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更新日令和3(2021)年2月26日

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市議会令和3年第1回定例会における教育行政方針

令和3年2月26日(金曜日)に開会した「市議会令和3年第1回定例会(2月議会)」において、次のとおり令和3年度に予定している教育委員会の主要な取り組みの概要について報告いたしました。

市議会令和3年第1回定例会教育行政方針

はじめに,新型コロナウイルス感染症に関し,感染対策の最前線において全力を尽くされている医療機関等とその従事者の皆様に,心より敬意と感謝を申し上げますとともに,小中高等学校の臨時休校や図書館等の社会教育施設の利用制限等に対する市民の皆様のご理解,ご協力に関し,この場をお借りして,お礼を申し上げます。

市議会令和3年第1回定例会の開会に当たり,教育行政の主要な取組の概要についてご説明申し上げ,議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

先ほど,市長の施政方針にもありましたが,令和3年度は柏市第五次総合計画後期基本計画の開始年度となり,その部門計画である,第2次柏市教育振興計画,第4次柏市生涯学習推進計画,第五次柏市芸術文化振興計画の開始年度でもあります。

柏市第五次総合計画後期基本計画で掲げる分野別方針に基づき,各部門計画による取組を着実に実施することで,柏市の教育行政の充実を進めてまいります。

まず,各部門計画の概要をご説明いたします。

第2次柏市教育振興計画は,「未来につなぐ柏の教育」を基本方針として,生涯にわたり学び続ける基礎を培うための学ぶ意欲の育成,多様性を尊重する意識の醸成に向けて取り組みます。その基盤として,教職員の力量・学校の組織力を高め,地域・家庭とともにある学校に向けた取組を進めてまいります。

第4次柏市生涯学習推進計画は,目指す生涯学習像を「笑顔と元気が輪となり広がるまち柏~学びを通じた地域活性化~」と定めました。その実現に向け,「子どもたちが健やかに成長するように」「コミュニティの中に人と人のつながりが増えるように」「すべての人が学べる環境に包まれるように」の3つを基本方針とし,楽しさをベースにした学びなどの「きっかけづくり」から始め,「他者とのつながり」,「学びの発展・循環」へと段階的な支援による取組を進めてまいります。

第五次柏市芸術文化振興計画では,目指す姿を「市民誰もが芸術文化に触れることができ,親しみ,楽しむことができる環境の充実を図り,芸術文化の取組を通じて地域を活性化し,特色ある文化活動が市内外に認知され,市民がまちへ,一層の誇りと愛着を持つ」と位置付けました。本計画の特徴としては,芸術文化(アート)を,コンサートホールで鑑賞したり美術館に行って鑑賞するものという価値観にとらわれない,身近な日常にあるアートに気付きを促し,アートを身近に感じてもらうための事業を進めてまいります。

続きまして,令和3年度の教育委員会の主要な施策についてご説明いたします。

まず,GIGAスクール構想の実現についてです。

市長の施政方針にもありましたとおり,GIGAスクール構想に基づくICT環境の整備を進めており,柏市がこれまで培ってきた教育実践の蓄積とICTを組み合わせ,学習活動の一層の充実や「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を目指します。

柏市では,1人1台の端末の活用について,文部科学省が示しているStep1~Step3に加え,独自にStep0を設定し,段階的に経験を重ね,ICT活用を習慣化する中で,学習の基盤となる情報活用能力を育成していきます。また,教職員のICT活用指導力の向上のため,実技研修やICT支援員による支援を充実してまいります。

次に,水泳授業の民間委託についてです。

児童生徒への専門的な指導,プール施設の維持管理費削減,教職員の負担軽減等の効果が期待されるため,水泳授業の民間委託についての検証を令和2年度より開始する予定でしたが,新型コロナウイルスの感染拡大により,中止となりました。令和3年度から改めて2年計画で,3校をモデル校として民間委託を実施し,その効果を検証してまいります。

次に,市立高校教育の推進についてです。

令和4年度からの柏市立柏高等学校の新しい教育計画を策定するに当たり,どのような生徒を今後育てていきたいか,市民から望まれる市立高校はどのような高校であるべきか,令和2年度は協議を重ねてまいりました。令和3年度は,検討中であるさまざまな施策や取組について整理し,教育課程の編成も含めて教育計画の骨子をまとめていきます。

現時点での教育計画の骨子案としては,特に,キャリア教育の推進に力を注ぎ,市が設置する唯一の高校として,地域の将来を支える力を持った生徒を地域とともに育成していくことを目指す内容としております。

新しい教育計画に基づく活動を通して,選ばれる学校となるよう努力してまいります。

次に,スクールソーシャルワーカーの配置についてです。

引き続き,全中学校区への配置へ向けた取組を進めます。コロナ禍において,児童生徒だけではなく,保護者や家庭環境に対する支援が必要であり,これまで以上にアウトリーチが大切であると改めて認識しております。また,学校だけではなく,関係機関との連携した支援が欠かせないことから,連携体制の強化に取り組んでまいります。併せて,スーパーバイザーによる研修を引き続き行い,スクールソーシャルワーカーの資質向上に努めてまいります。

