更新日令和5(2023)年6月22日

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令和5年度第1回柏市総合教育会議会議録

1 開催日時

令和5年5月29日(月曜日)14時00分から15時00分まで

2 開催場所

柏市役所本庁舎3階庁議室

3 出席者

(1)市長及び教育委員会

  • 柏市長 太田和美
  • 教育長 田牧徹
  • 教育長職務代理者 牧田謙太郎
  • 教育委員会委員 森秀夫
  • 教育委員会委員 氏田青津子
  • 教育委員会委員 渡部麻有

(2)事務局

  • 副市長 加藤雅美
  • 総務部長 飯田晃一
  • 教育総務部長 原田明廣
  • 生涯学習部長 宮島浩二
  • 学校教育部長 三浦邦彦
  • 教育総務部次長 松澤元
  • 行政課長 橋本賢一郎
  • 教育総務課長 籠希世子
  • 学校教育課長 伊藤正則
  • 指導課長 中田敦子
  • 児童生徒課長 石井剛範
  • 行政課副参事 杉森弘
  • 教育総務課副参事 浦上義史
  • 学校教育課統括リーダー 野口初
  • 児童生徒課統括リーダー 関根典和
  • 児童生徒課主査 小林昌哉
  • 他5名

4 傍聴者

4名

5 議事

  1. 学校の校則について
  2. その他
  3. 事務連絡・次回の開催について

6 議事(要旨)

議題1 学校の校則について

事務局(児童生徒課主査)から資料に基づき説明を行った。主な協議内容及び委員からの意見は次のとおり。

(牧田委員)事務局の説明のとおり、理想的にはそうかもしれないが、やはり実際に学校の先生方や、或いは制定権がある校長先生の方で、この校則が必要かどうかということをきちんと精査することが大事だと思う。資料1の一番後ろ 15ページに、制定した背景等についても示すとあるが、端的に言うと、制定した目的を示さなければならない。なぜその規制をするのか、なぜその校則があるのかという目的がないと、その規制の存在意義が本来ないので、背景ではなく本来の目的をきちんと明示してあげるべき。目的があれば、おそらく今ある大抵の校則は、何故このような校則があるのだろうということで、自動的に失速し、もうこれはやめようということになると思う。

 例えば、資料2 学校生活の約束(例)の中に、防寒具、コートは、黒、紺、灰色の無地のものとし、スクールコート、Pコート、ダッフルコートとするとあるが、例えば、季節的に防寒はいらないが、台風で横殴りの雨が降ってきたという時、親から合羽を着ていった方がいいと言われ、合羽を着ていった。ところが、その合羽が、最近流行っているような、働く方々が現場で着ている、非常に性能がよくオレンジ色の視認性の高いものであった場合、校門で、なんでオレンジの合羽を着ているのかと言われる。これを指導できるのか。防寒具ではないので、校則に記載されていないから着てはいけないと考えるのか、或いは記載されておらず禁止されていないから着てもよいと考えるのか、そこから実は曖昧だと思う。法律的な考え方、例えば刑事法で制限するのであれば、規制することが書いていなければ、原則それは規制の対象外という考え方になる。そうすると、オレンジ色の合羽を着ていってはいけない、着ていったらペナルティーがあると書いていなければ、オレンジは本来着ていっていいとなるが、学校現場ではおそらく、校則に書いていないものは着てはいけないという指導が行われると思う。それは一般社会の規制のあり方として本当に常識なのかどうか、学校の常識は社会の非常識ではないのかと非常に懸念される。目的を考えてやりましょうとすると、雨が降っている日に合羽を着てもいいと誰でも思う。そして、外で仕事をする方が普通に着ている市販の合羽を着ていく。そうすると、次の雨の日に、全然違うもっと派手なものを子供が着て来て、さすがにそれはまずいのではないかとなった時、でも、この前の雨の日に○○君はオレンジ着てたじゃないかとなる。この辺はもう社会の変容というか、大人の世界でも混乱していることが子供の世界にも持ち込まれるということだと思うので、すぐに解決できないが、絶対に守らなければいけないのは、校則の目的は何かというところに立ち返って考えること。その校則は何を目的としているのか、その目的があれば、例えば横殴りの雨の日に風邪をひかないように着ていった合羽は問題ないけども、全然関係のない日に、ただ目立とうとして変わったものを着るのは教育的にはどうだろうということがすぐ判断できると思うので、そこはやはりブレてはいけない。まず学校の先生方や校長先生がブレないということが非常に大事だと思う。そしてそれを生徒に問いかけて、学校はこのように考えるけれども君達はどうだと必ず意見を聞くことは非常に大事なことで、学校と生徒と、その相互理解を通じて、双方が納得できる校則が初めて生まれると思う。ただでさえ忙しい先生方にこのようなことをお願いするのは非常に難しいが、自分たちのことをいろいろ考えたり、唯々諾々と規則があるから従いますという大人を作らないためにも、一つの教育的な機会だと思って、学校自身も、先生自身も、そして生徒や保護者自身も物事を考える一つのきっかけだと思うので、この体制見直しは是非やるべきだと思う。繰り返しになるが、その観点としては、目的は何かということをきちんと明確にして、誰から問われても説明できるようにしておかなければいけないと考えている。

