更新日令和6(2024)年5月1日

ページID38450

ここから本文です。

柏市総合計画審議会(第2回)会議録

1. 開催日時

令和6年2月6日(火曜日)午後5時から午後7時

2. 場所

市役所本庁舎第5・6委員会室

3. 出席者

(1)委員

〔対面〕岩田委員、大竹委員、川瀬委員、木村委員、椎野委員、二瓶委員、箱田委員、林委員、深井委員、藤井委員、松清委員、宮入委員、山上委員、吉田健一郎委員、

〔Web〕志村委員、中西委員、野島委員、花里委員、松倉委員、吉田好邦委員

(20人/20人)

(2)市・事務局

小島企画部長、保木経営戦略課長、他7名

4. 議題等

(1)市民参画に係る実施報告について

(2)次期総合計画について

  • 総合計画の位置づけ
  • 将来都市像等の方向性

(3)その他

5. 配布資料

  • 次第
  • 【資料1】今年度の審議会の進め方
  • 【資料2】新総合計画策定に係る市民参画実施結果報告
  • 【資料3】基本構想の方向性

6. 議事要旨

(1)議題1 市民参画に係る実施報告について

事務局より資料2に基づき説明。続いて、委員のうち市民参画の企画に携わった学生委員から、気づいたことや課題、今後の議論に活かすべきことなどを報告した。

(野島委員)

もともと意欲のある若者が参加していることから、活発に意見交換を行っている姿が印象的であった。当事者意識を持ちにくい若者世代だからこそ、市民ワークショップのように無作為抽出による参加枠があってもよいのではないか。

地域に豊富な資源がある一方、交通網やイベント等の情報共有が不十分であるという意見も出され、ソフトとハードの両面で、ネットワークの強化が必要なのではないか。こどもアンケートの結果からは、家族や友達を優先する声が多かったことから、家族や友達など、身近なコミュニティを尊重していく姿勢を見せていくことも重要なのではないか。

地域資源と人とをつなぐ取組を重視していくべきだと思うので、市全体を博物館のように、地域資源それぞれにつながりを生んで、人が訪れて何か思い出や経験を得ていく、そんな循環を作れるような場所を目指し取り組んでもらえるとよいと思う。

また、行政と住民の間の情報共有を活発にするには、生活課題の相談などが大きな接点になりやすいことから、そういった相談の機会の活用に取り組んでいくべきではないか。

(山上委員)

柏の玄関口である柏駅周辺については、治安面など目にすることも多いが、今回ワークショップにおいて、住宅地の道路が暗く道路幅が狭いため、交通事故が多く発生しているなどの現状を伺うことができた。また、柏の葉の高層ビルに住む方や家庭を持つ方など異なる背景を持った方が見受けられ、グループごとでの話し合いで様々な意見を交わすことができた。

市民参画のような、柏市の職員の方が市民の声に耳を傾けるようなイベントは今後も行っていくべきであると考える。

(深井委員)

市民参画の中で今の柏が、活発さが少ない、活気が感じられないという意見が世代を問わず出た。活気というのは二つあり、まず一つ目は、そごう跡地の開発が進まないことなどの経済的な活気のなさと、もう一つは、地元の方同士のつながりが少ないという、人とのコミュニケーションの部分での活気が感じられないという意見が見受けられた。

一方で、こういうワークショップに参加してくれる方々は、人の意見を知りたいとか、そもそも今の柏に不満や、もっとこうしたらよいという思いがある方々であって、もちろん柏に住んでいる方の中には、現状のまま人とのコミュニケーションが少なくてもよいと考えている方もいると思う。

以上のことを踏まえて、今後、柏市として、コミュニティを形成したい者同士をつなぐような場所や、イベントの企画をすることが重要だと思う。また、イベントを行っているだけでは伝わらないので、どう発信していくのかが重要になる。人が会うとなると、カフェに行くなど、経済的な循環もしていくと思うので、人とのつながりを築く場を設けることが、どちらの面においても重要であると考えた。

(椎野委員)

今後、柏をよりよくするため、出生率というような話にも繋がっていくが、学校教育のカリキュラムの一貫として子どもたちにも考えてもらうことによって、子どもたちに興味を持ってもらう必要がある。また、働きかける必要があると感じている。

