更新日令和4(2022)年6月17日

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令和4年度第1回柏市総合教育会議会議録

1 開催日時

令和4年5月25日(水曜日)午前10時から午前11時15分まで

2 開催場所

柏市役所本庁舎3階庁議室

3 出席者

(1)市長及び教育委員会

  • 柏市長 太田和美
  • 教育長 田牧徹
  • 教育長職務代理者 牧田謙太郎
  • 教育委員会委員 森秀夫
  • 教育委員会委員 氏田青津子

(2)事務局

  • 副市長 加藤雅美
  • 総務部長 飯田晃一
  • 生涯学習部長 宮島浩二
  • 学校教育部長 三浦邦彦
  • 学校教育部理事 原田明廣
  • 行政課長 橋本賢一郎
  • 教育総務課長 新井賢蔵
  • 学校教育課長 松澤元
  • 教職員課長 福島紀和
  • 指導課長 並木孝樹
  • 児童生徒課長 藤崎英明
  • 市立柏高等学校長 中村淳一
  • 行政課統括リーダー 鵜飼信行
  • 教育総務課統括リーダー 浦上義史

他4名

4 傍聴者

4名

5 議事

  1. 柏市いじめ重大事態調査検証委員会報告書における提言等への対応方針について
  2. その他
  3. 事務連絡・次回の開催について

6 議事(要旨)

議題1 柏市いじめ重大事態調査検証委員会報告書における提言等への対応方針について

事務局(生涯学習部長、学校教育課長、教職員課長、指導課長及び市立柏高等学校長)から資料に基づき説明を行った。主な協議内容及び委員からの意見は次のとおり。

(牧田委員)いろんな提言をいただいているが、一番大きいのは時間の問題だと思う。明らかに超過時間、超過の部活動をしていたということで、生徒個人の負担もすごく大変だったと思うし、それを支える教職員も大変であっただろう。部活が生きがいだという先生もいるが、そうではない教職員も当然いるわけで、そこがまた今回のような事件に発展するのだろうと思う。残念なことに、これだけ長期間が経っているが、いまだに休日の休み等が明確化されていないことは反省しなければならない。時間の管理が曖昧であるというそしりは免れない。喫緊の課題である。我々は、市立柏高校が、特に吹奏楽を中心に、全国や世界で活躍していることを非常に誇らしく思っている。しかし、今回のような事件事故と引き換えにそれが行われているのであれば、当然あってはならないことである。教育をする機関で生徒が亡くなってしまうということはあってはならない。その視点に立って、私たちも失わなければならないこと、我慢しなければならないことがある。そこを丁寧に説明しなければ、不満がくすぶり、また後々問題があると思う。時間を制限することは当然だが、それは本当に大変なことだと思うし、校長先生や先生方が日々奮闘されていることもよくわかる。だからこそ、その努力が実るように知恵を出し合っていかなければならない。生徒一人一人、顧問の先生の意識改革から進めていかなければ、外側だけの改革では達成できないと思う。現状を維持しながら時間を制限することは難しいと思うので、必ず優勝しなければならない等の意識を改革して、教育課程で身につけた音楽に対する素養が生徒一人一人の一生の宝物になるような指導をしていかなければならないと思う。

(森委員)このような事故に至ったことについて誠に残念に思う。部活動や学校教育は自己肯定感を高めるために行われるものということが前提だと思う。一方で、部活動で成績が伴わない結果を出したり、学業成績が下がったりしてしまうと、自己肯定感が下がってしまう。また、人間は疲れていると判断能力が鈍くなるので、そういったことは極力避けなければならない。今回の提言で国のガイドラインと学校のガイドラインとに大きな乖離があると指摘されたが、生徒が自分を振り返る時間を確保できていたかという視点を持たなければいけないと思う。ある程度絶対量を見直すのか、週末1日の休みを確保するのかということは、自分を振り返るという点で必要だろう。そこをクリアにしないとなかなか先に進まないと思う。吹奏楽部は部員が多いので、演奏がうまい生徒、苦手な生徒といろいろいると思う。苦手な生徒にはそれなりに時間が必要だろうが、やっても思うようにいかないと自己肯定感につながらず、疲れたな、帰りたいなと思っても、自分が下手だから残らなければいけないというプレッシャーがかかってしまう。日本人には同調主義というものがあるので、その部分が解消されないと同じようなことが起こる可能性は否定できないと思う。人数が多い中で、先生方は大変な負担だと思うが、様々な方策を駆使してほしい。10年単位で考えると、こういった事故は形骸化、風化されるので、このような事故が起こらないためのチェックリストを作成してほしい。