(森委員)校則について、メリットはいくつかあると思う。一つ目は、授業前、チャイムが鳴ったらちゃんと着席するなど、基本的な社会的ルールを教える。法律に従うという練習になると思う。また、自転車走行する際はヘルメットを着用するとか、自転車に反射板を貼るなど、このようなことは生徒の事故を防ぎ生徒の安全を守ることにも繋がっていると思う。ただ一方で、事務局の説明で、生徒が自主的に考えて行動するという観点があったと思うが、実際にはそのような校則になってはいない場合が多いと思う。今回のことについて、私が大学で教えている学生と話をしたが、例えば、白い靴下を履かなければいけないという校則が何故あったのかわからないと。特に部活動をやっている生徒にとっては、白い靴下はすごく汚れてしまい見かけも良くなく、お母さんが洗うのも大変。そういった基本的なところに、実態に即してない規則がいくつかあると思う。なので、規則に定められてるから駄目、駄目なものは駄目というような頭ごなしの言い方ではなく、資料1の最後に、自主性が原則であることを念頭に絶えず見直し等をしていくとあったが、学校のホームページに校則を掲載しているのは中学校21校中13校しかないということは、なかなかそのあたりが徹底してないように思われる。ホームページへの掲載が全ての学校で行われるとか、常設の校則検討委員会が全ての学校で設置されるということが前提になると、その生徒の自主性であったり、内省を促すような指導に変わっていくのではないかと思う。

 もう一点、制服について。制服はやはり少し高価なもの。私は中学校の時に20センチぐらい身長が伸びたが、中学校一年生の時に買ったものが、三年生の時にはツンツルテンになってしまったが、なかなか値段が高くて買い替えできなかった。制服の値段についても何らか検討する時期だと思う。また、SDGsの観点からの制服のリユースについても生徒に周知し、買い替えなくてもこのようなリユースのサービスがあるなど、そのようなことも市を通して動き始める時期だと思う。制服についても検討してもらいたい。

(氏田委員)校則について考えた時、私は基本的に学校とは一体どういうところなんだろう、誰が主役なんだろうと一番先に思った。やはり学校の主役は子供たち。この子供たち一人ひとりの自己実現をきちんとやっていくのが学校教育だと思っている。ただ、学校は集団教育なので、この集団教育ということを考えると、やはり決まりはある程度必要と思う。一人ひとりの子供たちを、一人ひとり安全に自己実現させていくためには、それ相当の決まりも必要だと思う。ただその決まりは、時代により変わっていくもので、環境によって、こっちの学校では良くてもこっちの学校では…ということもあるかもしれない。その学校の置かれた状況により変わっていくのは当然だと思う。思うこととしては、一つは、いつの時代でも変わらないもの、これはすべての子供に身につけさせていかなくてはいけないことかなと思う。あと、制服や頭髪のことなど細かいところについては、学校の実情に合わせることは難しいようだが必要だと思う。ということは、もしかしたらこの校則によって、学校の校長先生のリーダーシップ、それから学校運営が一番問われるところではないかと思っている。これから先、文科省の学校教育の目標も、個別最適な学びと協働的な学びをきちんと保障すると。個別と協働的なということは、やはり子供たちは社会の中で、人が人の中で育っていくものという考え方があると思うので、やはりそれなりの決まりごとは必要と思っている。このところ街中や公共施設でたまに見るようになって変わってきたと思うことがある。それは、女の子のスラックスで、これは制服だなと思うような姿の子も見かけるようになった。そういうところから見ても、やはり時代とともに変わっていくのは当然だと思う。それから、先ほど制服の話があったが、私ごとであるが、私が中学校の時の制服は姉からの譲りだった。中学校3年間、高校3年間は非常に大きく成長する時期で、本当にもったいないと思うような時もあったので、そのようなリサイクルがきちんと循環できれば本当に良いと思っている。

