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更新日令和3(2021)年2月26日
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型染の技法
型染とは、型紙を使って布の上に防染糊を置き、染液をつけた刷毛で染めるか又は染液に浸して染め、水洗いで糊を落として模様を表す染め方です。非常に細かい模様を彫った小紋や、中くらいの模様を彫った中型や唐草はその代表的なもので、日本で幅広く行われた独特の手法です。
また、型染には、型置きして模様を白・黒で染め出すもの、型置きした布に染液をつけた小刷毛で多彩に色をさして染めるもの、更に色さしした部分に糊をのせて地色を染めるものがあり、多色の型染は沖縄の紅型がその代表的なものといえます。
型染(型絵染)の工程
- 1.下絵を描く
薄い和紙やトレーシングペーパーに模様の下絵を描く。 - 2.型紙彫り
下絵を描いた薄い和紙の裏に細工ろうを塗り、型紙の表に貼る。それを表面の平らな型彫り板の上に置き、小刀を使って彫る。
【型紙】
薄い和紙を柿の渋で3~5枚貼り合わせ、更に渋を引き、室の中で燻製にして紙の伸縮性をなくす。適当な硬さになり、紙質もしまって、水に丈夫な型紙が出来る。 - 3.紗(しゃ)貼り
彫り終わった型紙の上に紗(細かい絹糸を粗く織ったもの)をラッカーで貼る。こうすると型紙が丈夫になる。 - 4.型付け
型付け用長板に真っ直ぐ布を貼り、上に型紙を置く。その上からへらで防染糊を均一に置き、型をつける。布の長さに応じ連続して型をつける。型付けの終わった布は張手(はりて)と伸子(しんし)で引っ張り乾かす。
【防染糊】材料:もち米の粉、小紋糠、食塩、消石灰
重さで半々の割合にしたもち米と小紋糠をふるいでよくふるい、これに温湯を適量加えてよくこね、団子を作る。それを蒸し器で50分~1時間位よく蒸し、こね鉢に移して素早くすりつぶし糊状にした後、消石灰と食塩を混ぜた湯で適当な硬さにゆるめる。 - 5.色さし
黄土、朱、紅殻(べんがら)のような顔料(がんりょう)を乳鉢にとり、濃い豆汁(ごじる)でよく練り、液状にしたものを小刷毛につけて色付けする部分に刷り込むように塗る。
【豆汁】水に浸した大豆をすりつぶして水を加え、布でこした液。 - 6.水元
色さしの後、充分乾燥させた布を水に浸す。防染糊がふやけるのを待って、小ほうきを軽くあてて防染糊を完全に落とし、張場に干す。色付けする部分に刷り込むように塗る。 - 7.伏糊(ふせのり)
色さしした模様の上に、筒皮に入れた糊を筒の先端から押し出して伏糊をし、防染する。 - 8.地色を染める
伏糊の乾いた布を伸子で張り、植物染料の藍の液中に浸して地色を染める。又は、張手と伸子で張った布に植物染料や顔料を刷毛に含ませて、均一に引き染めする。 - 9.水元
地色を染めた布を前と同じように水に浸し、糊を充分柔らかくしてから小ほうきで落とす。 - 10.張場に干す
染が終わった布を張手にかませて張場に干し、乾燥させて仕上げる。
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