成人ワークショップでは、「多様なコミュニティから広がる温かい柏」というキャッチフレーズが多く採用され、それ以外の「財布の紐がゆるくなる町」というキャッチフレーズと比較して、シンプルなキャッチフレーズが受け入れられることに注目して、今後の計画策定において、幅広い年代層で理解される文言にしていくべきではないかと感じた。

今後に向けて、若者の視点を大切にしていくことはもちろんだが、柏駅周辺の建物の老朽化の対応と、市民と行政が定期的に関わる機会を設けていく必要性を感じている。例えば、建物の老朽化の状況を市民に実際に見てもらって、定期的なワークショップや説明会を開催したりする、特に市民に問題意識を持ってもらうように働きかける必要があると考えている。

(林委員)

このワークショップを通して、これから具体的にどうやって動いていくか、ロードマップの具体化とモチベーションを高めるためのまちへの愛着の醸成というのが、非常に鍵になってくるのではないかと感じている。

今回のアンケート調査結果から、手賀沼や、自然、友達、子どもといったワードがよく出てきたので、そういうところから、街が街らしさを持つこと、また、原風景を持つことの重要性を認識することができた。

今回は、ワカモノワークショップの後に成人ワークショップを行ったが、その過程で若者の意見や、せっかくあった独特な視点が失われてしまったと考えている。多様で、抽象的で、どんな考えでも受け入れるような案が一つあり、そこに成人のグループのほとんどが集中してしまった。

さらには、今回、若者実行委員会が立ち上げられて参加しているが、大学のゼミ活動の一環として中心を担ってくださっているものの、柏での原体験の少なさや、当事者意識などのモチベーションの違いがどうしてもあるが故に、若者がこのまちづくりに参画することの意義や意識のようなものが食い違いやすいと感じた。ゼミ外の人間が、ゼミの中で起こっていることを把握しづらい状況が生じていた。

また、どうしても大人に導かれて若者がうまく使われてしまっていると感じることも多々あり、この実行委員会内での情報の共有化はもちろん、組織体制としてはまだまだ検討が必要だと考えている。

最後に、若者の声や意見というものは、大人にとってワクワクするものである一方で、どうしても実現の可能性が低いことから、総合計画のような大きな計画には組み込みづらいと感じている。もう少し小さなプロジェクトというスケールから始めていけると、より若者の意見をまちに、まずは反映することが行いやすいと思っている。

(宮入会長)

今発表いただいた5人の方たちは、実際にこのワークショップの企画、それから実際に参加し体験されたということで、他の委員はその場に居合わせなかったので、非常に貴重なご意見だったと思う。今発表をお聞きになってご質問や意見があればお願いしたい。

(藤井委員)

市川市の総合計画の策定にも関わっていて、若い人たちや市民の声を聞いて集約しているが、同じくコミュニティというキーワードが出てくる。自治会単位で見ると、市川市の場合は自治会加入率が50%以下となっており、ベッドタウンにおけるコミュニティの希薄さという問題が生じている。柏市の場合はそこまで低くなくても、合併により、地域によって結束力の違いがあったり、新しいまちではコミュニティの枠組みも違うことがあるので、若い人たちの地域別の声みたいなものの中から、どういう結びつきや繋がりを構築していったらよいのかを、地域別にまとめると、次なるプロセスにつながるのではないか。

それから、ワークショップでも交通問題が挙がったということであるが、私も柏市で地域公共交通計画を策定する立場にある。現在、自転車ネットワークを100kmぐらい作ろうという計画はあるものの、実際7kmしかできていないという問題もある。インフラそのものをこれからも作らなければいけないが、総合計画の将来ビジョンを考える時に、今ある課題とあわせて、どこにポイントを置いて目指していくのか、そして10年間でどこまで到達できるかといった目標設定みたいなものと、それをどう実現に結びつけるかといった視点もぜひ考えて、若い方からも発言いただけるとありがたい。

あともう一点、我孫子市の総合計画にも関わっているが、我孫子市では、市長懇談会で中学生と市長が、自分たちのまちをどうするかを毎年話し合ってきて、今は大学生になったその子どもたちが総合計画審議会の委員になって、自分たちがこれまで学んできたものを、将来のまちづくりに向け取り込もうというアプローチをしている。色々なやり方があるが、若い人たちの発想で、今回課題を出していただいたのはとてもよいことである。

(吉田(健)委員)

ワークショップを企画した学生に聞きたいのは、コミュニティがあった方がよいということだが、具体的にどんなコミュニティがあった方がよいか。また、多世代が参加できる地域活動の主体は「市」なのか、あるいは他にあると考えるのか。