(氏田委員)こうした事案が学校内で起きたことは、本当にあってはならないことだと思う。この生徒は突然亡くなったのではなく、兆候があったということなので、普段の授業の中で、生徒のちょっとした異変に誰も気づかなかったのかと思った。それが大きな問題だと思う。高校時代は、一人一人が人生を歩いていく上で、手掛かりや内面的な基盤を確立すべき時期、一番不安定な時期なので、生徒自身から相談できるようになれば、それで一つの解決になると思う。一番大切なのは、いかに私たちが、生徒自身が発出できない兆候を見逃さないで、手だて、指導ができるかどうかというところに関わっている思う。

(教育長)今回の事案について、市教委、学校が中心となって改善を進めていくことは方向性として間違いないと思う。しかし、そこで抜けてはならないのが、今在籍している生徒の気持ちはどうなのかということである。我々だけで決めても、生徒がそれに納得して、素直にそのガイドラインに従うかという問題がある。高校生にも、はっきりと言える子、言えない子がいると思う。言える子は、今回の我々が話し合っていることに対してどんどん言ってくる。でも言えない子は、つらい、苦しい、たまに休みたいと思っても、声に出して言えない。そういう生徒の気持ちを我々は考えて、子供の気持ちに沿ったものを作らなければ、ただの押し付けになってしまう。校長先生には、生徒が今回のことについてどのように考えるのかアンケートを取ってもらいたい。その結果に従うわけではないが、子供の気持ちを考慮することはとても大切だと思う。今いる生徒がやる気をなくしたり、この後に入ってくる生徒が市柏に行きたくないと思うような状況を作り出すべきではないと思う。生徒のためにやっているんだという視点がなければいけない。文言として非常に抽象的なルール、考慮するとか、留意するとか、配慮するとか、こういう文言である限り、やはり改善はできないと思う。そして、出して終わりではなく、お願いではなく指導するということが大事だと思う。

