児童生徒の不安や悩みの早期発見、早期対応に努めてまいります。

 次に、不登校等児童生徒への支援の充実についてです。

 不登校児童生徒への多角的な支援と、教育機会の確保を実現するため、教育相談体制の充実を図ってまいります。

 学校においては、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーの配置を引き続き行ってまいります。不登校支援のみならず、児童虐待、ヤングケアラー、貧困等の環境に起因する児童の権利侵害に対しても、福祉部門と連携しながらその支援の中核として機能させてまいります。

 市内各中学校においては、校内教育支援センターへ個別支援教員を配置し、いわゆる「別室登校」をしている児童生徒に対する教育機会の確保に努め、学校内における教室以外の「居場所づくり」に努めてまいります。

 学校外においては、教育支援センターを設置し、不登校児童生徒への学習支援の他、心の拠り所としての「居場所づくり」に注力してまいります。

 

 次に、特別支援教育の推進についてです。

 特別支援学級在籍児童生徒数は増加の一途をたどり、「自立」と「社会参加」へ向けた支援が求められています。学校では、特別支援学級を中心に、特別な支援を要する児童生徒の学習及び生活について、担任の補助的な業務を行う教育支援員の配置数を拡充し、今後もきめ細やかな支援を行ってまいります。

 また、小中学校における医療的ケア体制整備の充実に向けて、児童生徒の状況に応じた、医療的ケア看護師の配置や訪問看護ステーションとの委託契約を進めてまいります。

 

 次に、就学援助制度の拡充についてです。

 本市では、これまでにも、クラブ活動等費の新設や、PTA会費の支給上限額の撤廃等、制度の充実を図り、また令和4年度から導入した電子申請により、申請者の利便性の向上を図ってまいりました。

 令和6年度には、ひとり親世帯や昨年の収入が基準額を下回る世帯のみならず、市外にお住いのかたを含め、世帯のかたの失業や傷病といった特別な事情を有する世帯まで、電子申請の範囲を拡大し、更なる申請の利便性の向上と学校事務員の負担軽減を図ってまいります。

 

 次に、校舎等老朽化対策事業及び学校施設整備計画の改定についてです。

 柏市立学校施設個別施設計画に基づき、施設の老朽化対策を進めているところです。

 校舎の長寿命化改良事業につきましては、令和5年度に引き続き高田小学校の設計を実施してまいります。また、現在施工中の西原小学校に加え、令和6年度から柏第四中学校の工事に着手いたします。

 また、屋内運動場の長寿命化改良事業として、設計及び工事それぞれ2校ずつ実施してまいります。

 校舎の大規模改修事業については、土南部小学校と富勢中学校の設計に着手し、工事については、柏第四小学校と柏第五中学校において実施してまいります。

 なお、柏市立学校施設個別施設計画につきましては、平成31年3月の策定から5年近くが経過し、また、第一期の最終年度である令和7年度を目前としていることも踏まえ、令和6年度から「柏市未来につなぐ魅力ある学校づくり基本方針」と並行して計画の見直し業務を実施し、同方針をベースに策定してまいります。

 

 次に、学校給食施設の改修及び更新についてです。

 義務教育期における食育は、心身の成長や人格の形成に大きな影響を及ぼすものであることから、栄養バランスの取れた安全・安心な給食を安定的に提供することは大変重要です。このため、今年3月に改訂する「柏市学校給食将来構想」及び同3月に策定する「柏市学校給食施設整備計画」に基づき、老朽化した学校給食センターの移転整備を進めるとともに、各学校の調理場の改修や再整備を計画的に進めてまいります。また、同じく3月に策定する「柏市学校における食育方針」に基づき、学校給食を効果的に活用しながら様々な学校活動と連動させて「食べる力」「豊かな心」「郷土愛」を育んでまいります。

 一方で、学校給食費については、物価高騰の中でも、子どもたちの成長に必要な栄養価を確保するとともに、食育を推進する上で欠かすことのできない多様な献立を提供していくため、やむを得ず、平成21年度以降据え置いてきた価格を改定いたしますが、現下の厳しい経済状況を鑑み、保護者の皆様の経済的負担の軽減として、公費負担による支援を昨年度に引き続き実施してまいります。

 

 次に、学校給食費の公会計化についてです。

 学校給食費の徴収・管理に係る教職員の負担を軽減するとともに、保護者の利便性の向上を図るため、令和7年度の導入を目指し、学校給食費の公会計化に向けた準備を進めてまいります。

 

 次に、教職員研修の充実についてです。

 柏市では柏市人材育成指針・指標及び研修評価を見直しました。この改訂をもとに、教職員の実態や課題に応じた、教員一人一人が資質能力を着実に高めていくことを目指して、体系的かつ効果的・効率的な教員研修の実施に向けて取り組みます。

