2017年4月の全ての記事一覧
探訪・蕎麦の道 ~ 第三回
最近、蕎麦を重点的に食べるようになって体の調子がイイです
奇怪!蕎麦人間!になるかな?と心配してたんですけど大丈夫です
これはアレですね、蕎麦の成分や栄養素が体にイイとか
低カロリーだとか、自然食品だとか、そんなんじゃないです
「ハラ減った・・・ナニ食べようか・・・ウ~ン、ウ~ン」
なんて悩むときあるでしょ?延々と
悩んでるうちにランチタイム終わった~とか
彼氏がデートで何食べるか決められない~とか
これがストレスになって体調を崩すワケです
でもね、最近のオレは違います
「ハラ減ったからソバ食べよう」
コレです、コレだけです
どうです?迷いが微塵もないでしょ?
まさにストレスフリー社会の実現です!Yeah~~~ッ!
ゴール前でシュート打つべきか、パスすべきか・・・
迷ってるJリーガーは蕎麦の教えに従うべきです
そんなワケで日々、美味しい蕎麦を探しているんですけど
柏市の旧沼南地区・手賀の杜で「杜の葉」ってソバ屋を発見
ここらは交通の便がイマイチよくない地域なんですね
でもね、だからこそ隠れた名店があったりします
そこは普通の住宅街
目隠しして連れてこられたら、絶対にドコだかわからない
「貴ッ様~!ここはドコだ!三郷か!守谷か!我孫子か!町田か!」
と叫んでもおかしくないぐらい、普通の小綺麗な住宅街
人通りは、まあざっと見た感じ、渋谷ハチ公前の千分の1ぐらい
平日ランチタイム、店には蕎麦好き(たぶん)が何人か集っていた
閑静な住宅街なのに、この集客!
さすが隠れた名店の宝庫と言われる沼南地区です
それじゃ~何を頼もうかな?
な~んてオレは悩まないんです、蕎麦はザルそばと決めてます
いわゆるストレスフリーです、ハイ
え~と、おね~さん、ザルそばください・・・え?女将さん?
いやいや~見えないですよ~お綺麗で~ホントにぃ
奥の厨房でダンナさんが蕎麦を打っているの?へぇ
ナニナニ・・・・ダンナは蕎麦を打ち続けて20年!?に、20年も!?
マジでッ?そんなに・・・ふぅ・・・とりあえず蕎麦ください
蕎麦が出てきました
なんかこう・・・凛とした佇まいです
そば歴20年の重圧、正座するしかありません
間違っても漫画とか読みながら食べられない!そんな雰囲気
では・・・イタダキマ~ス!
蕎麦が細い!うん、細いとつゆがほどよく絡むんですよ、ハイ
かといって細すぎると切れやすい・・・この加減に20年ですよ
おッ、そばつゆが具沢山系ですか、ほうほう・・・ではでは・・・
ズズッ・・・ズズゥゥゥ・・・ムグッ・・・!?
なんだコレは~ッ!この懐かしい感じィ!いわゆる走馬灯系
山寺の和尚さんが、フォッフォフォフォ、客人、さあ食べなされ
と言いながら出すような、包まれるような美味さ
わかりづらい?だよね~だよね~ズズズッ・・・うん、ウマイ
そうだ、アレだ、給食のソフト麺の感動に似てる
味じゃないですよ、感動ね、感情の部分ね
今日はソフト麺だよ、Yeah~~!のアレね
わかる?やっぱね~わかるよね~
ソバの盛りも十分ですね
フランス料理みたいにオシャレに、ほんのチョットだけ
なんてのはダメです。柏のソバ屋には実用性も必要なんです
ズズッ・・・ズィズィィィ・・・ムグンッ!
ふぅ・・・これは美味い!ご馳走様!
そば歴20年の稲葉さん、39歳です
息子さんは風早北部小学校でソバを打って・・・いや、勉強してます
奥様は松戸出身、4年前から夫婦でソバ屋をやってます
今日から、日本三大イナバと言えば
B'zの稲葉さん
イナバ物置のイナバさん
「杜の葉」の稲葉さん
ってコトになりましたので、ヨロシク~!
(つづく・・・いよいよGWですね、フフフ)
探訪・蕎麦の道 ~ 第二回
1987年・冬
オレはチラチラと粉雪が舞う、長野駅ホームに立っていた
ふぅ・・・寒いな・・・
次の電車まで・・・うん、まだ時間がある
よし、信州と言えば蕎麦だ!立ち食いソバを食うぞ!
「オバチャン、かけそばください」
「はいよ~!」
イタダキマ~ス!ハフハフ・・・ズウッ!
ムグッ・・・フッフッ・・・ズズ~ッ!