次に,低学年支援教員の配置についてです。

小学校において,学校での生活を落ち着いて過ごし,学ぶ意欲の向上を図っていくためには,低学年の段階から授業や生活の中で児童の実態に応じたきめ細かな指導を行っていくことが必要です。

そこで,令和3年度から新たに,1学級当たりの児童数の多い学校等に低学年支援教員を配置し,個に応じた指導や少人数指導を推進し,きめ細かな教育を推進してまいります。

次に,夜間中学の調査研究についてです。

柏市における夜間中学へのニーズや設置により見込まれる効果等を検討するため,夜間中学の対象となっている方々やこれらの方々を日頃支援されている関係者等を対象に調査を実施し,夜間中学を必要とする理由や必要とされている方の数,これらの方々が抱える課題の把握を進めていきます。

次に,医療的ケアの体制整備についてです。

現在柏市内の小中学校では,日常的に医療的ケアを必要とする児童生徒に適切な支援を行うため,看護師を配置しているところです。

令和3年度は,医療的ケア体制のさらなる充実を図るため,新たに医療的ケアコーディネーターの配置及び医療的ケア指導医の学校への派遣を開始します。

看護師資格を有する医療的ケアコーディネーターを児童生徒課に配置し,医療的ケアの実施に当たっての就学相談への対応,各種専門機関との連絡調整,看護師の研修の計画等,専門的知見を要する業務を幅広く担当し,学校現場及び支援に当たる看護師を全面的にサポートします。

また,医療的ケア看護師を配置している小中学校には,医療的ケア指導医を派遣することで看護師及び学校職員に対して直接指導助言を行うことを可能とし,より安全・安心な医療的ケアの実現を図ってまいります。

次に,学校施設の整備についてです。

市長の施政方針にもありましたとおり,令和3年度から新設小学校の建設工事に着手してまいります。この施設の設計は,ワークショップを通じて地域住民や学校PTAなどの意見を取り入れたものとしております。

また,当該新設小学校の通学区域につきましては,昨年7月に,田中北小学校の移転新築とすること及びそれに伴う通学区域の再編案を柏市通学区域等審議会に諮問し,これまで3回にわたり協議を重ね,次回3月18日開催の同審議会において答申をいただく予定でございます。その内容を踏まえ,最終的な学区を決定するとともに,学区の再編に伴い生じる課題,例えば,通学路の安全対策や通学距離が延伸することについての対応などについて,引き続き検討を行ってまいります。

なお,学区が決定した後には,当該校の関係者はもちろんのこと,周辺の学校や地域の方々にも広く確実に情報が行き届くよう,広報かしわや市のホームページ,町内回覧などさまざまな媒体を活用して,周知に努めてまいります。

また,教室不足への対応については,令和4年4月の供用開始に向けて現在増築工事等を進めている田中小学校,柏の葉小学校及び柏第三小学校に加え,令和7年の供用開始を目指し,田中中学校の校舎増築を進めてまいります。

田中中学校については,今後,長期的に大規模校化が見込まれることから,生徒の良好な教育環境の維持を考慮した施設となるよう,来年度からの設計業務に取り組んでまいります。

このほか,学校施設の老朽化対策として,柏市立学校施設個別施設計画に則し,中長期的な維持管理コストの縮減等に努めながら,長寿命化改良及び大規模改修事業を進めてまいります。

令和3年度は,田中小学校に続き,小学校1校の校舎長寿命化改良工事の設計に着手いたします。モデル校である土小学校の工事が令和2年度をもって完了見込みですので,その知見を生かしつつ,各校における実情や教育方針を踏まえた設計を進めてまいります。

また,屋内運動場の長寿命化改良事業については名戸ケ谷小学校及び土中学校の工事を実施し,校舎の大規模改修は小学校1校の工事設計を実施いたします。

次に,学校給食施設の再整備についてです。

市長の施政方針にもありましたとおり,安全な給食提供を第一に考えた基本方針として,柏市学校給食将来構想を今年度中に策定してまいります。この策定に当たっては,教育委員会と市長部局とで庁内検討委員会を設置し,検討を重ねているところであり,今後は,自校方式から順次センター方式に移行することを基本とし,給食提供を止めることなく,学校給食衛生管理基準への適合を図ってまいります。まずは,老朽化が著しい沼南地域の給食センターについて,食育の推進に配慮した栄養士の配置や多様な献立が提供できる設備・機器の導入など,自校方式のメリットを最大限取り入れた施設を整備し,その効果を検証しながら,柏地域の給食施設の再整備を進めてまいります。