 令和6年度においては、教員等の経験年数や職位等のキャリアステージに応じた研修をはじめ、ICT活用や危機管理等の今日的な教育課題に対応した研修を実施するなどの工夫改善を図るとともに、各学校の「ありたい姿」を明確にし、教育課題を解決するために必要なマネジメント力の育成を目指して、より実効性のある研修を実施してまいります。

 

次に、部活動地域移行についてです。

 柏市は、全国に先駆け、令和5年9月から柏市立全中学校を対象に地域移行を開始いたしました。

 大きな目的は、教員の時間外勤務の削減と子どもたちの継続的な活動環境の確保の2点ですが、超過勤務の改善や、活動に対する満足度調査において、一定の成果が現れております。

 次年度は、音楽室の使用が可能となるよう校舎内セキュリティーを整備するなど準備を進め、吹奏楽部、陸上競技部についても地域移行を開始いたします。

 これにより、休日に活動のあった部活動すべての地域移行が完了となります。

 中核市において、全市を対象に地域移行が推進されている事例がないため、多くの自治体に御視察いただいておりますが、次年度以降、各地で地域移行が進んでいくものと想定しております。

 今後、部活動にはない新たな種目のクラブも創設に向けて準備が進んでおり、子どもたちの選択肢がより一層増加することが期待されます。

 また、経済的理由により、活動に参加できないということが起こらぬよう困窮世帯への参加費支援についても併せて準備しております。

 事業を開始したことで明らかになった課題もございますので、内容を整理し、地域に根付いたより良い活動環境が提供されるよう継続して改革に取り組んでまいります。

 

 次に、子ども・子育て支援複合施設「TeToTe」についてです。

 市長の施政方針にもありましたとおり、市では、乳幼児から中高生世代の若者まで全ての世代の子どもたちと妊娠・子育て家庭が利用できる総合的な施設の整備を進めており、この中で教育委員会では、子どもたちが安全・安心に自由に過ごせる居場所として「こども図書スペース」と「中高生世代の居場所」の事業を予定しております。

 令和6年度は施設の改修を行い、年内の開所を目指して必要な準備を進めてまいります。

 

 次に、放課後子ども教室推進事業についてです。

 放課後子ども教室推進事業は、現在の補充学習支援を目的としたステップアップ学習会を含めて、子どもがより自分らしく過ごせる居場所型事業に移行してまいります。

 家庭、学校に次ぐ第三の環境として、放課後の安全・安心な居場所の提供について、こどもルームの整備計画とも整合を図りながら、進めてまいります。

 

 次に、身近な芸術文化体験の充実についてです。

 芸術文化事業については、第五次柏市芸術文化振興計画に基づき、「誰もが芸術文化に触れることのできる機会づくり」を目指し事業を展開しています。

 コロナ禍において開始した事業であるアウトリーチコンサートについては、市内地域の様々な場所を活用し、音楽を身近に感じていただけるような取り組みを引き続き進めてまいります。

 様々なジャンルの音楽に触れ、より多くの皆様に楽しんでいただきながら「音楽の街かしわ」の魅力を創造してまいります。

 また、アート関連事業につきましては、市制施行70周年に向けた市所蔵美術品の企画展示を行ってまいります。

 

 次に、文化財の保存と活用についてです。

 柏の先人たちが築いてきた貴重な文化財を次の世代につないでいけるよう、

今年度、文化庁から認定をうけた柏市文化財保存活用地域計画に基づき事業を展開してまいります。

 保存につきましては、市所有の文化財である旧吉田家住宅の茅葺屋根の葺き替え工事や旧根戸分署の防水工事を行い、文化財を適切に維持管理してまいります。

 また、推進体制として多様な主体で構成される計画推進協議会を立ち上げたところであり、関係団体・市民との協働による連携事業の推進、新規文化財活用事業の検討を行ってまいります。

 

 次に、図書館柏の葉サービスカウンターの設置についてです。

 柏の葉地域の住民の利用が想定される田中分館では、貸出冊数と登録者の増加が続いており、柏の葉キャンパス駅周辺への図書館機能整備の要望も多く寄せられております。

 このため、ららぽーと柏の葉本館4階に、インターネット等で予約した本の受け取りや返却ができるサービスカウンターを設置し、利便性の向上を図ってまいります。なお、開設時期は、令和6年10月ごろを予定しております。

 

 以上、令和6年度の重点的な取組を中心に概要を申し上げてまいりました。

 市民の皆様が自主的な活動を通して、生涯にわたり健康で生きがいに満ちた生活を送ることができるよう、また、新しい時代を担う子どもたちが生き生きと学び、創造力豊かに夢と希望を持って個性や能力を伸ばすことができるよう、今後とも全力で教育行政の推進に取り組む所存でございます。

 議員各位の今後の一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げまして、教育行政方針とさせていただきます。

 

関連ファイル

柏市議会令和6年第1回定例会教育行政方針(PDF:323KB)

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