更新日令和3(2021)年7月16日

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令和3年度第1回柏市文化振興審議会会議録

開催日時

令和3年6月30日(水曜日)午後2時30分から午後4時30分

開催場所

沼南庁舎5階大会議室

出席者

委員

鈴木將勝委員(会長)、香島ひで子委員(副会長)、林久美子委員、中村眞知子委員、

亀岡浩美委員、堀良慶委員、波木香里委員、塘恵里委員、熊谷珠紀委員

事務局

河嶌貞教育長、宮島浩二生涯学習部長、田口大文化課長、黒須雅子主幹、横山左千江副主幹、

大野和宏副主幹、髙橋彩友李主事、宮田瑠夏主事補

内容

(委嘱状交付)

  1. 開会
  2. 教育長挨拶
  3. 自己紹介
  4. 正・福会長選出
  5. 正・副会長挨拶
  6. 議事
    (1)令和2年度事業報告及び令和3年度事業予定について
    事務局より、資料(1)及び資料(2)に沿って報告
    (2)今後の柏市の文化振興について
    事務局より、第五次柏市芸術文化振興計画、資料(3)及び資料(4)に基づき説明
  7. その他
  8. 閉会

会議概要

(鈴木委員)

本審議会においては、第五次柏市芸術文化振興計画の第3章「芸術文化のさらなる振興の実現に向けて」に掲げられた4つの施策の柱を基に、効果的な事業展開を検討する必要がある。事務局による説明を踏まえて、実践されていることや具体的なアイデアなど意見をいただきたい。はじめに、第1の柱である誰もが芸術文化に触れることのできる機会づくりについて皆さんからの意見を求める。

(林委員)

コロナ以前から柏市音楽家協会のメンバーとして、また個々にもコンサート活動をしてきた。現在のコロナ禍では対策を講じつつ、できることを行っている。市の状況については把握しきれていない部分もあったが、事務局の説明から、前に向かって動いている様子がわかった。コロナによる状況の変化に伴い、イベントの開催に向けて計画的に準備を進めておく必要性を再確認している。

(鈴木委員)

このような状況下でも前向きに進もうとする姿勢は、物事を成し遂げる上での前提条件であると思う。

(熊谷委員)

柏市のまん延防止等重点措置が解除され、今後のイベント開催を希望している。資料にスマートフォンアプリLINELIVEの記載があったが、動画を視聴する際にスマートフォンの画面は小さいため、YouTubeの動画を視聴することが多く、一般的であると感じている。アーカイブとして残せることも利点である。イベントに参加する側のひとりとして、生の迫力を感じたい人は実際のイベントに参加し、外出が難しい人は自宅で配信を視聴し、どちらも都合がつかない場合はアーカイブを利用するという3つの選択肢を設けることを提案したい。

(文化課長)

まさに我々が知恵を出し合っていかなくてはならない課題である。直接会うことが難しい状況にあっても、生の魅力、迫力が文化芸術の原点であると思う。予算等の制約はあるが、新しい生活様式の中で様々な工夫が必要と考えており、今後も検討を進めていく。

(生涯学習部長)

コロナ禍により、これまで停滞していた配信やアーカイブに対する意識が前進したことも事実である。今後の事業展開において、生、配信、アーカイブ化の3つの柱は意識的に取り入れていきたい。

(鈴木委員)

アーカイブ及び発信方法を検討していくという意見であったが、その他にはどうか。

(堀委員)

資料(4)の右下に記載のある、郷土資料展示室企画展の拡充を検討してはどうか。市ゆかりの作家の所蔵作品の展示であれば、費用の負担もそれほど大きくはないだろう。また、市主催・共催企画展においても民間や寺島文化会館(摘水軒記念文化振興財団)などのコレクターとの共催により作品を観る機会を広げることができるのではないか。

(文化課長)

郷土資料展示室に関しては、現在開催している芹沢銈介作品の展示から今夏に開催する考古学の展示、年末にかけては渋沢栄一に関する歴史展を予定しており、年間を通して異なるテーマで企画を行っているところであるが、芹沢作品に限らず様々な所蔵作品を積極的に発信していきたいと考えている。また、民間施設との連携関係も第五次柏市芸術文化振興計画にあるように、どれだけ地域に入っていけるか、より身近で芸術文化に触れるという趣旨においても機会の拡充を検討していきたい。

(香島委員)

施策の第2の柱である芸術文化振興のための環境づくりにもかかることであるが、市が所有する作品の多くが収蔵庫に保管されているが、作品を寄贈した作家は自身の作品がより多くの人の目に触れることを願っており、庁舎等に飾られている作品もあるが、長年同じ作品であるため、定期的に交換するなど、保管されたままになっている作品の公開を望む。また、市民ギャラリーは立地も良いため、より多くの作品を公開する機会を増やしていただきたい。作品を保管している市としては、破損等の心配をしていると思うが、作品は多くの目に触れてこそ価値のあるものなので、公共施設において飾り付けることは絵画を身近に感じることできる環境づくりにもなる。

