更新日令和5(2023)年11月29日

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令和5年度第2回柏市保健衛生審議会健康増進部会会議録

1開催日時

令和5年10月12日(木曜日)午後13時30分から午後15時00分

2開催方法

対面とウェブ形式との併用による開催

3開催場所

ウェルネス柏4階大会議室

4出席者

委員

橋本英樹会長※,加藤理津子委員※,近野正志委員,齊藤泉委員,橘房子委員,平野江利香委員,星野啓一委員,細井毅委員

関係部署

健康医療部理事(沖本由季),健康政策課長(大西佑作),高齢者支援課長(宮本さなえ)※,地域包括支援課専門監(宮島貴代子),地域保健課専門監(野口綾子),総務企画課長(稲荷田修一),福祉政策課長(虻川純子)※,農政課長(中村亮),農政課主幹(深町央),農政課主任(山岡尚美),学校教育課長(伊藤正則)

事務局

健康増進課長(浅野美穂子)、健康増進課職員

※ウェブ形式による参加

5議事内容

  1. 柏市健康増進計画策定に向けた市民の健康状態の評価について
  2. 柏市健康増進計画と柏市食育推進計画の一体的策定について

6資料

  1. 次第(PDF:51KB)
  2. 【資料1】柏市健康増進計画策定に向けた市民の健康状態の評価について(PDF:1,668KB)
  3. 【資料2】柏市健康増進計画と柏市食育推進計画の一体的な策定について(PDF:630KB)
  4. 【資料3】事前意見まとめ(PDF:312KB)

7議事(要旨)

議題(1)柏市健康増進計画策定に向けた市民の健康状態の評価について

事務局から資料1「柏市健康増進計画策定に向けた市民の健康状態の評価について」,資料3「事前意見まとめ」の説明

(橘委員)

・健康に関する取組みは高齢者向けが多く気になっており,前回の部会で意見させていただいた。今回は子供の調査を入れていただき,意見が反映されて嬉しく思う。

・母と子のつどいでアンケートを取ったことがあるが,項目数が多いと回答すること自体に負担がかかり,大変な様子が見られた。「調査の方向性」について,設問数が5問から10問程度であれば,親の負担も少なく良いと思う。

(近野委員)

・若い世代は組織的なものがあり運動できる機会があるが,高齢者や壮年層の生涯スポーツはなかなか溶け込みにくい状況がある。地域一体の活動となれば取り組みやすくなるのではないか。

(星野委員)

・地域ごとの格差を示すことは興味深く,地域ごとに何が問題になっているのか分析できるとよい。

・大学生等,電子媒体に慣れた層にはQRコードを利用したアンケートにする等,電子化するのが良いのではないか。

・乳児期の母への調査は,意識の低い人の意見もしっかりと把握していくためにも,抽選で割引券当たるなどインセンティブをつければ回答率があがり,必要な声をとれるのではないか。

・高齢者については,特定健診等の問診項目がかなり細かいので,そのデータを生かせれば地域別などの分析ができるのではないか。

(平野委員)

・アンケートについて,設問数も妥当であると思う。

・大学生の回答率をあげる工夫がもう少し具体的にあった方がよかった。

・特定健診での問診項目は,現時点でも活用ができるかと思う。

(細井委員)

・調査の内容や方向性が多岐にわたっており良いと思う。

・歯科の立場から,食生活や口腔の健康の結果に注目したい。

・若い世代の回答率をあげるための検討が必要だと思う。

(齋藤委員)

・調査の設問数について,数を少なくすることで本当に知らなければいけない内容が聞けなくならないよう注意し,分析ができるように,設問数の目安に固執しすぎずに,必要な項目を入れられると良いと思う。

(加藤委員)

・ライフコースの観点からも幅広く対象とした調査が必要なので,とても良い提案になっている。

・乳幼児から思春期の食生活については保護者の影響が大きい。しっかりアセスメントし,バイアス含め分析が必要である。

(橋本会長)

・前回の議論踏まえ,データを取り,実態を明らかにした上で計画を立てましょうという基本方針に立っていることは評価できる。

・従来は高齢者に偏っていたが,市民を構成する様々なライフステージを対象とし,視野を広げていく上では効果がある。

・一方で,調査をどう組み立てるのかに関しては,何の項目を誰にどのように聞くのか,どのような分析をするのか,そのためにどのような準備をしたらよいのか,まだまだ準備が必要である。

・第一にやるべきことは,この調査で何の情報を取るかを定めることである。

・まず,現時点でどのような情報があるかを整理する必要がある。例えば,小中学校であれば,生活習慣について聞いている学校健診の情報がある。これを使うことで,生活習慣の分析は可能である。学校健診だけでは出来ない分析について,どのような追加情報が必要かということを議論する必要がある。