(山上委員)

今回、「多様なコミュニティから広がる温かい柏」というビジョンは、ワカモノワークショップで私が参加したグループの意見である。普段、近所付き合いがなかったり、本当に仲のよい人たちだけで集まってしまうので、町内会や自治会の活動にも積極的に関わっていきたいという高校生の思いから、コミュニティという言葉が出た。

(事務局)

後半の多世代が参加できる地域活動のご質問について、こちらは成人を対象にした市民ワークショップで出た意見である。複数のグループから、地域の方と関わっていきたい、例えば、多世代が参加できるイベントや参加しやすい交通の確保が求められていた。実施主体はもちろん、市民自身と想定されており、市が準備したものに単に参加するだけでなく、市民自身が実施することも想定されているように見受けられた。

(中西委員)

他自治体でも計画の策定等に関わっているが、このように若い方が積極的に発言をして意見を述べるという機会はあまりなかったと思い、ぜひ他の地域でも勧めてみたいと思った。

まず未来の柏を担う子どもと若者を育む、定住してもらうために柏ライフスタイルの環境づくりがあると書かれていたが、大学を卒業して他のまちで結婚・出産を経て、自分のまちには戻らないという現象が各地で起こっている。これを回避するためには、自分たちのまちをもっと魅力ある、住みやすい、子育てしやすいまちづくりに変革する必要があると思う。

そのためには、市民と行政との情報共有や協働によって地域課題をもっと解決していく機会を持つ必要があると思う。私どもの企業は未来を支える子どもたちの発達について研究し、柏市とも協働しているが、人口減少が起こり、少子化が加速する現状を柏市ではどのように捉えているのか。

(宮入会長)

今のご発言の内容は後半の具体的なアイディアの協議で関連してくると思うので、その際に改めてお願いしたい。

(松倉委員)

隣に流山おおたかの森があり、首都圏で住みやすいまちのベスト10に入るまちである。先ほど委員から、夜の治安が悪い、駅前の治安が悪いという話があったが、流山おおたかの森の周りは、パチンコ屋などを市で規制した上で、市民が参加した様々なイベントも行っているようだ。一方では、多様性の観点からは、お酒を飲んでみんなが集まるのも、それはそれで活気があると考える人たちもいて、若い方たちはそういう風には考えなくなったのかなと感じられた。

若い方たちから、SNSでの発信などの意見が出るかと思っていたが、実際意見はあったのか。

(宮入課長)

今の質問に関連して、今回、対面のワークショップ形式で集まった方たち以外に、SNSなどを活用して意見を収集するということに関してはいかがか。

(深井委員)

SNSという具体的なワードは出なかったが、市ではこういう取組をしていると説明したところ、市民には届いていないという意見があった。ワカモノワークショップの参加者は、基本的に市と直接関わりがあって声を掛けられた方が多く、SNSを見て参加した方はあまりいなかった。ただ、若者たちは市の情報をあえてSNSで知ろうという人はなかなか少ないと思う。グループの中でもSNSでどう発信しようかという意見よりも、自分自身が感じている不満が出てくることが多かった。

(宮入会長)

今の松倉委員のご質問は、どちらかというと市からの発信よりも、若者たちの意見をSNSを使って収集するということについて、わざわざ休みの日に集まって、意見を言おうという人たちがあまりいないかもしれないので、彼らが使い慣れているメディアで収集するといいのではないかといった意見はなかったかということも入っていたと思うが、どうか。

(深井委員)

自分たちがどう発信していくかという意見はあまり出なかった。次にワークショップがあれば、そういうことも踏まえて話し合えればよいと思う。

(林委員)

市からはSNS等でぜひ広げてほしいということは言われたものの、世界中で繋がっているSNS上で柏市民に広げるというのはすごく難しいと感じた。先ほど、深井委員が言ったように、今回のワカモノワークショップは、伝手を使って集めた方が多かったので、どうしても属性に偏りはあると思う。世代と住んでいるところの関わりとか、所属を含めてもっと多様な意見を得るという意味では、SNSはすごく最適だとは思うが、それをどう活用していくか、どうやって伝えたい人に伝えていくのかというところには難しさがあると考えている。

(松倉委員)

柏在住の若者たちの意見をSNSで集めるというよりは、柏について広く意見を求めるには、SNSも有効なのではないかと感じられた。

(宮入会長)