(市長)この報告書で指摘された問題点を改善するには、まずは教育委員会、そして教員の皆さんの意識を変えないといけないと考える。教育委員会には学校を指導監督する義務がある。教育委員会が変わってはじめて学校が変わっていくものだと考える。市長は、教育行政について決定する権限がないため、教育委員会や学校に自主的に指示したり指導することができない。そのため、本日この場で、教育委員との協議を通じて伝えたいと思う。この報告書では、柏市に対する提言がいろいろされているが、本日は部活動改革に絞って話したい。この報告書の中では、当該生徒の自殺の原因について、学業不振、異性問題、教職員からの指導の措置、いじめ問題及び部活動への参加の問題を抱えていたところ、そのいずれもが自殺の原因となった可能性があり、しかしそれが直接的の原因となったと特定することができないと述べられている。これをもって、部活が自殺の原因ではないと開き直る教員や教育委員会のメンバーがまだいることに驚きを禁じ得ない。報告書は、部活動が自殺の原因となった可能性があると指摘している。さらにその背景として、吹奏楽部の活動が過度であったことが当該生徒の思考力、集中力等の低下を招き、生徒の悩みが解決されないことに悪影響を与えていた可能性があり、また、吹奏楽部の活動に満足に参加できない状況が、当該生徒の自己肯定感の低下を招いた結果、相当程度深刻な抑うつ状態となり、最終的には自殺に至ったものと考えられるとしている。これに対しても、可能性という言葉を取り上げて、そうではない可能性がある、部活が自殺の原因とは言えないと考える人がいる。これだけ調査報告書の中で指摘されていても、私が言っていることが学校現場には通じていないようだ。厳しい言い方になるが、教育村というべき教職員の考え方には、世間からの大きなずれがあると思えてならない。報告書によると、吹奏楽部の正式な活動時間だけでも、文化部ガイドラインを超えている。しかも正式な練習時間は決定されたとは言いがたく、ガイドラインに比べ、平日が2時間、休日が8時間多く行われていた。さらに、朝練、昼練及び居残り練を加えると、平日は3時間30分、休日は8時間多く練習が行われていたことがわかる。このことについて教育委員会は、このガイドラインは小中学校用のため、これに沿ってとは捉えていないと発言しているが、ガイドラインには高等学校段階の文化部活動についてもほぼ原則として適用し、速やかに改革に取り組むと明記されている。この部活動の過密スケジュールの話になると、子供たちと話し合ってとか、関係者と協議をしながらとか、トップダウンではなく教員や生徒と丁寧に進めていくとの教育委員会の返答が多くある。またそれを部活を目当てで進学してくる生徒が多い、生徒自らが望んでいるということで、責任逃れをしてしまってるのではないかと思う。過労死ラインを超える練習時間は明らかに行き過ぎである。生徒を守るために、早急に部活動の活動方針に具体的な時間を設定する必要がある考える。これは生徒の命を守るために、トップダウンで進めていくべき課題ではないかと思っている。在籍する生徒の気持ちを無視することはできないし、土日は月2回にしようという検討をしていると言っているが、ガイドラインでは週1日以上となっている。本気で部活動の過密スケジュールを見直す気があるのか、部活動を見直す姿勢に手ぬるさを感じている。長時間に渡る部活動が生徒に与える影響について改めて考え直してもらいたい。例えば長時間にわたる部活動が生徒に与える影響については、長時間労働における知見が参考になるとしている。過労死自殺等の労災に関する手法や行政の現場では、一定の基準以上の長時間労働が存在すれば、健康被害と長時間労働の間に原則として因果関係が認められるという過労死ラインが存在する。この過労死ラインは、1か月当たりの総労働時間が240時間か260時間とされている。これを吹奏楽部に当てはめると、授業時間を154時間とすれば、合計346時間30分となり、過労死ラインを大きく超えている。吹奏楽部関係者や生徒自身からも、吹奏楽部の活動が生徒自身が望んで積極的に参加しているものであるから長時間にわたる練習時間でも問題ない、との意見が出されている。しかし、過労死に至った労働者の中には、長時間労働が続いている中でも、客観的には前向きな気持ちで積極的に労働する姿勢を見せていた労働者も相当数いるということがよく知られている。そういう意味で、過労死ラインとは、本人の意思や気持ちに関係なく、客観的な長時間労働自体に問題性を見い出すことに特に意味があると考えている。そして社会人に比べて、年少の高校生にとっては、なおさら歯止めが必要であると考える。そしてもう一つ。部活動が生徒を追い詰めてしまうものに、勝利至上主義がある。勝利至上主義を生徒に植え付けないでほしい。勝利を重視する姿勢が、自ずと同調圧力の中で、部活動の長時間化で生徒を追い込むことになっている。事故の背景に、勝利追求への期待から生じる自己肯定感の低下等があったことは否めない。部活動はあくまでも文化活動の機会の保障の場であり、プロのアーティストを養成する場ではない。部活優先の体制について、その弊害を指摘する教員がいても耳を傾けなかったこと、それがこうした教員の勝利至上主義であったのではないか。勝利至上主義で部活動を生徒が頑張り過ぎてしまい、過労状態、そして睡眠不足となっている。私はこの事件に関し、学校、教育委員会、市の対応が本当に間違っていたと、本当に悔やんでいる。まずは愛するわが子を亡くされた上に、さらに苦しい思いをなさった御遺族にお詫びを申し上げたいと思う。また高校2年生という若さで、まだやりたいことがたくさんある中で、自ら命をたたなければならなかったことについては、本当に無念でならない。彼の気持ちを思うと、涙がこぼれ、なかなか調査報告書を読み進めることができなかったが、この報告書を読み進める中で、彼が死を選ばざるを得なかった足取りをたどり、本当に心が締め付けられた。この報告書は、自殺事件の再発防止のために、検証委員会が合計24回の会議において取りまとめたものである。様々な問題について浮き彫りにし、なぜこのような状況になったのかという原因や取るべき対応について指摘してくれている。市はこれから、自ら命を落とすような生徒が再び出ないために全力で取り組んでいかなければならない。私たちにできることは、事件の痛切な反省に基づいて、つらい思いをする生徒をなくし、このような悲劇が二度と繰り返されることがないよう、この調査報告書に込められた思い、一言一句に真摯に向き合うべきだと考えている。

