更新日令和3(2021)年2月26日

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染谷氏庭園(名勝)

概略

染谷家上から(JPG:25KB)

  • 場所
    柏市鷲野谷字稲荷内24番1ほか
  • 指定種別
    国登録記念物(名勝)
  • 概要
    長屋門等の建造物、旧畑地、屋敷林が一体となった庭園が登録記念物に登録されました。

(補足)所有者の許可なく立ち入ることはご遠慮ください。

染谷氏庭園

染谷家は、江戸時代には名主役を務めた旧家で、敷地は旧畑地の東部、主屋などの建物が建つ居住区域である西部、アラク山と呼ばれる屋敷林のある南部から構成されています。江戸時代後期から明治時代の建物、屋敷地・庭園・屋敷林・旧畑地も、ほぼ往時の構成や歴史的空間が状態良く維持されています。そのため、幕末から近代にかけて整備された旧家の屋敷地の地割や庭園の様子をよく伝える重要な事例として、令和2年に国登録記念物に登録されました。

前庭

前庭の写真(JPG:22KB)

前庭は、長屋門前に広がっており、花崗岩の切石が敷かれ、長屋門の手前両側には高木が植えられています。明治27年(1847)の銅版画『千葉縣下総國南相馬郡手賀村鷲野谷 染谷大太郎邸宅』には、屋敷入口左手に立つ古木と高札場が描かれています。

広庭

広庭の写真(JPG:23KB)

広庭は、長屋門と主屋および前蔵に囲まれています。現在は門から主屋まで切石が敷かれていますが、明治27年の銅版画では広場となっており、作業を行ったり家畜を放したりするための場所だったと考えられます。式台に向かって右手にはソテツの大株が植えられ、式台に向かう動線と座敷や土間の空間を区切っています。一方、式台の左手にはクロマツやドウダンツツジ、背後には四方竹の植栽が植えられています。これらの樹木は大正期以降に植栽されたと考えられます。

主屋南庭

主屋南庭の写真(JPG:26KB)

主屋南庭は、主屋からの観賞のために造られた庭で、カエデ類やアセビなどが植えられています。主屋から見て右手前には、雪見燈籠と自然石の石橋を設置した小規模な枯池と築山があります。また、左手前には春日燈籠と蹲踞手水鉢が置かれています。明治27年の銅版画には、主屋の南側に石燈籠などのある縁先の空間や、大正期に撤去された養老庵という茶室と、茶室に伴う茶庭が描かれています。

主屋西庭

主屋西庭の写真(JPG:21KB)

主屋西庭は、主屋と文庫蔵の間を板塀で囲った空間です。明治27年の銅版画の板塀は主屋と文庫蔵の間を斜めに区画しており、現在とは囲い方が違いますが、この庭を塀で囲うことは文庫蔵の重要性を示していると考えられます。

主屋北庭

主屋北庭の写真(JPG:26KB)

主屋北庭は、明治27年の銅版画で主屋の北側にある木柵で囲われた庭です。現在は井戸と井戸屋形跡、風呂場、メタンガス発生装置があります。井戸の掘削時期は、弘化4年の家相図から少なくとも江戸末期まで遡ると考えられます。井戸屋形は昭和後期まで建っていましたが、現在はコンクリートの三和土のみが残っています。

勝手庭

勝手庭の写真(JPG:26KB)

勝手庭は、広庭の北側・主屋の間にあります。明治27年の銅版画では、土間の東側にはシャクヤクを植えた菜園があり、実用的な空間だったことがわかります。現在は、ザクロやサンシュユ、クネンボ等の古木が植えられています。

屋敷林

屋敷林の写真(JPG:27KB)

屋敷林は、屋敷を囲う高木と、通称「アラク山」と呼ばれる井戸の涵養林で構成されています。屋敷を囲う高木のほとんどは、長屋門の西から敷地の南、西、北にかけて巡らされた土塁上に植栽されています。屋敷地北隅の稲荷社の周辺にはシラカシやケヤキの大木が立ち、その南側に染谷家の御神木とされるウラジロカシの巨木があります。アラク山は敷地南部にある小高い屋敷林で、ケヤキやシラカシ、クスノキなどの大木が林立し、井戸水を涵養する山、薪を採取する山として大切に保全されています。

旧畑地

旧畑地の写真(JPG:16KB)

旧畑地は、主屋東側の手賀沼に接する低地にあります。現在は耕作は行われていませんが、ウメの古木などが見られます。

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所属課室:生涯学習部文化課

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