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感染性胃腸炎
感染性胃腸炎とは
感染性胃腸炎は冬に流行することが多く主にウイルスなどを原因とする胃腸炎の総称です。
原因となるウイルスには、「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「サポウイルス」、「アデノウイルス」などがあります。ノロウイルス・ロタウイルス等を原因とする感染性胃腸炎は、感染力が非常に強く、わずかにウイルスが付着しているだけで、食品、人、手袋や床、ドアノブ、便座などさまざまなところから感染するおそれがあります。
症状
潜伏期間は、1日から2日程度です。おもな症状は、嘔吐や下痢です。腹痛や頭痛、食欲不振、発熱等が見られることもあります。
一般的に、軽症で1日から2日で症状はおさまりますが、まれに抵抗力の弱い高齢者や乳幼児では重症化する場合や下痢等の症状により脱水が起こる可能性があるため注意が必要です。
感染経路
- 感染者のウイルスが含まれる便や嘔吐物が手に付くことによる接触感染。
- 糞便や吐物が乾燥し、空中に舞い上がったウイルスを吸い込むことによる感染。
- ウイルスに汚染されたカキなどの二枚貝を生、あるいは十分加熱せずに摂取することによる経口感染。
- ウイルスに汚染された井戸水を十分消毒せずに飲むことによる感染。
感染可能期間(人に移す可能性がある期間)
症状がある時だけでなく下痢等の症状が治まっても通常1週間程度、長い時には1か月程度、便や嘔吐物からウイルスの排泄が続くことがあるため、症状が改善したあとも注意が必要です。
感染を予防
- 食事の前やトイレの後は必ず手を洗いましょう。
- 食品は中心部までしっかり加熱調理しましょう。(85度から90度で90秒以上加熱)
- 調理器具等は洗浄・殺菌して使用しましょう。
- 汚染された衣類は適切に洗浄・殺菌しましょう。
□85度・1分以上の熱水洗濯もしくは塩素系漂白剤による消毒が効果的です。(※色落ちすることがありますので注意が必要です。) - 嘔吐物や便の処理をする際はマスクや手袋を着用しましょう。
□患者の嘔吐物を処理するときは使い捨てのエプロン(ガウン)・マスク・手袋を着用する。
□便や嘔吐物はペーパータオルなどで乾燥しないうちに速やかに処理する。嘔吐物の付着していた場所を浸すように塩素消毒剤でふき取る。
□ふき取った嘔吐物や手袋はすぐにビニール袋などに入れ密閉して廃棄する。(この際、ビニール袋の中に0.1%の次亜塩素酸ナトリウムをしみこむ程度入れておくとよい。)
□嘔吐物等の処理中、処理後は必ず換気をする。
□処理後はせっけんで丁寧に手を洗い、うがいをする。
□処理をする人は最小限の人数で、近くに人を近づけないようにしましょう。
消毒薬の作り方
ノロウイルスは、逆性石鹸やアルコールでは効果がありませんので、次亜塩素酸ナトリウム溶液(塩素系消毒剤もしくは、塩素系漂白剤)を使用してください。
なお原液は一般的に6%のものが多いようですが、しっかり濃度を確認してから薄めてください。
消毒薬は多くのメーカーで製造販売されており、商品名も多くあります。お買い求めの際に、薬局の薬剤師にご相談ください。また使用前には「注意書き」をよく読んでから使用してください。
厚生労働省ノロウイルス食中毒予防対策リーフレットより抜粋(PDF:1,116KB)
作った消毒液は、時間の経過とともに効果が減少していきます。こまめに作って使い切ってください。(原液は、密封のうえ、冷暗所で保存してください。)
汚れた雑巾を消毒液の中に入れると、次亜塩素酸ナトリウムを消費して消毒効果が著しく減少します。バケツなどに消毒液を入れて使う場合は1回ごとに入れ替えてください。
消毒液を扱うときの注意!
- 使用するときは換気を充分に行ってください。マスクを着用することをお勧めします。
- 有毒なガスが発生しますので、酸性のものと絶対に混ぜないでください。
- 皮膚への刺激が強いので、直接触れないよう、ビニール手袋などを使用してください。
- 消毒液は、濃度が高いほど有効ですが、反面、金属がさびたり、漂白(変色)作用が強くなったりしてしまうので、注意してください。(金属に使用した場合は、消毒後、水で洗い流すかふきとるようにしてください。
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