(牧田委員)最低限の枠を決めた上で、そこを遵守しなければならない段階に来ているのだろうと思う。今まで柏市が「音楽の街かしわ」という形で、市立柏高校の吹奏楽を大きなエンジンとしてきたやり方を見直さなければいけないし、それから生徒にはこのガイドラインを守る理由を丁寧に説明する。おそらく部活をやりたいと言う子ほど、部活がなかったら何ができるだろうということで疑問を持ち、自分には部活しかないという状況に追い込まれている可能性がある。そういう子に、部活がやりたいなら部活をやろうというのではなく、部活以外に何が他にできるか、大切なのかということを、立ち止まって考える時間が必要だと思う。ゆっくり考える時間があると変わってくるし、今回亡くなった方もいろんな悩みがあったけれど、立ち止まって考える時間があればまた違った結果になったと思う。部活の過密スケジュールでそれをなくしたということも提言に書いてあるので、その生徒の思いのくみ取り方を、我々も知恵を絞っていかなければならないと思う。

(森委員)提言に対する整理の中で今後の対応内容が書かれているが、ガイドラインとの乖離に対しての方向性について、あまり回答になっていない部分がある。学習時間の確保や部活動方針の見直しにおいて、弱者の視点を見られるようなシステム、練習時間の絶対量を見直すということが必要なのだろうと思う。小中高いずれの時期も不安定であり、なかなか自分の意見を持っていても言えない、苦しんでいても言えないという生徒がいるので、そういった弱者の視点を受け止められるようにするためにも、時間をある程度制限しなければなかなか前に進まないと思う。

(氏田委員)学校は組織で動いているので、生徒を中心に据えた授業がきちんとなされているかというのが気になるところである。高校は教科担任制なので、それぞれの教科は違っても、生徒という一つの視点で話し合いができるような体制、雰囲気があれば、もっと子供のことが見えてくると思う。

(牧田委員)長時間の練習に否定的なことを言ったが、休みがあって伸びるというのが当然あると思う。完全な休養を取ることで新たなアイデアが生まれたり、リフレッシュしてまた次の1週間を頑張ろうということにもなる。今スポーツの世界でも、休養日を設けることで次にステップアップするということが盛んに言われている。いろんなところで休んだり、あるいは新たな体験をすることによって、音楽に対する考え方もまた変わってくるし、いろんな本を読んで音楽のこういうところが好きだなと改めて思ったり、そういうことを通じて成長していって欲しいと思う。子供たちにプラスになるような考え方、アイディアを示して、よいモチベーションにしてもらいたいと思う。

(市長)ただ今の意見を踏まえ、教育委員会内で更に検討いただくようお願いする。報告書をいただいた以上、その提言内容等については、できるだけ速やかに検討して対応していきたいと考えているが、一方で本日も様々な意見があり、先日のアドバイザリーボードでも多様な意見が出されたと聞いているので、今後もスピード感を重視しつつも、慎重かつ丁寧な議論を行ない、改善すべきところはしっかりと改善していければと考える。特に学校教育としての部活動の在り方や、生徒の自主的、自発的な参加の確保、活動時間や休養日等についても引き続きアドバイザリーボードなどでも御意見をいただければと考える。

議題2 その他

意見なし

議題3 次回の開催について

事務局(行政課)から、次回の総合教育会議の開催について確認した。第2回の開催日程は改めて調整することとなった。

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