参考までに富山県ではウェルビーイング立県として、無料でウェルビーイング・チェックができ、このチェックを県外にどんどん広めて富山県を知ってもらい、富山県がどう見えているかという設問を聞いている。こうしたSNSの活用もあり得るかもしれない。

(松倉委員)

宮入会長の意見のように検討していただければよいと思う。

(宮入会長)

無関心な人の関心をどう高めるかが課題かもしれない。

(2)議題2 総合計画について

事務局より、資料3に基づき説明。まず、総合計画の位置づけや果たすべき機能(資料p.5~6)について、次のような意見が出た。

(岩田委員)

コミュニケーションツールとしての機能に重きを置くことは理解した。一方で、ある程度具体的な数値のイメージ、ここまで達成したいという目標もあってもよいと思う。例えば手賀沼の認知度を何%にしたいや、柏レイソルの勝率や、柏が好きという子どもの率など。

(大竹委員)

計画がコミュニケーションツールとして機能することはよいと思う。今回意見を聞いた若い方々の他に、柏市を支えている企業や、産業を支えている人々がいる。そういった声も当然含まれてくるという認識でよいか。

(川瀬委員)

ツールと聞いて、具体的な実施目標みたいな形をイメージした。子どもや若者から手賀沼というワードがよく出ていて、手賀沼でコミュニティを作ってアクティビティをするなど色々な使い方があるが、環境面でいうと、手賀沼の一番の資源は水である。だから本来は水資源についてもっと掘り下げなきゃいけない。環境面から見た手賀沼を、表面的でなく掘り下げていく計画にできればよいと思う。

(木村委員)

計画の主体を、今までトップに立っていた行政ではなく、市民にする方向に舵を切った時に、本当にできるのか、引っ張っていけるのか、結局色々なところに点在してしまうのではないか。コミュニケーションツールというのは方向性としては素晴しいと思ったが、実際やっていく時に危険性があると感じた。

(椎野委員)

コミュニケーションツールとすることには、賛成だが、先ほど委員から話があったとおり、市川市では自治会加入率が50%だったり、我孫子市では中学生と関わって、大学生になって審議会委員になる実例もあるので、柏市においても自治会とのコミュニケーションツールにすることなどにより、幅広い年代でコミュニケーションを図り、発展する機会を得ることができるのではないか。これらを踏まえてコミュニケーションツールとすることには賛成である。

(志村委員)

先ほどワークショップの報告や人口減少の話があったが、今後、市が何でも担っていくのは無理なので、コミュニケーションツールとしての機能を持たせることは基本的に賛成である。しかし、まちづくりのアクターとして、どうやって人を作るか、どうやって主体を作るかということを、一緒に考えていかないと、多様な主体の参画を促すには弱いのではないか。

(中西委員)

コミュニケーションツールとすることは私も賛成である。しかしながら、人口の減少は日本全国、世界中が今抱えている大きな問題なので、それぞれが考えなくてはならない。私どもは子どもたちのことを考えて事業を進めているので、その点柏市ではどのように考えているのか。できるだけ具体的な目標をもって進められるのがよいと思う。

(二瓶委員)

コミュニケーションツールという言葉に新しさを感じると同時に、計画がツールになるとはどういうことかが気になっている。先ほどの委員の発言で、大人に導かれているという指摘はすごく大事な視点であり、多様な幅広い属性の人がコミュニケーションを図るほど、導かれることに、注意深く進めていかないといけない。多様な主体の方々の連携と協働を促すためにどのようにコミュニケーションを図るか、どのような方が関わってコミュニケーションが育まれていくか、そうして、幅広い多世代のつながりや居場所、コミュニティづくりにつながっていくのではないか。

(野島委員)

コミュニケーションツールとして計画が動いていくのは賛成の方向である。ただ、多様な主体が関わっていく点から、意見や、向いている方向をどうバランスを取っていくのか、調整しなければいけないところもあると思うので、その過程でどのように理解を得ていくのかが重要。

(箱田委員)

計画がツールということに違和感がある。計画は、行政と市民が合意のもとに作り上げて、その方向性を示していくというイメージを持っている。また、多様な主体を、どのように想定するのか、市民、団体、事業者といっても様々であり、他にはNPO団体やボランティアなど色々な想定をしなければならない。今までの総合計画は行政各分野における施策が網羅的に記載されていて、次期総合計画は、多様な主体により共有し実現していくべき内容を記載するとされているが、ここが特徴とか、ここが重点というところを追求していかないと、どうしても網羅的な計画になってしまいがちだと思う。