 最後になるが、校則は校長が決めるということなので、やはり校長の学校運営が一番問われるところと思う。学校の主役は子供なので子供たちの声、それから指導する先生たちの声、それから保護者の声、それから地域の声、今、学校運営協議会が立ち上がっていると思うが、そのようなところを活用し、あらゆる声を通して随時見直し、誰のための学校か、子供のための学校であるということを念頭に置いて考えていくべきと思う。

(渡部委員)今年度から、私の娘が通う中学校でも、制服の表記が変わり、Aタイプ、Bタイプという形となり、男女という区別がなくなった。それもあってか女子生徒がワンピースではなくてスラックスを履いている姿が、入学式でも自然な光景になっていた。女子と男子の表記がなくなり自分に合ったスタイルを自由に選べるということはすごく大きな一歩だと感じた。けれども、自由と個性を尊重するといっても、やはり校則で決まりがあることは大事だと思っている。今回のことで、娘に校則があることについてどう思うか尋ねてみたが、二人とも無くして欲しいとは思わない、逆にあった方がいいと思うというような意見を言っていた。自由になると、どうしても歯止めがきかなくなってしまったり大変になりそうと子供なりに感じていると感じた。

 私の勝手な考えだが、校則を破ってしまう子は、やはり心のどこかで自分を見て欲しい、構って欲しい、認めて欲しいという気持ちがあるので、ちょっと反抗してみようかなという気持ちになるのだと思う。校則を破ったからということで、先生方もただ駄目だよと叱るだけではなく、反抗する子供がどうしてそういうふうにしてしまったのかという気持ちに寄り添ってみたり、家庭とも協力しながら、その子が違った形で自分を表現できるような場を与えてあげて欲しいと思う。そのことが少なからずいじめとか不登校とか、そのような問題にも関わっていくのではないかと感じる。校則があって、自由にできないから学校が楽しくないと感じてしまう子もいるかもしれないが、そういうわけではなく、やはり社会に出れば守らなければいけないルールが必ずあるということを教えるためにも大切な準備だと思うので、校則は大事だと思う。けれども、校則がこうであるというふうに子供に押し付け過ぎないで、制服の表記が変化していったように、子供たちの意見を聞いたり、時には保護者側にも校則に対する意見を聞く機会がもっとあってもいいとも思う。そのように試行錯誤しながら対応していって欲しいと思う。

(教育長)先ほど事務局から柏の中学校の学校生活の約束の説明があったが、これを読むと柏の中学校はこんなに厳しいのか、こんなことまで決めているのかと思われる方もいるかもしれないが、これは、あくまでもいろいろな学校のものを集めてきて、まとめて、付け加えたものであって、これがすべての学校で使われているということではない。今、柏市の中学校の決まりはどんどん見直されてきており、私は相当進んでいると思っている。かばんが自由の学校や、靴も自由という学校もある。また昨年か一昨年に、衣替えがなくなった学校もある。自分の判断で暑ければ脱ぐ、寒かったら着る、これが学校のルールというところも出てきている。また先ほどもあったが、AタイプBタイプと、男女別の制服ではなく自分で選べる制服という学校も出てきている。