(亀岡委員)

街中で16年ほどアートラインかしわとして活動をしてきた経験から申し上げたい。まず、YouTubeの活用は必須事項である。以前は、展示会の内容を動画で公開したら来館者が減ってしまうという感覚であったが、近年は有名な美術館も動画を公開しており、閲覧者は動画をきっかけに興味を持ち、実際に美術館に行こうとする。このコロナ禍においても推進すべきことであり、同時にアーカイブにもなる。ただし、YouTubeにアップさえしておけばよいというわけではなく、常に発信し続けていかないとすぐに埋もれてしまう。昨年から文化課が公開を始めた「かしわミュージアム」はとても良いコンテンツだと思うが、当初に広報かしわに掲載されただけでは忘れ去られてしまう。広報かしわの毎号にコーナーを設けるとか常に情報を発信して忘れられないように表に出していかないと宝の持ち腐れになってしまう。また、昨年のアートラインかしわで実施した「壁画プロジェクト」は柏駅前の人通りの多い数か所の壁面に絵画アートを施す企画だったが、日常の光景の中で制作過程から公開したことで、幅広い年齢層の方々が足を止めてご覧になり、好意的な意見をいただいた。特にワークショップの段階から参加してきた高校生が作品を制作している光景に対して世代間を超えた反響があった。また、同世代の子たちの感想から、仲間意識の醸成にも繋がるという印象を受けた。地域に入っていく方法の一つとしても、多くの人の目に触れるところで実演するやり方に手応えを感じた。

(波木委員)

香島委員の意見に同感である。作者は自分が表現した作品を多くの人に見て欲しいという思いがあり、そのような場を設けていただきたい。その一方で、身近にある作品が実は素晴らしいものであるにもかかわらず、景色の一部になってしまっているものもある。それらの作品の価値を認識させるような啓蒙活動も必要と感じている。街中で作品に出会っても、そのまま見過ごしたままにしてしまうこともあるので、調べようとさせるきっかけになるような手段があれば、興味の広がりが生まれると思う。また、動画配信やデジタルコンテンツに関しては、利点は多いが、そのサイトにアクセスさせるための詮索ワードの選定や導線を上手く設計した情報発信が必要である。さらに、デジタル環境に距離を置いている方々のフォローアップも課題になってくるだろう。

(文化課長)

所蔵作品の活用にあたっては、担当としても検討を重ねているところである。第五次柏市芸術文化振興計画にあるように市民の目に触れる機会を増やしていけるよう考えている。

(生涯学習部長)

良作をきちんと紹介できる仕組みはあるべきである。街中のアートを紹介するようなものからでも良いので、第五次柏市芸術文化振興計画を遂行する上でも考えたい。デジタルコンテンツについては、行政もSNSを活用して情報を発信しているが、そのコンテンツにたどり着いてもらうやり方は苦手とする部分であるので、皆さんからの意見をいただきながら工夫をしていきたい。

(鈴木委員)

いただいた意見の中では重複する部分もあるかもしれないが、第2の柱である芸術文化振興のための環境づくりに協議を移したい。

(事務局)

市内施設の多面的な活用の文化財施設等を活用した事業の推進において、文化財施設である旧吉田家住宅を使用して「土間コンサート」を開催している。これは旧日本家屋独特の雰囲気の中でのコンサートは来場者の満足度の高さを感じられる。文化課には文化財担当があり、文化財施設を使用した活用も可能である。また、文化財施設に限らず、音楽や美術とのコラボレーションに相互の活用の可能性を見出せると思う。

(文化課長)

文化財に関しては、国における保存から活用へという流れに沿って、柏市でも文化財保存活用地域計画の策定を予定しているが、文化財と美術・芸術系とのコラボレーションを視野に入れている。柏市にゆかりのある芸術家の髙島野十郎を例に挙げると、絵画芸術と文化財を含めた地域の歴史を掛け合わせることができる。

(亀岡委員)

旧吉田家住宅はぜひ活用していただきたい。また、旧手賀教会堂で賛美歌のコンサートや古墳で古代音楽や神社で雅楽など開催できれば、音楽の裾野が広がると思う。

(鈴木委員)

そのような素晴らしい事業を行っていても、事前に市民に周知するのは難しい。文化の発展のためにも広報かしわは有効であり活用につなげたい。

(波木委員)

以前に旧吉田家住宅で狂言のイベントを主宰した際、参加者から好評を得た経験がある。このような企画があればぜひ協力したい。

(鈴木委員)

伝統文化の継承の観点からも、文化振興審議会委員同士としてできるだけ協力したいと思う。

(林委員)

旧吉田家住宅において演奏経験があるが、大きいホールとは異なった良さがある。今のコロナ禍で主催者は工夫をこらして感染症対策を施しているところであるが、今後イベントの開催条件が変化する際に後手に回らないよう、今から対応策を講じておきたい。