次に,校庭遊具の維持管理についてです。

令和元年度に実施した遊具点検結果を受け,令和2年度は約150基のうち約100基について修繕,撤去又は更新を実施しました。

令和3年度は,残り約50基について修繕,撤去又は更新を予定しております。今後も,遊具点検を継続し,児童生徒の安全確保に努めてまいります。

次に,教職員の働き方改革についてです。

柏市では,教職員が子どもたちと向き合う時間を確保するため,働き方改革を進めておりますが,その中でも教員の部活動に関する業務負担の軽減が喫緊の課題となっています。

一方,部活動は子どもたちの健全な成長に大きく寄与しているため,練習時間の短時間化と併せて,今後の部活動の在り方を検討していく必要があると考えております。そこで,教員の負担軽減や専門的指導充実のため,試合等の引率も可能となる部活動指導員を2名配置いたします。また,地域部活動の検証事業をモデル校1校にて実施し,令和5年度より週休日や祝日の部活動を地域に移行することを目標に検証を進めてまいります。

次に,地域とともにある学校づくりの推進についてです。

令和元年度より導入を進めております学校運営協議会制度につきましては,令和2年度末までに市内の小中学校20校,10区域において学校運営協議会を設置し,コミュニティ・スクールとしてスタートしております。

この学校運営協議会では,地域と学校が互いに顔の見える関係を構築し,目指す子ども像を共有しながら,その実現のために繰り返し話合いを行うことを大切にしております。

令和3年度は,この制度がスタートして3年目を迎えます。各地域,各学校の特色を生かしながら,学習支援や防災教育,キャリア教育など,幅広い活動が地域と学校の協働により実施されるよう,教育委員会としても引き続き支援してまいります。

続いて,放課後子ども教室の推進についてです。

放課後子ども教室ステップアップ学習会では,放課後の子どもの安全で健やかな活動場所の一つとして,学習意欲の向上と学習習慣の定着を目指し,引き続き,補充学習支援を行ってまいります。

また,令和3年度は,地域や学校と連携した居場所の拡充に向けて,モデル事業の準備を進めていく予定です。

次に,教育福祉会館の運用についてです。

平成31年4月に始まりました教育福祉会館耐震補強及び大規模改修工事が無事に終わり,令和3年1月18日に中央公民館の貸館を再開することができました。ご理解,ご協力をいただきました利用団体等,市民の皆様には改めてお礼申し上げます。

リニューアル後の教育福祉会館におきましては,「誰もが集える みんながつながる 地域へ広がる」というコンセプトを掲げ,地域共生社会の実現を目指すため,教育と福祉が連携して,市民による自立的な地域活動を推進できる施設としての運用を行ってまいります。

続いて,文化芸術振興についてです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により,延期しておりました「髙島野十郎展」を,令和3年7月25日から8月8日までの15日間,柏市民ギャラリーで開催いたします。この展覧会は,全国5か所の巡回展の会場の一つとして実施します。代表作である「蝋燭(ろうそく)」や「月」はもちろんのこと,柏の風景や柏市が所蔵する作品を含めた約70点の作品を展示いたします。

柏は,野十郎がアトリエを構えるために移住し,晩年を過ごしたゆかりの地ということもあり,その存在を知らない方や若い世代に周知することを目的に,柏独自に解説動画を制作し,画家の紹介や展覧会の見どころなどホームページやSNSにて随時配信を予定しております。

次に,柏市史料デジタルアーカイブのWeb公開についてです。

柏市は古文書や古写真等の歴史的資料を数多く所有し,約15万点と県内屈指の点数がございます。これら資料を市民や地域,事業者等がいつでもどこでも自由に閲覧・利用できるよう,令和2年度末から順次インターネットでの公開を開始いたします。

これはキーワードや地域・時代等を利用者自らが自由に設定する事で,該当する資料を検索・表示できる,いわゆるデジタルアーカイブシステムと呼ばれるものです。

このシステムに搭載する資料データは今後随時整備・拡充しつつ,単なる検索エンジンにとどまらないよう,令和3年度からは柏市の郷土史ポータルサイトを立ち上げる予定です。この中に郷土史関連の特集ページや市民参加型のコーナー等,歴史系コンテンツを盛り込んでいくことで,市民もおのずとこのアーカイブシステムに触れ,本市が持つ貴重かつ多様な資料・地域資源にも興味や関心を持っていただくきっかけとしてまいります。

最後に,図書館についてです。

分館の地域情報拠点化を推進するため,地域の資料や情報のアーカイブ事業,交流型講演会事業を行っていくとともに,次期子ども読書活動推進計画の検討などについて,市民とともに取り組んでまいります。

以上,令和3年度の重点的な取組を中心に概要を申し上げてまいりました。

市民の皆様が自主的な活動を通して,生涯にわたり健康で生きがいに満ちた生活を送ることができるよう,また,新しい時代を担う子どもたちが生きる力を身に付け,将来にわたり夢を持ち,健やかに成長できるよう,職員とともに全力で教育行政の推進に取り組む所存でございます。

議員各位の今後の一層のご指導,ご鞭撻をお願い申し上げまして,教育行政方針とさせていただきます。

関連ファイル

柏市議会令和3年第1回定例会教育行政方針(PDF:307KB)

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