 自分の経験から説明すると、昭和50年代に入った頃、中学校は校内暴力ですごく荒れていた。それに対応するために細かなルールを作る必要があった。なぜかというと、教員によって指導の差が出ないということで、ルールがこうだからといえば簡単だから、そのような理由だったと私は思っている。教員の指導の差が出ないようにするために、非常に細かくルールを作り、言葉は悪いが、それに子供たちをがんじがらめにした。これは教員側の発想で、指導が楽だから。でも、それではさすがに駄目だろうと。校則で縛りつけたり、時代に合わないような校則はどうなんだろうという議論が平成になってから起こり始め、校則の見直しというのが全国的に始まったと思われる。その時に、教員側からトップダウンで子供に下ろすのではなく、資料にもあったが、校則検討委員会というものを立ち上げ、そこに子供や保護者、地域の人を入れて、学校のルールを決め直しましょうという動きが出てきた。それが今も続いている。ここに来て、またいろいろな校則についてマスコミで取り上げられるようになってるようだが、一部には、このことにまるで対応せず、昔からの旧態依然のものをそのまま続けている学校が少なからずあるということだと思う。柏市については随分見直しをしており、今後もしていくと考えている。先ほど教育委員からあったとおり、一定の集団がある限り、決まりやルールは絶対必要であると考えているが、これは皆さんも同じだと思う。ただやはり、なぜそうなのか、その目的は何なのかということを周知しないままずっと来たという実態があるので、そこはこれから学校現場で意識を変えていく必要があると思う。今、生徒手帳が無い学校が結構多くある。昔は生徒手帳に校則がたくさん、何ページの何項目のように書いてあったが、今、生徒手帳そのものがない学校も増えてきている。では、いろいろな決まりやルールをどのように周知するかというと、入学時に子供たちを集めて、こういう学校生活をしようという、要するに心構えのようなもので生徒たちに呼びかける、そのようなスタイルになってきている。それがいつの間にか校則というように捉えられているかもしれないが、先ほどの牧田委員の意見のように、何のためにこのルールがあって、どういう目的でこのルールを設定したのかというのを子供たちにしっかり説明すれば、ほとんど理解してもらえるような内容になっている、今はそのようになっていると思っている。ただ、時代は変わっており、一年ごとにいろいろな状況変化があるので、今もLGBTQとかいろいろな社会の変化が出ててきているので、学校はこれからもそれに対応していく必要があると思っている。

(市長)私は、不登校対策という観点からも、校則を見直す必要があるのではないかと思っている。文部科学省の不登校の原因調査において、いじめや友人関係、学業の不振、無気力など、様々な不登校の要因が調査結果から明らかになっているが、その中に学校の決まりをめぐる問題からも不登校に陥っている生徒がいるということを見過ごしてはいけないと思う。これは今年の2月に市長への手紙に届いた児童の声であるが読み上げる。

 初めまして。私は今小学校の4年生です。私はあと2年で、柏市立の中学校に進学予定です。ただ、来年進学する兄の中学準備を見ていて、中学校の女子の制服にズボンがないことを知りました。私は、女子だからスカートを履かなくてはいけないと決めつけられるのはとても嫌です。それとお母さんに聞いたら、柏の葉中学にズボンの制服があることを聞きました。でも私が住んでいるところからは通うことができないということを知り、とても悲しい気持ちになりました。私のように、スカートを履きたくないと思っている女の子達が、住んでいる場所によって、ズボンに替えられる子と替えられない子ができてしまうことがとても悲しいです。すぐに制服を変えることは難しいのかもしれません。それならジャージでの登校や私服での登校を考えてみてください。女子だからこれと決めつけられる学校が無くなることを望んでいます。ズボンの制服をよろしくお願いします、というもの。

 実は私も小学校時代に、同じようなことを思っていた。最近小学校の卒業文集を見直してみたが、私もそこに中学の制服でスカートを履きたくない、だから中学生にはなりたくないと書いてあった。スカートを履きたくない女の子は昔からいる。女の子だからといって、ずっとスカートを履き続けることに違和感を感じる子もいるし、寒さ対策、痴漢対策からもスラックスを履きたいという子もいると思う。こういう人たちに対し、LGBTQや性的マイノリティーという言葉を使い特別視することが必要なく、性のあり方の多様性というのはもっと広く緩やかに認められるべきではないかと思っている。手紙をくれた児童の保護者には、次のように返答した。まず、校則は、学校ごとに校長の判断で定められていること、市教委としては様々な場面で積極的な見直しを促していること、当該中学校においては、毎年校則検討委員会を発足し、積極的な校則や制服を含めたあり方や内容について協議をしていること。しかし、制服について、すぐに変更というわけではないが、検討事項としては挙がっているということ等を説明した。市教委としては様々な場面で積極的な見直しを促しているということだが、先ほどの説明にあったように、スラックスを導入してる学校は、現在、柏市では2校しかない。そして、実際の対応として、個別対応でジャージ登校等を可とするという考えを話したそうだが、個別対応だと当該生徒が少数派となるため目立ってしまうことは否めない。このように、不登校の理由になるような制服は、私は今すぐ変えるべきだと思っている。そしてこの制服の見直しということが今急務になってきていると感じている。そもそも制服は必要ない、必要なのかという議論もあるとは思う。もちろん制服を着ない自由があってもいいと思うが、柏市として誰一人取り残さないという理念を掲げて不登校対策に取り組んでいるからこそ、多様性の時代に合わせた制服の選択肢を広げて、見直しに取り組んでみてはどうかと提案させていただきたい。