(花里委員)

6ページの総合計画の位置づけの内容については基本的に同意するが、誰に対して最適化した計画にするのかということが重要であると考える。市民一人一人なのか、市民をマネジメントするリーダーに向けてなのか。また、コミュニケーションツールとすることについては、例えば、マネジメントしている人に向けて総合計画をわかりやすくした内容を別の媒体として示すこともあり得ると思う。わざわざ総合計画そのものをツールという体裁にすることで何か失われたり、従来持っていた機能が欠落しないか懸念がある。

(林委員)

計画をツールにするかということは、計画を通して市と市民が共通の目標、共通のマインドセットを持てるということが一つのゴールになる感じた。ただ、こういう市を目指していこうというビジョンが掲げられたとしても、そこから多様な主体がどう動いていけるのかは、壁や障害があると思うので、市がどうやって、市民、事業者の活動を活発化していくか具体化する必要があると感じている。

(藤井委員)

次期計画の時間軸の10年は、人口が減少していく境となっている。住民主体というキーワードで考えた時に、柏の葉では人口減少は起きず、市内の別の地域で起きるとすると、主体として元気があって頑張れる地域は当然変わってくる。この多様な主体というキーワードを色んな方たちが参画するという想いで使う分には構わないが、地域課題の解決に臨むにあたって主体に成り得ない地域が、今後当然出てくる可能性がある。そうした声をどういう形で集約するのか。コミュニケーションというキーワードでまとめる意味はわかるが、ツールとしてよいのか懸念がある。

(深井委員)

コミュニケーションに重きを置くというのは、概ね賛成しているが、計画がツールだったり、主体が曖昧になると、実現が難しくなってくると思う。これからツールとしてどうやって活用していくのか具体的な話し合いがもっと必要である。

(松清委員)

もともと総合計画は、どういう書き方がされているかは別として、基本的にはコミュニケーションツールとしての役割は常にあったと思う。市は計画を持って、こういうことをやっていくというのを市民の皆さんに発信していくためのものであったわけで、今回取り立てて、コミュニケーションツールという言葉を強調する必要が果たしてあるのか。それによってどう変わるのか、本質的なところはそんなに変わらないような気がしている。計画を作るまでのプロセスが、市民としっかりコミュニケーションをとって、考えて作られたものなのか、一緒に取り組むべき内容となっているかが問題であって、その部分をとりあえず置いて、市としてはこんなことやりたい、市民はどうか、というような話の道具としてのツールを考えるのであれば、考え方としては後退しているように思う。コミュニケーションの結果できた目標やビジョンについてしっかり取り組んでいくための場作りの方が今後は重要であって、計画はあくまでも計画であるべきだと思う。

(松倉委員)

私も計画がツールというのはすごく違和感がある。多様性のある人たちが意見を投げ込めるご意見箱的なものがあって、色んな意見をそれぞれの価値観を大事にしながら集約していく、それが計画になっていくと考えるのかなと理解した。計画が網羅的ということは、抽象的になってしまうので、今回参加している若い方たち、他にも色んな分野の方が参加されていて、例えば私は医療の専門家として参加し、小児医療や周産期医療、高齢者の健康維持のための目標や機能的なものを計画に入れていければいいんじゃないかなと思っているので、それぞれの専門の方や中心的な方たちの意見を織り込みながら、具体的な形にするものが計画なのではないか。

(山上委員)

コミュニケーションツールとして機能することに賛成する。しかし、新しい柏市を目指すことや、次の総合計画を策定する上で、ツールだと幅広い言い方に感じてしまう。市民参画のような意見交換や声を拾うような場、行政や市民、企業が関わるイベントや企画があれば、もう少しツールというよりシステム、言い方が変わってくるのではないか。

(吉田(健)委員)

一般の事業主体でいえば、この計画は戦略となる。戦略はそれを実行していくのは誰かという主体が必ず付いて回る。企業であれば、それはリソースの割り当ての話になるが、市の場合、そのようにはいかないとすると、市民でやりたい方ややれる方をどう促すか、その方たちが活動しやすいためのツールであるべきだと思う。

(吉田(好)委員)

事務局の言いたいことは、総合計画を市民とのコミュニケーションを促進するように持っていきたいということだと考える。行政は基本はマネジメントし、市民を巻き込むにはやっぱり何か、具体的な目標や、数字で表せるわかりやすいものが必要だと思う。

