お寺やお宮のはなし

  • 善哉庵の尼さん

    いつの頃からか、船戸に”善哉庵(ぜんざいあん)”という、お坊さんもいない荒れ寺がありました。春になると寺の庭には水仙の花が咲きました。医王寺のお坊さんが時々見まわりに来ては、水仙の花をながめました。「この庵(いおり)もだいぶ傷んできたわい。雨ももるし、柱もくさりはじめている。

  • 法林寺の大いちょう

    越後の国(今の新潟県)にひとりの尼さんが住んでいました。毎日、お寺でお経をあげたり、秋になると寺にある大きないちょうの木の落葉をはいたりして暮らしていました。ある年の秋も深まった頃、この尼さんが、たくはつの旅に出ることを思いたちました。

  • ごろが池の弁天さま

    その昔、小金ヶ原には子馬や親馬が仲よくたわむれるのどかな風景が、あちらこちらに見られました。水のみ場のある湿地帯には、水にかげをうつして暑さをしのいでいる親馬や、水面にわをえがきながら水をのむ子馬の姿が見られました。ある夏の日のことでした。

  • 水戸屋稲荷物語

    「下にいー。下にいー。」の声に合わせて、参勤交代の行列がおごそかに続いています。その行列が小金の宿を過ぎると、徳川幕府が直接おさめている広い広い小金牧(こがねまき)がひらけています。いくつもの土手でし切られ、たくさんの馬が所せましと、かけめぐっています。