 ただいまの各教育委員、そして私の意見を踏まえて、さらにご発言があればお願いしたい。

(牧田委員)行き着く先は、制服は何で必要なのかということになるかと思う。小学校の時はほとんどの学校に制服はなく、柏市立の学校にはない。それから、中・高はほとんどの学校で制服があり、大学はほとんどに制服がない。なぜこの時期にだけ制服を着るのか。発達の段階で、集団生活に適応しましょうということになるかもしれないが、本当に制服がいるのかということをゼロベースで議論しなければいけない時期に来ていると思う。自分たちの子供の頃と比較すると、かえってミスリーディングなことにもなるのであまり言わない方がいいとは思うが、子供たちのいろいろな気持ちを踏まえつつ、本当にそれはいるのかということで、余談を廃した議論が求められていると思う。

(氏田委員)高校の話になるが、生徒の意見で一度制服を全部廃止したが、その後、その学校に生徒が集まらなくなってしまい、またもう一度制服を見直したというところがあったと記憶している。いきさつをあまり詳しく知らないので、こういう事実があるということだけだが。

 あと、自分の経験だが、高校生の時、雪国だったのでスカートではなくズボンを履いてもいいかと申し出たら、異装届を出すよう学校から言われた。私は本当にびっくりして、みんなが寒くても我慢しているのはこういうことだったのかという記憶があるが、やはり環境、それから発達、それからそれぞれの特徴に合わせて選べることができるような形であればよかったのではないかと思っている。

(渡部委員)制服が必要かということになると、保護者側の意見としては、やはり制服はすごく高いものなので、買うとなると準備も大変で、経済的に厳しいということもあると思うが、私服ということになり、子供たちが自由に登校となると、またそこにもあの子はああいう服を着ているとか、競争というか経済の格差のようなものが生まれてきてしまう。あの子の洋服は変だねということが広がり、いじめに繋がってしまう可能性もある。そのため、制服はあることを前提として、自由に選べることを進めていく。スラックスなど、スカートではないものを自由に選択できることを広めていくことから始めて欲しいと思う。

(森委員)先ほど、制服の値段が高いという話をしたが、制服は夏は暑くて冬は寒いというものだと思う。今、夏がすごく暑くなっているが、その中でもかなり厚手のものを履かなければならないというのは、時代に即していないのかなと思う。逆に大人のスーツは、安くて軽量なものが結構増えている。制服業界の事情もあったりするかもしれないが、そのあたりも学校側でも検討していく時期だと思う。例えば、今、私服かどうかというような議論も出たが、私服にしても、例えば靴下が黒、白、グレーで、特定しないということで、例えばズボンを履くのであれば黒、白、グレーのズボンで、上は白かグレーなどというような指定でも、結構落ち着いた色合いになってくると思う。値段設定も、今はいろいろなものが出ているので、そのような考え方もあると思う。

(市長)私も制服を一気に無くしてしまうのは、まだ少しハードルが高いところがあると思っているが、ただ、それを排除するわけではなく、スラックスであったり、男女表記なしのABタイプ表記とか、そのようなところから選択肢を広げていくことから始めていく必要性があると思っている。ABタイプ表記も、まだ21校中9校しかないということで、教育長は柏市の学校は校則の見直しについて相当進んでいるという意見だったが、捉え方の問題かもしれないが、私からすると逆に21校中9校しか進んでいないというように思う。常設の校則検討委員会も21校中13校しかなく、学校ホームページへの掲載も21校中13校ということで、市内でも学校長によってスピードの差が出てきてしまっているように思うが、実際、現場ではいかがか。

(教育長)私は校則の中で最後に残っているものは制服ではないかと思っている。それは各学校の中学校の校長先生も同じ思いで、各学校が個別にやっていると時間も労力もかかるので、柏市として、校長会を巻き込んで一緒にやっていくのがいいと思っている。先ほど、委員、市長から意見があったが、選択肢を広める、これがまず第一と思っている。いろいろな人がいるので、自分の考えに沿っていろいろな制服を選べるというのが基本になってくると思う。これから教育委員会が学校をサポートして強力に進めていきたいと思っている。