うん、蕎麦の香りが鼻腔から脳にピシ~ッとくるね
刻みネギと唐辛子も効いてるなぁ・・・
あ、ちなみにオレは万能ネギじゃなくて長ネギ派ね
唐辛子は一味じゃなくて七味派、ザルだったら当然ワサビね
んで、聖子派か明菜派かって問われたら・・・
無理ッ!これは無理ッ!オレには決められないですよォォ~ッ!
え?聞いてない?あっ・・・そうでした
ズズズ~ッイ、ゴグッ・・・うん、つゆもダシが効いてる
あのさ、蕎麦を発明したのってダレなの?
いや~でもさ、よく蕎麦の実を挽いたよね、栄養なさそうなのに
で、よくそれを麺にしたよね、で、よく食べたよね、ホントに
いや~美味しかったです、さすが信州です、ご馳走様~!
当時はこんなセーターが流行ってましたね
さてと、そろそろ電車の時間だな・・・
オレは空になったドンブリをオバチャンに手渡す
するとオバチャンがポツリと言った
「アンタ・・・いい人だね」
え?なになに?オレがいい人?
ど~ゆ~コト?何で?とオレが尋ねると
オバチャン(推定56歳、当時のオレ26歳)は語りはじめた
あのね、アタシはね、何年もココで蕎麦をつくってるのよ
毎日、毎日、寒いときも暑いときもね
で、朝一番に刻みネギを作るのね、わかるでしょ?トントンってね
でもね、たま~に切れてないネギがあるの、つながってるネギがね
でね、そのつながったネギを「何だコレ?切れてないよ」って・・・
ドンブリから捨てる人がいるのよ・・・悪気は無いんだろうけどね
そりゃ~ね、ワタシだってね、疲れてるときもあるのよ
失敗だってするわよ~切れてないネギだってあるわよ~わかるでしょ?
でもね、なにも捨てるコトはないでしょ?ネ、そうでしょ?
でね、アナタのかけソバにも切れてないネギが混ざってた
でも、アナタは捨てないで食べたでしょ・・・ん?気付かなかった?
ううん、食べたの、ワタシ見てたのよ
アンタいい人ね、ワタシうれしかったわ
はいコレ、あげるよ・・・体に気をつけてね
そう言いながらオバチャンはカウンターの下から
ちいさなヤクルトを取り出してオレに手渡した
どうやらオバチャンの私物らしい
「ほら、これ・・・お飲みよ」
よくわからないけどオレは
「いいんですか?じゃあ・・・ど~も」
とヤクルトをゴクゴクと飲んだんです
あれから30年経ちましたけど
オバチャンがフイにくれたヤクルトが心に残ってて
長野駅のソバ屋の出来事をよ~く覚えてるんですよね
で、アレは何だったんだろうな?って今でも考えるんです
たぶんオバチャンは、あのとき心が疲れてて
オレが失敗ネギを食べてくれたコトが
よほど嬉しかったんじゃないかと・・・
で、見ず知らずのオレにヤクルトを差し出した・・・
オレもオバチャンと同じ56歳になって
なんかオバチャンの気持ちがわかる気がしたんです
あのときからオレの蕎麦道ってのが始まりましたね
なんかね、立ち食いソバ屋には、他とは違う何かを感じます
カレーはちょっとなぁ・・・って時もソバなら食えます
ソバにはドラマがある!
ソバには人情がある!
ソバはアナタのソバにある!
ってコトで、またまた新しい美味しいソバ屋を発見しました
それは旧沼南地区、手賀の杜にありまして
夫婦で営む「杜の葉」ってソバ屋で・・・
え?もう時間がない?それは残念・・・ではまた来週!
(つづく・・・本当につづきます)
衝動
先週の水曜日のコトなんですけど
手賀沼ジョギングコースの桜がキレイだと聞いて
ホントに?じゃあオレ、確かめに行くよ~!
と、見に行ったんです
桜、咲いてました
確かに綺麗でした、見事な桜です
でも桜を見ていたら、なんかムズムズしてきたんです
正確に言うと桜の「太い幹」を見ていたらムズムズしてきたんです
花粉症とか、そ~ゆ~アレじゃなくて
湧き上がる衝動ってヤツです、ハイ
フツー井戸から出てくるのは貞子ですよね
で、階段を四つんばいで降りてくるのは伽椰子ですよね
で、木の陰からヒョイと顔を出すのは
美少女や美少年と相場は決まってますよね
ホラあるじゃないですか、ニコっと笑って木の陰から出てきて
木の根っこのトコに座ってる恋人を両手で目隠しして
イチャイチャを開始するアレですよ
男「ダ~レだ?ウフフッ」
女「え~誰?わかんない~!イジワル~!」
男「ウフフ、ボクだよ」
女「なんだ~靖夫さんね・・・もう~知らない!」
とか言いながらグリコアーモンドチョコを食べるアレです
そんなコトしたことあります?
オレはありません
56年間生きてきて一度も木の陰から顔を出して
カワイイ女子に目隠しなんてしたことがないなんて・・・
悔しいじゃないですか!