(中村委員)

資料4において、「柏市文化祭」の鑑賞者は高齢層とあるが、1か月半にわたる柏市をあげての文化イベントであるので、「ららぽーと柏の葉ミュージックフェスタ」など若い年齢層を対象としたイベントを取り込んで、世代間の交流や若年層の育成にも繋げられると思う。「柏市文化祭」の考え方を変えていくのも有効ではないか。

(鈴木委員)

私が柏市文化連盟の会長に就任した際に、子どもたち世代にも柏市文化祭に参加してもらい世代間の交流を深めたいという狙いからオープニングで小中学生及び高校生による吹奏楽の演奏を取り入れた経緯がある。柏市文化連盟としても、様々な課題を協議しながら世代交代を進めていきたいと考えている。

(林委員)

一昨年の「柏市文化祭」のオープニングを拝見した際に、和太鼓などの演目においても若手の演奏者が多く、柏市の中でも子どもたちが育っているという実感を抱いた。コロナ禍で発表の機会も制限されいる中ではあるが、若い世代を牽引するのも我々の使命だと思う。

(塘委員)

以前、都内で0歳から楽しめるコンサートに参加した。小中学校ではオーケストラを鑑賞する機会もあるが、未就学児や乳幼児を連れた母親層はコンサートなどの観覧も難しく、芸術に触れる機会が限られてしまう。子どもと一緒に楽しめるイベントが広がって欲しい。

(鈴木委員)

これらの意見を踏まえて、第3の柱である芸術文化活動への支援と連携・協働による文化交流の促進について意見を伺いたい。

(熊谷委員)

商業施設や民間団体との連携の促進に対して、柏駅に芸術作品が欲しいと感じている。柏駅の駅メロに柏レイソルの応援歌が採用された際に、インターネットを通して柏市内だけでなく全国的に話題になっていることを知った。最近は企業広告も減っていて駅の景色が殺風景になっているので、柏レイソルという宣伝効果はあったものの駅メロが話題に上った次には視覚的な効果として、柏駅を美術館に見立て、芸術作品を飾ることで日々の通勤時の癒しにもなるのではないかと思う。

(亀岡委員)

まさに熊谷委員の意見と同じ感覚で、昨年のアートラインかしわにおいてJR柏駅に壁画の企画を持ち込んだところ、何かトラブルが生じた際の責任の所在が障壁となり、とん挫した経緯がある。このような場合に行政が間を取り持ってもらえると効率的だと考える。

(生涯学習部長)

文化芸術の事業に関しては、支援と被支援の関係というよりも同じ仲間として共に進めていく姿勢が必要だと思っている。行政が入ることで信頼度が高まる効用がある一方で、イベントを興ざめさせる印象を与えてしまう懸念もあるので、その都度主催者との協議により、より良い方策を検討していきたいと考える。

(鈴木委員)

最後に、第4の柱である柏らしさを活かしたまちづくりの促進について、総合的な観点になると思うが、意見はいかがか。

(文化課長)

この第4の柱が第五次柏市芸術文化振興計画を今後5年間かけて進めていく上でポイントになると考えている。行政の役割として市民に密着したまちづくりがあるが、我々は文化の側面からどのように関わっていくのかが問われる立場だと思う。生涯学習部としても中央公民館や図書館及び近隣センターを通じて地域に働きかけている中で、文化行政を担う部署として、また、委員の皆さんが行っている文化活動が地域住民にどのように届いていくのか、共に考えながら進めていきたい。

(香島委員)

柏らしさを活かしたまちづくりというテーマは、文化課の管轄に留まらず柏市全体の課題である。柏市はアピールが下手だと日頃から思っている。対外的なアピールの仕方を考えないと、この場でいくら意見を出し合っても効果がないだろう。柏市をプロデュースできる人材を登用し、様々なメディアを活用していく必要がある。最近あった話題で、柏市に出現した黒い鳥のニュース報道の事例が顕著であるが、柏市というワードがメディアに取り上げられることはインターネットで柏市を検索するよりも波及効果は高いと感じている。都心に近く緑も多い音楽の街を住民が誇りに思い、対外的にアピールする方法を柏市全体として考えていただきたい。

(亀岡委員)

アートラインかしわとしても、例年10月に開催しているアートラインかしわのイベント期間中において、柏で芸術文化活動をする方々の広報をホームページや印刷物で紹介することができるので連絡をいただきたい。

(鈴木委員)

柏市を芸術文化の力で明るく素晴らしい市に導けるよう、行政に対して意見を出し合っていくのが本審議会委員の我々の責務と考える。本日は、多くの示唆に富んだ意見をいただき感謝申し上げる。これにて本日の協議事項はすべて終了とする。

傍聴人

2人

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所属課室:生涯学習部文化課

柏市大島田48番地1(沼南庁舎3階)

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