・過去の調査から見ると,例えば,子どもの野菜摂取量は,母親の野菜摂取量と相関があることや,家庭の所得により果物の摂取量に差があるということ,両親の就労状況によりスクリーンタイムに違いが出てくることが柏市の調査でもすでに明らかになっている。つまり子ども(小中学生)の生活習慣は家庭環境が大きく影響してくるため,保護者の情報が重要となる。

・足立区は公立小中学校の保護者に調査を行い,所得から学歴まで全数調査をした。その結果,子どものレジリエンスとセルフエフィカシー(自己効力感)に相関関係を見い出した。

・例えば高齢者に関しても,「歩けるような社会参加できる環境」というのが出てきたが,社会情報が影響してくるため地理情報を結び付けた情報が必要,住所地の町丁まで等,ある程度の地理情報と結びつけることが必要である。

・方向性は良いが実効性のあるものにするには,十分な準備が必要であり,事務局には学術機関のアドバイスを受けた方がよいと伝えている。現在,千葉大学にお願いしてはどうかと議論を進めていただいているところである。

(加藤委員)

・子どものバックグラウンドは親の収入や健康への考え方などが大きく影響するため,子どもと生活を共にする家庭の結果をうまくリンクし分析することが必要である。

(橋本会長)

・設問数については,つまらない5問より,回答しておもしろい20問の方が回答率は良い。

・調査の結果を,市として市民にどのようにお返しするのかを示して協力をお願いすることが前提となる。

(星野委員)

・柏市は地域差があると実感している。今回示された調査の結果は全国に出せるデータになるのではないか。

・市民も市に伝えたい意見がある。パブコメのような形で高校生に意見をあげてもらうであるとか,LINEなどSNSで意識の高い子どもたちの意見を求める等の方法もあるのではないか。

(橋本会長)

・QRコードやSNSをうまく活用すれば安価に,かつ様々な情報をとれるが,一方でSNSでは取れない情報もある。様々な世代の方に様々な方法で,情報を取らせていただくために,どのような手法を組み合わせることで費用対効果良く必要な情報を手に入れるか。その辺も専門の先生方の意見をいただきながら進められるとよい。

・市役所内のそれぞれの部署が持っているデータとうまくリンクすれば,お互い良い情報が得られそうだというご示唆があれば示してもらいたい。

(高齢者支援課)

・高齢者支援課では,今年度高齢者の計画策定を予定し,昨年度調査を実施した。3年ごとに計画・調査を行っている。高齢者の計画で使用したJAGES調査等をうまく健康増進計画にも活用していくような連携はできている。

・健康に関して,女性の視点は,全世代通して必要になってくる。

・精神衛生は女性の高齢期にとっては大きい問題であり,その辺も考慮してもらえればと期待している。

(橋本会長)

・女性の視点は重要であり,女性特有の病気や問題がある。

・女性は男性よりもライフステージの影響を受けやすい。

・例えば,喫煙率については,男性は自身の学歴と相関するが,女性は配偶者等パートナーの影響を受ける。女性は配偶者や子どもと関連して生活面や社会環境の影響を受け,格差の要因が男性と異なるため,本人のみに働きかけるのではなく,夫婦や家族単位,地域単位でどう働きかけができるかも重要である。

(福祉政策課)

・福祉政策課では,地域健康福祉計画と自殺対策計画を策定している。健康増進計画と同じタイミングでの策定であり,データはお互い共有出来ると良い。

・今後市民アンケートも実施する予定である。地域づくりという側面から,福祉・健康について聞いていくが,中高校生がどう考えているのか,若者の視点も調査したいと考えている。

・自殺に関しては,柏市の傾向が見えつつある。からだだけでなく心の健康が自殺予防に関わってくる。今後,健康増進課のデータも参考にしていきたい。

(橋本会長)

・現場のニーズが複雑になっているため,縦割りではやっていけない。

・総合行政である市のレベルで考えていただけると素晴らしいものができるのではないか。

議題(2)柏市健康増進計画と柏市食育推進計画の一体的策定について

農政課から資料2「柏市健康増進計画と柏市食育推進計画の一体的な策定について」の説明

(橘委員)

・柏市民健康づくり推進員連絡協議会では,食育,健康づくり,子育ての3部門ごとに活動している。食育について,一番重要だが難しいと感じている。以前,朝食レシピを地域のエリアごとに配った時期があった。あるセレクトショップにレシピを置いた時,参考になったという声を多くいただいた。地域から食に関しての取組が広がっていけば,私たちの活動が波に乗れていけるのではないかと思える出来事であった。

(平野委員)