 先ほどの制服の話について、参考として、今から三十数年前に豊四季中学校が開校した時、半年ぐらい制服が無かった。どうするかという議論が巻き起こり、もしかしたら柏市で第1号の制服なしの中学校ができるかと思ったが、結局、制服になった。これは保護者と子供たちが圧倒的に制服があった方がいいという意見だったからで、その理由は、毎日何を着るか考える手間が省けること、一度買ってしまえば極端な話3年間もつので、こんな安上がりの服はないということ。それと制服だとやはり貧富の格差が出ない、これもとても大事な要素の一つだったと思う。また、アメリカのハイスクールやジュニアハイスクールでは発砲事件が多いが、これは皆私服なので、外部から人が入ってきた時にわからない。日本の中学校、高校は、制服を着ている学校が多いので、外からの侵入者はすぐわかる、私服だから。そういったこともあるということで、安全面と経済面で、やはり今のところ制服は、日本の学校においてはかなり重要な位置を占めているのではないかと思っている。ただ、安くしなければいけない。また、いろいろなものを選べるようにしなければいけない。これはこれからの大きな課題だと思う。教育委員会で、ぜひこれは大きなテーマとしてこれから考えていくつもりだ。

(市長)保護者の方たちや生徒の方のご意見からも、やはり制服を求める声が、今まで、過去のケースからみて多かったということだが、私もやはり、経済格差の配慮の観点からも、まだ制服を求めている方たちが多いような気がしている。今、教育長から話があったが、校則の見直しについて、結構、進まないのが制服のことだということなので、であるならば、やはり制服の見直しは学校長にとっても多分ハードルが高いのだろうと思った。今、私の方からもう一つ提言させてもらいたいが、であるならば、今、市単位で標準服を制定する動きが全国的に広がってきている。松戸市では、今年の4月から、松戸市内の中学校全20校中15校で多様性に配慮した標準服を導入し、男女ともにブレザーになり、スカートとスラックスを選べるようになった。このように、既存の制服を廃止するとか、市内の学校では必ず標準服を選択肢に加えなさいということではなく、教育長の話のように、選択肢を広げるという観点から、負担軽減策なども考えながら、このようなことも市教委として、改めて検討していってもいいのではないかと思っている。

 そして、もう一点お話したいのが、今回のこの校則のあり方というか決め方である。この間、非常に残念と感じた調査結果がある。日本財団が全9か国で行った18歳意識調査というものがあるが、自分の力で国や社会を変えられると思うかという質問に対し、それに答えた人が2割にも満たず、9か国中最下位だっという調査結果があった。これは、子供たちが多くの時間を過ごす学校において、自分の手で何かを変えたという経験が無いからだというように私は思った。自分が何かを言ったからといって結局は何も変わらないという諦めや、この社会のルールは理不尽で不条理なものというようなことを、今の校則のあり方からして、逆に教えてしまってるのではないかというふうに思っている。これからの社会を担う若者たちに、自分達でより良い社会を築き上げていこうという意欲を持たせることも学校教育の責務だと思っている。法律は誰が作るのか、もちろんローメーカーである国会議員ではあるが、間接的には国民が法律を作っていると思う。なので、自分たちのルールは自分たちで作るという民主主義の原則を、学校現場で、しっかり民主主義社会の担い手を育てる場であるならば、こういうことを教えていく必要があると思っている。しかし、現場、今の学校では、学校長の判断で校則を決めるということだったので、ルールは上から与えられるもので、そのルールは自分たちの自由を奪うものではないと教えられていると思っている。もちろん生徒を教育する目的、そして教育的意義を有するものではなくてはならないが、本来、校則は生徒の自由を守るものであり、それは本来生徒が参加して作らなければいけないと思っている。生徒が行きたくなるような学校を目指し、子供たちの意見が反映される、令和の時代に合った校則の見直しが進められることを望んでいる。

 その他いかがか。

 (意見なし)

(市長)意見も概ね出尽くしたようなのでただいまの意見を踏まえ、教育委員会でさらに検討していただくようお願いする。

議題2 その他

(市長)次に「その他」について、教育全般について意見交換をしたい。ご意見のある方はお願いしたい。

 (意見なし)

(市長)それではこのあたりで協議の時間を終えたい。

議題3 次回の開催について

 事務局(行政課)から、次回の総合教育会議は秋に開催予定とすることを確認し、開催日程は改めて調整することとなった。

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