(宮入会長)

総合計画は自治体にとっての憲法である。このため、理念がすごく大事で、一般的に私どもが考えているような短期計画とは位置づけが違い、10年間で目指す方向を考えると、多様であればあるほどコミュニケーションが必要になる。利害関係者はバラバラで、みんな自分を見てほしいと考えている。昔と違い、住民がお上の言うことを聞く文化ではないので、今は外国人の方とか、世代間ギャップも含めて、ものすごく多様な価値観を持ってる方たちで構成されているからコミュニケーションが必要である。どうやってコミュニケーションするかというと、みんなで集まるのも限界があるので、何かの判断軸みたいなものが必要になってくる。みんなが自分の主張だけしていたら、限りある資源なので行政経営が立ち行かない。そこで一番大事なのは、将来柏市がどうなっていくのか。そこをまず押さえて、優先事項を決め、計画に落とし込んでいくことになる。

今ビジネスの世界では、ダイバーシティ&インクルージョンが必須となっている。日本では商談の際など、対面に座りA社対B社のように行うが、海外では顧客と隣合わせて座ってミーティングするとも聞く。この違いは、まず目的を合意してから会議を始めるか否かにあり、多様性を活かして、その中から最適解を見つけようとするにはコミュニケーション、それも一方的でなく双方のやり取りによって解を見つけていくことが重要である。今回の憲法的な総合計画は、10年間で変わらない総論賛成的なものを作っておいて、具体の内容はローリングしながら、1~3年で見直していく、作ったらおしまいではないと理解している。このため、ツールという言い方が気に入るかどうかは別として、市民と一緒に目指す方向について考えていく軸になるものであってほしい。もう少し説明が必要だが、考え方としてはいいと思っている。

大事なのは目指す将来像なので、皆さんがもっと必要だと思うことをぜひ言っていただきたい。

続いて、資料3の将来都市像(p.7~8)について各委員から次の通り意見があった。

(吉田(好)委員)

市民とのコミニケーションの中で、方向性を出していただくことが必要。

(吉田(健)委員)

5年後、10年後も含めてどうなってほしいかというと、経済的な盛り上がりは必要で、税収がなければ、各種インフラも整備できない。価値を作り出す主体は、当然企業でも個人でもよいと思うが、そういった方々が活動しやすい、そのための総合計画であってほしい。例えば手賀沼で何かしたい、ビジネスをしたいなど、そういったことが一番できるまちが柏になってほしいと思う。動く人をどれだけ受け入れられるか、動ける人をどれくらい増やせるか、動ける人が多いまちであるべきだと思う。

(山上委員)

市民参画を通じて、特に若者を中心に、市民の意見を重視したい。市民ワークショックで無作為抽出したように、若者も無作為に抽出してワークショップやイベントを実施することで、様々な異なる意見も出てくるだろうし、若者を中心に、もう少し市民の意見を重視していきたい。

(松倉委員)

柏市は東京のベッドタウンで昼間人口が約3割になってしまうまちで、そこに暮らす人も多く、一方で、実は柏の駅前は、柏だけでなく茨城など周りから人が集まってくるところであり、これからも人が集いたくなるような魅力を作っていかなければいけない。そこにはもちろん若者の力も必要だし、先ほど話した健康維持や、子どもを安心して育てられるような環境も大事だと思う。

(松清委員)

ここに書かれている将来像等の方向性に関して、特にこれがまずいというものはなく、問題は、これをどういうふうにやっていくかというプロセスだろうと思う。書かれている具体的な方向性自体はどうにでも解釈できるし、やっていくことはできるのでよいと思う。ただ、例えば手賀沼をはじめとして、様々な地域資源の文化や産業を繋げることで魅力的なまちを目指すことを考えた時に、手賀沼という資源も色々な面があるわけで、経済的な資源として活用していこうとすればどんどん開発を進めていくという話になってしまう。一方で、今ある自然をどう活かしてやっていくかという方向性もあって、今のような書き方をした時に、どちらとも取れる方向である。だから、もう少し具体的にどういうことをやっていくかが見えてこないと、なかなか議論できないのではないか。

(深井委員)

手賀沼に関する文章は概ね同意をしているが、地域資源だったり文化産業を大事にしてくれるのは、やっぱり市民なので、大事にしたいと思う人たちをどうやって増やしていくのかを、もう少し具体的に考えていく必要がある。