無念じゃないですか!
恨めしいじゃないですか!
オレだってトシちゃんみたいに、聖子ちゃんに目隠したい
三浦友和さんみたいに、百恵ちゃんに目隠ししたい
オレは桜の木の太い幹を見て思ったワケです
「今がチャンス・・・ウラミハラサデオクベキカ!」
よし、この木の陰から顔を出してウフフと笑おう
満開の桜がオレを呼んでいる
目隠ししてイチャイチャする女の子がいない・・・この際、省略だ!
一生に一度でイイんだ、夢をかなえるんだ
オレはそっと顔を出してニコリと笑った
うん、この気恥ずかしいような、テレ臭いような・・・
トシちゃんになったような、三浦友和さんになったような・・・
これが桜の魔力ってヤツ?
チチチチチチチ・・・チェリ~ボ~ム!ってヤツ?
うん、実に晴れ晴れしい気分です、満願成就です
ついにオレは証明した
木の陰から顔を出してニッコリはオヤジだってできるのだと
証人は市役所広報課のM子(27才)とN君(26才)です
今からでも遅くありません
オジサン、オバサンは木陰ニッコリ~イチャイチャをするべきです
手賀沼のほとりには、ソレをさせる魔力がひそんでいるのです
(つづく・・・今日あたり満開だよ~!)
追伸
一応、手賀沼の現場写真を掲載しておきますね
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探訪・蕎麦の道 ~ 第一回
最近、蕎麦にハマってまして
必須栄養素のほとんどを蕎麦から吸収できればイイなぁ
なんて思うぐらいハマってるんです
まあ蕎麦屋もいろいろあるんですけど
いま、オレのイチオシは3ヶ月ほど前に開店した
柏駅3・4番線ホームにある「いろり庵きらく」のざるそば
1月にもココで書いたんですけど、コレです、イヤほんとに
一昨日も朝と夜、2回食べました
で、その一昨日の朝の時の話なんですけど
オレはいちばん端に座って、ざるそば食べてたんですよ
すると男性が入ってきて店員に食券を差し出して言いました
「蕎麦で」
食券には「うどん・そば」って書いてあるので
どっちか指定する、まあよくあるシステムです
すると店員はこう言いましたね
「茹でるのに、40秒、お待ちいただけますか~ッ!?」
40秒!こ、細かい!時間指定が細かい!
さすが秒単位で運行が管理されているJR東日本経営
と、言わざるをえない
しかも設定が絶妙
30秒じゃ言ってるうちに、残り20秒になってしまい
待てる?って問いかける意味がない
でも、1分待てる?じゃあ駅そばとしては長い、長すぎる
つまり40秒ってのはホームで待つのに最適な時間なのです
ドーラが40秒で支度しなと言うのも理にかなってるワケです
男性は店員の問いかけに「いいですよ」とだけ答える
そして蕎麦が約30秒後に出てくる。うん素晴らしい
でもね、オレは思ったんです
「40秒待てない!キャンセルだ!」
なんて言う客は居るのか?そんなせっかち人間がいるのか?
いや、居ない。そもそも食券を前払いで購入しているし
おそらく店員も「待てない!」と言われないのはわかっている
じゃあ何で40秒待てますか?なんて聞くのか
それは店員さんの気配りなのである
朝のホームは時間がない。みんな急いでいる
でも蕎麦が食べたいんだ!でも40秒なら待てるんだ!
店員はそこまで客の心理を読み切ってる
で、実は注文と同時に作り始めてる
で、待てますか?の会話に10秒
で、客が着席、かばんを置くのに10秒
で、セルフの水を汲むのに10秒
さあ食うかな・・・って時に
お待ちどうさま~!
完璧だ!
店員さん、もしかしてJR東日本ナンバーワン店員さん?
だってオレには「40秒待てるか?」って聞かなかった
つまり、急いでそうな人にだけ聞いてる
あせる気持ちを落ち着かせるために聞いてる
これはアレですよ、包丁人味平が客の顔色をみて
チャーハンの塩加減を変えるシステムと同じですよ
もう天才料理人としか言いようがない
なんて感心してたら次の客がやってきた
「コロッケそば、つゆ少なめで」
「はいよ~!」
おおお、なるほどォ~ッ!そんなコトもできるのか
コレはアレです、コロッケの衣がつゆにひたって
フニュフニュ化し、金魚のエサ状態になるのを回避する技
店員「(差し出して) これでイイですか?」
お客「(覗き込んで) ああ、イイですよ~」
客もプロなら店員もプロ
いい光景を見ました
ココがいろり庵きらく。朝は満席でした。夜はすいてました
そして夜の話なんですけど・・・え?もう十分?
そうですか・・・残念です
さようなら
(つづく・・・ズズッ!ズズズ~ッ!←蕎麦の音)