・食は,生活習慣病予防に直接的に関係してくる。患者に栄養指導等を行うこともあるが,実際は時間的余裕もないこと,また栄養士ではないことから患者の興味を引くような指導が難しい。食育についての計画を市民にも広げると,市民の健康増進に対し具体的な取り組みになるのではないか。

(細井委員)

・歯科の立場から申し上げると,食育,食生活に対しては口腔機能の維持が前提となる。

・食育については,歯科医師会としても市民への啓発やイベント等を計画している。

・食育推進計画と健康増進計画を一体的に動かしていくために,どのようにリンクさせていくのか,どのように進捗管理していくのか整理が必要ではないか。

(事務局)

・事前に吉田委員から,一体的策定について,健康における重要な問題が「食事」である,食育の推進と共に,大きな括りで健康へのアプローチをすることは良い方向であるとの御意見を頂いている。

(加藤委員)

・食育のさす「食生活」は生活習慣病や,予防する食事の他,食文化も係る等とても幅広い。

・健康増進計画と一部リンクしているが,完全な一体化は難しいと考える。

・健康増進計画のアプローチとして,食育をどう進めていくか,目標を達成するためにどうリンクさせていくか,相乗効果をどう狙っていくか,内容をつめていく必要がある。

(橋本会長)

・制度的に,食育基本法と健康日本21をどのように組み合わせるのか,戦略的な議論が必要である。

・中央官庁の方針にただ従うのではなく,住民の生活を全て抱える総合行政としての市において,食育と食生活を通じた健康増進をどう戦略的に結びつけていくか,市として「食」をどう位置付けるかということを明確に示せると良い。

(星野委員)

・「農業をやっている高齢者は元気である」ということがデータで証明されている。市内では,運動や農業を結び付けたり,子どもへの教育として農業体験を行っている。市内でこうしたことができるということも柏市の特徴の一つである。

・放射能も柏市の問題である。地産地消に抵抗のある人もまだいる可能性がある。

(橋本会長)

・農業体験は,食育のように見えて,まちづくりや市民の交流の場にもつながっていると捉えることが可能である。

・地産地消について,市の産業育成の観点からも重要である。どのように市民の手に届けるか,食生活の格差問題にも関係してくるかもしれない。

・食育について,調査を行った上で,どこにターゲティングしていくか,柏市民のウェルビーイングにどうつなげていくか,戦略的議論が必要である。

(細井委員)

・以前,歯科医師会でも柏の農産物を販売している「かしわで」と京北スーパー,有名な料理研究家をお呼びして,柏の食材を活用した親子料理教室を開催して,そこで口腔の健康を伝えるイベントを実施した。参加する方は健康意識の高い方が多く,健康リテラシーと所得格差が関係してくると感じた。計画策定についても,格差の問題を反映する必要があると考える。

(橋本会長)

・自宅で地産地消の食材を使って料理するには,知識,技術,お金,時間等が必要になってくる。全てが揃っている家庭もあれば,どれかが欠けている家庭もあり,全てがない人もいる。どうすれば地産地消という形で誰もが豊かな生活を送れるようにできるのか考える必要がある。

・柏はJAが強いのは利点でもある。市民が地産地消をエンジョイできるように,行政もしくは市民同士で知恵を絞っていければ良い。

(農政課)

・農政課では農家支援の取り組みや,どのようにして市民の方に柏産農産物を知っていただくかという取り組みは行っている。収穫体験は実施しているものの,その先のことまではできていない。

・柏産農産物を活用した料理やどのように健康につなげていけるかという視点で本日たくさんの意見をいただくことができたので,一体的に計画策定を行うことで,農産物と健康を結びつけた取組ができれば良い。

(橋本会長)

・農政課としては農家の活動をどう支えるかの視点が最優先となる。地産地消をどのように健康につなげるかについては,他の部署をうまく使い,市民のウェルビーイングにつながり,それぞれの部署がwin-winになる関係で取り組めると良い。

(加藤委員)

・国立がん研究センターでは,料理教室を行っている。そこと連携して健康増進のメニュー開発等で柏市の農産物を宣伝できるのではないか。

・今までの調査研究の結果,どんなに良い栄養情報を発信しても家で反復していただかないと意味がない。実情に即した情報を提供しないとなかなか広まらないこともわかっている。

〇総括

(橋本会長)

・全世代・全地域のかたをデータで巻き込んでいく。そのために,既存のデータ・既存の他の部署の活動をうまく利活用し,それぞれのデータ・活動がwin-winになるようにすることで,健康増進計画が豊かなものになるのではないか。

・今後も専門家,市役所内の各部署の意見をうまく取りまとめ,計画を進めていただければと思う。

8傍聴

傍聴人数1名

お問い合わせ先

所属課室:健康医療部健康増進課

柏市柏下65番地1(ウェルネス柏3階)

電話番号:

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