(藤井委員)

7ページの図で気になっているのは、「文化」というキーワードが2回出ていて、上の方は、新たなものを生み出す気風のような「文化」であるが、下の方は、地域資源、文化、産業など、コロナで少し途切れてきたような継承すべき柏市としての「文化」。あるいは、多様性という形で、色んな地域の方たちがいる中で、外国の方も含めて生まれてくる新たな「文化」もある。どういったところに重きを置いて、創造の仕組みとしてキーワードを入れ込むのか。同じ文化という言葉でも、視点が全然違ってくるくのではないか。

(林委員)

この将来像と都市像を見て感じたのは、ここは柏だなというか、東京から帰ってきた時に、ここ柏が自分の故郷だなと思える原風景みたいなものがあるまちになってほしいと思っている。柏をイメージした時に、柏駅東口を曲がってすぐの通りが思い浮かぶが、それは結構どこにでもある、柏じゃなくてもいいものである。私自身は我孫子に住んでいて、自分が育ってきた手賀沼とか、そういうところが思い浮かんでくるので、やはりここが自分の故郷だと思えるような、ちゃんと市民の愛着を得られるようなまちに、ぜひなってほしいと思う。

(花里委員)

これまで議論したコミュニケーションとしての軸も踏まえて考えたが、このウェルビーイングとリーディングコアのさらにその上位には、やはり多様な主体がダイバーシティ&インクルージョンの中で、様々に手を取り合いながら、一つ一つのまちの課題に向き合っていく人がいて、そういう人を育むイメージもあった方が望ましいと考えた。人々が活躍できるような都市像という視点が必要ではないか。

(箱田委員)

ウェルビーイングとリーディングコアシティということで、言葉自体はとても素晴らしい。ウェルビーイングについて、先ほどもハード面に偏り過ぎなので精神的な部分がもっとあってもよいという話があったが、私も精神的というか、福祉的な要素も説明に入るとよいと思う。説明の中で、誰もが安心して幸せに暮らせるというところで、数の多少ではなくて、あらゆる人が安心して幸せに暮らせるとは、具体的にどういうことなのかを考えていかなければいけない、そういった要素をもう少し入れられるとよいと思う。それから文化に関連するのか、つながることでヒトやコトやモノが循環するということだが、特に私は人について、資源としての人とは変な言い方になってしまうが、様々な価値を持った方々がいっぱいいるので、人がどのように次の世代につないでいくのか、意図的にどういうふうに作り出していくのかを考えられればよいと思う。

(野島委員)

地域の良さがそれぞれあるところが柏の大きな魅力でもあると思うので、その点をもっとアピールしていくことが一つの鍵になると考えている。今すでに関わっている市民の方々も多くいらっしゃるので、まずそこを大切にしていくことが大事なのではないか。

(二瓶委員)

ウェルビーイングもリーディングコアシティも色んな解釈が可能になる言葉なので、定義づけがすごく重要だと思っている。定義づけをしっかりすることと、それを十分に伝えていくことが、コミュニケーションツールとして計画が機能していくには大事ではないか。ウェルビーイングに関しては、先ほどもご発言があったが、私もハード寄りと感じている。ちなみに、私にとってのウェルビーイングは、その人らしくとか、生きがいという言葉をイメージしている。

(中西委員)

私はより具体的に起こっている事象を紹介したい。柏市でも、もしかしたら取り組んでいるかもしれないが、大阪の高槻市は、もともと京大関連の大きな土地があって、そこをまちの公園として、子どもたちの遊び場や市民の集まる広場として活用している。本当にすごいのは、市民の方々が参加して、毎週日曜日になると色々なイベントが行われて、たくさんの人々が集っている。市民が色々な行事をしたり、ボランティアで何かをやることもあり、普段は中学生や高校生がその公園に立ち寄って勉強したり、まち中の人々に、継続的に使われている公園であることが素晴らしい。もし柏市にそういう場所があば、もっと魅力ある場所に変革をすることで、住みやすい子育てしやすいまちになると考えている。

(志村委員)

図の中にも地域資源という言葉が入っていて、先ほどのワークショップの報告でも地域資源という言葉がたくさん出てきて、手賀沼も具体的に入っていてよい。手賀沼は当然大切だが、もう少し広げて旧沼南町、沼南地域の価値にも光が当てられる計画にならないだろうか。柏といえば柏駅前や柏の葉が有名で、そういったイメージもよいが、もう少し自然に光を当てることはできないか。基本構想では、都市と自然がイコールになるような将来像がよいと思う。そうすれば、ゼロカーボンも災害対応も、文化や循環といったものもみんな入ってくると思う。 

(椎野委員)

地域資源や文化、産業を前提に考えることはもちろんだが、柏市は北部、中部、南部、東部と4つの地区があり、それぞれ違う特性があると思うので、それを特に活かしていきたい。活かすにあたって、市民ワークショップであったり定期的に市民に説明することで、市民に問題意識を持ってもらうことが必要だと思う。

(木村委員)

ウェルビーイングとリーディングコアシティの重なり合っているところが気になっていて、市民ワークショップの結果に寄りすぎているのではないかと感じた。道の駅しょうなんを作る時にも、地域をどうしていくのかということをすごく話し合って、「地域資源の活用」や「地域課題の解決」というのはその度に出てきたキーワードで、すごく難しくて、解決もできていない状況ではある。この地域資源や文化、産業はつながってやっていこうということだが、これは対象も難しく、道の駅や手賀沼周辺に人を呼ぼうと思った時に、対象が外部の人になる場合もあって、観光客を増やすために、地域資源をなんとか活用して、文化産業を繋げて今まで眠っていたものを、従来価値の磨き直しを行っていこうという、外に対するものになる一方で、柏市の方々に愛着を持っていただきたいという対柏市の住民向けで行った時に、果たしてこれが次の世代の方々に本当に魅力を感じてもらえるものなのかとか、共通の価値として本当にそこが重要なのかがなかなか難しい。地域資源や、文化、産業など継承していくべきところに、市民、多世代の方々が価値を感じて、ちゃんと注力してほしいと思う。市民ワークショップに出た方はすごくモチベーションが高いが、普通に暮らしている方はなかなかそこまで深く考えることはないと思うので、どうやってアプローチしていくかがすごく重要だなと感じた。

(川瀬委員)

まちへの愛着や原風景というのは、すごく大切なことで、ウェルビーイングにつながっていくと思うし、私自身も手賀沼が原風景で大切にしたいという想いから、活動にずっと参加してきた。手賀沼で経済的なビジネスをやろうという意見は出たが、手賀沼の豊かな自然環境を壊したくないという方と、手賀沼をビジネスにして活動したいという方が大きく相反するところもある状況。手賀沼にかかわる多様な団体・市民が将来像を共有し、コミュニティーを立ち上げるなどして新しい価値を創造していくことが重要になってくる。

(大竹委員)

ウェルビーイング、リーディングコアシティの理念に、基本的には賛成である。具体的に今後、計画の中で目標みたいなものが定められ、その目標に対しても皆さん考えがあるのではないかと思っている。ウェルビーイングという言葉からして、幸せを感じる、満足感を感じるという、人が感じるような視点を忘れないでほしい。

(宮入会長)

チャットのコメントで、ウェルビーイングには「シティ」が付いていないという指摘があったので、事務局にて検討をお願いしたい。

(岩田委員)

7ページの図についてはワークショップから得られたキーワードがよく盛り込まれていると思う。気になる点が3つあり、一つ目は、リーディングコアシティの円の方が小さいのはなぜかということで、同じ大きさの方がよいと思う。二つ目は、表現としてハード面とソフト面を整理して見せるのか、混在させたるのかはわからないが、考えとしては整理した方がよいと思う。三つ目は文言について、7ページの図を見た時に、これが柏とわかるだろうか。例えば我孫子や松戸のまちづくりと言われてもそうだなと感じると思うので、これが柏のまちづくりの要素だとわかるような柏独自の視点や文言、具体的な地名でも、柏だとわかるような特徴が入っていると柏市民としては嬉しい。

(宮入会長)

活発なご意見をいただき感謝します。本日のご意見を踏まえて事務局で検討いただき、次回の審議会で示していただきたい。

(3)議題3 その他

次回以降の日程について、第3回審議会は、3月26日で設定しており、新年度令和6年度の開催時期に関しては、本日の会議終に改めて新年度の日程について調整を行う。第4回目の開催については、令和6年5月中旬、第5回目については6月下旬を予定している。

関連ファイル

お問い合わせ先

所属課室:企画部経営戦略課

柏市柏5丁目10番1号(本庁舎3階)

電話番号:

お問い合わせフォーム